外皮用薬〈エアゾール式消炎鎮痛剤〉『エアーサロンパス』が販売中止となるようです。
販売中止時期は在庫消尽までで、2020年の12月を予定されています。
経過措置期間は未定です。
販売中止の理由は「諸般の事情」です。
医療用のエアーサロンパスを処方箋で見かけることはめったに無いので、需要がないことから、製薬会社としてもリソース配分の最適化を図ったものと考えらられます。
ドラッグストアなどでおなじみの一般用医薬品の『エアーサロンパス』シリーズですがその歴史は古く昭和の中頃までさかのぼります。その時代の消炎鎮痛外用剤には貼付剤、軟膏剤など様々な剤形の製剤はすでに存在していましたが、手を汚すことなく迅速かつ容易に薬剤を塗布できる製剤の登場が期待されていました。東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年(1963年)にエアゾール剤であるエアーサロンパスが誕生しました。
医療用の「エアーサロンパス」は一般用医薬品に遅れること1年、昭和39年(1964年)の11月に製造承認を得ました。
「エアーサロンパス」の特徴及び有用性
- 迅速に、容易に患部に直接噴霧出来る。
- 貼付剤と異なり、有毛部や間擦部に適用できる
- 内容物は密封されており、空気や湿度の影響を受けず、汚染もない。
- エアゾールによる冷却効果が期待できる。
エアーサロンパスの代替品
医療用エアーサロンパスはサリチル酸メチル, l-メントール, dl-カンフル, グリチルレチン酸を配合したエアゾール式消炎鎮痛剤です。
医療用のエアゾール式消炎鎮痛剤はエアーサロンパス以外には存在しません。
同一成分では、外用鎮痛・消炎固形軟膏の 『スチックゼノール A』 (製造販売元:三笠製薬株式会社)が代替候補になります。
どうしても、エアゾール式消炎鎮痛剤がよいのであれば、病院で処方されるものではなく、ドラッグストアや薬局の店頭で購入する一般用医薬品の「エアーサロンパス」シリーズから選択することになります。
エアーサロンパスのラインナップは以下のとおりです。
成分が医療用のエアーサロンパスと同じ配合の一般用医薬品のエアーサロンパスは存在しません。より似ているものとしては『エアーサロンパスEX』が該当していましたが、こちらも販売終了してしまったようです。
【参考】