ポステリザンF 坐薬 が販売中止となるようです。
https://www.maruho.co.jp/medical/pdf/products/posterisanf/news/2007posterisanf_an.pdf
2020年12月末出荷停止予定。
経過措置期間は2021年3月31日まで(予定)
ポステリザンF坐薬は、大腸菌死菌浮遊液とヒドロコルチゾンの配合剤です。
抗炎症作用に加え、創傷治癒促進作用、局所感染防御作用があり、痔核、裂肛等に有用とされていました。
大腸菌死菌浮遊液は白血球遊走能を高めることにより局所感染防御作用を示し、また肉芽形成促進作用による創傷治癒促進作用を示すことから、急性・慢性痔疾の治療と予防に有効であることが証明されています。
ドイツのドクトル・カーデ製薬会社が創製し、1922年ポステリザン軟膏及びポステリザン坐薬を発売しました。
日本ではマルホ株式会社が 1953年8月(昭和28年8月)にポステリザン軟膏の販売を開始し、次いで 1965年11月にはこのポステリザン軟膏に抗炎症作用を有するヒドロコルチゾンを配合した強力ポステリザン軟膏の販売を開始しました。
1996年9月に強力ポステリザン軟膏と同じ処方を坐薬にしたポステリザンF坐薬が販売を開始しました。そして、2020年販売を終了するに至りました。
痔核の薬物療法
薬物療法は腫れ、脱出、痛み、出血などの症状を和らげる効果はあるのですが、慢性の痔核自体を完治させることはできません。痔核の治療に用いる外用薬には坐薬と軟膏があります。
坐薬は肛門の歯状線よりも口側の病変に、
軟膏は歯状線よりも肛門側の病変に有用と考えられています。
ステロイドを含む薬は腫れ、痛み、出血の強い急性炎症の時期に効果が期待できます。
しかし、まれにステロイド性皮膚炎や肛門周囲白癬症を生じることがあるので長期にわたる連用は避けたほうがよいです。トリベノシドを含有するものは炎症性浮腫の緩和、局所麻酔薬が配合されているものは痛みの緩和、大腸菌死菌浮遊液は創傷治癒に、ビスマス系のものは出血症状の緩和に有効です。
ポステリザンF 坐薬の代替品
同一成分の坐薬はありません。
同一成分の軟膏剤に『強力ポステリザン』があります。
軟膏の場合、歯状線より下の患部しか適応になりませんが、
注入軟膏タイプもあるので歯状線より下のきれ痔(裂肛)やいぼ痔(外痔核)だけでなく、歯状線より少し上にできやすい肛門内側のいぼ痔(内痔核)まで薬剤を届けることできます。
ポステリザンF坐薬は、抗炎症作用に加え、創傷治癒促進作用、局所感染防御作用をもつ薬剤です。同様の作用が期待できる坐薬には 抗炎症作用にヒドロコルチゾン、局所感染防御作用にフラジオマイシンを配合した『プロクトセディル』があります。