2024年度調剤報酬改定において、服薬管理指導料およびかかりつけ薬剤師指導料の「特定薬剤管理指導加算」の見直し・追加が行われます。
特定薬剤管理指導加算1は算定要件が変更されます。
ハイリスク薬等(特に安全管理が必要な医薬品)の特に重点的な服薬指導が必要な場合における業務実態を踏まえ、算定対象となる時点等を見直し、明確化されました。
「特に安全管理が必要な医薬品が新たに処方された患者に対して必要な指導を行った場合」と「特に安全管理が必要な医薬品に係る用法又は用量の変更、患者の副作用の発現状況の変化等に基づき薬剤師が必要と認めて指導を行った場合」の2つの時点が明確化され、それぞれ評価されることになります。
特定薬剤管理指導加算3が新設されます。
特に丁寧な説明が必要となる場合を評価するものです。
具体的には
「特に安全性に関する情報活用が必要となる、医薬品リスク管理計画に基づく説明資料を活用する場合及び緊急安全性情報等の医薬品の安全性に関する情報を提供する場合」
「長期収載品の保険給付の在り方の見直しとして導入された選定療養の対象となる品目が処方された患者に対する制度の説明が必要な場合」
など患者に対してより丁寧な説明を実施する必要がある場合の評価です。
特定薬剤管理指導加算3について
(診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 令和6年厚生労働省告示第57号 別表第三)
区分10の3 服薬管理指導料
8 特定薬剤管理指導加算3(1) 服薬管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に加えて、処方された医薬品について、保険薬剤師が患者に重点的な服薬指導が必要と認め、必要な説明及び指導を行ったときに患者1人につき当該医薬品に関して最初に処方された1回に限り算定する。
(2) 「イ」については、「10の2」調剤管理料の1の(1)を踏まえ、
「当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合」とは、
以下のいずれかの場合をいう。
「当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合」とは、
以下のいずれかの場合をいう。
・RMPの策定が義務づけられている医薬品について、当該医薬品を新たに処方された場合に限り、患者又はその家族等に対し、RMPに基づきRMPに係る情報提供資材を活用し、副作用、併用禁忌等の当該医薬品の特性を踏まえ、適正使用や安全性等に関して十分な指導を行った場合(RMP資材を配布しただけでは算定不可:当研究会見解)
・処方された薬剤について緊急安全性情報、安全性速報が新たに発出された場合等に、安全性に係る情報について提供及び十分な指導を行った場合
(3) 「ロ」に示す
「調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合」とは、
以下のいずれかの場合をいう。
「調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合」とは、
以下のいずれかの場合をいう。
・後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合
・医薬品の供給の状況が安定していないため、調剤時に前回調剤された銘柄の必要な数量が確保できず、前回調剤された銘柄から別の銘柄の医薬品に変更して調剤された薬剤の交付が必要となる患者に対して説明を行った場合
(4) 対象となる医薬品が複数処方されている場合に、処方箋受付1回につきそれぞれ1回に限り算定するものであること。
また、複数の項目に該当する場合であっても、重複して算定することができない。
また、複数の項目に該当する場合であっても、重複して算定することができない。
(5) 特定薬剤管理指導加算3を算定する場合は、それぞれの所定の要件を満たせば特定薬剤管理指導1及び特定薬剤管理指導加算2を算定できる。
(6) 薬剤服用歴等には、対象となる医薬品が分かるように記載すること。
また、医薬品の供給の状況を踏まえ説明を行った場合には、調剤報酬明細書の摘要欄に調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名を記載すること。
また、医薬品の供給の状況を踏まえ説明を行った場合には、調剤報酬明細書の摘要欄に調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名を記載すること。
疑義解釈資料の送付について(その1) 令和6年3月28日 事務連絡
【特定薬剤管理指導加算3】
問 18
特定薬剤管理指導加算3について、1回の処方で「イ」に該当する医薬品と「ロ」に該当する医薬品が同時に処方されている場合に、「イ」及び「ロ」 をそれぞれ算定可能か。
(答)特定薬剤管理指導料3の「イ」及び「ロ」は算定できる対象が異なることから、必要事項を満たした説明を行うのであれば算定可能。
問 19
特定薬剤管理指導加算3について、1つの医薬品が、「イ」と「ロ」の 両方に該当する場合に、「イ」と「ロ」を重複して算定することが可能か。
(答)当該事例が生じることは想定されないが、それぞれの観点で必要な説明をしているのであれば算定可能。
問 20
特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、患者向けの医薬品リスク管理計画(以下、RMPという。)に係る資材を用いて指導を行った場合は、 指導に使用した患者向けRMP資材を薬剤服用歴等に添付もしくは資材の名称等を記載する必要があるのか。
(答)患者向けRMP資材の薬剤服用歴等への添付及び資材の名称等の記載は不要であるが、指導の要点を薬剤服用歴等に記載すること。
問 21
特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、RMPに係る患者向け資材がない医薬品については算定できないのか。
また、薬機法の再審査が終了し、 RMPの策定・実施が解除された医薬品については算定の対象外になるのか。
(答)いずれの場合も算定不可。
RMP提出品目及び資材については、医薬品医療機器総合機構のウェブサイトにて最新の情報を確認した上で指導をする こと。
(https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/itemsinformation/rmp/0001.html)
問 22
特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合には、患者が先発医薬品を希望しているにもかかわらず、説明の結果、後発医薬品を選択して選定療養とならなかった場合も算定可能か。
(答)可能である。
【特定薬剤管理指導加算3】
問 18
特定薬剤管理指導加算3について、1回の処方で「イ」に該当する医薬品と「ロ」に該当する医薬品が同時に処方されている場合に、「イ」及び「ロ」 をそれぞれ算定可能か。
(答)特定薬剤管理指導料3の「イ」及び「ロ」は算定できる対象が異なることから、必要事項を満たした説明を行うのであれば算定可能。
問 19
特定薬剤管理指導加算3について、1つの医薬品が、「イ」と「ロ」の 両方に該当する場合に、「イ」と「ロ」を重複して算定することが可能か。
(答)当該事例が生じることは想定されないが、それぞれの観点で必要な説明をしているのであれば算定可能。
問 20
特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、患者向けの医薬品リスク管理計画(以下、RMPという。)に係る資材を用いて指導を行った場合は、 指導に使用した患者向けRMP資材を薬剤服用歴等に添付もしくは資材の名称等を記載する必要があるのか。
(答)患者向けRMP資材の薬剤服用歴等への添付及び資材の名称等の記載は不要であるが、指導の要点を薬剤服用歴等に記載すること。
問 21
特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、RMPに係る患者向け資材がない医薬品については算定できないのか。
また、薬機法の再審査が終了し、 RMPの策定・実施が解除された医薬品については算定の対象外になるのか。
(答)いずれの場合も算定不可。
RMP提出品目及び資材については、医薬品医療機器総合機構のウェブサイトにて最新の情報を確認した上で指導をする こと。
(https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/itemsinformation/rmp/0001.html)
問 22
特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合には、患者が先発医薬品を希望しているにもかかわらず、説明の結果、後発医薬品を選択して選定療養とならなかった場合も算定可能か。
(答)可能である。
疑義解釈資料の送付について(その8) 令和6年6月18日 事務連絡
【特定薬剤管理指導加算】
問1
特定薬剤管理指導加算3の「イ」又は「ロ」について、当該患者が継続して使用している医薬品ではあるが、当該医薬品に関して、保険薬剤師が 重点的な服薬指導が必要と認め、当該加算の算定要件を満たす説明及び指導を行った場合、初回に限り算定できるか。
(答)算定可能。
問2
長期収載品の処方等又は調剤について選定療養の仕組み(以下「本制度」 という。)が導入される令和6年10月1日より前の時点で、本制度の対象となる医薬品について患者に対して説明を行った場合、特定薬剤管理指導加算3の「ロ」は算定できるか。
(答)本制度に関し、調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に対し、 当該患者が求める情報について必要かつ十分な説明を行えば算定することができる。
なお、本制度に関する運用上の取扱い(患者が支払う額の具体的な計算方法等)については今後更に周知する予定であるので留意されたい。
【特定薬剤管理指導加算】
問1
特定薬剤管理指導加算3の「イ」又は「ロ」について、当該患者が継続して使用している医薬品ではあるが、当該医薬品に関して、保険薬剤師が 重点的な服薬指導が必要と認め、当該加算の算定要件を満たす説明及び指導を行った場合、初回に限り算定できるか。
(答)算定可能。
問2
長期収載品の処方等又は調剤について選定療養の仕組み(以下「本制度」 という。)が導入される令和6年10月1日より前の時点で、本制度の対象となる医薬品について患者に対して説明を行った場合、特定薬剤管理指導加算3の「ロ」は算定できるか。
(答)本制度に関し、調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に対し、 当該患者が求める情報について必要かつ十分な説明を行えば算定することができる。
なお、本制度に関する運用上の取扱い(患者が支払う額の具体的な計算方法等)については今後更に周知する予定であるので留意されたい。