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2022年1月18日火曜日

コナン錠 販売中止と代替品



 コナン錠が販売中止となるようです。

https://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/info/ifn_5376_P20275.pdf


経過措置期間(予定)
2022年3月末


コナン錠は,米国ワーナー・ランバート社(現:ファイザー社)が開発したキナプリル塩酸塩を主成分とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)です。ACE阻害剤のファースト・インクラスであるカプトプリルとは異なりSH基(チオール基)を有していないカルボン酸タイプのACE阻害剤です。コナン錠はプロドラッグという特徴を持っています。

経口投与後速やかに吸収、加水分解され活性代謝物のキナプリラートとなり血管壁などの標的臓器で強力かつ持続的なACE阻害作用を示す。さらに組織移行性を高めるため3-isoquinolyl 基をもっています。臨床的には1日1回投与で24時間にわたり、安定した降圧効果を示し、高血圧に対して高い有用性が確認され、1995年6月に日本で承認を取得し同年9月に販売を開始しました。

販売開始から26年あまりで、販売中止となりました。


コナン錠は某アニメの名探偵と同じ名前なので、名前のインパクトは大きいです。
実際の名称の由来は
CONVERT + ANGIOTENSIN + ANGIO 
のアルファベットの最初の部分をつなぎ合わせた造語です。


コナン錠の代替品


後発品(ジェネリック)はありません。

コナン錠(キナプリル)は降圧効果のあるACE阻害薬です。2022年1月時点で12種類のACE阻害薬が降圧薬として用いられています。ACE阻害薬は構造上の特徴として、チオールタイプ、カルボン酸タイプ、7員環タイプの3つに分類できます。キナプリルはカルボン酸タイプです。類似の構造を持つものは、性質も似てくるので、カルボン酸タイプから替わりを選択するのがよいでしょう。

最近の企業の風潮として長期収載品を減らしていく流れがあります。この観点で考えたとき、適応が1つのものよりは、複数あるもののほうが市場からの撤退が起きにくいと考えられます。
エナラプリル、リシノプリルは高血圧症のほかに慢性心不全の適応をもっています。イミダプリルは糖尿病性腎症の適応をもっています。