ルネトロンが販売中止となるようです。
https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2020/2003stop_eft_t20_etc4.pdf
経過措置満了期間は2021年3月末までです。
ルネトロンはブメタニドを成分とするループ利尿剤です。
ループ利尿剤はその作用部位が、主としてヘンレループ上行脚であって、ナトリウムの再吸収を抑制して利尿を促し、電解質の排泄パターンも、サイアザイド系と異なり、カリウム喪失が少ないという特徴を持ちます。
ブメタニドは1971年、デンマークのレオ社によって数多くのアミノ安息香酸誘導体が合成されその中から強力な利尿作用を有する物質として見出されました。
日本では1972年に三共株式会社(現:第一三共株式会社)がレオ社との提携の下に、ルネトロンの開発を開始しています。1976年4月には承認を得ました。
発売当時はフロセミドの40倍の作用を有する点や、腎機能低下時でも利尿作用を有するという点が宣伝文句になっていたようです。
ルネトロンの代替品
静注はフロセミド
経口剤はフロセミド、トラセミド、アゾセミド
【参考】
各種ループ利尿薬のちがいと等価換算
https://www.ygken.com/2016/06/blog-post_9.html
Jinzou.net :各種利尿薬の特徴と投与法
https://www.jinzou.net/01/pro/sentan/vol_32/ch02.html
ブメタニドは精神神経疾患で臨床試験中
ブメタニドはNa/K/Cl共輸送体(NKCC)を阻害する薬です。NKCCにはNKCC1とNKCC2というサブタイプが存在しています。
ループ利尿薬はヘンレループ上行脚にあるNKCC2を阻害することで利尿作用を示すのですが、ブメタニドはNKCC1も阻害するようです。
ダウン症や自閉症とNKCC1の関連性が報告されています。
この、NKCC1に特異的に阻害する作用が注目され様々な精神神経疾患での応用が期待されています。
自閉症やParkinson病、ダウン症で臨床研究が行われています。