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2023年11月9日木曜日

タミフルドライシロップ3%が入手困難な場合の 脱力プセル対応について



タミフルドライシロップ3%が入手困難な場合

  • 5歳以上のインフルエンザ患者においては吸入できる吸入薬で対応します。
  • タミフルカプセル75を脱カプセルし、賦形剤を加えるなどの調剤上の工夫をおこなった上でタミフルドライシロップの用法用量したがって投与します。

タミフルカプセルを脱カプセルした場合、オセルタミビルはとても苦いので小さな子供に飲ませるには一工夫必要です。
乳糖や砂糖を加える、あるいはジュースにとかして飲ませるなどの説明を充分に保護者などにする必要があります。
ジュースなどへ用事懸濁させて飲ませることに関しては、オセルタミビルは、薬物の代謝酵素であるチトクロームP450(CYP)で代謝されず、またCYPの活性にも影響を与えないので可能です。
個人的には「おくすり飲めたね」のチョコレート味と混ぜるのが飲みやすかったです。

脱カプセル調整例

タミフルドライシロップ3%は1g中にオセルタミビルとして30mg含有する散剤です。

30mg/gの散剤10gを予製する場合(15kgの幼児[3~4歳]の5日分に相当)
タミフルカプセル75、4カプセルを脱カプセルします。
カプセル中身に全量が10gとなるよう乳糖で賦形します。
この散剤を1gづつ分包します。

インフルエンザ治療における用法用量
オセルタミビルとして以下の1回用量を1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。
ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。

幼小児の場合:2mg/kg
新生児、乳児の場合:3mg/kg



脱カプセルの保険算定について


2009年の新型インフルエンザ流行時にタミフルドライシロップが入手困難だったときには、厚生労働省がタミフルカプセルを脱カプセルしタミフルドライシロップの用法用量に従って投与した場合に限り薬剤料も算定可能という事務連絡を出していました。

また、タミフルカプセル75mgを脱カプセルし、賦形剤を加えて調剤した上で交付した場合、タミフルドライシロップ3%が入手困難な場合であれば、保険薬局は自家製剤加算を算定できるという事務連絡も出されていました。

2023年においてもインフルエンザが流行している状況下で、オセルタミビルリン酸塩の
ドライシロップ製剤の供給が限定されているため、やむを得ず脱カプセルを行い賦形剤を加えるなどの対応をした場合自家製剤加算を算定できる旨の疑義解釈が示されました。このような場合には、レセプトの摘要欄に「オセルタミビルリン酸塩ドライシロップ製剤の不足のため」等のやむを得ない事情を記載することが必要です。




・「疑義解釈資料の送付について(その 60)」厚生労働省保険局医療課事務連絡(2023年11月8日)
https://ajhc.or.jp/siryo/20231108-60.pdf

・「新型インフルエンザに関連する診療報酬の取扱いについて」厚生労働省保険局医療課 事務連絡(2009年5月26日)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/05/dl/info0527-01.pdf

・「新型インフルエンザに係るタミフル等に関するQ&Aについて」厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部(2009年11月6日)
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/11/dl/info1106-02.pdf

・「限定出荷に関するご案内 タミフルドライシロップ3%」中外製薬(2023年11月8日)
https://chugai-pharm.jp/content/dam/chugai/product/notice/2023/20231108_01.pdf


・「オセルタミビルリン酸塩ドライシロップの在庫逼迫に伴う協力依頼」厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課 (2023年11月8日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001165070.pdf