ノベルジンは酢酸亜鉛を成分とするウィルソン病および低亜鉛血症の治療剤です。
もともと、錠剤が発売されていましたが、錠剤は低年齢の小児で服用が困難であること、また投与量の細やかな調整が不可能という問題が存在していました。これらの医療ニーズを鑑み、顆粒剤が開発されました。
ノベルジン顆粒5%の発売日
ノベルジン顆粒5%の発売日は2023年2月1日です。
ノベルジン顆粒5%の味と臭い
甘味料としてスクラロースが添加されているので甘みを感じられます。
また、バナナフレーバーの香料が原薬の酢酸臭をマスクしています。
ノベルジン顆粒5%はフィルムコーティングされている
ノベルジン顆粒5%の有効成分である酢酸亜鉛は、その物性として収れん性を有しています。
服薬時の収れん性を軽減する目的でコーティング顆粒とされています。
そのため、水に溶かしたり、顆粒を潰して粉末にすると渋みを感じることがあります。
小児に処方されることが多い薬ですので、他の粉薬やドライシロップ製剤とは別包にするほうが良いでしょう。
ノベルジン顆粒の粒径
直径約0.5mmの球状顆粒です。
ノベルジン顆粒の経管投与
顆粒のままでは懸濁状態はあまり良くはないようですが、5Fr、6Frまでのチューブであれば通過が可能であったとのデータがあります。3Fr、4Frのチューブでは目詰まりを起こすので注意が必要です。顆粒を乳鉢で潰して粉末化すれば3Frでも問題無く通過したとの報告もあるようです。なお、チューブへの薬剤吸着性はなかったそうです。
<ノベルジン顆粒の経管投与における通過性試験及び吸着性試験>
- 1.6gのノベルジン顆粒5%を注入器に入れ、55℃の温湯を20mL吸い取る。
- 5分静置後、注入器を手で15往復横転して懸濁の状況を観察。
- 懸濁不良の場合には再度5分静置後、同様に15往復横転する。
- この時点でも懸濁しない場合は、
- 薬剤を乳鉢で粉砕して粉末化したものを注入器に入れ、上記の作業を初めから行う。
- 注入器をチューブに取り付け、流速約2~3mL/秒で懸濁液を全て押し込む。
- 適量の水(約20mL)を注入器で注入し、薬剤が残存していなければ通過と判定。
- 薬剤が接触するチューブ表面積の大きい経鼻胃管6Fr及び胃瘻管14Fr、シャフト長4.5cmについては、チューブ通過前後の薬液濃度を薬剤の定量法(UV法)に準じて測定する。
ノベルジン顆粒の分包後の安定性
ノベルジン顆粒をセロファン+ポリエチレンで分包した場合の安定性試験の結果をご紹介します。
結果は以下のとおりです。
温度25℃、湿度60%RHで3ヵ月保存。結果は規格内。
温度30℃、湿度75%RHで3ヵ月保存。結果は規格内。
なお、添付文書の【取扱い上の注意】の項に、「ボトル包装品を分包した場合は、高温多湿を避けて保存すること」と記載があります。