2022年5月23日月曜日

グルコバイ 販売中止と代替品

グルコバイ錠・グルコバイOD錠が販売中止となるようです。

2022年秋頃から出荷が終了されるようです。
https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2022-05/GUL_PNS_202205230.pdf

経過措置期間満了(予定):2023年3月末


販売中止の理由は需要の低下です。

なお、グルコバイの販売中止に伴い、バイエル薬品からのブドウ糖の提供も終了となります。


グルコバイ(アカルボース)

グルコバイ錠・グルコバイOD錠(アカルボース)は、1973年にドイツ・バイエル社が放線菌の一種であるActinoplanes属のアミノ糖生産菌の培養液中から分離・精製したα-アミラーゼ及びα-グルコシダーゼの阻害剤です。

アカルボースは腸管内において炭水化物の消化・吸収に関与するα-アミラーゼ及びα-グルコシダーゼ(スクラーゼ、マルターゼ等)の活性を阻害することにより食後の血糖上昇を抑制します。

日本において1977年に開発が開始されました。インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を対象とした臨床試験で血糖コントロールにおける有用性が確認され、1993年に承認を取得、同年12月にベイスン錠が発売されました。その後、水なしでも服用可能な口腔内崩壊錠が2010年1月に承認され、同年5月に発売されました。


グルコバイの代替品

グルコバイには後発品が各社から販売されています。

  • アカルボース錠
  • アカルボースOD錠


また、他のαーグルコシダーゼ阻害薬のベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)も代替候補になります。


αーグルコシダーゼ阻害薬の特徴

アカルボースにはαグルコシダーゼのほかにアミラーゼの阻害作用もあります。そのため、多糖類が分解されず、残って大腸に行く場合があり、他の2剤に比べて便秘が多く、ガスの発生が多くなる傾向にあります。

ボグリボースはアカルボースよりも腹部症状の少ない用量設定になっています。使用しやすいのですが、その分効果も穏やかです。

ミグリトールは薬剤自体かなり吸収されます。この特性により小腸の初めのほうで薬が多く、下部では薬量が少なくなります。そのため、食後早期のブドウ糖吸収を強く抑制できます。結果として食後1時間の血糖上昇を強く抑えることができます。