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2023年10月27日金曜日

フェルビナクパップ70mg「タイホウ」 販売中止と代替品



フェルビナクパップ70mg「タイホウ」が販売中止となるようです。

フェルビナクパップ70mg「タイホウ」販売中止のご案内

経過措置期間は未定です。


フェルビナクパップ 70mg「タイホウ」は他のフェルビナク貼付剤の膏体をさらに少なくし貼付時の使用感に優れた薄型タイプのパップ剤として知られていました。フェルビナク貼付剤の中で唯一の温感タイプです。
フェルビナクパップ 70mg「タイホウ」は有効成分であるフェルビナクの放出性、持続的吸収性等に優れた経皮吸収型鎮痛消炎剤として開発され、2005年1月26 日に『フェルナビオン』として承認されました。また、2019年6月17日にフェルビナクパップ70mg「タイホウ」に販売名変更されました。



フェルビナクパップ 70mg「タイホウ」の代替品

フェルビナクパップ 70mg「タイホウ」は香料に、トウガラシエキスを添加剤として採用しています。トウガラシエキスは人によっては温かく感じる場合があり、フェルビナクパップ 70mg「タイホウ」は温感タイプのパップ剤として知られています。(ただ、カイロのように温度が上がるわけではなく、あくまでも温かく感じる気がするだけです)
温感成分としてトウガラシエキスの他にノニル酸ワニリルアミドが添加されている製剤も存在します。

代替品として、他の温感タイプの消炎鎮痛貼付剤をまとめてみました。

【パップ】
インドメタシン
・ラクティオンパップ

サリチル酸メチル/dl-カンフル/トウガラシエキス
・MS温シップ「タイホウ」
・MS温シップ「タカミツ」
・ラクール温シップ

【テープ】
ケトプロフェン
・ケトプロフェン「ラクール」

ロキソプロフェン
・ロキソプロフェンナトリウム「タイホウ」
・ロキソプロフェンNa「三友」

フルルビプロフェン
・フルルバンパップ(販売中止:2023年)



フルルバンパップ 40mg 販売中止と代替品



フルルバンパップ40mgが販売中止となるようです。

販売中止のお知らせ(科研製薬)
https://www.kaken.co.jp/wp/wp-content/uploads/medical_products3/2022/03/fulruban_202310.pdf

経過措置期間は2025年3月末満了(予定)です。

販売中止の理由は諸般の事情です。


フルルバンパップの有効成分フルルビプロフェンは、強力なプロスタグランジン生合成阻害作用を有する非ステロイド性鎮痛・消炎剤です。経口剤として各種炎症性疼痛疾患に幅広く使用されています。その有効性および安全性は高く評価されています。
貼付剤については、炎症局所への直接効果、非ステロイド性鎮痛・消炎剤特有の副作用の軽減化、さらに投薬管理の簡便化が検討され、臨床的にも有用性の高いことが認められています。

フルルビプロフェン 40mg 含有パップ剤アドフィードパップが1988年に承認・発売されました。フルルバンパップはその後、アドフィードパップと同様にフルルビプロフェン40mgを含有し、同一の効能効果を有するパップ剤として1992年に大協薬品工業が製造承認を取得し発売しました。
その後、途中から基材にノニル酸ワリニルアミドというカプサイシンに近いものを添加してフルルビプロフェンのパップ剤を売る三笠製薬、科研製薬、大正製薬の三社から再度発売されました。そして、大正製薬は2018年に三笠製薬は2019年に販売中止しました。


フルルバンパップ 40mgの代替品

フルルバンパップは安定性の向上を目的として、ノニル酸ワニリルアミドを添加剤として採用しています。ノニル酸ワニリルアミドは人によっては温かく感じる場合があり、フルルバンパップは温感タイプのパップ剤として知られています。(ただ、カイロのように温度が上がるわけではなく、あくまでも温かく感じる気がするだけです)
温感成分としてノニル酸ワニリルアミドの他にトウガラシエキスが添加されている製剤も存在します。

代替品として、他の温感タイプの消炎鎮痛貼付剤をまとめてみました。

【パップ】
インドメタシン
・ラクティオンパップ

サリチル酸メチル/dl-カンフル/トウガラシエキス
・MS温シップ「タイホウ」
・MS温シップ「タカミツ」
・ラクール温シップ

【テープ】
ケトプロフェン
・ケトプロフェン「ラクール」

ロキソプロフェン
・ロキソプロフェンナトリウム「タイホウ」
・ロキソプロフェンNa「三友」

フェルビナク
・フェルビナク「タイホウ」 (販売中止:2023年)



2023年10月26日木曜日

2024年3月末経過措置(予定) 消化酵素配合剤



消化酵素配合剤の多くが販売中止となり、2024年3月末に経過措置(予定)満了を迎えます。

少し、整理してみました。

販売中止の発表がなされ2024年3月末に経過措置期間満了となる消化酵素配合剤は以下のとおりです。

新薬の登場による消化器疾患の薬物治療の進展に伴い、消化酵素製剤としての本製品の臨床上の位置付けが変化し、販売数量は近年減少の一途を辿っております。また度重なる薬価改定により日本薬局方収載品の最低薬価(10.10円)をも下回る薬価(5.70円)まで下落し僅少な売上規模となっております。このような状況下では、品質確保のための老朽化した施設への設備投資、或いは新たな原薬+調達先・製造委託先の探索といった安定供給に向けた取り組みを行うことが非常に難しくなっております。今般あらゆる改善策を模索した結果、販売継続が困難と判断し、厚生労働省や関係学+術団体にご相談の上、本製品の販売を中止させていただくことになりました。

 

総合消化酵素製剤 ボルトミー配合錠につきまして、2021年12月に一時出荷停止の案内をさせていただいておりましたが、諸般の事情により販売を中止させて頂くことになりました。

 

諸般の事情により、甚だ勝手ではございますが、販売中止させて頂くことになりました。

成分の1つである医療用セルロシンA.P.の製造販売の終了に伴い、製造販売の継続が困難となって参りました。既に販売終了予定のご案内を実施いたしましたが、諸々の手続きが完了いたしましたので、在庫が無くなり次第販売を終了いたします。

残された消化酵素配合剤

販売を継続している消化酵素配合剤は4種類です。
  • ケイラーゼSA配合顆粒 
  • フェンラーゼ配合カプセル 
  • ベリチーム配合顆粒 
  • マックターゼ配合錠 


医療用消化酵素製剤の特徴やそれに応じた使い分けについてはこちらのレヴューがよくまとまっています。

2023年10月25日水曜日

ジフルカン静注液 販売中止と代替品



 

ジフルカン静注液が販売中止となるようです。

https://www.pfizermedicalinformation.jp/ja-jp/system/files/attachments/dsy27n001b.pdf?pmidf

販売中止時期は2024年7月を予定されています。


ジフルカンの成分であるフルコナゾールは、1978年にファイザー社(英国、サンドイッチ研究所)で開発されたトリアゾール系の抗真菌剤です。日本では、1989年3月カプセル剤と注射剤が承認されています。 

ジフルカンは、カンジダ属及びクリプトコッカス属に抗真菌活性を示し、これらによる真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症及び真菌髄膜炎に対し使用されます。また、2010年12月に日本小児血液学会・日本小児がん学会から開発要請がなされ、2011年11月には「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の適応拡大され使用されています。


ジフルカンの代替品

ジフルカン静注液のプロドラッグであるプロジフ(ホスフルコナゾール)が候補となります。プロジフは生体内で速やかにフルコナゾールに加水分解されます。フルコナゾールと比べ溶解性が高まったことにより、液量負担が軽減されています。また、負荷投与法を採用することによって、血中フルコナゾール濃度を投与3日目より定常状態として維持することが可能となっています。
しかし、「小児用法・用量」および「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の適応はありません。

小児適応をもつ抗真菌薬はミカファンギン、リポソーマルアムホテリシン B(L-AMB)、フルコナゾール、ボリコナゾール、カスポファンギンがあり、感受性や忍容性を考慮し選択されます。

造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防適応をもつ薬剤にはボリコナゾール、ポサコナゾールとキャンディン系のミカファンギンがあります。こちらも患者ごとの真菌症リスクと抗真菌薬スペクトラムと忍容性を考慮して選択されます。



デジレル 販売中止と代替品




デジレルが販売中止となるようです。

https://www.pfizermedicalinformation.jp/ja-jp/system/files/attachments/dsy27n001b.pdf?pmidf

販売中止時期は2024年10月を予定されています。



デジレルの成分であるトラゾドン塩酸塩は、1971年にイタリアのアンジェリーニ社で開発されたトリアゾロピリジン誘導体の抗うつ薬です。開発当初は慢性疼痛の治療薬として考えられていましたが、抗うつ効果も見出され、抗うつ薬として使われ始めました。

1982年にはアメリカで、ブリストル・マイヤーズスクイブ社の子会社のメッドジョンソン社からDesyrelの名前で発売されました。

日本では1984年に鐘紡株式会社(現:オルガノン)が開発に着手し、1988年から阪急共栄物産株式会社(後の日本アップジョン)が開発に参加し1991年に共同で発売しました。

鐘紡の販売名がレスリン、日本アップジョンはアメリカのメッドジョンソン社の販売名をそのまま使ってデジレルとして販売しました。

デジレル(Desyrel)の名前の由来は「Depressive Symptom Releiver(うつ症候軽減薬)」の略です。



睡眠薬っぽい抗うつ薬トラゾドン

トラゾドンは5HT2a/c受容体に拮抗する作用と、SERTを阻害する作用を兼ね備えている薬です。

不安に関連するセロトニン5HT2a/c受容体の拮抗とセロトニン再取り込み阻害作用によりセロトニンが効率よく働くことで抗うつ作用を示します。

しかし、アドレナリンα1受容体及びヒスタミンH1受容体遮断作用をもつため眠気の副作用があります。

この強い眠気のため、睡眠薬っぽい抗うつ薬として認知され、それどころか睡眠薬として書籍で紹介されていたりします。

適応用量は75mg~200mgですが、酷い眠気とふらつきのためここまで増量されることはほとんど無く、多くは50mg程度を眠前に服用されています。

25~50mgではセロトニン再取り込み阻害作用はほとんど無く、H1受容体遮断とセロトニン5HT2a/c受容体拮抗作用のみ現れます。

睡眠では5HT2c活性の低下は徐波睡眠を増やして深い眠りを与えると考えられています。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の乱用が叫ばれる昨今、価値のある睡眠薬です。


デジレルの代替品

デジレルには併売品のレスリンがあります。

そのほか、デジレル・レスリンには後発品があります。