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2024年9月25日水曜日

バファリン配合錠A81 販売中止と代替品



バファリン配合錠A81が販売中止となるようです。

製品販売中止の事前のご案内(エーザイ)

販売中止時期は2025年4月です。

経過措置期間は2026年3月末日を予定されています。

販売中止理由は諸般の事情です。

「半分がやさしさ」で知られるバファリンの成分であるアスピリンは、ドイツのバイエル社によって開発され、解熱・鎮痛・消炎剤として100年以上にわたり世界中で使用されてきました。日本では、ライオン株式会社が米国ブリストル・マイヤーズ社(現在のブリストル・マイヤーズ・スクイブ社)から制酸剤ダイアルミネートを配合したアスピリン配合剤「バファリン」を輸入し、1963年から販売を開始しました。

この制酸剤ダイアルミネートが「やさしさ」の部分で、半分も含まれていないのですがそれは別の話です。

1967年、Weissらによってアスピリンの抗血小板作用が発見され、1971年には英国のVaneらがアスピリンがアラキドン酸カスケードにおけるプロスタグランジンの生合成酵素であるシクロオキシゲナーゼを不可逆的に阻害することを明らかにしました。これにより、アスピリンは抗血小板薬としても使用されるようになりました。


日本でも、アスピリンの低用量療法が臨床応用され、「小児用バファリン」が適応外使用されてきました。しかし、適応外使用の改善を求める声が高まり、1999年にライオン株式会社は厚生省に申請資料を提出し、承認を取得しました。その後、2000年には「小児用バファリン」は「バファリン 81mg錠」として販売されるようになりました。


川崎病は、1967年に川崎富作博士によって初めて報告された疾患で、アスピリンはその治療において重要な役割を果たしてきました。ライオン株式会社は、2005年に川崎病の効能追加の承認を取得し、アスピリンが川崎病治療の基本的な薬物の一つとして使用されるようになりました。


2003年には、ライオン株式会社からブリストル・マイヤーズ株式会社へ販売が委託され、その後2008年にはエーザイ株式会社へと引き継がれました。2009年には医療事故防止対策として「バファリン配合錠A81」として製造販売承認を受け、現在に至っています。


バファリン配合錠A81は、その長い歴史の中で多くの変遷を経てきましたが、2025年に販売が中止されます。


バファリン配合錠A81の代替品

バファリン配合錠は後発医薬品です。
他の後発医薬品が代替品の候補となります。

  • ニトギス配合錠A81
  • バッサミン配合錠A81
  • ファモター配合錠A81

また、バファリンと同じ、低用量アスピリン製剤のバイアスピリン100mgが代替候補としてメーカーは案内しています。



ちなみに、「低用量」について、どれくらいの範囲をさすものなのか、統一した見解はえられていないのが現状です。
抗血小板薬としての至適用量は明確なものはありません。抗血小板療法のランダム化比較試験のメタ解析の結果では、アスピリンの高用量群(500~1,500mg)、中等量群(160~325mg)、低用量群(75~150mg)の間で、脳卒中や心筋梗塞、血管死などの心血管イベントの低減効果に有意差はなかったという報告もあります。
抗血小板作用は 60mg~150mg くらいが最大となり、150mg 以上だと脳梗塞の再発リスクが上昇した、という報告もあります。


なぜ、バファリンは81mgなのか?

余談ですが、バイアスピリンは100mgですが、バファリンは81mgですが、なぜなのでしょうか。これは、バファリン配合錠 81mg が「小児用バファリン」として開発された歴史に起因します。
アメリカFDAでは解熱鎮痛に使うアスピリンは325mgです。
解熱鎮痛において、当時のアメリカでは7歳くらいの子供には大人の1/4の量を投与していました。325mgの1/4で81mgとしたのです。
「小児用バファリン」は、その後、抗血小板薬としての適応を取得して「バファリン 81mg錠」として販売されました。



2024年9月15日日曜日

2024年度診療報酬改定 ⻑期収載品の選定療養(差額お薬代)



※2024年9月更新
2024年度診療報酬改定において、長期収載品について、保険給付の在り方の見直しを行うこととなり、選定療養の仕組みが導入されます。

【よくあるご質問】
Q.長期収載品の選定療養(差額お薬代)は、どの法律によるものですか?

A.健康保険法や療担当規則および薬担規則です。
 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則
 (患者負担金の受領)

第四条

2 保険薬局は、法第六十三条第二項第三号に規定する評価療養(以下「評価療養」という。)、同項第四号に規定する患者申出療養(以下「患者申出療養」という。)又は同項第五号に規定する選定療養(以下「選定療養」という。)に関し、当該療養に要する費用の範囲内において、法第八十六条第二項又は第百十条第三項の規定により算定した費用の額を超える金額の支払を受けることができる。

 (保険外併用療養費に係る療養の基準等)

第四条の三

保険薬局は、評価療養、患者申出療養又は選定療養に関して第四条第二項の規定による支払を受けようとする場合において、当該療養を行うに当たり、その種類及び内容に応じて厚生労働大臣の定める基準に従わなければならないほか、あらかじめ、患者に対しその内容及び費用に関して説明を行い、その同意を得なければならない。

2 保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、前項の療養の内容及び費用に関する事項を掲示しなければならない。

3 保険薬局は、原則として、前項の療養の内容及び費用に関する事項をウェブサイトに掲載しなければならない。

Q.院内で使用するの注射薬なども対象ですか?

A.診療報酬上の「C在宅医療」「F投薬」「G注射」の薬剤料として算定する場合には選定療養の対象となります。「処置」や「手術」等で使用される薬剤は対象外です。

「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について(保発0327第10号 令和6年3月27日)

30 長期収載品の処方等又は調剤に関する事項

(4) 保険外併用療養費の支給額は、所定点数から次に掲げる点数を控除した点数に、当該療養に係る医薬品の薬価から、先発医薬品の薬価から当該先発医薬品の後発医薬品のうち最も薬価が高いものの薬価を控除して得た価格に四分の一を乗じて得た価格を控除して得た価格を用いて次の各区分の例により算定した点数を加えた点数をもとに計算されるものである。

① 別表第一区分番号C200に掲げる薬剤 

② 別表第一区分番号F200に掲げる薬剤

③ 別表第一区分番号G100に掲げる薬剤

④ 別表第二区分番号F200に掲げる薬剤

⑤ 別表第二区分番号G100に掲げる薬剤

⑥ 別表第三区分番号20に掲げる使用薬剤料

 

厚生労働省ホームページに「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養に関するページが掲載されています。関係通知や対象医薬品リスト等、必要な情報はこちらで確認しください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html


長期収載品の保険給付の在り方の見直しとして、選定療養の仕組みが導入されます。
対象となる長期収載品は、後発医薬品の上市後5年以上経過した長期収載品又は後発医薬品の置換率が50%以上となった長期収載品です。
長期収載品は、準先発品を含みます。
保険給付の対象は、後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までです(後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の1は患者自己負担)。




患者負担額計算式
例)3割負担の場合
患者負担額=(長期収載品薬価-後発品最高価格)×1/4×消費税+{後発品最高価格+(長期収載品薬価-後発品最高価格× 3/4}×0.3

対象医薬品の考え方について

長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養において、対象とする医薬品については、
次の(1)から(3)までを全て満たすものとする。
(1) 後発医薬品のある先発医薬品(いわゆる「準先発品」を含む。)であること(バイオ医薬品を除く)
(2) 後発医薬品が収載された年数及び後発品置換え率の観点から、組成及び剤形区分が同一であって、次のいずれかに該当する品目であること。
① 後発医薬品が初めて薬価基準に収載されてから5年を経過した品目(後発品置換え率が1%未満のものは除く。)
② 後発医薬品が初めて薬価基準に収載されてから5年を経過しない品目のうち、後発品置換え率が 50%以上のもの
(3) 長期収載品の薬価が、後発医薬品のうち最も薬価が高いものの薬価を超えていること。この薬価の比較にあたっては、組成、規格及び剤形ごとに判断するものであること。


選定療養とはならない場合

医療上の必要性があると認められる場合(例:医療上の必要性により医師が銘柄名処方(後発品への変更不可)をした場合)や、後発医薬品を提供することが困難な場合(例:薬局に後発医薬品の在庫が無い場合)については、選定療養とはならず、保険給付の対象となります。
バイオ医薬品は対象外です。
また、後発医薬品への置換率が極めて低い場合(置換率が1%未満)である長期収載品は、上市後5年以上経過したものであっても、後発医薬品を提供することが困難な場合に該当することから、対象外となります。

適応は2024年10月1日

2024年10月1日までに、長期収載品の投与に係る特別の料金その他必要な事項を当該保険医療機関及び当該保険薬局内の見やすい場所に掲示しなければいけません。(保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 第四条の三

処方箋様式の改正

医療上の必要性があると認められる場合や患者希望で先発品を処方する場合について、処方等の段階で明確になるように様式が改正されます。
変更不可欄に「医療上必要」の文言が追記され、「患者希望欄」が追加されました。

薬担規則の改正

選定療養の取り組みが始まるにあたり、薬担規則が改正されます。
薬担規則はすべての保険薬局が従わなければならないルールです。
長期収載品の選定療養について、患者さんに周知し、実際にかかる費用について説明するために薬局内への掲示やウェブサイトへの掲載が求められています。




長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈(その1)より改変


【医療上の必要性について】

問1:医療上の必要があると認められるのは、どのような場合が想定されるのか。

: 保険医療機関の医師又は歯科医師(以下、医師等)が次のように判断する場合が想定されます。

  1. 効能・効果の差異:

    • 長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異がある場合。
    • 例: PMDAの添付文書検索サイトや日本ジェネリック製薬協会のリストで確認できます。
  2. 副作用や相互作用:

    • 後発医薬品を使用した際に、副作用や他の医薬品との相互作用があった場合。
    • 安全性の観点から長期収載品を処方する必要があると医師が判断する場合。
  3. ガイドラインの推奨:

    • 学会が作成しているガイドラインで、長期収載品を使用している患者について後発医薬品へ切り替えないことが推奨されている場合。
    • 例: てんかん診療ガイドラインでは、発作が抑制されている患者に対して後発医薬品への切り替えを推奨しないとされています。
  4. 剤形の違い:

    • 後発医薬品の剤形が飲みにくい、吸湿性により一包化ができないなどの場合。
    • ただし、単に剤形の好みによって長期収載品を選択することは含まれません。

また、保険薬局の薬剤師においては、

  • ①、②及び③に関して、医療上の必要性について懸念することがあれば、医師等に疑義照会することが考えられます。
  • ④に関しては、医師等への疑義照会は要さず、薬剤師が判断することも考えられます。この場合でも、調剤した薬剤の銘柄等について、当該調剤に係る処方箋を発行した保険医療機関に情報提供することが求められます。

問2:治療ガイドライン上で後発医薬品に切り替えないことが推奨されている場合については、長期収載品を使うことについて、医療上の必要性が認められるということでよいか。

例えば、てんかん診療ガイドライン2018(一般社団法人日本神経学会)では、「後発医薬品への切り替えに関して、発作が抑制されている患者では、服用中の薬剤を切り替えないことを推奨する。」、「先発医薬品と後発医薬品の治療的同等性を検証した質の高いエビデンスはない。しかし、一部の患者で、先発医薬品と後発医薬品の切り替えに際し、発作再発、発作の悪化、副作用の出現が報告されている」とされています。この場合に医療上の必要性は認められるか。

: 医師等が問1の③に該当すると判断し、長期収載品を処方等する医療上の必要があると判断する場合であれば、保険給付となります。

問3:使用感など、有効成分等と直接関係のない理由で、長期収載品の医療上の必要性を認めることは可能か。

: 基本的には使用感などについては医療上の必要性としては想定していません。ただし、医師等が問1の①~④に該当すると判断し、長期収載品を処方等する医療上の必要があると判断する場合であれば、保険給付となります。


【薬局における医療上の必要性の判断について】

問4:「長期収載品の処方等又は調剤について」(令和6年3月27日保医発0327第11号)の「第1 処方箋様式に関する事項」の「3 長期収載品を銘柄名処方する場合における取扱について」の(4)において、「処方の段階では後発医薬品も使用可能としていたが、保険薬局の薬剤師において、患者が服用しにくい剤形である、長期収載品と後発医薬品で効能・効果の差異がある等、後発医薬品では適切な服用等が困難であり、長期収載品を服用すべきと判断した場合には、医療上必要がある場合に該当し、保険給付とすることも想定されること。」とあるが、このような場合には処方医へ疑義照会することなく、薬剤師の上記判断に基づいて、従来通りの保険給付が可能という理解でよいか。
また、医師等が後発医薬品を銘柄名処方した場合であって、「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」又は「×」が記載されていない場合に、長期収載品を調剤する医療上の必要があると考えられる場合は、処方医へ疑義照会することなく、薬剤師の判断で従来通りの保険給付は可能か。

: それぞれの場合について、考え方は次のとおりです。

  • 医師等が長期収載品を銘柄名処方し、「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」又は「×」が記載されていない場合:

    • 薬剤師として長期収載品を調剤する医療上の必要があると考える場合、医療上の必要性の判断の観点から、問1において保険薬局の薬剤師について記載するとおりの取扱いとなります。
  • 医師等が後発医薬品を銘柄名処方し、「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」又は「×」が記載されていない場合:

    • 薬剤師として長期収載品を調剤する医療上の必要があると考える場合、変更調剤に該当するところ、「現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」(令和6年3月15日厚生労働省保険局医療課事務連絡)において、当面の間、疑義照会なく、変更調剤できることとしています。
    • その上で、医療上の必要性の判断の観点から、問1において保険薬局の薬剤師について記載するとおりの取扱いとなります。


【一般名処方について】

問5:「長期収載品の処方等又は調剤について」の「第1 処方箋様式に関する事項」の「4 一般名処方する場合における取扱について」の(2)において「一般名処方の処方箋を保険薬局に持参した患者が長期収載品を希望した場合には、選定療養の対象となること。」とあるが、一般名処方された患者が薬局で長期収載品を希望し、薬剤師がその理由を聴取した際に、患者希望ではあるものの、患者の疾病に関し、長期収載品と後発医薬品における効能・効果等の違いがある等の医療上の理由と考えられる場合には、保険薬局の判断で従来通りの保険給付とすることは可能か。

: 問1の後段に記載する通りです。



【院内処方その他の処方について】

問6:院内処方用の処方箋がない医療機関において「医療上の必要性」により長期収載品を院内処方して保険給付する場合、単に医師等がその旨の判断をすれば足りるのか。あるいは「医療上の必要性」について、何らかの記録の作成・保存が必要なのか。

: 診療報酬を請求する際に、「診療報酬請求書等の記載要領等について」の一部改正について(令和6年7月12日保医発0712第1号)の別表Ⅰを踏まえ、診療報酬請求書等の「摘要」欄に理由を選択して記載することが必要です。

問7:院内採用品に後発医薬品がない場合は、「後発医薬品を提供することが困難な場合」に該当すると考えて保険給付してよいか。

: 患者が後発医薬品を選択することができないため、従来通りの保険給付として差し支えありません。なお、後発医薬品の使用促進は重要であり、外来後発医薬品使用体制加算等を設けているため、後発医薬品も院内処方できるようにすることが望ましいです。

問8:長期収載品の選定療養について、入院は対象外とされているが、入院期間中であって、退院間際に処方するいわゆる「退院時処方」については、選定療養の対象となるのか。

: 留意事項通知において「退院時の投薬については、服用の日の如何にかかわらず入院患者に対する投薬として扱う」とされているため、入院と同様に取り扱います。

問9:在宅医療において、在宅自己注射を処方した場合も対象となるか。

: そのとおりです。


【後発医薬品を提供することが困難な場合について】

問10:「当該保険医療機関又は保険薬局において、後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品を提供することが困難な場合」について、出荷停止、出荷調整等の安定供給に支障が生じている品目かどうかで判断するのではなく、あくまで、現に、当該保険医療機関又は保険薬局において、後発医薬品を提供することが困難かどうかで判断するということでよいか。

: そのとおりです。


【公費負担医療について】

問11:医療保険に加入している患者であって、かつ、国の公費負担医療制度により一部負担金が助成等されている患者が長期収載品を希望した場合について、長期収載品の選定療養の対象としているか。

: 長期収載品の選定療養の制度趣旨は、医療上必要があると認められる場合等は従来通りの保険給付とし、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は選定療養の対象とすることです。したがって、国の公費負担医療制度の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合も、他の患者と同様に長期収載品の選定療養の対象となります。なお、医療上必要があると認められる場合は、従来通りの保険給付として差し支えありません。

長期収載品の選定療養における肝炎治療特別促進事業の助成対象について

(前略)患者が長期収載品を希望する場合は、選定療養の対象とすることとされているところ、肝炎治療特別促進事業の対象医療であるB型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤の「バラクルード錠0.5mg(成分名:エンテカビル水和物)」もその対象医薬品とされています。


問12:医療保険に加入している患者であって、かつ、こども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合について、長期収載品の選定療養の対象としているか。

: 長期収載品の選定療養の制度趣旨は、医療上必要があると認められる場合等は従来通りの保険給付とし、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は選定療養の対象とすることです。したがって、こども医療費助成等の地方単独の公費負担医療が対象となっている患者が長期収載品を希望した場合も、他の患者と同様に長期収載品の選定療養の対象となります。なお、医療上必要があると認められる場合は、従来通りの保険給付として差し支えありません。

 

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈(その2)より改変


【処方箋の記載について】

問1: 「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄の双方に「✓」又は「×」がついた場合、保険薬局においてはどのような取扱いになるか。

: 「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄の双方に「✓」又は「×」がつくことは、通常は想定されず、医療機関のシステムにおいても双方に「✓」又は「×」を入力することはできないと考えられますが、仮にそのような場合があれば、保険薬局から処方医師に対して疑義照会を行う等の対応を行います。なお、医療機関では、「長期収載品の処方等又は調剤について」(令和6年3月27日保医発0327第11号)において、「「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」又は「×」を記載した場合においては、「患者希望」欄には「✓」又は「×」は記載しないこと。」としており、医療上の必要性がある場合は、「変更不可(医療上必要)」欄にのみ「✓」又は「×」を記載します。

問2: 令和6年10月1日前に処方された長期収載品であって、保険薬局に10月1日以降に処方箋が持ち込まれた場合は制度施行前の取扱いとなるのか。

: そのとおりです。

問3: 令和6年10月1日前に処方された長期収載品であって、保険薬局に10月1日以降に2回目以降の調剤のためにリフィル処方箋や分割指示のある処方箋が持ち込まれた場合は制度施行前の取扱いとなるのか。

: そのとおりです。

問4: 令和6年10月1日以降に旧様式の処方箋で処方された長期収載品であって、後発品変更不可にチェックがあるものの、理由について記載がされていないものについてどう扱えばよいか。

: 保険薬局から処方医師に対して疑義照会を行う等の対応を行います。

問5: 「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」(平成18年厚生労働省告示第107号)第三の十四(三)において、「後発医薬品のある先発医薬品の処方等又は調剤に係る費用徴収その他必要な事項を当該保険医療機関及び当該保険薬局内の見やすい場所に掲示しなければならないものとする。」とされていますが、掲示内容について参考にするものはありますか。

: 院内及びウェブサイトに掲示する内容については、以下のURLに示すポスターを参考にしてください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html


【公費負担医療について】

問6: 長期収載品の処方等が医療扶助の支給対象にならない場合

: 「生活保護法第五十二条第二項の規定による診療方針及び診療報酬」(昭和34年厚生省告示第125号)第2に基づき、生活保護受給者については、長期入院選定療養以外の選定療養は医療扶助の支給対象とはなりません。このため、生活保護受給者である患者が、医療上必要があると認められないにもかかわらず、単にその嗜好から長期収載品の処方等又は調剤を希望する場合は、当該長期収載品は医療扶助の支給対象とはならないため、生活保護法(昭和25年法律第144号)第34条第3項に基づき、後発医薬品処方等又は調剤を行います。

問7: 長期収載品の処方等が医療扶助の支給対象になる場合

: 長期収載品の処方等を行うことに医療上必要があると認められる場合は、当該長期収載品は医療扶助の支給対象となります。

問8: 生活保護受給者である患者が、単にその嗜好から長期収載品を選択した場合、「特別の料金」を徴収するのか。

: 生活保護受給者である患者について、医療上の必要性があると認められず、かつ、保険医療機関又は保険薬局において後発医薬品を提供することが可能である場合は、長期収載品を医療扶助又は保険給付の支給対象として処方等又は調剤することはできないため、当該患者が単にその嗜好から長期収載品を希望した場合であっても、後発医薬品を処方等又は調剤します(生活保護法第34条第3項)。そのため、「特別の料金」を徴収するケースは生じません。

(参考)

後発医薬品の使用原則化に係るQ&A(東京都)

 今回の改正に関して、指定医療機関・指定薬局の皆様から寄せられたよくある質問について整理しましたので、上記厚生労働省通知やリーフレットと併せて御参照ください。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈(その3)より改変

【入院中の患者以外の患者に対する注射について】

問1: 「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項についての一部改正において、「別表第一区分番号C200(医科:在宅)に掲げる薬剤」、「別表第一区分番号G100(医科:注射)に掲げる薬剤」及び「別表第二区分番号G100(歯科:注射)に掲げる薬剤」が選定療養の対象となるとされていますが、入院中の患者以外の患者(往診又は訪問診療を行った患者も含む)に対して医療機関が注射を行った場合も、長期収載品の選定療養の対象となるのか。

: 長期収載品の選定療養の対象とはなりません
ただし、在宅自己注射を処方した場合については、「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」問9に記載されている通り、長期収載品の選定療養の対象となります。

【医療上の必要性について】

問2: 疑義解釈その1問1の②において、「当該患者が後発医薬品を使用した際に」とありますが、後発医薬品の添付文書において、当該患者への投与が禁忌とされている場合も、実際に当該患者に使用したうえで判断する必要があるのか。

: 後発医薬品の添付文書において禁忌とされている患者に対しては、当該後発医薬品を使用したうえで判断する必要はありません。この場合は疑義解釈その1問1の②に該当するとみなして差し支えありません。

問3: 複数の医薬品を混合する際、後発医薬品を用いると配合変化により薬剤が分離する場合であって、長期収載品を用いることにより配合変化が回避できるときは、医療上の必要性があると認められるか。

: 疑義解釈その1問1の④に該当するため、医療上の必要性があると認められます。




2024年7月18日木曜日

2024年度診療報酬改定 医療情報取得加算【調剤管理料】



令和6年 12 月2日から現行の健康保険証の発行が終了します。
マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することを踏まえ、マイナ保険証の利用の有無に着目した医療情報取得加算の点数差が見直されます。
標準的な問診票や、オンライン資格確認等システムからマイナ保険証を通じて取得された医療情報等の活用による質の高い医療の評価へと見直されます。

保険薬局が算定する現行の医療情報取得加算1及び2について、医療情報取得加算の点数引き下げ・算定頻度が6ヶ月に1回から12ヶ月に1回に見直されます。

中医協(第592回)


【調剤管理料】
[算定告示]
注6
調剤に係る十分な情報を取得する体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局(注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において調剤を行った場合は、医療情報取得加算として、12 月に1回に限り1点を所定点数に加算する。

区分10の2 調剤管理料
1 調剤管理料
(11) 医療情報取得加算

ア 医療情報取得加算は、オンライン資格確認を導入している保険薬局において、患者に係る十分な情報を活用して調剤を実施すること等を評価するものであり、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において調剤した場合に、医療情報取得加算1として、6月に1回に限り3点を算定する。医療情報取得加算として、12 月に1回に限り1点を所定点数に加算する。
ただし、健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)により当該患者に係る診療情報を取得等した場合は、医療情報取得加算2として、6月に1回に限り1点を算定する。
イ 医療情報取得加算を算定する保険薬局においては、以下の事項について薬局内に掲示するとともに、原則として、ウェブサイトに掲載し、必要に応じて患者に対して説明する。

(イ) オンライン資格確認を行う体制を有していること。

(ロ) 当該保険薬局に処方箋を提出した患者に対し、診療情報、薬剤情報その他必要な情報を取得・活用して調剤を行うこと。

ウ 医療情報取得加算を算定する保険薬局においては、「10の3」服薬管理指導料の2(3)イ(イ)から(ホ)までに示す事項を参考に、患者から調剤に必要な情報を取得し、薬剤服用歴等に記載すること。


第 97 の3 医療情報取得加算
1 医療情報取得加算に関する施設基準

(1)電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
(2)オンライン資格確認を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行う必要があることに留意すること。
(3)次に掲げる事項について、当該保険薬局の見やすい場所に掲示していること。

ア オンライン資格確認を行う体制を有していること。

イ 当該保険薬局に来局した患者に対し、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して調剤等を行うこと。

(4)(3)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。ただし、ホームページ等を有しない保険薬局については、この限りではない。

2届出に関する事項
(1)医療情報取得加算に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。
(2)1の(4)については、令和7年5月31日までの間に限り、基準を満たしているものとみなす。

2024年7月17日水曜日

2024年度診療報酬改定 医療 DX 推進体制整備加算【調剤基本料】(2024年10月~)



2024年度診療報酬改定において、調剤基本料の加算として「医療 DX 推進体制整備加算」が新設されます。
「医療 DX 推進体制整備加算」は、オンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報を実際に診療に活用可能な体制を整備し、また、電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスを導入し、質の高い医療を提供するため医療 DX に対応する体制確保を評価するものです。

「医療DX」は次のように定義づけられています。
(第100回社会保障審議会医療部会「医療DXの推進に関する工程表について(報告)」より)

保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、申請手続き、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータに関し、その全体が最適化された基盤を構築・活用することを通じて、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように社会や生活の形を変えていくこと。

 医療DXは「すべての医療機関等が参加する」ことで効果を発揮できるのですが、システムの導入・運用には相応のコストがかかります。そのコストを手当する目的で新設されたのが「医療 DX 推進体制整備加算」です。

医療 DX 推進体制整備加算は
医療 DX 推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤を行った場合に
月1回に限り4点を所定点数に加算することができます。(2024年9月末まで)
しかし、特別調剤基本料Bを算定する保険薬局は算定することはできません

2024年10月からは、マイナ保険証利用率に応じた加算を算定します。

イ 医療DX推進体制整備加算1 7点
ロ 医療DX推進体制整備加算2 6点
ハ 医療DX推進体制整備加算3 4点


(施設基準)

  1. レセプトオンライン請求を行っている
  2. オンライン資格確認等を行う体制を有している
  3. オンライン資格確認等システムを利用して取得した診療情報を閲覧又は活用し、薬剤師が調剤できる体制を有している。
  4. 電子処方箋受付体制を有している(2025年3月末までの経過措置あり)
  5. 電子薬歴や調剤録の管理する体制を有している
  6. 電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有している(2025年9月末までの経過措置あり)
  7. マイナンバーカードの健康保険証利用実績を一定程度有している(2024年10月から適用)
  8. 「医療DX推進体制に関する事項、質の高い調剤を実施するための十分な情報を取得・活用して診療を行う」ことを薬局の見やすい場所に掲示している
  9. 上記掲示事項を原則としてウェブサイトに掲載している(2025年5月末までの経過措置あり)


2024年10月から保険薬局が算定する医療DX推進体制整備加算について、マイナ保険証の利用実績やマイナポータルの医療情報等に基づく患者からの健康管理に係る相談対応に応じ、加算1、2、3の新たな評価区分が設けられました。

00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)
注13 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局(注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において調剤を行った場合は、医療DX推進体制整備加算として、月1回に限り当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
イ 医療DX推進体制整備加算1 7点
ロ 医療DX推進体制整備加算2 6点
ハ 医療DX推進体制整備加算3 4点

医療DX推進体制整備加算について

(診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 令和6年厚生労働省告示第57号 別表第三)
区分00 調剤基本料
10 医療DX推進体制整備加算
(1) 医療DX推進体制整備加算は、オンライン資格確認により取得した診療情報、薬剤情報等を調剤に実際に活用できる体制を有するとともに、電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスを導入するなど、質の高い医療を提供するため医療DXに対応する体制を評価するものであり、処方箋受付1回につき4点を所定点数に加算する。
ただし、患者1人につき同一月に2回以上調剤を行った場合においても、月1回のみの算定とする。
(2) 医療DX推進体制整備加算を算定する保険薬局では、以下の対応を行う。
 ア オンライン資格確認等システムを通じて取得した患者の診療情報、薬剤情報等を閲覧及び活用し、調剤、服薬指導等を行う。
 イ 患者の求めに応じて、電子処方箋(「電子処方箋管理サービスの運用について」(令和4年 10 月 28 日付け薬生発 1028 第1号医政発 1028 第1号保発 1028 第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長・医政局長・保険局長通知)に基づく電子処方箋をいう。)を受け付け、当該電子処方箋に基づき調剤するとともに、紙の処方箋を受け付け、調剤した
場合を含めて、調剤結果を電子処方箋管理サービスに登録する。
(3) 医療DX推進体制整備加算は、特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定でき
ない

特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件[施設基準告示]
五の四 医療DX推進体制整備加算の施設基準
(1) 医療DX推進体制整備加算1
イ  療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令第一条に規定する電子情報処理組織の使用による請求を行っていること。
ロ  健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。
ハ  保険薬剤師が、電子資格確認を利用して取得した診療情報を閲覧又は活用し、調剤できる体制を有していること。
ニ  電磁的記録をもって作成された処方箋を受け付ける体制を有していること。
ホ  電磁的記録による調剤録及び薬剤服用歴の管理の体制を有していること。
ヘ  電磁的方法により診療情報を共有し、活用する体制を有していること。
ト  健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認に係る十分な実績を一定程度有していること。
チ (略)
リ  チの掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。
ヌ  マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じる体制を有していること。

(2) 医療DX推進体制整備加算2
イ  (1)のイからヘまで及びチからヌまでの基準を満たすこと。
ロ  健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認に係る必要な実績を有していること。

(3) 医療DX推進体制整備加算3
イ  (1)のイからヘまで、チ及びリの基準を満たすこと。
ロ  健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認に係る実績を有していること。


[施設基準通知]
第 95 の2 医療DX推進体制整備加算
1 医療DX推進体制整備加算に関する施設基準
(1) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
(2) 健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。
(3) オンライン資格確認等システムを通じて患者の診療情報、薬剤情報等を取得し、調剤、
服薬指導等を行う際に当該情報を閲覧し、活用できる体制を有していること。
(4) 「電子処方箋管理サービスの運用について」に基づく電子処方箋(以下「電子処方箋」
という。)により調剤する体制を有していること。
(5) 電磁的記録による調剤録及び薬剤服用歴の管理体制を有していること。ただし、紙媒体
で受け付けた処方箋、情報提供文書等を紙媒体のまま保管することは差し支えない。なお、
保険薬局における医療DXによる情報活用等の観点から、オンライン資格確認、薬剤服用歴
等の管理、レセプト請求業務等を担う当該保険薬局内の医療情報システム間で情報の連携が
取られていることが望ましい。
(6) 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体
制を有していること。
(7) 医療DX推進体制整備加算を算定する月の3月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率 (同月におけるマイナ保険証利 用者数を、同月の患者数で除した割合であって、社会保険診療報酬 支払基金から報告されるものをいう。以下同じ。)が、令和6年 10月1日から12月31日までの間 においては15%以上であること。 
(8) (7)について、令和7年1月1 日以降においては、「15%」とあ るのは「30%」とすること。 
(9) (7)について、医療DX推進体 制整備加算を算定する月の3月 前のレセプト件数ベースマイナ 保険証利用率に代えて、その前月又は前々月のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率を用いることができる。
(10) 医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い医療を提供するための十分な情報を取得
し、及び活用して調剤を行うことについて、当該保険薬局の見やすい場所に掲示しているこ
と。具体的には次に掲げる事項を掲示していること。
(イ) オンライン資格確認等システムを通じて患者の診療情報、薬剤情報等を取得し、調剤、服薬指導等を行う際に当該情報を閲覧し、活用している保険薬局であること。
(ロ) マイナンバーカードの健康保険証利用を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる保険薬局であること。
(ハ) 電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスを活用するなど、医療DXに係る取組を実施している保険薬局であること。
(11) (10)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。ただし、ホームページ等を有しない保険薬局については、この限りではない。 
(12) 最新の厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照し、ま
た、「「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」及び「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル~薬局・事業者向け~」等について」
(令和5年 10 月 13 日付け医政参発 1013 第2号・医薬総発 1013 第1号医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官・医薬局総務課長通知)の別添1、別添2及び別添4を活用するなどして、サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行う体制を有していること。
(13) マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じる体制を有し ていること。

2 医療DX推進体制整備加算2に関する施設基準 
(1) 1の(1)から(6)まで及び(10) から(13)までの基準を満たすこと。
(2) 医療DX推進体制整備加算を算定する月の3月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率が、令和6年10月1日から12月31 日までの間においては10%以上であること。 
(3) (2)について、令和7年1月1 日以降においては、「10%」とあ るのは「20%」とすること。 
(4) 1の(9)の規定は、医療DX推進体制整備加算2について準用 する。 

3 医療DX推進体制整備加算3に関する施設基準 
(1) 1の(1)から(6)まで及び(10) から(12)までの基準を満たすこと。 
(2) 医療DX推進体制整備加算を 算定する月の3月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率が、令和6年10月1日から12月31 日までの間においては5%以上であること。 
(3) (2)について、令和7年1月1 日以降においては、「5%」とあ るのは「10%」とすること。 
(4) 1の(9)の規定は、医療DX推進体制整備加算3について準用する。 

4 届出に関する事項
(1) 医療DX推進体制整備加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 87 の3の6を用いること。
(2) 1の(4)については、令和7年3月 31 日までの間に限り、1の(6)については令和7
年9月 30 日までの間に限り、それぞれの基準を満たしているものとみなす。
(3) 医療DX推進体制整備加算の 施設基準のうち、1の(7)から(9) まで及び(13)、2の(1)のうち1 の(13)に係る基準及び2の(2)か ら(4)まで並びに3の(2)から(4) までについては、当該基準を満た していればよく、特に地方厚生 (支)局長への届出を行う必要は ないこと。
(4) 令和7年9月 30 日までの間に限り、1の(8)の(ハ)の事項について、掲示を行っているものとみなす。
(5) 1の(9)については、令和7年5月 31 日までの間に限り、当該基準を満たしているものとみなす。

[経過措置] 
1 医療DX推進体制整備加算の施設基準のうち、レセプト件数ベースマイナ保険証利用率の基準については、令和6年10月から令和7年1月までの間に限り、レセプト件数ベースマイナ保険証利用率に代えて、 医療DX推進体制整備加算を算定する月の2月前のオンライン資格確認件数ベースマイナ保険証利用率(同月におけるマイナ保険証による資格確認件数を同月のオンライン資格確認等システムの利用件数で除した割合であって、社会保険診療報酬支払基金から報告されるものをいう。以下同じ。)を用いることができる。 
2 1について、医療DX推進体制整備加算を算定する月の2月前のオ ンライン資格確認件数ベースマイナ保険証利用率に代えて、その前月又は前々月のオンライン資格確認件数ベースマイナ保険証利用率を用いることができる。 

2024年7月9日火曜日

クレメジンカプセル200mg 販売中止と代替品



クレメジンカプセル200mgが販売中止となるようです。
https://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/info/ifn_5568_P20467.pdf

中止の理由は「諸般の事情」です。

経過措置期間は2025年3月末(予定)です。


クレメジンは、呉羽化学工業株式会社(現在のクレハ株式会社)が開発した薬で、慢性腎不全の治療に使われます。この薬は、高純度の多孔質炭素を用いて作られた球形の微粒子で、口から摂取することができます。


慢性腎臓病(CKD)は、病状が進行すると腎臓の機能が低下し、体内の恒常性が保てなくなります。これにより、尿量の異常、吐き気や食欲不振などの胃腸症状、咳や息苦しさなどの呼吸器症状、動悸、めまい、皮膚のかゆみなどの尿毒症症状が現れます。


尿毒症症状は、腎機能の低下により体内に蓄積された尿毒症毒素が原因の一つとされています。1970年代から、粉末チャコールなどの炭素系吸着剤が尿毒症毒素を除去するために使用されるようになりました。


呉羽化学工業株式会社は、この炭素系吸着剤が体内に吸収されず、消化管内に存在する尿毒症毒素を吸着し、便とともに体外に排出するというメカニズムに注目しました。そして、1975年から医療用途に適した経口吸着剤の開発を始めました。


開発の目的は、
1)従来の炭素系吸着剤の服用の困難さや便秘を軽減する、
2)生体内毒素の成分と考えられ、従来の炭素系吸着剤では吸着されにくいイオン性有機物に対する吸着力を高める、
3)従来の炭素系吸着剤で吸着されやすい消化酵素に対する吸着力を低下させる、
という3つの点でした。


その結果、開発された「クレメジン®カプセル 200」は、進行性慢性腎不全患者の尿毒症症状の改善及び透析導入遅延効果が認められ、1991年10月に承認を取得し、1991年12月に販売を開始しました。

2024年の販売中止まで、大きく飲みづらいカプセルをいくつも飲まなければならないお薬として愛され続けました。


クレメジンカプセル200mgの代替品

「クレメジン速崩錠500mg」および「クレメジン細粒分包2g」は、引き続き販売されているので、これらが代替候補と考えられます。

なお、クレメジンカプセルの後発品には球形吸着炭カプセル286mg「日医工」がありましたが、こちらも販売中止(経過措置期間:2025年3月末まで)です。



2024年6月19日水曜日

ビソルボン 吸入液・注 販売中止と代替品



 ビソルボン吸入液 0.2%とビソルボン注4mgが販売中止となるようです。
https://www.e-mr.sanofi.co.jp/dam/jcr:3dcedb88-adb2-45a2-82d8-0c23f28d4bf7/bisolvon.pdf(サノフィ 2024年6月)

経過措置満了時期は2025年3月末まで〈予定〉です。

販売中止理由は原薬の調達が困難になったためです。



ビソルボンの成分はブロムヘキシンは、ドイツベーリンガーインゲルハイムファルマ KG によりインドの生薬Adhatoda vasica の有効成分を基礎として開発された気道粘液溶解剤です。
気道分泌増大作用をもち、また喀痰の粘度に大きく関与する酸性糖蛋白を溶解・低分子化することによって気道粘液溶解作用をあらわします。

ビソルボン注射液は1976年に発売されました。
その後、経口剤・注射剤に加えて吸入剤に対する要望も高まり1991年ビソルボン吸入液が発売されました。

『ビソルボン』の名前の由来は Bi+Solvon の合成語です。二つの作用により気道粘液溶解作用をあらわすことを意味しています。Bi はビソルボンが主に漿液性分泌増大作用及び酸性糖蛋白を溶解・低分子化するという二つの作用を有することを意味し、また Solvon は Solvieren (溶解する) というドイツ語に由来しています。

ビソルボン注4mgの代替品


気道粘液溶解剤の注射剤はブロムヘキシンの他にはありません。
ビソルボン注には後発品があります。
・ブロムヘキシン塩酸塩注射液 4mg「タイヨー」(武田テバファーマ株式会社)

ビソルボン吸入液の代替品


気道粘液溶解剤の吸入液剤にはブロムヘキシンの他にアセチルシステイン(ムコフィリン吸入液20%)があります。
ビソルボン吸入液には後発品があります。



2024年6月13日木曜日

バイエッタ皮下注 販売中止と代替品



GLP-1受容体作動薬のバイエッタ皮下注が販売中止となるようです。
バイエッタ皮下注5μgペン300・10μgペン300 販売中止のお知らせ(アストラゼネカ)
https://www2.astrazeneca.co.jp/revise/revdisp.asp?revision_no=364

販売中止時期は2024年9月ごろです。
経過措置期間満了は2025年3月末を予定しています。

販売中止理由は諸般の事情とされています。

バイエッタ皮下注は化学合成(ペプチド固相合成法)により製造され、GLP-1受容体作動薬に分類される2型糖尿病治療薬です。その有効成分であるエキセナチドの起源がトカゲの一種であるHeloderma suspectumの唾液という、驚くべき医薬品です。この薬は、39個のアミノ酸から構成されるペプチドExendin-4と同じアミノ酸配列を有し、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の主成分であるGLP-1(7-36)amideの対応部分のアミノ酸配列において53%の相同性を示します。
エキセナチドは、膵β細胞からのグルコース依存性のインスリン分泌促進作用、高血糖時における過度のグルカゴン分泌抑制作用、胃内容物排出遅延作用など、多様な作用機序により2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善します。
バイエッタ皮下注は固定用量を投与するため、細かな用量調節が不要であるという簡便性も有する薬剤です。

エキセナチドはイーライリリー社及びアミリン社が2002年に共同開発を開始し、2005年4月に米国で世界初の承認を受けました。その後、2006年11月にはEUでも承認され、2020年3月には、世界約60の国と地域で承認されていました。

日本では、スルホニルウレア剤を含む経口血糖降下薬による血糖コントロールが不十分であった日本人2型糖尿病患者を対象とした国内臨床試験において、エキセナチドの有効性及び安全性が確認され、2010年10月に2型糖尿病の効能又は効果でバイエッタ皮下注が製造販売承認を取得しました。

2012年10月、イーライリリー社からアストラゼネカ社が製造販売承認を承継し、アストラゼネカ社が販売を行うこととなりました。
2024年9月に諸般の事情で販売中止となりました。

バイエッタ皮下注の代替品

GLP-1受容体作動薬の心血管イベント抑制効果については、大規模臨床研究の結果でプラセボと比較して有意な抑制が認められています。
また、cardiovascular outcome trials:CVOTのメタ解析では、心血管疾患の既往歴の有無によらずに効果が示されています。現在使用されている製剤のうち、心血管イベントを有意に抑制するエビデンスがあるのは、週1回製剤のデュラグルチドとセマグルチドです。

バイエッタは1日2回投与のデイリー製剤です。

1日1回製剤リラグルチド(ビクトーザ)はLEADER試験で、標準治療への上乗せ効果をプラセボ群と比較して初めて優位性を示しましたが、日本では保険適用外となる1日1.8mg(日本では1日0.9mgまでしか使用できません)での試験結果なため、日本の処方量で同等の効果が得られるかは不明です。
バイエッタと同じく販売中止となる1日1回製剤リキシセナチド(リキスミア)の心血管イベント抑制に関してはELIXA試験で標準治療への上乗せ効果をプラセボ群と比較して非劣性を示したものの、優位性は認められませんでした。

1日1回製剤で心血管イベント抑制エビデンスがあるものは注射製剤はありませんが、経口セマグルチド(リベルサス)が候補となります。


2024年6月12日水曜日

パキシル錠 販売中止と代替品



 パキシル錠が販売中止となるようです。

「パキシル錠 5mg・10mg・20mg」 販売中止のご案内(2024.06 GSK)
https://gskpro.com/content/dam/global/hcpportal/ja_JP/documents/news/PM-JP-PRX-LTR-240001.pdf

2024年12月販売中止。
経過措置期間は2025年3月までを予定しています。

中止理由は諸般の事情です。

パキシルの有効成分であるパロキセチンは、1975年にデンマークのFerrosan社で合成されました。
Ferrosan社はFemoxetineも開発しており、パロキセチンは持続性はあるもののFemoxetineには及ばないと考え、1980年にイギリスのスミスクライン ビーチャム社(現:グラクソ・スミスクライン社)に売却されました。
1970年代という早い段階で合成されていましたが、ビーチャム社もパロキセチンは安全性は高いが効果では三環系に劣ると考えており開発に力はいれられていませんでした。
合成はパロキセチンより後ですが、いち早く市場に登場したフルボキサミンがアメリカで評判が高まると、ビーチャム社も本気でうつ病の治療薬として開発に取り組み、1990 年に抗うつ薬として初めてイギリスで承認された後、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害等の治療薬として各国で承認を取得しました。
日本では2000年9月にうつ病・うつ状態のみならず、パニック障害の適応を取得しています。

パキシルといえば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:SSRI)の代名詞と言っても過言ではありませんが、この「SSRI」という名を最初に使ってプロモーションをしたのはパキシルです。
市場進出に後塵を拝していいたパキシルですがこの「SSRI」という響きの新鮮さや、選択性という余計な受容体に作用しないシンプルな作用、これまでも三環系とは一線を画すものという宣伝文句に医者を乗せることに成功し抗うつ薬の一時代を築くことになります。

パキシル発売後6年間、ジェイゾロフトの登場まで日本に新規の抗うつ薬は登場せず、日本の抗うつ薬市場の1/4を占める規模にまで成長しました。

パキシルの抗うつ効果はフルボキサミンと比較すると初期からはっきり現れます。
これはパキシルのセロトニントランスポーターへの親和性の高さによるものです。
また、パキシルはそれ自身が代謝酵素を阻害し分解されにくい状態を作り投与量以上の働きをします。
さらに、パキシルはアドレナリン受容体やセロトニン受容体には結合しないため三環系抗うつ薬のような心毒性がありません。
三環系の過量服用は致命的ですが、パキシルなら過量に服用されても致命的な状態にはなりません。
わかりやすさと、効きを患者が実感しやすい点や長期投与しやすさが精神科のみならず、知識のない内科などでもウケて爆発的に売上を伸ばすことになります。

しかし、しかしこれだけ売れると影の部分が目立つわけでして、特に服用をやめたときの離脱症状の激しさは他のSSRIの比ではないと言われています。
パキシルは半減期が他のSSRIと比べると短く更に、自身が代謝酵素を阻害するので服用をやめると血中濃度は一気に下がります。
これによりシナプス間隙のセロトニンが急激に減少しセロトニン系の副作用である頭痛、めまい、倦怠感、知覚異常を引き起こします。
金属音のような「シャンシャン」という耳鳴りと、電気が流れたような「ビリビリ」というしびれる感じ、いわゆる「シャンビリ感」です。

シャンビリ感は急な断薬が原因と考えられています。
投与量を微調整するためにも低用量の規格が求められていました。
そして2010年9月に5mg錠が発売されました。5mg錠は日本でしか発売されていない規格で、それだけよく売れて、それなりに影響を与えた薬なのだと実感させられます。

そんなパキシルですが、2025年には処方されることはなくなります。一時代を築いた薬がなくなるのは寂しいものです。


パキシル錠の代替品

パキシル、パロキセチンには後発品が存在します。
後発品が代替品の候補になります。

また、パロキセチン錠の徐放製剤、パロキセチンCR錠も存在しています。
ただし、パロキセチンCR錠は適応が「うつ病・うつ状態」しかなく、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害へは使用できない点に注意が必要です。