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2024年7月9日火曜日

クレメジンカプセル200mg 販売中止と代替品



クレメジンカプセル200mgが販売中止となるようです。
https://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/info/ifn_5568_P20467.pdf

中止の理由は「諸般の事情」です。

経過措置期間は2025年3月末(予定)です。


クレメジンは、呉羽化学工業株式会社(現在のクレハ株式会社)が開発した薬で、慢性腎不全の治療に使われます。この薬は、高純度の多孔質炭素を用いて作られた球形の微粒子で、口から摂取することができます。


慢性腎臓病(CKD)は、病状が進行すると腎臓の機能が低下し、体内の恒常性が保てなくなります。これにより、尿量の異常、吐き気や食欲不振などの胃腸症状、咳や息苦しさなどの呼吸器症状、動悸、めまい、皮膚のかゆみなどの尿毒症症状が現れます。


尿毒症症状は、腎機能の低下により体内に蓄積された尿毒症毒素が原因の一つとされています。1970年代から、粉末チャコールなどの炭素系吸着剤が尿毒症毒素を除去するために使用されるようになりました。


呉羽化学工業株式会社は、この炭素系吸着剤が体内に吸収されず、消化管内に存在する尿毒症毒素を吸着し、便とともに体外に排出するというメカニズムに注目しました。そして、1975年から医療用途に適した経口吸着剤の開発を始めました。


開発の目的は、
1)従来の炭素系吸着剤の服用の困難さや便秘を軽減する、
2)生体内毒素の成分と考えられ、従来の炭素系吸着剤では吸着されにくいイオン性有機物に対する吸着力を高める、
3)従来の炭素系吸着剤で吸着されやすい消化酵素に対する吸着力を低下させる、
という3つの点でした。


その結果、開発された「クレメジン®カプセル 200」は、進行性慢性腎不全患者の尿毒症症状の改善及び透析導入遅延効果が認められ、1991年10月に承認を取得し、1991年12月に販売を開始しました。

2024年の販売中止まで、大きく飲みづらいカプセルをいくつも飲まなければならないお薬として愛され続けました。


クレメジンカプセル200mgの代替品

「クレメジン速崩錠500mg」および「クレメジン細粒分包2g」は、引き続き販売されているので、これらが代替候補と考えられます。

なお、クレメジンカプセルの後発品には球形吸着炭カプセル286mg「日医工」がありましたが、こちらも販売中止(経過措置期間:2025年3月末まで)です。