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2022年5月23日月曜日

ネリプロクト坐剤・ネリプロクト軟膏 販売中止と代替品(経過措置:2023年3月31日)



ネリプロクト坐剤・ネリプロクト軟膏が販売中止となるようです。

https://www.ltl-pharma.com/common/pdf/220523_neriproct.pdf


2023年1月末出荷停止予定。
経過措置期間は2023年3月31日まで(予定)


ネリプロクト坐剤・軟膏は、副腎皮質ホルモンである「ジフルコルトロン吉草酸エステル」と局所麻酔作用が迅速な「リドカイン」の2成分を含有する痔疾用配合剤です。

ジフルコルトロン吉草酸エステルとリドカインとの配合により、速やかな鎮痛効果と消炎による炎症痛の軽減を示し、痔核に伴う急性症状(疼痛・腫脹・出血)にも優れた効果を示す薬剤として使用されていました。

日本では日本シエーリング社によって開発され、1993年に承認されました。

そして、2022年販売を終了するに至りました。


痔核の薬物療法

薬物療法は腫れ、脱出、痛み、出血などの症状を和らげる効果はあるのですが、慢性の痔核自体を完治させることはできません。痔核の治療に用いる外用薬には坐薬と軟膏があります。

坐薬は肛門の歯状線よりも口側の病変に、

軟膏は歯状線よりも肛門側の病変に有用と考えられています。

ステロイドを含む薬は腫れ、痛み、出血の強い急性炎症の時期に効果が期待できます。

しかし、まれにステロイド性皮膚炎や肛門周囲白癬症を生じることがあるので長期にわたる連用は避けたほうがよいです。トリベノシドを含有するものは炎症性浮腫の緩和、局所麻酔薬が配合されているものは痛みの緩和、大腸菌死菌浮遊液は創傷治癒に、ビスマス系のものは出血症状の緩和に有効です。


ネリプロクトの代替品

ネリプロクトには後発品があります。

【坐剤】

  • ネリコルト
  • ネリザ
  • ネイサート

【軟膏】

  • ネリザ


ネリプロクトは、抗炎症作用に加え、局所麻酔作用をもつ薬剤です。同様の作用が期待できる薬には 抗炎症作用にヒドロコルチゾン、局所麻酔作用にジブカインを配合した『プロクトセディル』があります。
また、抗炎症作用にトリベノシド、局所麻酔作用にリドカインを配合した『ボラザG』があります。





グルコバイ 販売中止と代替品



グルコバイ錠・グルコバイOD錠が販売中止となるようです。

2022年秋頃から出荷が終了されるようです。
https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2022-05/GUL_PNS_202205230.pdf

経過措置期間満了(予定):2023年3月末


販売中止の理由は需要の低下です。

なお、グルコバイの販売中止に伴い、バイエル薬品からのブドウ糖の提供も終了となります。


グルコバイ(アカルボース)

グルコバイ錠・グルコバイOD錠(アカルボース)は、1973年にドイツ・バイエル社が放線菌の一種であるActinoplanes属のアミノ糖生産菌の培養液中から分離・精製したα-アミラーゼ及びα-グルコシダーゼの阻害剤です。

アカルボースは腸管内において炭水化物の消化・吸収に関与するα-アミラーゼ及びα-グルコシダーゼ(スクラーゼ、マルターゼ等)の活性を阻害することにより食後の血糖上昇を抑制します。

日本において1977年に開発が開始されました。インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を対象とした臨床試験で血糖コントロールにおける有用性が確認され、1993年に承認を取得、同年12月にベイスン錠が発売されました。その後、水なしでも服用可能な口腔内崩壊錠が2010年1月に承認され、同年5月に発売されました。


グルコバイの代替品

グルコバイには後発品が各社から販売されています。

  • アカルボース錠
  • アカルボースOD錠


また、他のαーグルコシダーゼ阻害薬のベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)も代替候補になります。


αーグルコシダーゼ阻害薬の特徴

アカルボースにはαグルコシダーゼのほかにアミラーゼの阻害作用もあります。そのため、多糖類が分解されず、残って大腸に行く場合があり、他の2剤に比べて便秘が多く、ガスの発生が多くなる傾向にあります。

ボグリボースはアカルボースよりも腹部症状の少ない用量設定になっています。使用しやすいのですが、その分効果も穏やかです。

ミグリトールは薬剤自体かなり吸収されます。この特性により小腸の初めのほうで薬が多く、下部では薬量が少なくなります。そのため、食後早期のブドウ糖吸収を強く抑制できます。結果として食後1時間の血糖上昇を強く抑えることができます。