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2023年10月25日水曜日

ジフルカン静注液 販売中止と代替品



 

ジフルカン静注液が販売中止となるようです。

https://www.pfizermedicalinformation.jp/ja-jp/system/files/attachments/dsy27n001b.pdf?pmidf

販売中止時期は2024年7月を予定されています。


ジフルカンの成分であるフルコナゾールは、1978年にファイザー社(英国、サンドイッチ研究所)で開発されたトリアゾール系の抗真菌剤です。日本では、1989年3月カプセル剤と注射剤が承認されています。 

ジフルカンは、カンジダ属及びクリプトコッカス属に抗真菌活性を示し、これらによる真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症及び真菌髄膜炎に対し使用されます。また、2010年12月に日本小児血液学会・日本小児がん学会から開発要請がなされ、2011年11月には「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の適応拡大され使用されています。


ジフルカンの代替品

ジフルカン静注液のプロドラッグであるプロジフ(ホスフルコナゾール)が候補となります。プロジフは生体内で速やかにフルコナゾールに加水分解されます。フルコナゾールと比べ溶解性が高まったことにより、液量負担が軽減されています。また、負荷投与法を採用することによって、血中フルコナゾール濃度を投与3日目より定常状態として維持することが可能となっています。
しかし、「小児用法・用量」および「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の適応はありません。

小児適応をもつ抗真菌薬はミカファンギン、リポソーマルアムホテリシン B(L-AMB)、フルコナゾール、ボリコナゾール、カスポファンギンがあり、感受性や忍容性を考慮し選択されます。

造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防適応をもつ薬剤にはボリコナゾール、ポサコナゾールとキャンディン系のミカファンギンがあります。こちらも患者ごとの真菌症リスクと抗真菌薬スペクトラムと忍容性を考慮して選択されます。