アダラートカプセルが販売中止となるようです。
https://pharma-navi.bayer.jp/omr/online/notice_info/ADL_PNS_CUP_201911110_1572941124.pdf
経過措置期間は2021年3月末
アダラートカプセルはニフェジピンを成分とする経口冠拡張薬として開発された薬です。
ニフェジピンの歴史は古く1948年ドイツ・バイエル社の化学者 Bossert がセリ科の薬草 Ammivisnaga の果実の有効成分であるケリンを基礎に冠血流障害の治療に適した薬剤の研究を開始したことから始まります。
1966年に薬理学者 Vater の協力を得て、ケリンからキノリン類、さらにキノリン類を開環した構造で,強力な冠血管拡張作用を示す1, 4 −ジヒドロピリジン誘導体として発見されました。
ニフェジピンが製剤として世界で初めて販売されたのは1975年です。
ドイツにおいて初めて発売されました。
アダラートは経口冠拡張薬として確実かつ迅速な効果が得られるよう製剤設計され1960年代に異型狭心症に対する有用性が認められ、また、1972年には降圧効果が高血圧症患者で確認されました。
日本では1976年に10mg製剤の「アダラート」が、1984年には5mg「アダラート5」が販売開始されて今日に至ります。
アダラートカプセルの舌下投与
アダラートカプセルに関する話題としては、「舌下投与」があります。
今でこそ添付文書「重要な基本的注意」の項に、「なお、速効性を期待した本剤の舌下投与(カプセルをかみ砕いた後、口中に含むか又はのみこませること)は、過度の降圧や反射性頻脈をきたすことがあるので、用いないこと」との一文が追加されていますが、20年ほど前には「速効性を期待する場合には、カプセルをかみ砕いた後、口中に含むか又はのみこませることもできる」と記載されていました。
いまでこそ、クリーゼではない血圧の異常高値(高血圧切迫症)であればすぐに下げる必要ないのは当たり前ですが、何でもかんでも下げてた時代があります。
高血圧治療ガイドライン2019には、高血圧緊急症に用いる血管拡張薬あるいは交感神経抑制薬の注射薬が推奨されていますので、ご確認ください。また、高血圧切迫症(急性あるいは進行性の臓器障害を伴わない高度の高血圧(通常180/120 mmHg以上))に対しては、内服薬による降圧が推奨されています。
高血圧緊急症に用いられる注射薬(降圧薬) |
食道アカラシア
アダラートカプセルの代替品
後発品があります。
ニフェジピンカプセル「サワイ」