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2021年10月4日月曜日

レビトラ 販売中止と代替品



 ED治療薬のレビトラ錠が販売中止となるようです。

レビトラ®錠 5mg/10mg/20mg 販売中止のお知らせ(バイエル薬品)
https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2021-10/LEV_PNS_202110040.pdf

販売中止時期:2022年1月~3月

経過措置期間:未定

販売中止理由:海外製造工場での生産及び入荷の目処が立たず安定供給が難しいため


レビトラ錠(成分名:バルデナフィル)は、ドイツ・バイエル社で開発されたホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬です。勃起不全(ED)に対する治療はPDE5阻害剤が第一選択薬とされ、レビトラ錠はバイアグラやシアリスと並び日常診療に汎用されています。

レビトラ錠の開発の経緯は、1~11型のアイソザイムが存在することが知られていたPDEのうち、陰茎海綿体に多く存在するPDE5に対してより強い阻害作用を有し、かつ選択性が高い、すなわち、その他のPDEアイソザイムに対する阻害作用が弱いPDE5阻害剤の開発が有効性及び安全性の面より望まれていたことに端を発します。ドイツ・バイエル社が、上述を目的に種々の化合物の検索を行った結果、PDE5阻害作用がより強くかつ選択的なバルデナフィルを見出し、レビトラ錠をED治療薬として開発するに至ったのでした。


PDE5阻害薬のED治療薬にはバイアグラやシアリスがありますが、中でもレビトラは、作用発現が速やかで効果が確実であり、食事の影響を受けにくいことが特徴とされています。

さらに、「糖尿病を有する勃起不全患者を対象とした本剤10mgおよび20mgのプラセボとの臨床比較試験」、「脊髄損傷を有する勃起不全患者を対象とした本剤の可変用量による一般臨床試験」の国内臨床試験が実施され、国外で実施された同様の2試験の成績も併せて、糖尿病などの生活習慣病の患者、脊髄損傷患者、骨盤内手術後の患者など難治性のED患者への20mg投与の有効性と安全性が確認されているのも特徴です。


レビトラ錠の代替品

レビトラ錠には後発品(ジェネリック)が存在します。
沢井製薬と東和薬品が製造販売しているものです


レビトラ錠には5mg錠の規格がありますが、後発品にはありません。
そのかわり、10mg錠に割線がついています。

参考:各種ED治療薬の特徴比較

2021年7月26日月曜日

糖尿病用注射剤の開封後の使用期限をまとめました



(2021.07.更新)

被災地における未使用のインスリン製剤の保管について


未使用のインスリン製剤は基本的に冷蔵庫での保存をお願いしていますが、冷蔵庫にて保管できない場合には、使用中のインスリンと同様、室温にて下記の点に注意して保管し使用してください。

  1. 凍結を避けてください。また、暖房器具や直射日光による高温を避け遮光して保存してください。
  2. 室温で保管をはじめてから4週間は大きな変化が認められませんので、どの製剤も少なくとも4週間は、ご使用いただけます。なお、4週間を超える安定性については、製剤により異なります。
  3. 使用される際には、破損や浮遊物など異常がないか念のためご確認ください。異常が認められた場合にはご使用をお控えください。



平成23年4月 東北地方太平洋沖地震にて被災された患者の皆様へ
http://dm-rg.net/news/2011ima/about_unuse_insulin.pdf

インスリン製剤 使用開始後の保管温度と使用可能日数

使用開始後、インスリン製剤を室温(1~30℃)に置き始めてからは、以下の表の期間を参考にご使用ください。

インスリン製剤は遮光保存です。キャップをするか外箱等に入れて保管してください。


製品名

剤形

使用後の保管温度

使用可能日数

ヒューマログ注

カート・ミリオペン

30℃以下の室温

28日間

ヒューマログミックス25注

カート・ミリオペン

30℃以下の室温

28日間

ヒューマログミックス50注

カート・ミリオペン

30℃以下の室温

28日間

ヒューマログN注

カート・ミリオペン

30℃以下の室温

18日間

ヒューマリンR注

100単位/mL

2~8℃

28日間

ヒューマリンN注

100単位/mL

2~8℃

28日間

ヒューマリン3/7注

100単位/mL

2~8℃

28日間

ヒューマログ注

100単位/mL

2~8℃

28日間

ノボラピッド注

ペンフィル・
フレックスタッチ・
フレックスペン・
イノレット・
100単位/mL

30℃以下の室温

4週間

ノボラピッド30ミックス注

ペンフィル・
フレックスペン

30℃以下の室温

4週間

ノボラピッド50ミックス注

フレックスペン

30℃以下の室温

4週間

ノボラピッド70ミックス注

フレックスペン

30℃以下の室温

4週間

トレシーバ注

ペンフィル・
フレックスタッチ

30℃以下の室温

8週間

レベミル注

ペンフィル・
フレックスペン・
イノレット

30℃以下の室温

6週間

ノボリンR注

フレックスペン

30℃以下の室温

6週間

ノボリン30R注

フレックスペン

30℃以下の室温

6週間

ノボリンN注

フレックスペン

30℃以下の室温

6週間

イノレット30R注


30℃以下の室温

6週間

ノボリンR注

100単位/mL

30℃以下の室温

6週間

ライゾデグ配合注

フレックスタッチ

30℃以下の室温

4週間

ランタスXR注

ソロスター

25±2℃

6週間

ランタス注

ソロスター・
カート・
100単位/mL

25±2℃

4週間

アピドラ注

ソロスター・
カート・
100単位/mL

25±2℃

4週間

インスリングラルギンBS注
「リリー」

ミリオペン・
カート

30℃以下の室温

28日間

インスリングラルギンBS注
「FFP」

キット

30℃以下の室温

4週間

フィアスプ注

ペンフィル・
フレックスタッチ・
100単位/mL

30℃以下の室温

4週間

ルムジェブ注

カート・
ミリオペン・
ミリオペンHD・
100単位/mL

30℃以下の室温

28日間

インスリン リスプロ BS 注
HU「サノフィ」

ソロスター・
100単位/mL・
カート

30℃以下の室温

28日間

インスリン アスパルト BS注
NR「サノフィ」

ソロスター・
100単位/mL・
カート

30℃以下の室温

28日間




GLP-1受容体作動薬 使用開始後の保管温度と使用可能日数


製品名

剤形

使用後の保管温度

使用可能日数

ビクトーザ

皮下注18mg

30℃以下の室温

30日間

ビデュリオン

皮下注用2mgペン・
皮下注用2mg

30℃以下の室温

4週間

バイエッタ

皮下注5μgペン300・
10μgペン300

25℃以下

30日間

リキスミア

皮下注300μg

25℃以下

30日間

トルリシティ

皮下注0.75mgアテオス

30℃以下の室温

14日

オゼンピック

皮下注2mg

室温〔冷蔵庫(2~8℃)も含む〕

8週間

GLP-1受容体作動薬とインスリン配合剤 使用開始後の保管温度と使用可能日数


製品名

剤形

使用後の保管温度

使用可能日数

ゾルトファイ配合注

フレックスタッチ

25℃以下
30℃以下の室温

4週間
3週間

ソリクア配合注

ソロスター

25℃±2

31 日間


インスリン製剤およびGLP-1受容体作動薬の各製剤の、使用開始後の保管温度と使用可能日数は、添付文書に表記されています。上記はそれらをまとめたものです。詳細は、添付文書及びインタビューフォーム、または製造各社問い合わせ窓口にてご確認ください。


参考:
日本イーライリリー「 平成30年7月豪雨の被害に伴う弊社糖尿病領域製品の保管について」
ノボノルディスクファーマ「 使用開始後の保管温度と使用可能日数」




サノフィ・アベンティス株式会社
医薬品関連 くすり相談室
0120-109-905(フリーダイヤル)9:00-17:00 (祝日・会社休日を除く)
糖尿病関連医療機器の操作方法 オプチコール24
0120-497-010(フリーダイヤル) 24時間365日 

日本イーライリリー株式会社
医薬情報問合せ窓口リリーアンサーズ
医療関係者向け0120-360-605 (当面24時間受付)
患者様向け0120-245-970(当面24時間受付) 

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
ノボケア相談室
月曜日から金曜日(祝日・会社休日を除く)9:00~18:00 0120-180-363
早朝・夜間及び土日・祝日・会社休日(時間外受付センター) 0120-359-516

2021年6月21日月曜日

「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミング 2021年6月収載後発品関連



2021年6月18日に後発品の薬価収載がありました。

各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報が更新され、後発医薬品の数量シェア(置換え率)に影響があります。


「後発医薬品がない先発医薬品」が後発品の登場により「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミングは、品目によって違ってきます。

(基本的には発売月の翌月1日から)


切り替わるタイミングに関しては、厚生労働省ホームページの

「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報」

5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)の備考欄に記載されています。

https://www.mhlw.go.jp/topics/2021/04/tp20210401-01.html


2021年7月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更

ルネスタ錠1mg

ルネスタ錠2mg

ルネスタ錠3mg

サインバルタカプセル20mg

サインバルタカプセル30mg

アイファガン点眼液0.1%

アレジオン点眼液0.05%

アレジオンLX点眼液0.1%

ザクラス配合錠LD

ザクラス配合錠HD

アドシルカ錠20mg

ベシケア錠2.5mg

ベシケア錠5mg

ベシケアOD錠2.5mg

ベシケアOD錠5mg

アリムタ注射用500mg

アリムタ注射用100mg


2021年10月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更


アロキシ静注0.75mg

アロキシ点滴静注バッグ0.75mg



2021年6月18日金曜日

アレジオン点眼と後発品の添加物比べてみた



 2021年6月18日、6月の後発医薬品薬価基準追補収載がなされました。初後発品は9成分でした。そのうち、参天製薬の抗アレルギー点眼剤「アレジオン点眼」とその後発品について添加物の違いなどをまとめてみました。


アレジオン点眼の後発品(エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%)は12社12品目が収載されました。オーソライドジェネリック(AG)を噂されていた、エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「SEC」は収載を見送っています。


後発品の薬価は159.8円です。(先発:339.2円)



コンタクトレンズを装着したまま点眼可能か


アレジオン点眼液は発売当初、防腐剤としてベンザルコニウム塩化物を添加していました。そのため、添付文書には「コンタクトレンズ装用時の使用は避ける」旨の記載がありました。その後、製品の改良がなされ、ベンザルコニウム塩化物を添加していない現在の製品が誕生しました。そのため、現在のアレジオン点眼液の添付文書には「コンタクトレンズ装用時の使用は避ける」の記載はありません。


では、この度収載された後発品はどうでしょうか、すべての製品の添付文書を確認したところ、コンタクトレンズの使用に関する注意の記載はありませんでした。



添加物のちがい


エピナスチン点眼液の先発品と後発品で添加物にちがいはあるのでしょうか。

先発のアレジオン点眼液の添加物はリン酸二水素ナトリウム水和物、リン酸水素ナトリウム水和物、ホウ酸、塩化ナトリウム、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤です。「GO」、「SN」、「TS」、「杏林」、「センジュ」、「トーワ」、「ニットー」、「ニプロ」、「わかもと」のこれら9品目が先発品と全て同じ添加物でした。


「サワイ」と「日新」はリン酸二水素ナトリウム水和物が無水物のリン酸二水素ナトリウムに変更されていました。

「日点」は他に等張化剤を添加しているようです。



容器のちがい


各社、容器にはそれぞれ個性が出ています。ただ、キャップの色は先発と同じような黄土色で統一されています。

容器の形状によってフタの開けやすさ、さしやすさ、が異ってきますが、感覚には個人差があるため優劣はつけられません。いくつか見本を取り寄せて実際のものを触ってみるしかないようです。




2021年3月24日水曜日

ナシビン点鼻・点眼液 0.05% 販売中止と代替品



 ナシビン点鼻・点眼液 0.05%が販売中止となるようです。

販売中止のご案内 (佐藤製薬)
https://medinfo-sato.com/update/pdf/200630_nasivin.pdf


経過措置期間
2021年3月31日まで


ナシビン点鼻・点眼液 0.05%は、1961年にドイツのエー・メルク社で開発されたイミダゾリン誘導体である塩酸オキシメタゾリンの 0.05%水溶液です。局所の強い血管収縮作用並びに粘膜の腫脹消退作用があります。鼻粘膜ならびに粘膜の充血抑制作用の機序は特異的に交感神経α受容体を直接刺激することにより生ずる末梢血管収縮作用に基づいています。


ナシビン点鼻・点眼液 0.05%の代替品


ナシビンと同様の局所性血管収縮剤が代替候補になります。

「コールタイジン点鼻液」「トラマゾリン点鼻液0.118%「AFP」 」「プリビナ液0.05%」があります。コールタイジンはステロイドが配合されているのが特徴です。そのため、6歳以上からしか使用できません。


これら医療用の局所性血管収縮剤は点鼻容器に移し替えたものを点鼻します。この「点鼻」は、初めての人には難しく、コツを掴むまでたくさん出すぎたり、鼻の後ろから喉に降りてきたり、扱いにくいです。

その点、一般用医薬品では霧状に噴霧できる点鼻できるスプレータイプのものが選べます。

ナシビンは2011年にスイッチOTCとして『ナシビンMスプレー』を販売しています。


フランセチン・T・パウダー 販売中止と代替品



フランセチン・T・パウダーが販売中止となるようです。

『フランセチン・T・パウダー』製造・販売中止のご案内 PDFファイル
『フランセチン・T・パウダー』経過措置移行品目のご案内 PDFファイル

経過措置期間:2021年3月31日迄


フランセチン・T・パウダーは広汎な抗菌スペクトルを有する抗生物質フラジオマイシンと壊死組織融解作用を有する蛋白分解酵素トリプシンを配合した外用散布剤です。

フラジオマイシンとトリプシンを併用すると病巣の清浄化作用ならびに蛋白分解酵素のenzymatic debridement作用により抗生物質の病巣内移行性が亢進し、治癒機転が著しく促進されると考えられています。ここから両者配合の外用剤は化膿性潰瘍、壊死、膿瘍、びらん、などの傷口の消毒に使える薬と考えられていました。

粉が容器の中に入っていて、容器を押して粉を患部に散布するという、特徴的な剤形の薬剤でした。しかし、粉という剤形は傷口の乾燥化を早めるという、古い考え方に基づいた設計であるので、「傷口はなるべく乾かさない」という現代の考え方にはそぐわないものになってきたため販売を中止することになったのでしょう。


フランセチン・T・パウダーの代替品

同一の成分、同一の効能・効果を有する代替品はありません。

フラジオマイシン感性菌によるびらん・潰瘍の二次感染の効能・効果を有する外用薬には「バラマイシン軟膏」や「ソフラチュール貼付剤」があります。

しかし、アミノグリコシド系は感作されやすいという欠点をもっています。特にフラジオマイシンは接触源として有名です。

表在性の感染はほとんどがブドウ球菌ですので、アミノグリコシド系の外用剤を選択しなくてもよいでしょう。そうすると、スファジアジン銀(ゲーベン®クリーム)、ポビドンヨード・シュガー(ユーパスタコーワ軟膏)、カデキソマー・ヨウ素(カデックス®軟膏)を選択することか勧められます。

浅い傷などであれば、ナジフロキサシン(アクアチムクリーム)やフシジン酸ナトリウム(フシジンレオ軟膏)を用いることができます。



2021年3月22日月曜日

2021年度介護報酬改定 居宅療養管理指導(薬局関連) 





2021年度の介護報酬改定について薬局に関係する部分(居宅療養管理指導費)について、告示および通知等を抜粋してみました。

 まず、2021年度改定において、居宅療養管理指導について、在宅の利用者であって通院が困難なものに対して行うサービスであることを踏まえ、適切なサービスの提供を進める観点から、診療報酬の例を参考に、少なくとも独歩で家族・介助者等の助けを借りずに通院ができるような人への算定はできないことが明確化されました。


 また、薬剤師による情報通信機器を用いた服薬指導の評価が新設されました。薬剤師による居宅療養管理指導について、診療報酬では2020年改定において既に算定可能な情報通信機器を用いた服薬指導を新たに介護報酬でも算定できるよう整合性をとったものです。

令和3年度介護報酬改定の主な事項(厚生労働省)



居宅療養管理指導費については居住場所に応じた評価が見直され、単位数が変更されています。高齢者マンションなど単一建物居住者が10人以上の場合、算定単位が減っている(345単位/回 → 341単位/回)一方で、単一建物居住者1人に対して行う場合は単位数が増えています。

令和3年度介護報酬改定の主な事項(厚生労働省)


 さらに、居宅療養管理指導費の算定要件として『利用者の社会生活面の課題にも目を向け、地域社会における様々な支援へとつながるよう留意し、(中略)提供するよう努めることとする』という文言が加わっています。これは、在宅療養に欠かせない最低限の情報だけでなく、社会的処方の観点から必要だと考えられる情報も併せて医師、ケアマネ等チームに伝達することで、より質の高いサービスの提供、利用者のQOLの向上につなげる狙いがあります。


細かいところでは、用語の呼称が若干変わっています。2020年度までは居宅療養管理指導を行っている保険薬局(在宅基幹薬局)が連携する他の保険薬局を「サポート薬局」と呼んでいましたが、サポート薬局の呼称が『在宅協力薬局』に変更になりました。これは、健康サポート薬局と混同を避けるためと思われます。


[指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準]改正告示(令和3年厚生労働省告示第73号

5 居宅療養管理指導費
イ 医師が行う場合
 (略)

ロ 歯科医師が行う場合
 (略)

ハ 薬剤師が行う場合
⑴ 病院又は診療所の薬剤師が行う場合
㈠ 単一建物居住者1人に対して行う場合         565単位
㈡ 単一建物居住者2人以上9人以下に対して行う場合 416単位
㈢ ㈠及び㈡以外の場合 379単位


⑵ 薬局の薬剤師が行う場合
㈠ 単一建物居住者1人に対して行う場合  517単位
㈡ 単一建物居住者2人以上9人以下に対して行う場合 378単位
㈢ ㈠及び㈡以外の場合 341単位


注1 在宅の利用者であって通院が困難なものに対して、指定居宅療養管理指導事業所( 指定居宅サービス基準第85条第1項に規定する指定居宅療養管理指導事業所をいう。以下この注及び注4から注6までにおいて同じ。) の薬剤師が、医師又は歯科医師の指示( 薬局の薬剤師にあっては、医師又は歯科医師の指示に基づき、当該薬剤師が策定した薬学的管理指導計画)に基づき、当該利用者を訪問し、薬学的な管理指導を行い、介護支援専門員に対する居宅サービス計画の策定等に必要な情報提供を行った場合に、単一建物居住者( 当該利用者が居住する建物に居住する者のうち、当該指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が、同一月に 指定居宅療養管理指導を行っているものをいう。)の人数に従い、1月に2回( 薬局の薬剤師にあっては、4回)を限度として、所定単位数を算定する。

ただし、薬局の薬剤師にあっては、別に厚生労働大臣が定める者に対して、当該利用者を訪問し、薬学的な管理指導等を行った場合は、1週に2回、かつ、1月に8回を限度として、所定単位数を算定する。

医科診療報酬点数表の区分番号C 002に掲げる在宅時医学総合管理料に規定する訪問診療の実施に伴い、処方箋が交 付された利用者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導( 指定居宅療養管理指導と同日に行う場合を除く。) を行った場合は、注1の規定にかかわらず、1月に1回に限り45単位を算定する。


疼痛緩和のために別に厚生労働大臣が定める特別な薬剤の投薬が行われている利用者に対して、当該薬剤の使用に関し必要な薬学的管理指導を行った場合は、1回につき100単位を所定単位数に加算する。ただし、注2を算定している場合は、算定しない。


別に厚生労働大臣が定める地域に所在する指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が指定居宅療養管理指導を行った場合は、特別地域居宅療養管理指導として、1回につき所 定単位数の100分の15に相当する単位数を所定単位数に加算する。ただし、注2を算定している場合は、算定しない。


別に厚生労働大臣が定める地域に所在し、かつ、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合する指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が指定居宅療養管理指導を行った場合は、1回につき所定単位数の100分の10に相当する単位数 を所定単位数に加算する。ただし、注2を算定している場合は、算定しない。


指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が、別に厚生労働大臣が定める地域に居住している利用者に対して、通常の 事業の実施地域( 指定居宅サービス基準第90条第5号に規定する通常の事業の実施地域をいう。) を越えて、指定居宅療養管理指導を行った場合は、1回につき所定単位数の100分の5に相当する単位数を所定単位数に加算する。ただし、注2を算定している場合は、算定しない。





6 居宅療養管理指導費
⑴ 通院が困難な利用者について
居宅療養管理指導費は、在宅の利用者であって通院が困難なものに対して、定期的に訪問して指導等を行った場合の評価であり、継続的な指導等の 必要のないものや通院が可能なものに対して安易に算定してはならない。
例えば、少なくとも独歩で家族・介助者等の助けを借りずに通院ができるものなどは、通院は容易であると考えられるため、居宅療養管理指導費は算定できない(やむを得ない事情がある場合を除く。)

⑵ (略)

⑶ 医師・歯科医師の居宅療養管理指導について
① 算定内容
 主治の医師及び歯科医師の行う居宅療養管理指導については、計画的かつ継続的な医学的管理又は歯科医学的管理に基づき、介護支援専門員
(指定居宅介護支援事業者により指定居宅介護支援を受けている居宅要介護被保険者については居宅サービス計画(以下6において「ケアプラン」という。)を作成している介護支援専門員を、特定施設入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護又は看護小規模多機能型居宅介護の利用者にあっては、当該事業所の介護支援専門員をいう。以下6において「ケアマネジャー」という。)
に対するケアプランの作成等に必要な情報提供並びに利用者若しくはその家族等に対する介護サービスを利用する上での留意点、介護方法等についての指導及び助言を行った場合に算定する。
ケアマネジャーへの情報提供がない場合には、算定できないこととなるため留意すること。
利用者が他の介護サービスを利用している場合にあっては、必要に応じて、利用者又は家族の同意を得た上で、当該介護サービス事業者等に介護サービスを提供する上での情報提供及び助言を行うこととする。

 また、必要に応じて、利用者の社会生活面の課題にも目を向け、地域社会における様々な支援へとつながるよう留意し、また、関連する情報については、ケアマネジャー等に提供するよう努めることとする。
 なお、当該医師が当該月に医療保険において、「在宅時医学総合管理料」又は「施設入居時等医学総合管理料」を当該利用者について算定した場合には、当該医師に限り居宅療養管理指導費(Ⅱ)を算定する。

② 「情報提供」及び「指導又は助言」の方法ア ケアマネジャーに対する情報提供の方法
ケアプランの策定等に必要な情報提供は、サービス担当者会議への参加により行うことを基本とする(必ずしも文書等による必要はない。)
当該会議への参加が困難な場合やサービス担当者会議が開催されない場合等においては、下記の「情報提供すべき事項」(薬局薬剤師に情報提供する場合は、診療状況を示す文書等の内容も含む。)について、別紙様式1(医師)又は2 (歯科医師)(メール、FAX等でも可)により、ケアマネジャーに対して情報提供を行うことで足りるものとする。
なお、サービス担当者会議等への参加により情報提供を行った場合については、別紙様式1(医師)又は2 (歯科医師)を参考に、その情報提供の要点を記載すること。当該記載については、医療保険の診療録に記載することは差し支えないが、下線又は枠で囲う等により、他の記載と区別できるようにすること。
また、別紙様式1(医師)又は2 (歯科医師)等により情報提供を行った場合については、当該様式等の写しを診療録に添付する等により保存すること。

(情報提供すべき事項)
 (a)~(c) (略)
 (d) 利用者の日常生活上の留意事項、社会生活面の課題と地域社会において必要な支援等

イ (略)
③~⑤ (略)

⑷ 薬剤師が行う居宅療養管理指導について
① 薬局薬剤師が行う居宅療養管理指導については、医師又は歯科医師の指示に基づき、薬剤師が薬学的管理指導計画を策定し、また、医療機関の薬剤師が行う場合にあっては、医師又は歯科医師の指示に基づき、利用者の居宅を訪問して、薬歴管理、服薬指導、薬剤服用状況及び薬剤保管状況の確認等の薬学的管理指導を行い、提供した居宅療養管理指導の内容について、利用者又はその家族等に対して積極的に文書等にて提出するよう努め、速やかに記録(薬局薬剤師にあっては、薬剤服用歴の記録、医療機関の薬剤師にあっては、薬剤管理指導記録)を作成するとともに、医師又は歯科医師に報告した上で、ケアマネジャーに対するケアプランの作成等に必要な情報提供を行うこととする。
ケアマネジャーへの情報提供がない場合には、算定できないこととなるため留意すること。
ただし、ケアマネジャーによるケアプランの作成が行われていない場合の取扱いについては、⑶Ⓒを準用する。
 併せて、利用者の服薬状況や薬剤の保管状況に問題がある場合等、その改善のため訪問介護員等の援助が必要と判断される場合には、関連事業者等に対して情報提供及び必要な助言を行うこととする。
薬局薬剤師にあっては当該居宅療養管理指導の指示を行った医師又は歯科医師に 対し訪問結果について必要な情報提供を文書で行うこととする。
また、必要に応じて、⑶①の社会生活面の課題にも目を向けた地域社会における様々な支援につながる情報を把握し、関連する情報を指示を行った医師又は歯科医師に提供するよう努めることとする。
提供した文書等の写しがある場合は、記録に添付する等により保存することとする。
なお、請求明細書の摘要欄に訪問日を記入することとする。

②~⑧ (略)

⑨ ⑧にかかわらず、居宅療養管理指導を行っている保険薬局(以下「在宅基幹薬局」という。)が連携する他の保険薬局(以下「在宅協力薬局」という。)と薬学的管理指導計画の内容を共有していること及び緊急その他やむを得ない事由がある場合には在宅基幹薬局の薬剤師に代わって当該利用者又はその家族等に居宅療養管理指導を行うことについて、あらかじめ当該利用者又はその家族等の同意を得ている場合には、在宅基幹薬局に代わって在宅協力薬局が居宅療養管理指導を行った場合は居宅療養管理指導費を算定できること。
なお、居宅療養管理指導費の算定は在宅基幹薬局が行うこと。

在宅協力薬局の薬剤師が在宅基幹薬局の薬剤師に代わって居宅療養管理指導を行った場合には次のとおり、薬剤服用歴の記録等を行うこととする。

在宅協力薬局は、薬剤服用歴の記録を記載し、在宅基幹薬局と当該記録の内容を共有すること。
イ (略)
ウ 在宅基幹薬局は、薬剤服用歴に当該居宅療養管理指導を行った在宅協力薬局名及びやむを得ない事由等を記載するとともに、請求明細書の摘要欄に在宅協力薬局が当該業務を行った日付等を記載すること。

⑪~⑮ (略)

⑯ 情報通信機器を用いた服薬指導
ア 医科診療報酬点数表の区分番号C002 に掲げる在宅時医学総合管理料に規定する訪問診療の実施により処方箋が交付された利用者であって、居宅療養管理指導費が月1回算定されているものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導(居宅療養管理指導と同日に行う場合を除く。)を行った場合に、ハ注1の規定にかかわらず、月1回に限り算定する。この場合において、ハの注3、注4、注5及び注6に規定する加算は算定できない。

イ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和 36 年厚生省令第1号)及び関連通知に沿って実施すること。

ウ 情報通信機器を用いた服薬指導は、当該薬局内において行うこと。エ  利用者の同意を得た上で、対面による服薬指導と情報通信機器を用いた服薬指導を組み合わせた服薬指導計画を作成し、当該計画に基づき情報通信機器を用いた服薬指導を実施すること。

オ 情報通信機器を用いた服薬指導を行う薬剤師は、原則として同一の者であること。ただし、次のa及びbをいずれも満たしている場合に限り、やむを得ない事由により同一の薬剤師が対応できないときに当該薬局に勤務する他の薬剤師が情報通信機器を用いた服薬指導を行っても差し支えない。
 a 当該薬局に勤務する他の薬剤師(あらかじめ対面による服薬指導を実施したことがある2名までの薬剤師に限る。)の氏名を服薬指導計画に記載していること。
 b 当該他の薬剤師が情報通信機器を用いた服薬指導を行うことについて、あらかじめ利用者の同意を得ていること。

カ 当該居宅療養管理指導の指示を行った医師に対して、情報通信機器を用いた服薬指導の結果について必要な情報提供を文書で行うこと。キ 利用者の薬剤服用歴を経時的に把握するため、原則として、手帳により薬剤服用歴及び服用中の医薬品等について確認すること。また、利用者 が服用中の医薬品等について、利用者を含めた関係者が一元的、継続 的に確認できるよう必要な情報を手帳に添付又は記載すること。

ク 薬剤を利用者宅に配送する場合は、その受領の確認を行うこと。

ケ 当該服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を利用者に配送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる。


参考:令和3年度介護報酬改定について(厚生労働省)

2021年3月12日金曜日

S・アドクノン錠30 販売中止と代替品



S・アドクノン錠30が販売中止となるようです。


S・アドクノン®錠30販売中止のご案内(アルフレッサファーマ)
https://www.alfresa-pharma.co.jp/news/get/NEWS_ID/1252/

経過措置期間:2021年3月31日迄


S・アドクノンは アドレノクロムモノアミノグアニジンを有効成分とする止血剤で、紫斑病、網膜出血、鼻出血等各種の出血性素因のある患者さんに使用されていました。 

アドレノクロム は、1941年にDerouauxによって発見されたアドレナリンの酸化誘導体です。

アドレノクロムの作用機序は主として血管壁の透過性抑制作用及び血管抵抗力増強作用です。そのため、毛細血管透過性増大による出血に対して止血作用を有します。

しかしながら、アドレノクロムは、非常に不安定な物質であるため臨床的に応用することが困難でした。この点を改良したアドレノクロム誘導体アドレノクロムモノセミカルバゾン(Carbazochrome)が合成され(1943年Braconier)臨床応用への道が開かれました。

その後もアドレノクロムとその誘導体の開発が進められた結果、安定で水溶性の高い化合物としてアドレノクロムモノアミノグアニジンが合成されました。

S・アドクノンは治験で紫斑病、網膜出血、鼻出血等各種の出血性素因の止血において有用性が認められ、1971年11月に承認を取得し、1974年4月に発売されました。

なお、1984年3月19日に1錠50mg規格製剤(S・アドクノン錠50)の発売に伴い、「放射線曝射による白血球減少症」の承認効能が追加されていましたが、50mg規格製剤の販売中止と承認整理に伴い、2001年7月にS・アドクノン錠30の効能・効果、用法・用量から「放射線曝射による白血球減少症」の承認効能を自主的に整理しています。

そして、2019年諸般の事情により S・アドクノン30は販売中止となりました。


S・アドクノン錠30の代替品

経口の止血薬は、血管強化薬、凝固促進薬、抗プラスミン剤などに分類されます。
代替品はこれらの中から、選ぶことになるでしょう。


血管強化剤とは、毛細血管の透過性を抑制し、脆弱性を改善することによって出血を防止する薬で、カルバゾクロムやS・アドクノン(アドレノクロム)などがこれに分類されています。毛細血管の透過性が高まると血液成分が血管外に漏出し出血も多くなるようですが、血管強化薬は血管透過性が高まるのを抑制して止血するもので、凝固系や線溶系とは関係なく止血作用を示すと考えられています。紫斑病や皮膚や粘膜からの出血に対して用いられます。ただし、その効果は強いものではなく、作用機序については不明な点も多く、なんで効いているのかよくわからないし、本当に効いているのかすらよくわからない薬です。エビデンスも殆どありません。


抗プラスミン剤とは、血栓が溶解されるときに働くプラスミンというプロテアーゼを阻害する抗プラスミン薬のことで、血栓の溶解を抑制して止血作用を示すものです。トラネキサム酸が内服薬や注射薬として使われています。線溶反応が亢進することによって起こる異常出血に極めて有効です。トラネキサム酸は止血に関する研究報告がいくつかあります。

トラネキサム酸も古くから信頼性のある止血剤として多くの国々で使用されてきました。そのため、トラネキサム酸とカルバゾクロムを併用することに関してはいくつか有用性が報告されています。

Ipema HJ, et al. Use of topical tranexamic acid or aminocaproic acid to prevent bleeding after major surgical procedures. Ann Pharmacother. 2012 Jan;46(1):97-107. [PMID: 22202494]

Onodera T, et al.Risk of deep venous thrombosis in drain clamping with tranexamic acid and carbazochrome sodium sulfonate hydrate in total knee arthroplasty.J Arthroplasty. 2012 Jan;27(1):105-8.[PMID: 21435821]


2021年3月11日木曜日

経過措置による使用期限が2021年3月31日から延長された品目(2021年3月5日告示)



2021年3月31日に経過措置期間満了を迎える医薬品のうち、3月5日の官報に改めて経過措置品目として告示され、その期間が延長されたものがあります。
数にして125品目ありました。


経過措置品目とは『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』告示の別表第1又は別表第2に収載された品目のことです。



今回延長された多くが、「医療用後発医薬品の販売名の一般的名称への変更に係る代替新規承認申請の取扱いについて(平成29年6月30日医政経発0630第1号・薬生薬審発0630第5号・薬生安発0630第1号)」の通知に基づいた販売名変更品でした。しかも、ほとんどが12月に告示されたものばかりで名称変更品が流通していないものも多く現場では「延長されるのか」「されなかったらどうしよう」などと若干不安とあせりがありました。
(ここ最近の年度末は同じようなことがおきますね)

以下に、この度の官報告示で経過措置期間が2021年3月31日から延長された品目をお示しいたします。
注:統一名収載されたものについては官報告示されませんので掲載しておりません。


2021年9月30日まで延長されたもの

薬価基準収載
医薬品コード
品名
2619702Q3224 5%グルコン酸クロルヘキシジン液「日医工」
2619702Q3143 5%フェルマジン液
2190016Q2026 アーガメイト20%ゼリー25g
2190016D1028 アーガメイト89.29%顆粒5.6g
1319720Q3086 アイケア点眼液0.1%
1319720Y2063 アイケア点眼液0.3%
4490014F2064 アズサレオン錠20
2223001C1037 アストマリ細粒10%
2223001F2129 アストマリ錠15mg
1214700P1062 アネトカインゼリー2%
1214001S1038 アネトカインビスカス2%
2399707D2045 アフタシール25μg
6131001M2157 アモリンカプセル250
4490014F1050 アルピード錠10
4490014F2080 アルピード錠20
2115403A1030 アンナカ注「フソー」-10%
2115403A2037 アンナカ注「フソー」-20%
7219415G1041 イオパーク240注シリンジ100mL
7219415H4054 イオパーク350注50mL
7219415G1068 イオベリン240注シリンジ100mL
7219415H4070 イオベリン350注50mL
4240404A2080 イリノテカン塩酸塩点滴静注液100mg「タイホウ」
4240404A1083 イリノテカン塩酸塩点滴静注液40mg「タイホウ」
2649719S1231 インテナシンパップ70mg
2144002F3108 エナラプリルM錠10「EMEC」
7219412A8066 オイパロミン150注200mL
3999411G1028 オキリコン注シリンジ20mg
3999411G2024 オキリコン注シリンジ40mg
3999411G3020 オキリコン注シリンジ80mg
1319720Q7154 オペガンハイ0.6眼粘弾剤1%
1319720Q6077 オペガンハイ0.7眼粘弾剤1%
1319720Q8134 オペガンハイ0.85眼粘弾剤1%
1319720Q7120 オペリード0.6眼粘弾剤1%
1319720Q7162 オペリードHV0.6眼粘弾剤1%
1319720Q8142 オペリードHV0.85眼粘弾剤1%
1319706Q3035 カリーユニ点眼液0.005%
2190016B1035 カリエードプラス散(分包)96.7%
3112004F1024 カルデミン錠0.25μg
2645700Q1044 カンフル精(小堺)
7229400D1088 グルカゴン注射用1単位「イトウ」
3999407D2200 コアヒビター注射用50mg
2411401A2035 コートロシンZ筋注0.5mg
2411400D1022 コートロシン注射用0.25mg
2452400D7058 サクシゾン静注用1000mg
2452400D6078 サクシゾン静注用500mg
2452400D1092 サクシゾン注射用100mg
2452400D4032 サクシゾン注射用300mg
3179101M1124 ジアイナミックスカプセル
3179504A1051 ジアイナミックス注射液
1124017F2089 ジアパックス錠2mg
1124017F4090 ジアパックス錠5mg
1149033F1021 ジソペイン錠75
2646708N1262 シマロンクリーム0.05%
2646708N1270 シマロンゲル0.05%
2646708M1232 シマロン軟膏0.05%
3399002Q2025 シロスレット内服ゼリー100mg
3399002Q1029 シロスレット内服ゼリー50mg
1329707Q3095 スカイロン点鼻液50μg56噴霧用
2649731M1080 スミルスチック3%
2649731S1194 スミルテープ70mg
2649731R1028 スミル外用ポンプスプレー3%
6132400F1076 セファピコール静注用0.25g
6132400F3141 セファピコール静注用1g
2354003D2048 センノサイド顆粒8%「EMEC」
1319710Q2094 ソフティア点眼液0.02%
2655700N1168 タオンクリーム1%
1319720Q3108 ティアバランス点眼液0.1%
1319720Y2080 ティアバランス点眼液0.3%
2646703M1159 ディーピーポロン軟膏0.064%
2318001Q1099 バリトゲン消泡内用液2%
2318001Q1110 バルギン消泡内用液2%
2590008N1098 パルナックカプセル0.1mg
2590008N2086 パルナックカプセル0.2mg
2318001Q1102 バロス消泡内用液2%
3133001F3074 パンテチン錠シオエ100
3133400A3067 パンテチン注10%「小林」
3339950N1043 ビーソフテンクリーム0.3%
2649950M1151 ビーソフテンゲル0.3%
3339950Q1082 ビーソフテンローション0.3%
3999408G1328 ヒカミロンディスポ関節注25mg
6250002Q3029 ビクロックスシロップ8%
6250401A1069 ビクロックス点滴静注250mg
6250002D1067 ビクロックス顆粒40%
2359005D1101 ピコダルム顆粒1%
2612701Q3385 ヒポジン消毒液10%
1329707Q3125 フルチカゾン点鼻液50μg「トーワ」56噴霧用
1329707Q3168 フロラーズ点鼻液50μg56噴霧用
1319724Q1154 プロラノン点眼液0.1%
2260701F1298 ポピロンガーグル7%
2318001F1209 ポリシロ錠40mg
2318001F3031 ポリシロ錠80mg
7213005S1028 マグコロール
7213018S1025 マグコロールP
3969008F4036 ミチグリニドCa・OD錠10mg「FFP」
3969008F3030 ミチグリニドCa・OD錠5mg「FFP」
3334404A1052 ミニヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL
2359110B1029 モビコール配合内用剤
6132418F2056 モベンゾシン静注用1g
8114004C1025 モルペス細粒2%
4490014F1203 ユピテル錠10
4490014F2030 ユピテル錠20
1319746Q1053 レボカバスチン塩酸塩点眼液0.025%「TOA」
2491001F5137 ローザグッド錠25
2491001F6168 ローザグッド錠50
2478001F2357 ロンステロン錠25mg
2616700Q1085 塩化ベンザルコニウム液10〈ハチ〉
3121400A4089 塩酸チアミン注50mg「フソー」
2659710N1160 塩酸テルビナフィンクリーム1%「マイラン」
2344004X1224 重曹「ホエイ」
2344005F1045 重曹錠500mg「マイラン」
3999407D2056 注射用ナファモスタット50「MEEK」


2022年3月31日まで延長されたもの

薬価基準収載医薬品コード 品名
2221003B2156 dl-塩酸メチルエフェドリン散10%「メタル」
2119402P1089 カコージンD注0.1%
2119402P2085 カコージンD注0.3%
6343427A8026 ピリヴィジェン10%点滴静注10g/100mL
6343427A9022 ピリヴィジェン10%点滴静注20g/200mL
6343427A7020 ピリヴィジェン10%点滴静注5g/50mL
8114402G1039 プレペノン注100mgシリンジ
2654700X1013 モクタール
8114004C2021 モルペス細粒6%
7149701X1013 ラベンダー油
2242001B2211 リン酸コデイン散1%「メタル」
2242002B2194 リン酸ジヒドロコデイン散1%「メタル」
6343410X6187 献血アルブミン20「KMB」
6343410X5237 献血アルブミン25「KMB」

アボビスカプセル 販売中止と代替品(経過措置:2021年3月31日)



アボビスカプセルが販売中止となるようです。


経過措置期間移行品目のご案内 (富士フイルム富山化学株式会社)
http://fftc.fujifilm.co.jp/med/news/pack/pdf/fftc_news_201125_01.pdf


経過措置:2021年3月31日


アボビスカプセルはアクラトニウムナパジシル酸塩を成分とするコリン作動性の消化管運動機能改善剤です。古くから漢方に用いられてきた葛根の有効成分として分離した消化管運動の促進作用を有するKassein Rをモデルとして、富山化学工業株式会社(現:富士フイルム富山化学株式会社)綜合研究所で開発されました。

アクラトニウムナパジシル酸塩が研究されていた1970年代では、消化管運動機能の低下とこれに伴う愁訴を改善する薬物として、副交感神経刺激剤や中枢性の消化管運動機能改善剤が広く用いられてきていました。しかし、その当時既存の副交感神経刺激剤は生体内で分解されにくいため、消化器系以外にも好ましくない作用の発現が問題となっていました。
また、中枢性の消化管運動機能改善剤は中枢を介して消化管に作用するため、中枢性の副作用や内分泌系の異常を発現する恐れがありました。
そこで、さらに有効性と安全性の高い薬剤の開発が望まれ、このような要望にこたえるべく、誕生したのがアボビスカプセルです。

1976年~1978年、国内26研究機関において787症例に臨床的検討が行われ、慢性胃炎、胆道ジスキネジー、消化管手術後などに伴い消化管運動機能が低下した症例に対し、運動機能の促進と各種症状を速やかに改善したという臨床試験の結果や、二重盲検比較試験において、対照薬のメトクロプラミドと比較し有意に優れた成績が認められ、1981年6月に承認を得て発売に至りました。

アボビスカプセルは経口投与の後、速やかに消化管組織に取り込まれ、各組織のアセチルコリン受容体に直接作用して消化管の運動を促進します。その作用は生体の生理的なリズムによく一致し、しかもその際、胃液分泌にはほとんど影響を与えないとされています。

アボビスカプセルは副作用が少ないのはよいのですが、その効果もマイルド過ぎて既存薬に比べるとその効果が見劣りするものでした。エビデンスも積み上げられることもなく、コリン作動性の消化管運動改善剤が主流ではなくなっていくのと同じくその影を潜め、発売中止となりました。


アボビスカプセル代替品

化管運動機能改善剤には、メトクロプラミドドンペリドンモサプリドが現在のスタンダードとなっています。
メトクロプラミドとドンペリドンの作用は上部消化管と小腸にとどまります。モサプリドは上部消化管と小腸に加えて大腸運動亢進作用も併せもつのが特徴です。


コリン作動薬の経口剤であれば、ベタネコール塩化物が代替となるでしょう。
しかし、全身性副作用強いため非常に扱いづらいです。腹痛、下痢、発汗、目が暗い、徐脈、全身脱力、唾液排出困難、呼吸困難などのコリン作動性クリーゼには十分な注意が必要です。リスクとベネフィットを勘案するとこれを代替に選ぶ場面はそんなにないと思います。

2021年3月10日水曜日

オーラップ販売中止と代替品(経過措置期間:2021年3月31日)



 「オーラップ錠1mg」「オーラップ錠3mg」「オーラップ細粒1%」が販売中止となるようです。

販売中止のご案内(アステラス製薬)
https://amn.astellas.jp/jp/di/info/news_190717011538568.pdf


経過措置期間:2021年3月31日


オーラップは、ピモジドを成分とする神経遮断剤です。ピモジドはベルギーのヤンセン社で開発されたジフェニルブチルピペラジンを基本骨格とし合成されました。

ピモジドが合成される前、ベルギーのヤンセン研究所では、すでにブチロフェノン系の神経遮断剤としてハロペリドール、トリフルペリドール及び スピロペリドール等の開発に成功していましたが、1960 年頃より化学構造的に新規な ジフェニルブチルピペラジン を基本骨格とした誘導体の広範な合成研究が行われていました。

これらの誘導体の中には中枢神経系に対して神経遮断剤として興味ある作用を示すものがあり、広範な薬理スクリーニングの結果、はじめてのジフェニルブチルピペラジン 誘導体として、ピモジドが選ばれ、神経遮断剤として開発するに至りました。

オーラップは薬理学的にはハロペリドール等既存の神経遮断剤にみられる典型的な作用、すなわちカタレプシー及び眼瞼下垂惹起作用、抗アポモルヒネ作用、抗アンフェタミン作用及び条件回避反応の抑制作用などを示しますが、既存の神経遮断剤より作用の持続が長く、また鎮静作用及び自律神経系に対する作用が比較的弱いという特徴を有しています。これらの作用は、経口投与でも著明であり、同等の量で皮下投与に匹敵する効果を示しました。

オーラップは当時の新しい神経遮断剤としての臨床効果に期待が持たれ、1967 年よりベルギーをはじめとした諸外国において精神分裂病(現 統合失調症)を対象とした臨床試験が開始されました。

日本国内では 1969 年より基礎試験及び臨床試験が開始され、1973 年 8 月に精神分裂病(現 統合失調症)の適応で承認を取得し、1982 年 4 月には小児の行動異常に対して適応を追加して現在に至ります。

最近は定型抗精神病薬よりも安全性の高い非定型抗精神病薬が次々と上市され活躍の場が減りつつある薬でした。

小児適応のある抗精神病薬がオーラップしかなかったため小児の発達障害診療では、ある程度の地位は確立していました。しかし、ピモジドは心毒性や突然死との関連がみられるため、使用前および使用中は心電図モニタリングが必要で、扱いづらさもありました。

近年、アリピプラゾールとリスペリドンの小児適応拡大により、安全性や扱いづらさからオーラップの使用は減ってきていました。

役目を終えたからなのか、2021年販売中止となり約半世紀の歴史に終止符がうたれました。


オーラップの代替品

後発品はありません。
統合失調症と小児の自閉症(発達障害)で分けると、以下のようになります。


統合失調症の場合

→他の抗精神病薬


小児発達障害

→アリピプラゾール or リスペリドン


参考:
1.抗精神病薬(経口製剤)の等価換算−稲垣&稲田(2017)版−


2021年3月9日火曜日

オステン錠 200mg 販売中止と代替品



 骨粗鬆症治療剤『オステン錠 200mg』が販売終了となるようです。


骨粗鬆症治療剤『オステン錠 200mg』販売終了のお知らせ(武田テバ)


販売終了時期:2021 年 8 月頃

経過措置終了期日: 2022 年 3 月末日(予定)


オステン錠はイプリフラボンを成分とする骨粗鬆症治療剤です。

武田薬品工業株式会社が、1980年にハンガリーのキノイン(Chinoin)社からイプリフラボンを導入し、開発に着手しました。イプリフラボンは薬効薬理試験により、骨に直接作用して骨吸収を抑制するとともに、女性ホルモンによるカルシトニン分泌を促進して骨吸収を抑制することが認められました。

また、二重盲検比較対照試験を含む各種臨床試験により、骨粗鬆症における骨量減少の改善が確認され、1988年9月に承認されました。

その後、骨形成促進作用を有することも認められ、製造販売後の調査・試験の成績をもとに再審査を受け、1998年にその有用性が確認されました。


役目が終わった薬

イプリフラボンは合成フラボノイド系化合物で、骨吸収抑制および骨形成促進の両面に作用して、骨量増加をもたらすとされていますが、骨折予防に関するエビデンスに乏しいというのが現状です。
明快な作用機序と骨折予防に関する豊富なエビデンスをもつ薬剤が増加してきた現時点では投与する積極的な理由がなく、役目の終わった薬といえます。


オステン錠の代替品

後発品が存在します(2021年3月時点)。

  • イプリフラボン錠200mg「YD」
  • イプリフラボン錠200mg「日医工」
  • イプリフラボン錠200mg「サワイ」
  • イプリフラボン錠200mg「ツルハラ」


骨粗鬆症の薬物治療の考え方

日本骨粗鬆症学会より「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」が発表され、骨粗鬆症治療の基本的な考え方が示されています。

ガイドラインでは、骨粗鬆症薬物治療の目的は『骨粗鬆症性骨折を予防し、QOLの維持・向上を目指すこと』とされています。さまざまな疫学調査の結果をもとに、原発性骨粗鬆症の薬物治療開始基準が設定されました。

 この開始基準によると、大腿骨近位部あるいは椎体の脆弱性骨折があれば、骨密度によらず薬物治療の対象となります。また、橈骨遠位端・上腕骨近位端・骨盤・下腿・肋骨の脆弱性骨折の場合、骨密度が若年成人平均値(YAM)の80%未満の場合に薬物治療の対象となります。

 また脆弱性骨折がなくても,骨密度がYAMの70%以下または-2.5SD以下で骨粗鬆症と診断される場合も当然ながら薬物治療の対象であるほか,骨密度がYAMの70~80%の骨量減少症でも,大腿骨近位部骨折の家族歴がある場合とFRAXによる10年間の主要骨折確率が15%以上の場合に薬物治療の対象となる。


 既存骨折例,著明低骨密度,FRAXでの高リスクなどの骨折リスクの高い症例

アレンドロン酸、リセドロン酸、ミノドロン酸などの側鎖に窒素を含有する第2世代以後のビスホスホネート(N-BP)経口製剤を用います。
これらが内服不可能な場合はN-BP(点滴)静注製剤か抗RANKLの抗体デノスマブを用います。
特に骨折リスクが高い場合には副甲状腺ホルモン(PTH)製剤が考慮されますが、いずれも高価な製剤です。投与期間が24カ月、72週、あるいは12カ月と限定されています。投与終了後は他薬で治療を継続する必要があります。


 リスクがそれほど高くない場合

個々の症例に応じて活性型ビタミンD3製剤、メナテトレノン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、BP製剤から1剤を選択します。
SERMには骨質改善作用が期待され、生活習慣病に伴う骨粗鬆症には有用な可能性があるとされています。

2021年4月から新たに基礎的医薬品の対象となる品目



 

薬価基準改定について(令和3年3月5日)


基礎的医薬品とは
収載から時間がかなり経過し、薬価も下がりすぎて採算が取れず市場撤退が考えられるもので、薬価を維持することで下支えされている医薬品群のことです。

参考:基礎的医薬品とは
https://www.ygken.com/2016/09/blog-post_18.html

平成28年度改定から導入され、今年度改定においても引き続き採用されています。
基礎的医薬品対象品目リスト(令和3年4月1日~)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2021/04/dl/tp2021_kiso_list.pdf


基礎的医薬品は変更調剤できるのか


基礎的医薬品は診療報酬上の後発品でも先発品でもないもになります。
すなわち、基礎的医薬品の対象となった品目は後発品数量シェアの計算式から除外されます。

では、後発品への変更調剤については可能なのでしょうか。
これについては、疑義解釈が出されています。
基礎的医薬品の対象となった製品について、基礎的医薬品に指定される以前に診療報酬上の後発品であったために変更調剤が認められていた品目は従来と同様に変更調剤を行うことが可能との見解が示されています。
疑義解釈資料の送付について(その7) 事務連絡2018.5.25
疑義解釈資料の送付について(その4) 事務連絡2016.9.15





2021年薬価改定における「基礎的医薬品」等の対象品目のうち、対象となる以前に「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」の区分であったものの一覧が厚生労働省の「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」のページに掲載されています。

後発医薬品と同様に変更調剤が認められる基礎的医薬品等の一覧(厚生労働省)


2021年4月から新たに基礎的医薬品の対象となった品目


2021年4月から新たに基礎的医薬品の対象となる品目を調べてみました。

  • コートロシン注射用0.25mg 1瓶
  • ハルトマン液「コバヤシ」 500mL1袋
  • ハルトマンD液「小林」 500mL1袋
  • ソリューゲンF注500mL1袋
  • ソリューゲンG注500mL1袋
  • エスロンB注500mL1袋

が、該当していました。

その他、統一名収載だったものが銘柄別収載へ変わった品目について基礎的医薬品のリストに多く上がってきています。

統一名収載から銘柄別収載へ移行したため対象品目リストへ上がったもの

アスピリン「ケンエー」
アスピリン「ホエイ」
アスピリン(山善)
アスピリン「ヨシダ」 
アスピリン原末「マルイシ」

大塚糖液5% 20mL1管 
ブドウ糖注5%PL「フソー」20mL1管 
光糖液5% 20mL1管 
ブドウ糖注射液5%「マイラン」20mL1管 

20%ブドウ糖注「日医工」 20mL1管
大塚糖液20%  20mL1管
ブドウ糖注20%PL「フソー」  20mL1管
光糖液20%   20mL1管
ブドウ糖注20%「NP」 20mL1管
糖液注20%「AFP」    20mL1管
大塚糖液40%  20mL1管
大塚糖液50%  20mL1管
ブドウ糖注50%PL「フソー」  20mL1管
光糖液50% 20mL1管
糖液注50%「AFP」 20mL1管

大塚食塩注10% 20mL1管
10%食塩注「小林」 20mL1管 
塩化ナトリウム注10%「フソー」 20mL1管
塩化ナトリウム注10%「HK」20mL1管

生食液「小林」 5mL1管
生理食塩液「フソー」 5mL1管
生理食塩液「NP」 5mL1管
大塚生食注 20mL1管
生理食塩液PL「フソー」 20mL1管
生理食塩液「ヒカリ」20mL1管
生理食塩液「NP」 20mL1管 

コンファクトF注射用250

大塚蒸留水 20mL1管
注射用水PL「フソー」 20mL1管
注射用水(光) 20mL1管

エタノール(兼一)
エタノール(小堺
エタノール シオエ 
エタノール「タイセイ」
エタノール〈ハチ〉 
エタノール「東海」 
エタノール「マルイシ」 
エタノール(山善) 
エタノール「ヤクハン」
エタノール「タカスギ」 
エタノール「ニッコー」 
エタノール「ヨシダ」 
エタノール「ケンエー」 
エタノールワコー 
エタノール「東豊」 

消毒用エタノール(兼一) 
消毒用エタノール「コザカイ・M」
消毒用エタノール シオエ 
消毒用エタノール「タイセイ」 
消毒用エタノール〈ハチ〉 
消毒用エタノール「東海」
消毒用エタノール「メタル」 
消毒用エタノール「マルイシ」 
消毒用エタノール「ヤクハン」 
消毒用エタノール「ヤマゼン」M 
消毒用エタノール「昭和」(M) 
消毒用エタノール「タカスギ」
消毒用エタノール「ニッコー」 
消毒用エタノール「ヨシダ」 
消毒用エタノール「ケンエー」 
消毒用エタノールワコー 
サラヤ消毒用エタノール 
消毒用エタノール「東豊」 
消毒用エタノール「NP」

無水エタノール シオエ
無水エタノール「タイセイ」 
無水エタノール〈ハチ〉 
無水エタノール「東海」 
無水エタノール「マルイシ」 
無水エタノール「ヤクハン」 
無水エタノール(山善) 
無水エタノール「ニッコー」 
無水エタノール(ミツマル) 
無水エタノール「ヨシダ」 
無水エタノール「ケンエー」 
無水エタノールワコー 
無水エタノール「東豊」



参考:
バクシダール錠やケフラールカプセルから後発医薬品へ変更調剤できなくなった?(平成28年診療報酬改定)

平成28年度診療報酬改定説明会(平成28年3月4日開催)資料等について 平成28年度診療報酬改定説明(薬価)

経済財政運営と改革の基本方針2015 ~経済再生なくして財政健全化なし~(2015年6月30日)

基礎的医薬品について[中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第110回) 議事次第(2015年11月4日)]

2021年3月6日土曜日

2021年4月から新たに診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品



 2021年度の薬価改定で、

後発医薬品の数量シェア(置換え率)の計算に関係する分類が前年度から変更となった品目についてまとめてみました。

後発医薬品の数量シェア(置換え率)
〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕〔後発医薬品の数量〕
=〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕/(〔2で分類される品目の数量(☆を除く)〕+〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕)

2021年4月から新たに加算等の算定対象となる後発品に該当するもの(分類3)

メキシレチン塩酸塩錠100mg「KCC」
ロンステロン錠25mg
クロルマジノン酢酸エステル錠25mg「NSKK」
クロルマジノン酢酸エステル錠25mg「日新」
アルファカルシドールカプセル1.0μg「あすか」
カルデミン錠0.25μg
エポエチンアルファBS注750「JCR」
ピペラシリンNa注射用2g「サワイ」
ピペラシリンNa注用2g「トーワ」
セフメタゾールナトリウム500mg静注用
統一名収載:塩化カリウム600mg徐放錠
  • ケーサプライ錠600mg

2020年4月から新たに後発医薬品のある先発医薬品に新たに該当するもの(分類2)

パルミコート吸入液0.25mg
ミニトロテープ27mg
エスポー注射液750
セフメタゾン静注用0.5g

2020年4月から新たに後発医薬品と同額又は薬価が低い先発品に該当するもの(☆)

これらは、数量シェアの計算式から除かれます。
ヒーロン眼粘弾剤1%シリンジ0.6mL
メディトランステープ27mg
テオドール錠50mg
ダイアニール-N PD-4 1.5腹膜透析液1.5L1袋(排液用バッグ付)
ダイアニール-N PD-4 1.5腹膜透析液2.5L1袋(排液用バッグ付)
ダイアニール-N PD-4 2.5腹膜透析液2.5L1袋(排液用バッグ付)
オムニパーク300注10mL
オムニパーク300注シリンジ100mL
オムニパーク300注シリンジ80mL
オムニパーク300注シリンジ150mL
オムニパーク300注シリンジ110mL
オムニパーク300注50mL
オムニパーク350注20mL
オムニパーク350注100mL

2020年4月から新たに先発医薬品と同額又は薬価が高い後発品に該当するもの(★)

これらは、数量シェアの計算式から除かれます。
統一名収載:テオフィリン50mg徐放錠
  • テオフィリン徐放錠50mg「サワイ」
  • テオフィリン徐放錠50mg「ツルハラ」
  • テオフィリン徐放錠50mg「日医工」

統一名収載:テオフィリン50mg徐放カプセル
  • スロービッドカプセル50mg
  • テオフィリン徐放カプセル50mg「サンド」

ステイセーフバランス 1/1.5 腹膜透析液1.5L1袋(排液用バッグ付)
ステイセーフバランス 1/1.5 腹膜透析液2.5L1袋(排液用バッグ付)
ステイセーフバランス 1/2.5 腹膜透析液2.5L1袋(排液用バッグ付)
アロプリノール錠50mg「アメル」
アロプリノール錠50mg「杏林」
アロプリノール錠50mg「ケミファ」
アロプリノール錠50mg「タカタ」
アロプリノール錠50mg「テバ」
アロプリノール錠50mg「日新」
アロプリノール錠50mg「あゆみ」
アロプリノール錠50mg「タナベ」
アロプリノール錠50mg「ファイザー」
アロプリノール錠50mg「DSP」
フルコナゾール静注200mg「NP」

2020年4月から新たに後発医薬品のない先発医薬品となるもの(分類1)

これらは、数量シェアの計算式から除かれます。
ソル・メドロール静注用40mg
ソル・メドロール静注用125mg
ソル・メドロール静注用500mg
ソル・メドロール静注用1000mg
リザベン細粒10%
レベトールカプセル200mg



2021年3月2日火曜日

アダラートカプセル 販売中止と代替品



アダラートカプセルが販売中止となるようです。

https://pharma-navi.bayer.jp/omr/online/notice_info/ADL_PNS_CUP_201911110_1572941124.pdf

経過措置期間は2021年3月末


アダラートカプセルはニフェジピンを成分とする経口冠拡張薬として開発された薬です。

ニフェジピンの歴史は古く1948年ドイツ・バイエル社の化学者 Bossert がセリ科の薬草 Ammivisnaga の果実の有効成分であるケリンを基礎に冠血流障害の治療に適した薬剤の研究を開始したことから始まります。

1966年に薬理学者 Vater の協力を得て、ケリンからキノリン類、さらにキノリン類を開環した構造で,強力な冠血管拡張作用を示す1, 4 −ジヒドロピリジン誘導体として発見されました。

ニフェジピンが製剤として世界で初めて販売されたのは1975年です。 

ドイツにおいて初めて発売されました。

アダラートは経口冠拡張薬として確実かつ迅速な効果が得られるよう製剤設計され1960年代に異型狭心症に対する有用性が認められ、また、1972年には降圧効果が高血圧症患者で確認されました。

日本では1976年に10mg製剤の「アダラート」が、1984年には5mg「アダラート5」が販売開始されて今日に至ります。


アダラートカプセルの舌下投与

アダラートカプセルに関する話題としては、「舌下投与」があります。

今でこそ添付文書「重要な基本的注意」の項に、「なお、速効性を期待した本剤の舌下投与(カプセルをかみ砕いた後、口中に含むか又はのみこませること)は、過度の降圧や反射性頻脈をきたすことがあるので、用いないこと」との一文が追加されていますが、20年ほど前には「速効性を期待する場合には、カプセルをかみ砕いた後、口中に含むか又はのみこませることもできる」と記載されていました。

いまでこそ、クリーゼではない血圧の異常高値(高血圧切迫症)であればすぐに下げる必要ないのは当たり前ですが、何でもかんでも下げてた時代があります。

高血圧治療ガイドライン2019には、高血圧緊急症に用いる血管拡張薬あるいは交感神経抑制薬の注射薬が推奨されていますので、ご確認ください。また、高血圧切迫症(急性あるいは進行性の臓器障害を伴わない高度の高血圧(通常180/120 mmHg以上))に対しては、内服薬による降圧が推奨されています。

高血圧緊急症に用いられる注射薬(降圧薬)



食道アカラシア

食道アカラシアの症状が強い場合の対症療法にアダラートカプセルが処方される場合があります。
アダラートカプセルは作用発現も早く.アカラシアに対して食道下部括約筋弛緩作用を発揮します。有症状時頓用だったり毎食前での指示がなされます。
食後投与や徐放剤、ほかのカルシウム拮抗薬は有効でないのは興味深いところです。


アダラートカプセルの代替品

後発品があります。

ニフェジピンカプセル「サワイ」



ドミン錠 販売中止と代替品



ドミン錠0.4が販売中止となるようです。

ドミン錠0.4 製造販売中止のお知らせ(日本ベーリンガー)
https://www.bij-kusuri.jp/information/attach/pdf/dom_t_info_202102.pdf

■販売中止予定時期

2021年5月末頃


■経過措置期間

2022年3月末頃(予定)


ドミン錠はタリペキソール塩酸塩を成分とするパーキンソン病治療薬です。タリペキソール塩酸塩は、ドイツのカール・トーメ社で合成されたアゼピン誘導体です。ペルゴリド、ブロモクリプチン、カベルゴリンなどの麦角系のドパミン受容体作動薬とは異なり、非麦角系の選択的ドパミンD2受容体作動薬です。薬理学的には黒質ドパミン神経毒である MPTP 等で誘発される振戦,無動及び固縮などのパーキンソン病様症状の改善効果が認められます。

臨床的にはパーキンソン病のあらゆる症状の患者に対して,L-DOPA 非併用もしくは L-DOPA 併用で有効性を発揮し、また麦角系のドパミン受容体作動薬に比べ消化器系の副作用が比較的少ないパーキンソン病治療剤として開発され1996年に発売されました。 


悪心・嘔吐等の消化器系の副作用は少ないのですが、眠気の副作用があり、後年発売された眠気も少ない他のドパミンアゴニスト製剤にそのポジションを譲っていくようになりました。


2012年にはドイツでの原薬製造中止に伴い、一時供給停止となっていたこともあります。


ドミン錠の代替品


ドミン錠には後発品はありません。

内服が可能であるのであれば、同じドパミンアゴニストの中でも非麦角系のプラミペキソールやロピニロールが代替となります。

ドパミンアゴニスト



2021年1月5日火曜日

ルネトロン錠・静注 販売中止と代替品



 ルネトロンが販売中止となるようです。

https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2020/2003stop_eft_t20_etc4.pdf


経過措置満了期間は2021年3月末までです。


ルネトロンはブメタニドを成分とするループ利尿剤です。

ループ利尿剤はその作用部位が、主としてヘンレループ上行脚であって、ナトリウムの再吸収を抑制して利尿を促し、電解質の排泄パターンも、サイアザイド系と異なり、カリウム喪失が少ないという特徴を持ちます。


ブメタニドは1971年、デンマークのレオ社によって数多くのアミノ安息香酸誘導体が合成されその中から強力な利尿作用を有する物質として見出されました。


日本では1972年に三共株式会社(現:第一三共株式会社)がレオ社との提携の下に、ルネトロンの開発を開始しています。1976年4月には承認を得ました。


発売当時はフロセミドの40倍の作用を有する点や、腎機能低下時でも利尿作用を有するという点が宣伝文句になっていたようです。



ルネトロンの代替品

静注はフロセミド

経口剤はフロセミドトラセミドアゾセミド


【参考】
各種ループ利尿薬のちがいと等価換算
https://www.ygken.com/2016/06/blog-post_9.html

Jinzou.net :各種利尿薬の特徴と投与法
https://www.jinzou.net/01/pro/sentan/vol_32/ch02.html



ブメタニドは精神神経疾患で臨床試験中


ブメタニドはNa/K/Cl共輸送体(NKCC)を阻害する薬です。NKCCにはNKCC1とNKCC2というサブタイプが存在しています。

ループ利尿薬はヘンレループ上行脚にあるNKCC2を阻害することで利尿作用を示すのですが、ブメタニドはNKCC1も阻害するようです。

ダウン症や自閉症とNKCC1の関連性が報告されています。

この、NKCC1に特異的に阻害する作用が注目され様々な精神神経疾患での応用が期待されています。


自閉症やParkinson病、ダウン症で臨床研究が行われています。


Roman Tyzio,et.al.,: Oxytocin-mediated GABA inhibition during delivery attenuates autism pathogenesis in rodent offspring. Science. 2014 Feb 7;343(6171):675-9. PMID: 24503856

Lemonnier E, et,al., Effects of bumetanide on neurobehavioral function in children and adolescents with autism spectrum disorders. Transl Psychiatry. 2017 Mar 14;7(3):e1056. doi: 10.1038/tp.2017.10. PMID: 28291262

タラモナール静注 販売中止と代替品



 タラモナール静注が販売中止となるようです。

https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2020/2003stop_tlm.pdf


■販売中止時期:2020年9月末日

■経過措置満了時期(予定):2021年3月末日


タラモナール静注はドロペリドールとフェンタニルとを 50:1 の割合で混合した製剤です。

Neuroleptanalgesia(NLA:ニューロレプト無痛法)という麻酔法に使用します。


NLAはベルギーDe Castro と Mundeleer によって 1959 年に名付けられた麻酔法です。

鎮痛剤、神経遮断剤を組み合わせて、それまでの全身麻酔剤とは様相を異にした新しい麻酔状態を作り出そうとの考えから提唱されました。

mineralization(睡眠状態でもなく覚醒状態でもなく鉱物のように情動表出のなくなった状態)という状態をもたらす麻酔法です。


NLAは当初は神経遮断剤としてハロペリドールを、鎮痛剤としてフェノペリジンを用いこれらによる併用が試みられていました。

その後ハロペリドールと同じ系統で、かつ副作用の少ないドロペリドールが開発され、フェノペリジンよりも一層強力な鎮痛作用を有し、しかも作用の持続性が短く調節性に富んだフェンタニルが開発されました。

そうすると、NLAとしてドロペリドールとフェンタニルとを 50:1 の割合で混合した製剤(タラモナール)が用いられるようになりました。


そのころ、NLAに注目していた三共株式会社(現:第一三共株式会社)が 1965 年より研究開発に着手し、日本でもその基礎的並びに臨床的研究が開始されました。


タラモナールは循環機能に対して安定であると共に調節性に富み、意識の消失なしに鎮静、鎮痛効果が得られるほか、覚醒時の状態も良好であり、他種麻酔剤との併用が容易である等、それまでの麻酔剤とは異なった特異な効果が治験で明らかにされました。

そして1971 年製造販売承認取得に至っています。


タラモナール代替品


タラモナールはドロペリドールとフェンタニルの配合剤ですので、単剤同士を組み合わせて使用することで代替可能です。

・ドロペリドール(ドロレプタン注射液25mg)

・フェンタニル(各社)


補足:

フェンタニルが麻薬なので、使用の繁雑さから、ペンタゾシンとジアゼパムを使用するNLA変法というものも行われています。