2024年5月11日土曜日

シュアポスト 販売中止と代替品

シュアポストが販売中止となるようです。
シュアポスト錠0.25mg/錠0.5mg 販売中止予定のご案内(住友ファーマ)
https://sumitomo-pharma.jp/product/surepost/notification_list/surepost_tyushi_20240510.html

販売中止の理由は「諸般の事情」です。
導入元のノボノルディスクファーマが世界的に製造中止するためのようです。

経過措置期間は未定です。


シュアポストはレパグリニリドを成分とする、速効型インスリン分泌促進剤(グリニド系)です。1985年にドイツのKarl Thomae GmbH社によって発見されました。その後、海外ではノボノルディスク社による臨床試験が行われ、1997年には米国、1998年には欧州で、食事療法と運動療法だけでは十分な血糖コントロールができない2型糖尿病の適応として承認され、Prandin®の名前で販売されました。
国内では、ノボノルディスクファーマ社が開発を開始し、その後、大日本住友製薬(現:住友ファーマ)でも臨床試験が行われました。食事療法と運動療法だけでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にした臨床試験に加えて、食事療法と運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を併用しても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にした試験も実施されました。その結果、2型糖尿病患者の食後血糖経過の改善とHbA1cの改善作用が確認され、2011年1月に「シュアポスト錠0.25mg」と「シュアポスト錠0.5mg」が承認されました。
さらに、食事療法と運動療法に加えてメトホルミンまたはピオグリタゾンを併用しても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にした臨床試験も実施され、2013年2月にはビグアナイド系薬剤とチアゾリジン系薬剤との併用効果が認められました。
さらに、平成22年7月9日に発行された「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に基づき、DPP-4阻害剤併用長期投与試験が実施され、DPP-4阻害剤併用療法における長期投与時の有効性と安全性が確認され、2014年11月には「2型糖尿病」の効能を取得しました。
2024年5月に日本国内の販売中止が発表されています。

シュアポストの代替品

シュアポスト(レパグリニリド)は膵臓のΒ細胞上のカリウムチャネルを閉じることでインスリンの分泌を増加させ、食前・食後血糖値を硬化させます。レパグリニドの半減期は、1時間未満であり、1日3回食前に内服します。レパグリニドの作用機序はSU薬と同じくインスリン分泌を抑えるものですがその効果時間が短いために、食後血糖の上昇抑制を目的として使用されます。レパグリニドは速効型インスリン分泌促進剤とよばれます。レパグリニド投与によりHbA1c 値が約1%低下します。レパグリニドはインスリン分泌のが残存する2型糖尿病患者で、零血糖発作に対し対処可能な非肥満患者を対象として使用されています。

速効型インスリン分泌促進剤にはシュアポスト(レパグリニリド)のほかに、ナテグリニド、ミチグリニドがあります。
代替品にはナテグリニド、ミチグリニドが候補となります。
切り替える際、ナテグリニドは「透析を必要とするような重篤な腎機能障害のある患者」には禁忌となっているので注意が必要です。