フランセチン・T・パウダーが販売中止となるようです。
『フランセチン・T・パウダー』製造・販売中止のご案内 PDFファイル
『フランセチン・T・パウダー』経過措置移行品目のご案内 PDFファイル
経過措置期間:2021年3月31日迄
フランセチン・T・パウダーは広汎な抗菌スペクトルを有する抗生物質フラジオマイシンと壊死組織融解作用を有する蛋白分解酵素トリプシンを配合した外用散布剤です。
フラジオマイシンとトリプシンを併用すると病巣の清浄化作用ならびに蛋白分解酵素のenzymatic debridement作用により抗生物質の病巣内移行性が亢進し、治癒機転が著しく促進されると考えられています。ここから両者配合の外用剤は化膿性潰瘍、壊死、膿瘍、びらん、などの傷口の消毒に使える薬と考えられていました。
粉が容器の中に入っていて、容器を押して粉を患部に散布するという、特徴的な剤形の薬剤でした。しかし、粉という剤形は傷口の乾燥化を早めるという、古い考え方に基づいた設計であるので、「傷口はなるべく乾かさない」という現代の考え方にはそぐわないものになってきたため販売を中止することになったのでしょう。
フランセチン・T・パウダーの代替品
同一の成分、同一の効能・効果を有する代替品はありません。
フラジオマイシン感性菌によるびらん・潰瘍の二次感染の効能・効果を有する外用薬には「バラマイシン軟膏」や「ソフラチュール貼付剤」があります。
しかし、アミノグリコシド系は感作されやすいという欠点をもっています。特にフラジオマイシンは接触源として有名です。
表在性の感染はほとんどがブドウ球菌ですので、アミノグリコシド系の外用剤を選択しなくてもよいでしょう。そうすると、スファジアジン銀(ゲーベン®クリーム)、ポビドンヨード・シュガー(ユーパスタコーワ軟膏)、カデキソマー・ヨウ素(カデックス®軟膏)を選択することか勧められます。
浅い傷などであれば、ナジフロキサシン(アクアチムクリーム)やフシジン酸ナトリウム(フシジンレオ軟膏)を用いることができます。