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2020年2月16日日曜日

2020年度診療報酬改定 服用薬剤調整支援料1と服用薬剤調整支援料2のちがい【服用薬剤調整支援料】



ポイント
「1」は文書を用いて減薬提案を行い内服薬が2種類以上減った結果をを評価
「2」は重複投薬の解消に対する提案という行動を評価


2020年の診療報酬改定において薬局の対人業務の評価項目として「服用薬剤調整支援料2」が新設されました。

服用薬剤調整支援料2は、患者の重複投薬是正に向けて処方状況を薬局が一元的に把握し、是正内容を処方医に提案することで100点(3月に1回まで)を算定できるものです。
かかりつけ医と薬局とのこれまでにない密接な連携をつくり上げることを目的としています。


14の3 服用薬剤調整支援料
1 服用薬剤調整支援料 125点
服用薬剤調整支援料2 100点 (新設)

注1
1については、6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、処方医に対して、保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が2種類以上減少した場合に、月1回に限り所定点数を算定する。


2については、複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、患者又はその家族等の求めに応じ、当該患者が服用中の薬剤について、一元的に把握した結果、重複投薬等が確認された場合であって、処方医に対して、保険薬剤師が当該重複投薬等の解消に係る提案を文書を用いて行った場合に、3月に1回に限り所定点数を算定する。

服用薬剤調整支援料1と服用薬剤調整支援料2のちがい

患者の意向を踏まえ、患者の服薬アドヒアランス及び副作用の可能性等を検討した上で、処方医に減薬の提案を行い、その結果、 処方される内服薬が減少した場合を評価したものが服用薬剤調整支援料1です。
6種類以上の内服薬が処方されていることが条件で、文書により減薬を処方医に提案した結果、2種類以上減少した場合に算定できます。


一方、患者からの求めに基づき、患者が服用中の薬剤について、重複投薬等の状況を含めた一元的把握を行い、処方医に重複投薬の解消に係る提案を行った場合を評価したものが服用薬剤調整支援料2です。
薬局はレセプト情報やお薬手帳、患者への聞き取りによって、処方医療機関を含めて「一元的把握」を行います。その結果として重複投薬等を見つけた場合に、処方医に重複投薬等の是正のために情報を文書で提供すると算定できます。

「1」、「2」の大きな違いは、「1」は内服薬減薬の提案を行い減薬された『結果』を評価しているところと、「2」が減薬のための『提案自体』を評価しているところでしょう。
また、「2」では複数医療機関の処方状況の一元把握が条件となっており、かかりつけ薬剤師による業務を評価しようとしいるのかもしれません。

重複投薬等の解消に係る提案に必要な情報

最低限以下の情報は提案の際に文書に記載しておきたいですね。


  • 受診中の医療機関と診療科名
  • 処方薬剤一覧
  • 重複投薬の状況
  • 服用薬の理解度やアドヒアランス
  • 常用のOTCやサプリメント
  • 患者が気になっている事項など

youtube 令和2年度診療報酬改定の概要(Q&A・調剤)より

同じ内容を再度提案した場合でも算定可能なのか?

一度重複投薬等の解消に係る提案をしたものの状況が変わらなかった場合、3ヶ月後に同一の内容で再度提案を行った場合には算定はできません。


既に服用薬剤調整支援料2を算定した案件で服用薬剤調整支援料1も算定できるのか


服用薬剤調整支援料2を算定した案件で、その後処方医が処方内容を見直し2種類以上減薬となり服用薬剤調整支援料1の要件を満たすこととなることが起こりえますが、そのような場合は服用薬剤調整支援料1は算定することはできません。






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疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年3月31日
問 15 重複投薬等の解消に係る提案を行い、服用薬剤調整支援料2を算定した後に、当該提案により2種類の薬剤が減少して服用薬剤調整支援料1の要件を満たした場合には、服用薬剤調整支援料1も算定できるか。

(答)算定できない。


問 16 同一患者について、同一月内に複数の医療機関に対して重複投薬等の解消に係る提案を行った場合、提案を行った医療機関ごとに服用薬剤調整支援料2を算定できるか。

(答)同一月内に複数の医療機関に対して提案を行った場合でも、同一患者について算定できるのは1回までである。


問 17 医療機関Aに重複投薬等の解消に係る提案を行って服用薬剤調整支援料2を算定し、その翌月に医療機関Bに他の重複投薬等の解消に係る提案を行った場合、服用薬剤調整支援料2を算定できるか。

(答)服用薬剤調整支援料2の算定は患者ごとに3月に1回までであり、算定できない。


問 18 保険薬局が重複投薬等の解消に係る提案を行ったものの状況に変更がなく、3月後に同一内容で再度提案を行った場合に服用薬剤調整支援料2を算定できるか。

(答)同一内容の場合は算定できない。

疑義解釈資料の送付について(その5)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年4月16日
問5 
医療機関に提供する患者の重複投薬等に係る報告書における「現在服用中の薬剤の一覧」については、一覧表に記載することに代えて手帳の写しを添付することで差し支えないか。

(答)患者が服用中の全ての薬剤を容易に把握できる一覧を作成することが目的であることから、手帳の写しの添付では不十分である。このため、要件を満たさない。


[調剤点数表]
14の3 服用薬剤調整支援料
1 服用薬剤調整支援料1  125点
2 服用薬剤調整支援料2  100点

注2 2については、複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、患者又はその家族等の求めに応じ、当該患者が服用中の薬剤について、一元的に把握した結果、重複投薬等が確認された場合であって、処方医に対して、保険薬剤師が当該重複投薬等の解消に係る提案を文書を用いて行った場合に、3月に1回に限り所定点数を算定する。

[留意事項 保医発0305第1号]
区分 14 の3 服用薬剤調整支援料
(2) 服用薬剤調整支援料2
ア 服用薬調整支援料2は、
複数の保険医療機関から内服薬が合計で6種類以上処方されている患者に対して、患者若しくはその家族等の求めに応じて、保険薬局の保険薬剤師が、重複投薬等の解消のために以下の取組をすべて行った場合に算定する。
 (イ) 患者の服用薬について、手帳の確認、患者への聞き取り又は他の保険薬局若しくは保険医療機関への聞き取り等により、一元的に把握すること。
  なお、同種・同効薬が処方されている場合は、必要に応じて処方の背景を処方医又は患者若しくはその家族等に確認すること。
 (ロ) 重複投薬等のおそれがある場合には、重複投薬等の解消に係る提案を検討し、当該提案及び(イ)の内容を記載した報告書を作成し、処方医に対して送付すること。

イ 内服薬の種類数の考え方は、
服用薬剤調整支援料1に準ずる。
 また、6種類以上の内服薬について、少なくとも1種類は当該保険薬局で調剤されている必要がある。

アの(ロ)の報告書
以下の内容を含む別紙様式3又はこれに準ずるものをいう。
 (イ) 受診中の保険医療機関、診療科等に関する情報
 (ロ) 服用中の薬剤の一覧
 (ハ) 重複投薬等に関する状況
 (ニ) 副作用のおそれがある患者の症状及び関連する薬剤
 (ホ) その他(残薬、その他患者への聞き取り状況等)

エ 「重複投薬等の解消に係る提案」とは、
重複投薬の状況や副作用の可能性等を踏まえ、患者に処方される薬剤の種類数の減少に係る提案をいう。この場合において、当該文書の写しを薬剤服用歴の記録に添付する等の方法により保存しておくこと。

オ 重複投薬等の解消に係る提案を行う場合、
患者の希望、かかりつけ医の有無及び処方開始日等について十分な聞き取りを行った上で、処方内容の見直しを依頼する処方医に対して報告書を送付すること。

カ 処方内容の見直し状況について患者の次回以降の来局時に確認すること。

キ 当該加算の算定に係る保険医療機関、患者又はその家族等への情報提供については、
服薬情報等提供料を別途算定できない。

2020年2月11日火曜日

2020年度診療報酬改定 経管投薬支援料



ポイント
・医師への最新のデータに基づいた薬剤選択の提案
・家族・介助者等に対する簡易懸濁法の説明・指導

2020年度診療報酬改定において、経管薬剤投与が行われている患者に対し簡易懸濁法を開始するに当たり、医師の求めなどに応じて、薬局が必要な支援を行った場合に100点(初回のみ)が算定できる「経管投薬支援料」が新設されました。

経管投薬支援料は「簡易懸濁法」による服薬方法を患者やその家族、介助者にレクチャーしたときの手間賃のようなものです。また、経管投与に適した薬剤の選択、配合変化の回避などのリスクマネジメント費用も含まれていると考えてよさそうです。




(新) 経管投薬支援料 100点

[算定要件]
胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者若しくはその家族等から求めがあった場合であって、処方医に了解を得たとき又は保険医療機関の求めがあった場合に、患者の同意を得た上で、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に初回に限り算定する。


薬剤服用歴管理指導料との併算定は可能?

経管投薬支援料は薬剤服用歴管理指導料と同時に算定が可能です。


youtube 令和2年度診療報酬改定の概要(Q&A・調剤)より 

自薬局で調剤していない薬でも算定可能?

他の薬局で調剤された薬で、簡易懸濁について相談を受けて必要な支援を行っても経管投薬支援料は算定できません。自薬局で調剤した薬剤の経管投薬に係る支援を行った場合のみ算定できます。

なお、在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費の算定は条件にはなっていません。

そもそも簡易懸濁法とは

簡易懸濁法は錠剤をつぶしたりカプセルを開封したりしないで、投与時に錠剤・カプセル剤をそのまま水(55℃の微温湯)に入れて崩壊・懸濁させる方法です。「つぶし」の処方であってもそのまま水に入れて崩壊させます。
懸濁容器に直接カテーテルチップシリンジを接続して薬液を吸い取り、経管投与します。粉砕したりチューブのつまりを気にすることも減るので介護する人にはメリットが大きい投与法です。

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簡易懸濁法の情報

すべての薬剤が簡易懸濁が何も問題なくできるかというと、そういうわけには行きません。徐放性薬剤や添加物の影響でうまく懸濁できないものやチューブを通過できないものも存在します。簡易懸濁法を行うためには、各薬品が水に崩壊するか否か、薬品の物性により投与時に問題が生じないかなどの情報が不可欠です。そのような薬剤の特徴を最新の情報にアップデートし、医師へ情報共有する役目が薬のプロである薬剤師に期待されています。

簡易懸濁の適否については、各製薬メーカーのホームページで公表されていたり、インタビューフォームに記載されていたりします。8Fr.のチューブの通過性を持って可否を決定されているものが多いです。
しかし、昨年出された『医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン』により簡易懸濁法は承認外の投与法であり製薬メーカーからの積極的な情報提供はできなくなりました。なかなか情報が得にくくなっています。
一番いいのはまずは自分の目で実際に実験を行い確かめてみることです。次に成書となっている情報にあたりましょう。

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疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年3月31日
問 20 当該患者に調剤を行っていない保険薬局は、経管投薬支援料を算定で きるか。 

(答)算定できない。 


問 21 在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅 療養管理指導費を算定していない患者であっても、必要な要件を満たせば経 管投薬支援料を算定できるか。

(答)算定できる。


[調剤点数表]
15の7 経管投薬支援料  100点
胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者若しくはの家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得た上で、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に、初回に限り算定する。

[留意事項 保医発0305第1号]
区分 15 の7 経管投薬支援料
(1) 経管投薬支援料は、胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者に対して、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に算定する。
(2) 当該加算に係る服薬支援は、以下の場合に患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 家族等の求めがあった場合等、服薬支援の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
(3) 「簡易懸濁法」とは、錠剤の粉砕やカプセルの開封等を行わず、経管投薬の前に薬剤を崩壊及び懸濁させ、投薬する方法のことをいう。
(4) 必要な支援とは主に次に掲げる内容をいう。
ア 簡易懸濁法に適した薬剤の選択の支援
イ 患者の家族又は介助者が簡易懸濁法により経管投薬を行うために必要な指導
ウ 必要に応じて保険医療機関への患者の服薬状況及びその患者の家族等の理解度に係る情報提供
(5) 患者1人につき複数回の支援を行った場合においても、1回のみの算定とする。
(6) 患者の服薬状況等を保険医療機関に情報提供を行った場合であって所定の要件を満たす場合は、服薬情報等提供料1又は2を算定できる


2020年度診療報酬改定 吸入薬指導加算【薬剤服用歴管理指導料】



ポイント
・文書のみでは算定不可。練習用吸入器を用いて実技指導。
・チェックリスト(文書)を用いた誤操作の点検
・指導後に医師へ文書でフィードバック

2020年度診療報酬改定において、薬局における対人業務の評価のひとつとして「吸入薬指導加算」が新設されることになりました。

吸入薬指導加算は「喘息等の患者について、医師の求めなどに応じて、練習用吸入器等を用いて吸入指導を行い、その結果を医師に情報提供した場合」に30点(3月に1回まで)を算定することができます。
なお、「服薬情報等提供料」とは併算定できません。

診療ガイドラインにおいて、患者に合うデバイスの選択と吸⼊⼿技の指導が重要で、薬剤師が吸入手技の指導を実施する重要な担い手とされています。算定要件においても、吸入指導について①チェックリストなどを用いた文書での誤操作の確認と②練習用吸入器を用いた実技指導の2つを満たす必要があります。(動画を見てもらうだけではダメなんですよ)

吸入指導加算は「指導時に算定」

吸入指導加算は喘息・COPDに対し、患者、家族や医療機関の求めに応じて文書や吸入練習用吸入器などを用いて必要な薬学的管理・指導を行うとともに、医療機関に必要な情報を文書などで提供した場合に30点を算定できる加算です。
現場では吸入指導加算を算定できるタイミングについて「薬学的管理・指導を行った」タイミングなのか「医療機関への情報提供をした後」なのか、といった疑問があると思われます。
これについて厚生労働省は、吸入指導加算は「吸入薬に関する指導を重視した点数」とし、薬学的管理・指導を行ったタイミングで算定できると説明しています。

2019年12月18日中医協総会(第442回)「調剤報酬(その4)について」


【吸入指導の参考になるサイト】
・正しい吸入方法:環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/medicine/00.html

・吸入療法サポートチャンネル(吸チャン):日本アレルギー協会
 http://9-chan.net/medical/index.html

【薬剤服用歴管理指導料】
(新)  吸入薬指導加算 30点

[算定要件]
喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者であって吸入薬の投薬が行われているものに対して、患者若しくはその家族等から求めがあった場合であって、処方医に了解を得たとき又は保険医療機関の求めがあった場合に、患者の同意を得た上で、文書及び練習用吸入器等を用いて、必要な薬学的管理及び指導を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書等により提供した場合に、吸入薬指導加算として、3月に1回に限り30点を所定点数に加算する。

2019年12月4日中医協総会(第438回)「調剤報酬(その3)について」

2019年12月4日中医協総会(第438回)「調剤報酬(その3)について」

2019年12月4日中医協総会(第438回)「調剤報酬(その3)について」

疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年3月31日
問 14 かかりつけ薬剤指導料を算定する患者に対して吸入薬指導加算は算定できないが、同一月内にかかりつけ薬剤指導料を算定した患者に対し、当該保険薬局の他の保険薬剤師が吸入指導を実施した場合には吸入薬指導加算 を算定できるか。

(答)算定できない。 


[調剤点数表]
 薬剤服用歴管理指導料
吸入薬指導加算) 
注9 喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者であって、吸入薬の投薬が行われているもの ぜんに対して、当該患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得た上で、文書及び練習用吸入器等を用いて、必要な薬学的管理及び指導を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、吸入薬指導加算として、3月に1回に限り30点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

[留意事項 保医発0305第1号]
区分 10 薬剤服用歴管理指導料
10 吸入薬指導加算
(1) 吸入薬指導加算は、喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者が吸入薬を適切に使用し、治療効果の向上や副作用の回避に繋がるよう、以下のア及びイを行った場合に3月に1回に限り算定する。
 ただし、当該患者に対し他の吸入薬が処方された場合であって、必要な吸入指導等を別に行ったときには、前回の吸入薬指導加算の算定から3月以内であっても算定できる。
ア 文書及び練習用吸入器等を用いて、吸入手技の指導を行い、患者が正しい手順で吸入薬が使用されているか否かなどの確認等を行うこと。
イ 保険医療機関に対し、文書による吸入指導の結果等に関するを文書により情報提供を行うこと。
(2) 当該加算に係る指導は以下のア又はイの場合に、患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、吸入指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
(3) 当該加算に係る吸入指導を行うにあたっては、日本アレルギー学会が作成する「アレルギー総合ガイドライン 2019」等を参照して行うこと。
(4) (1)の「文書による吸入指導の結果等に関する情報提供」とは、吸入指導の内容や患者の吸入手技の理解度等について、保険医療機関に情報提供することであり、文書の他、手帳により情報提供することでも差し支えない。ただし、患者への吸入指導等を行った結果、患者の当該吸入薬の使用について疑義等がある場合には、処方医に対して必要な照会を行うこと。
 なお、保険医療機関に情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載すること。
(5) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない。また、当該加算の算定に関する保険医療機関への情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない


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2020年度診療報酬改定 特定薬剤管理指導加算2【薬剤服用歴管理指導料】



ポイント
・レジメン通りに患者が服薬できているか電話等で確認すること。
・対象患者は注射のレジメンで治療されていること。
・連携充実加算を届出ている医療機関の患者であること。

2020年度診療報酬改定において、外来化学療法に関する薬局と医療機関の連携強化を図り、がん患者に対するより質の高い医療を提供する観点から、薬局が患者のレジメン等を把握した上で必要な服薬指導を行い、次回の診療時までの患者の状況を確認し、その結果を医療機関に情報提供した場合について行う新たな評価として特定薬剤管理指導加算2を新設しました。

特定薬剤管理指導加算2は医科の「外来化学療法加算」の施設基準に薬局との連携体制が盛り込まれ「連携充実加算」が新設されることとセットで考えておかなくてはいけません。

特定薬剤管理指導加算2が新設された背景には、優れた抗がん剤や制吐剤等の登場などにより「化学療法を外来で受けられる環境の整備」が進み、また「治療と仕事の両立ニーズ」が増加している点があります。「患者のニーズに応じて、より積極的に外来での化学療法実施を選択できる」体制の受け皿としての薬局の役割が期待されています。主ながん種の平均在院日数は短くなり、外来患者数は今後増えていきます。通院で治療を受けながら治療の副作用や症状等をコントロールしつつ、仕事を続けている場合が増えてくるでしょう。
「より質の高い外来化学療法」の実施に向けて、医療機関から薬局へのレジメン情報等提供、薬局から医療機関への副作用情報等提供などといった、医療機関と薬局との連携を強化する必要があるのです。

【薬剤服用歴管理指導料】
(新)  特定薬剤管理指導加算2 100点(月1回まで)

[対象患者]
保険医療機関(連携充実加算を届出ている場合に限る)において、抗悪性腫瘍剤が注射されている悪性腫瘍の患者であって、化学療法のレジメン(治療内容)等について、文書により交付されているもの。

[算定要件]
(1)保険医療機関で、抗悪性腫瘍剤を注射された患者について、当該患者の治療内容等を文書により確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合であって、当該患者の同意を得た上で、調剤後の抗悪性腫瘍剤の服用に関し、電話等により服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、当該保険医療機関に必要な情報を文書等により提供した場合には、特定薬剤管理指導加算2として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。
(2)当該加算における薬学的管理及び指導を行おうとする保険薬剤師は、原則として、保険医療機関のホームページ等でレジメン(治療内容)を閲覧し、あらかじめ薬学的管理等に必要な情報を把握すること。

[施設基準]
特定薬剤管理指導加算2に規定する施設基準
(1)保険薬剤師としての勤務経験を5年以上有する薬剤師が勤務していること。
(2)患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。
(3)麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができる体制が整備されていること。
(4)保険医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に当該保険薬局に勤務する薬剤師の少なくとも1名が年1回以上参加していること。

[経過措置]
令和2年9月30日までの間は、上記(4)の規定の基準を満たしているものとする。

2019年11月22日中医協総会(第435回)「外来医療(その2)について」

2019年11月22日中医協総会(第435回)「外来医療(その2)について」

2019年11月22日中医協総会(第435回)「外来医療(その2)について」


2019年11月22日中医協総会(第435回)「外来医療(その2)について」

疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年3月31日
問 10 特定薬剤管理指導加算1と特定薬剤管理指導加算2は併算定可能か。

(答)特定薬剤管理指導加算2の算定に係る悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤以外の薬剤を対象として、特定薬剤管理指導加算1に係る業務を行った場合は併算定ができる。


問 11 患者が服用等する抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支持療法に係る薬剤の 調剤を全く行っていない保険薬局であっても算定できるか。

(答)算定できない。


問 12 電話等により患者の副作用等の有無の確認等を行い、その結果を保険医療機関に文書により提供することが求められているが、算定はどの時点から行うことができるのか。

(答)保険医療機関に対して情報提供を行い、その後に患者が処方箋を持参した時である。 この場合において、当該処方箋は、当該加算に関連する薬剤を処方した保険 医療機関である必要はない。
なお、この考え方は、調剤後薬剤管理指導加算においても同様である。


問 13 電話等による服薬状況等の確認は、メール又はチャット等による確認でもよいか。

(答)少なくともリアルタイムの音声通話による確認が必要であり、メール又は チャット等による確認は認められない。
なお、電話等による患者への確認に加え、メール又はチャット等を補助的に活用することは差し支えない。


[調剤点数表]
10 薬剤服用歴管理指導料
(特定薬剤管理指導加算2)
注7 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、当該患者の副作用の発現状況、治療計画等を文書により確認し、必要な薬学的管理及び 指導を行った上で、当該患者の同意を得て、悪性腫瘍の治療に係る薬剤の投薬又は注射に関し、電話等により、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、特定薬剤管理指導加算2として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない

[留意事項 保医発0305第1号]
区分 10 薬剤服用歴管理指導料
8 特定薬剤管理指導加算2
 (1) 特定薬剤管理指導加算2は、診療報酬点数表の第2章第6部注射通則第7号の連携充実加算を届け出ている保険医療機関において、抗悪性腫瘍剤を注射された悪性腫 瘍の患者に対して、抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局の保険薬剤師が以下のアからウまでの全てを実施した場合に算定する。 
ア 当該患者のレジメン(治療内容)等を確認し、必要な薬学的管理及び指導を行うこと。
イ 当該患者が注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤に関し、電話等により服用状況、副作用の有無等について患者又はその家族等に確認すること。
ウ イの確認結果を踏まえ、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供すること。

 (2) 「抗悪性腫瘍剤等を調剤する保険薬局」とは、患者にレジメン(治療内容)を交付した保険医療機関の処方箋に基づき、保険薬剤師が抗悪性腫瘍剤又は制吐剤等の支 持療法に係る薬剤を調剤する保険薬局をいう。

 (3) 特定薬剤管理指導加算2における薬学的管理及び指導を行おうとする保険薬剤師は、 原則として、保険医療機関のホームページ等でレジメン(治療内容)を閲覧し、あらかじめ薬学的管理等に必要な情報を把握すること。

 (4) 電話等による患者の服薬状況及び副作用の有無等の確認は、電話の他、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(以下「ビデオ通話」という。)による連 絡及び患者が他の保険医療機関の処方箋を持参した際の確認が含まれる。電話又はビデオ通話により患者に確認を行う場合は、あらかじめ患者に対し、電話又はビデオ通話を用いて確認することについて了承を得ること。

 (5) 患者の緊急時に対応できるよう、あらかじめ保険医療機関との間で緊急時の対応方法や連絡先等について共有することが望ましい。また、患者の服薬状況の確認において、重大な副作用の発現のおそれがある場合には、患者に対して速やかに保険医 療機関に連絡するよう指導することや受診勧奨を行うことなどにより、必要な対応 を行うこと。

(6) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載する。

(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。

(8) 患者1人につき同一月に2回以上の情報提供を行った場合においても、当該加算の算定は月1回のみとする。

(9) 抗悪性腫瘍剤等に関する患者の服用状況及び副作用の有無等の確認を行う際に、他の保険医療機関又は他の診療科で処方された薬剤に係る情報を得た場合には、必要 に応じて、患者の同意を得た上で、当該他の保険医療機関等に情報提供を行うこと。 この場合において、所定の要件を満たせば服薬情報等提供料を算定できる。

2020年度診療報酬改定 かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料



2020年度診療報酬改定では対物業務から対人業務への転換を進める観点から、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料について、点数が引き上げられています。

かかりつけ薬剤師指導料は3点引き上げられて76点、かかりつけ薬剤師包括管理料は10点引き上げられて291点となっています。

また、パーテーションで区切った独立したカウンターを設置されているなどの患者のプライバシーに配慮することなどの施設基準が追加されました。

また、かかりつけ薬剤師指導料が要件を引用している【薬剤服用歴管理指導料】の算定要件に残薬確認後に一定程度の残薬があれば残っている理由の把握と手帳への記載及び処方医に情報提供することを努めることが追加されているので、かかりつけ薬剤師指導料においても同様に要件となります。


【かかりつけ薬剤師指導料】
76点
【かかりつけ薬剤師包括管理料】
291点

[施設基準]
患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。

【かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料】
[算定要件]
(6) かかりつけ薬剤師は、担当患者に対して、以下の服薬指導等を行う。
ア 「区分番号10」の薬剤服用歴管理指導料に係る業務を実施した上で患者の理解に応じた適切な服薬指導等を行うこと。

【薬剤服用歴管理指導料】
[算定要件]
(1) エ 残薬の状況については、患者ごとに作成した薬剤服用歴の記録に基づき、患者又はその家族等から確認し、残薬が確認された場合はその理由も把握すること。患者に残薬が一定程度認められると判断される場合には、患者の意向を確認した上で、患者の残薬の状況及びその理由を患者の手帳に簡潔に記載し、処方医に対して情報提供するよう努めること。また、残薬が相当程度認められると判断される場合には、処方医に対して連絡、投与日数等の確認を行うよう努めること。

2020年度診療報酬改定 在宅患者オンライン服薬指導料【在宅患者訪問薬剤管理指導料】



2019年11月医薬品医療機器等法が改正され、情報通信機器を用いた服薬指導(オンライン服薬指導)が対面による服薬指導の例外として認められることになりました。
2020年度診療報酬改定においてオンライン服薬指導を行った場合の点数として、在宅の場合では在宅患者オンライン服薬指導料が新設され57点が算定できるようになります。
(外来患者に対しては薬剤服用歴管理指導料4で算定)


【在宅患者訪問薬剤管理指導料】
(新) 在宅患者オンライン服薬指導料 57点(月1回まで)

[対象患者]
次のいずれにも該当する患者であること。
(1)医科点数表の区分番号C002に掲げる在宅時医学総合管理料に規定する訪問診療の実施に伴い、処方箋が交付された患者
(2)保険薬局において区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を月1回のみ算定している患者

[算定要件]
(1)別に厚生労働大臣が定めるものに対して、オンライン服薬指導(訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除く。)を行った場合に、注1の規定にかかわらず、在宅患者オンライン服薬指導料として57点を算定する。この場合において、保険薬剤師1人につき、週10回に限り算定できる。
(2)在宅患者訪問薬剤管理指導料と在宅患者オンライン服薬指導料を合わせて保険薬剤師1人につき週40回に限り算定できる。
(3)オンライン服薬指導により、「区分番号10」の薬剤服用歴管理指導料に係る業務を実施すること。
(4)医薬品医療機器等法施行規則及び関連通知に沿って実施すること。
(5)オンライン服薬指導は、当該保険薬局内において行うこと。
(6)患者の同意を得た上で、対面による服薬指導とオンライン服薬指導を組み合わせた服薬指導計画を作成し、当該計画に基づきオンライン服薬指導を実施すること。
(7)訪問薬剤管理指導及びオンライン服薬指導を行う保険薬剤師は、原則として同一の者であること。ただし、やむを得ない事由により、同一の保険薬剤師が対応できない場合には、同一保険薬局内の他の保険薬剤師(あらかじめ対面による服薬指導を実施したことがある2名までの保険薬剤師に限る。以下同じ。)の氏名を服薬指導計画に記載し、当該他の保険薬剤師がオンライン服薬指導を行うことについてあらかじめ患者の同意を得ている場合に限り、当該他の保険薬剤師がオンライン服薬指導を行っても差し支えない。
(8)訪問診療を行った医師に対して、在宅患者オンライン服薬指導の結果について必要な情報提供を文書で行うこと。
(9)患者の薬剤服用歴を経時的に把握するため、原則として、手帳により薬剤服用歴及び服用中の医薬品等について確認すること。また、患者が服用中の医薬品等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう、原則として、服薬指導等の内容が手帳に記載されるようにすること。
(10)当該服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を患者に配送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる。
(11)医薬品を患者に配送する場合は、医薬品受領の確認を行うこと。

[施設基準]
(1)薬剤服用歴管理指導料の4に係る届出を行った保険薬局であること。

2019年12月20日中医協総会(第443回)「横断的事項(その5)について」

2019年12月20日中医協総会(第443回)「横断的事項(その5)について」

2020年度診療報酬改定 オンライン服薬指導【薬剤服用歴管理指導料】




ポイント
・調剤基本料1以外の薬局も薬剤服用歴管理指導料1の対象に
・オンライン服薬指導は薬剤服用歴管理指導料で算定
・2020年9月1日の改正薬機法施行と同時にオンライン服薬指導導入可能

薬剤服用歴管理指導料は患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用、相互作用などの情報を文書で提供して説明するとともに、患者やその家族等から服薬情報を収集し、服薬指導を行った場合に算定できます。

2020年度診療報酬改定では同一薬局の利用推進及び対物業務から対人業務への構造的な転換に向けて、患者負担が低くなる薬剤服用歴管理指導料の「1」と負担の高い「2」の点差を拡大しました。「1」では2点引き上げ43点、「2」では4点引き上げ57点となり両者の差が12点から14点に拡大しました。
また、今回の改定では点数の低い「1」の対象となる患者が「原則6カ月以内に再度処方箋持参の患者」から「原則3カ月以内に再度処方箋持参の患者」に再度来局の間隔が短縮されました。さらに、「1」は調剤基本料1を算定している薬局のみが対象でしたが、調剤基本料1以外の薬局にも対象が広がります。

算定要件に関しては、残薬確認後に一定程度の残薬があれば残薬理由の把握と手帳記載及び処方医に情報提供に努める旨、手帳への利用薬局の名称記載を促進する点が新たに追加されました。

【薬剤服用歴管理指導料】
1 原則3月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合
43点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合
57点
3 特別養護老人ホームに入所している患者に訪問して行った場合
43点
4 情報通信機器を用いた服薬指導(オンライン服薬指導)を行った場合
43点


注1 1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、手帳を持参していない患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、本文の規定にかかわらず、処方箋受付1回につき、57点を算定する。

[算定要件]
(1) エ 残薬の状況については、患者ごとに作成した薬剤服用歴の記録に基づき、患者又はその家族等から確認し、残薬が確認された場合はその理由も把握すること。患者に残薬が一定程度認められると判断される場合には、患者の意向を確認した上で、患者の残薬の状況及びその理由を患者の手帳に簡潔に記載し、処方医に対して情報提供するよう努めること。また、残薬が相当程度認められると判断される場合には、処方医に対して連絡、投与日数等の確認を行うよう努めること。

(13)保険薬局や保険医療機関等の間で円滑に連携が行えるよう、患者が日常的に利用する薬局があれば、その名称を手帳に記載するよう患者に促すこと。


外来のオンライン服薬指導は薬剤服用歴管理指導料で算定


2019年11月医薬品医療機器等法が改正され、情報通信機器を用いた服薬指導(オンライン服薬指導)が対面による服薬指導の例外として認められることになりました。そのオンライン服薬指導を行った場合の点数として、外来の場合では薬剤服用歴管理指導料4が新設され43点が算定できるようになります。
(在宅患者に対しては在宅患者オンライン服薬指導料で算定)
43点はお薬手帳を持参し3ヶ月以内に再来局した患者に算定される薬剤服用歴管理指導料1と同額です。オンラインであっても薬剤師の作業量や患者サービスは対面と大きく変わらないと判断されたようです。
また、算定要件ではオンライン服薬指導を行った際に麻薬管理指導加算や乳幼児服薬指導加算、寿福相互作用防止加算および特定薬剤管理指導加算など薬剤服用管理指導料に紐づく各種加算が算定できないことや薬局が医薬品を患家に配送等をするに当たり、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できることについて明確化されています。

なおオンライン服薬指導に関する具体的な要件や実施手順などを示す改正薬機法の施行通知については、2020年春頃に公布される予定です。

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(オンライン服薬指導関係)」(令和2年3月 31 日付け薬生発 0331 第 36 号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)が出されました。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T200401I0510.pdf


[対象患者]
次のいずれにも該当する患者であること。
(1)医科点数表の区分番号A003オンライン診療料に規定する情報通信機器を用いた診療の実施に伴い、処方箋が交付された患者
(2)原則3月以内に薬剤服用歴管理指導料1又は2を算定した患者

[算定要件]
(1)薬剤服用歴管理指導料「4」は、医科点数表の区分番号 A003 に掲げるオンライン診療料に規定する情報通信機器を用いた診療により処方箋が交付された患者であって、当該オンライン診療を実施する保険医療機関の処方箋について3月以内に対面により薬剤服用歴管理指導料「1」又は「2」が算定されているものに対して、オンライン服薬指導を行った場合に、月に1回に限り算定する。この場合において、薬剤服用歴管理指導料の加算は算定できない。
(2)オンライン服薬指導により、「区分番号10」の薬剤服用歴管理指導料に係る業務を実施すること。
(3)医薬品医療機器等法施行規則及び関連通知に沿って実施すること。
(4)オンライン服薬指導は、当該保険薬局内において行うこと。
(5)患者の同意を得た上で、対面による服薬指導とオンライン服薬指導を組み合わせた服薬指導計画を作成し、当該計画に基づきオンライン服薬指導を実施すること。
(6)対面による服薬指導及びオンライン服薬指導を行う保険薬剤師は、原則として同一の者であること。ただし、やむを得ない事由により、同一の保険薬剤師が対応できない場合には、同一保険薬局内の他の保険薬剤師(あらかじめ対面による服薬指導を実施したことがある2名までの保険薬剤師に限る。以下同じ。)の氏名を服薬指導計画に記載し、当該他の保険薬剤師がオンライン服薬指導を行うことについてあらかじめ患者の同意を得ている場合に限り、当該他の保険薬剤師がオンライン服薬指導を行っても差し支えない。
(7)患者の薬剤服用歴を経時的に把握するため、原則として、手帳により薬剤服用歴及び服用中の医薬品等について確認すること。また、患者が服用中の医薬品等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう、原則として、服薬指導等の内容を手帳に記載すること。
(8) 当該服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を患者に配送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる
(9)医薬品を患者に配送する場合は、医薬品受領の確認を行うこと。
(10)厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則(平成26年厚生労働省令第33号)第31条第1号に該当する場合(以下「特区における離島・へき地の場合」という。)は、次のとおりとする。
ア (3)については、厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則及び関連通知に沿って実施すること。
イ (5)については、服薬指導計画を作成することを要しない。
ウ (6)については、他の保険薬剤師が対応しようとする場合には、服薬指導計画以外の文書に当該他の保険薬剤師の氏名を記載し、当該他の保険薬剤師がオンライン服薬指導を行うことについてあらかじめ患者の同意を得ること。

[施設基準]
(1)情報通信機器を用いた服薬指導を行うにつき十分な体制が整備されていること。
(2)当該保険薬局において、1月当たりの次に掲げるものの算定回数の合計に占める薬剤服用歴管理指導料の4及び在宅患者オンライン服薬指導料の算定回数の割合が1割以下であること。
① 区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料
② 区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン服薬指導料を含む。)

2019年12月20日中医協総会(第443回)「横断的事項(その5)について」

2019年12月20日中医協総会(第443回)「横断的事項(その5)について」

2019年12月20日中医協総会(第443回)「横断的事項(その5)について」

疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年3月31日
問9 国家戦略特区における遠隔服薬指導(オンライン服薬指導)については、一定の要件を満たせば暫定的な措置として薬剤服用歴管理指導料が算定できることとされていた。令和2年度改定により、この取扱いはどうなるのか。

(答)国家戦略特区におけるオンライン服薬指導についても、薬剤服用歴管理指導料「4」に基づき算定するものとした。なお、国家戦略特区における離島・へき地でのオンライン服薬指導の算定要件ついては、服薬指導計画の作成を求めないなど、一定の配慮を行っている。
また、これに伴い、「疑義解釈資料の送付について(その 19)」(令和元年 12月 26 日付け事務連絡)別添の問1は廃止する。


疑義解釈資料の送付について(その5)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年4月16日
問4 
薬剤服用歴管理指導料の4(オンライン服薬指導)の算定要件・施設基準にある「関連通知」とは具体的に何を指すのか。

(答)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(オンライン服薬指導関係)(令和2年3月 31 日付け薬生発 0331 第 36 号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)を指す。


2020年2月10日月曜日

2020年度診療報酬改定 後発医薬品調剤体制加算【調剤基本料】



後発医薬品調剤体制加算は調剤基本料の加算で、
①後発医薬品の調剤割合が一定以上、
②「後発医薬品の調剤を積極的に行っている」旨を薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示し、当該加算算定の旨を薬局内の見やすい場所に掲示していること
が主な施設基準となります。

2020年度の診療報酬改定では、
薬局における後発医薬品調剤体制加算について、2020年9月までに後発医薬品使用割合80%を達成するという政府目標を踏まえつつ、更なる後発医薬品の使用を促進するため、薬局での後発医薬品の備蓄に一定のコストが必要であることや薬局全体の調剤数量割合を向上させる必要があることなども踏まえ、要件が見直されました。

具体的には
調剤数量割合の要件はそのまま維持されましたが、75%以上の「加算1」は3点引き下げられ15点、85%以上の「加算3」は2点引き上げられ28点となりました。



なお、2020年3月末時点で後発医薬品の調剤割合に変更がなければ2020年4月に改めての届出は必要ありません。
令和2年度診療報酬改定の概要(Q&A・調剤)より


疑義解釈資料の送付について(その5)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年4月16日
【後発医薬品調剤体制加算】
問2 
後発医薬品調剤体制加算について、いわゆるバイオAG(先行バイオ医薬品と有効成分等が同一の後発医薬品)はバイオ後続品と同様に後発医薬品の使用割合に含まれるのか。

(答)含まれる。




※後発医薬品の数量シェア(置換え率)
=〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕
=〔3で分類される品目の数量〕/(〔2で分類される品目の数量〕+〔3で分類される品目の数量〕)


各先発医薬品における後発医薬品の有無及び後発医薬品について、
1:後発医薬品がない先発医薬品(後発医薬品の上市前の先発医薬品等)、

2:後発医薬品がある先発医薬品
(先発医薬品と後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合等を含む)

3:後発医薬品
(先発医薬品と同額又は薬価が高いものについては、「★」印を付しています。)
として分類しています。

厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」
https://www.mhlw.go.jp/topics/2019/08/tp20190819-01.html




「後発医薬品のある先発医薬品」が増えるタイミング
http://www.ygken.com/2014/06/blog-post_17.html

後発医薬品のある先発医薬品とは
http://www.ygken.com/2014/12/blog-post_11.html

後発医薬品調剤体制加算のカットオフ値
http://www.ygken.com/2014/03/blog-post_24.html

[調剤点数表]
調剤基本料
後発医薬品調剤体制加算) 
注6 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)第7条の2に規定する後発医薬品(以下「後発医薬品」という。)の調剤に関して別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
イ 後発医薬品調剤体制加算1  15点
ロ 後発医薬品調剤体制加算2  22点
ハ 後発医薬品調剤体制加算3  28点


[留意事項 保医発0305第1号]
<通則>
調剤基本料の「注6」の後発医薬品調剤体制加算及び「注7」に係る後発医薬品については、「「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等について(令和2年3月5日保医発 0305 第7号)を参照すること。

[施設基準:告示第59号]
五 後発医薬品調剤体制加算の施設基準
(1)通則
当該保険薬局において調剤した薬剤の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が五割以上であること。
(2)後発医薬品調剤体制加算1の施設基準
当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が七割五分以上であること。
(3)後発医薬品調剤体制加算2の施設基準
当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が八割以上であること。
(4)後発医薬品調剤体制加算3の施設基準
当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が八割五分以上であること。



[施設基準の留意事項 保医発0305第3号]
第 93 後発医薬品調剤体制加算
1 後発医薬品調剤体制加算1に関する施設基準
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が75%以上であること。
(2) 当該保険薬局において調剤した薬剤(4に掲げる医薬品を除く。)の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が 50%以上であること。
(3) 後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨を当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示するとともに、後発医薬品調剤体制加算を算定している旨を当該保険薬局の内側の見やすい場所に掲示していること。

2 後発医薬品調剤体制加算2に関する施設基準
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が80%以上であること。
(2) 1の(2)及び(3)の基準を満たすこと。

3 後発医薬品調剤体制加算3に関する施設基準
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が 85%以上であること。
(2) 1の(2)及び(3)の基準を満たすこと。

4 後発医薬品調剤体制加算の施設基準に関する留意点
(1) 後発医薬品の規格単位数量の割合を算出する際に除外する医薬品
 ア 経腸成分栄養剤
エレンタール配合内用剤
エレンタールP乳幼児用配合内用剤
エンシュア・リキッド
エンシュア・H
ツインラインNF配合経腸用液
ラコールNF配合経腸用液
エネーボ配合経腸用液
ラコール NF 配合経腸用半固形剤
イノラス配合経腸用液
 イ 特殊ミルク製剤
フェニルアラニン除去ミルク配合散「雪印」
ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合散「雪印」
 ウ 生薬(薬効分類番号 510)
 エ 漢方製剤(薬効分類番号 520)
 オ その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品(薬効分類番号 590)

(2) 当該加算への該当性については、直近3月間の当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合をもって翌月に判断し、同月内に必要な届け出を行った上で、翌々月から当該加算の区分に基づく所定点数を算定する。

5 届出に関する事項
後発医薬品調剤体制加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 87 を用いること。

2020年度診療報酬改定 地域支援体制加算【調剤基本料】



(2020年4月1日更新)
2020年度診療報酬改定において地域支援体制加算の実績要件が見直され施設基準が一部変更されました。

ポイント
・調剤基本料1の薬局で一部厳格化
・調剤基本料1以外の薬局で要件緩和
・加算額は3点増の38点

調剤基本料1を算定している薬局の従来の実績要件は、
①麻薬小売業者の免許取得
②直近1年間に在宅実績がある
③かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料の届け出
の3つをすべてすべて満たすことでした。
今回の改定では、在宅実績が年間12回以上に引き上げられました。また、①~③に加えて「患者の服薬情報等を文書で医療機関に提供した実績 12回以上」「薬剤師研修認定制度等の研修を修了した薬剤師が地域の多職種と連携する会議に1回以上出席」のいずれかを追加で満たすことが新たな要件となりました。

調剤基本料1以外を算定している薬局では、「麻薬指導管理加算10回以上」が「調剤料の麻薬加算10回以上」に見直され要件が緩和されています。従来8要件を満たすことが条件でしたが、今回新設の「薬剤師研修認定制度等の研修を修了した薬剤師が地域の多職種と連携する会議に1回以上出席」を含む9要件のうち8つを満たすことが新たな実績要件となりました。

要件の患者の服薬情報等提供では、服薬情報等提供料以外にも今回の改定で新設された「特定薬剤管理指導加算2」、「吸入薬指導加算」や「調剤後薬剤管理指導加算」の業務を行った場合も含まれます。

[令和2年度診療報酬改定の概要(Q&A・調剤)より]
・地域支援体制加算の算定要件について調剤基本料1の実績は直近1年間のものでよい。
・「地域の多職種と連携する会議」とは、現時点では地域ケア会議などを想定。
・改定前に地域支援体制加算の届出を行っていない場合でも2021年3月末までの間は、調剤基本料1に適応される改定前の基準を満たせば届出を行うことができる。

疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年3月31日
問3 調剤基本料1を算定する保険薬局に適用される実績要件については、令和3年3月31日までの間は改定前の基準が適用されることとなっている。
改定前に地域支援体制加算の届出を行っていなかった保険薬局であっても、令和3年3月末までの間は、改定前の基準が適用されるのか。

(答)改定前の基準が適用される。


問4 地域支援体制加算の施設基準における「地域の多職種と連携する会議」とは、どのような会議が該当するのか。

(答)次のような会議が該当する。
 ア 介護保険法第115条の48で規定され、市町村又は地域包括支援センターが主催する地域ケア会議
 イ 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第9号で規定され、介護支援専門員が主催するサービス担当者会議
 ウ 地域の多職種が参加する退院時カンファレンス

問5 「地域の多職種と連携する会議」への参加実績は、非常勤の保険薬剤師が参加した場合も含めて良いか。

(答)良い。ただし、複数の保険薬局に所属する保険薬剤師の場合にあっては、実績として含めることができるのは1箇所の保険薬局のみとする。

問6 調剤基本料1を算定する保険薬局であって、注4又は注7の減算規定に該当する場合、地域支援体制加算の実績要件等は調剤基本料1の基準が適用されるのか。

(答)調剤基本料1の基準が適用される。
なお、これに伴い、「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成 28 年3月 31 日付け事務連絡)別添4の問 12 は廃止する。

 
[調剤点数表]
調剤基本料
(地域支援体制加算) 
注5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、地域支援体制加算として、所定点数に38点を加算する。

[留意事項 保医発0305第1号]
区分 00 調剤基本料
地域支援体制加算
地域支援体制加算は、かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域医療に貢献する薬局の体制等を評価するものであり、調剤基本料の区分によらない共通の施設要件(一定の開局時間、在宅体制整備等)及び調剤基本料の区分により一定の差がある実績等を満たした上で必要な届出を行った場合に算定できる。

[施設基準:告示第59号]
四 地域支援体制加算の施設基準
次のいずれかに該当する保険薬局であること。
(1)次のいずれにも該当する保険薬局であること。
イ 調剤基本料1を算定している保険薬局であること。
ロ 地域医療への貢献に係る十分な体制が整備されていること。
ハ 地域医療への貢献に係る十分な実績を有していること。
(2)次のいずれにも該当する保険薬局であること。
イ 調剤基本料1以外を算定している保険薬局であること。
ロ 地域医療への貢献に係る必要な体制が整備されていること。
ハ 地域医療への貢献に係る相当の実績を有していること。

[施設基準の留意事項 保医発0305第3号]
第 92 地域支援体制加算
1 地域支援体制加算に関する施設基準
(1) 以下のア又はイの区分に応じ、それぞれに掲げる基準を満たすこと。

ア 調剤基本料1を算定する保険薬局
 (イ) 以下の①から③までの3つの要件を満たし、かつ、④及び⑤のいずれかの要件を満たすこと。なお、②、④及び⑤については、保険薬局当たりの直近1年間の実績とする。
① 麻薬及び向精神薬取締法(昭和 28 年法律第 14 号)第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができること。
② 在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実績としては、当該加算の施設基準に係る届出時の直近1年間に在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン服薬指導料を除く。第92において同じ。)、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費の算定回数の合計が保険薬局当たりで 12 回以上であること。当該回数には、在宅協力薬局として連携した場合や同等の業務を行った場合を含めることができる(同一グループ薬局に対して業務を実施した場合を除く。)
なお、「同等の業務」とは、在宅患者訪問薬剤管理指導料で規定される患者 1 人あたりの同一月内の訪問回数を超えて行った訪問薬剤管理指導業務を含む。
③ 地方厚生(支)局長に対してかかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料に係る届出を行っていること。
④ 服薬情報等提供料の算定回数が保険薬局当たりで 12 回以上であること。なお、当該回数には、服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務を行った場合を含めることができる。
⑤ 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に保険薬局当たりで1回以上出席していること。
(ロ) ④の「服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務」とは次のものをいう。

  • 薬剤服用歴管理指導料及びかかりつけ薬剤師指導料の特定薬剤管理指導加算2
  • 薬剤服用歴管理指導料の吸入薬指導加算
  • 薬剤服用歴管理指導料の調剤後薬剤管理指導加算
  • 服用薬剤調整支援料2
  • かかりつけ薬剤師指導料を算定している患者に対し、吸入薬指導加算、調剤後薬剤管理指導加算及び服薬情報等提供料の算定に相当する業務を実施した場合(薬剤服用歴の記録に詳細を記載するなどして、当該業務を実施したことが遡及して確認できるものでなければならないこと。)
  • かかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、特定薬剤管理指導加算2、吸入薬指導加算、調剤後薬剤管理指導加算、服用薬剤調整支援料2又は服薬情報等提供料の算定に相当する業務を実施した場合(薬剤服用歴の記録に詳細を記載するなどして、当該業務を実施したことが遡及して確認できるものでなければならないこと。)


イ 調剤基本料1以外を算定する保険薬局
 (イ) 地域医療への貢献に係る相当の実績として、以下の①から⑨までの9つの要件のうち8つ以上を満たすこと。この場合において、⑨の「薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議」への出席は、保険薬局当たりの直近1年間の実績とし、それ以外については常勤の保険薬剤師1人当たりの直近1年間の実績とする。
① 調剤料の時間外等加算及び夜間・休日等加算の算定回数の合計が 400 回以上であること。
② 調剤料の麻薬を調剤した場合に加算される点数の算定回数が 10 回以上であること。
③ 薬剤服用歴管理指導料又はかかりつけ薬剤指導料の重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定回数の合計が 40 回以上であること。
④ かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数の合計が 40回以上であること。
⑤ 外来服薬支援料の算定回数が 12 回以上であること。
⑥ 服用薬剤調整支援料1及び2の算定回数の合計が1回以上であること。
⑦ 在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費について単一建物診療患者が1人の場合の算定回数の合計が計 12 回以上であること(在宅協力薬局として連携した場合(同一グループ薬局に対して業務を実施した場合を除く。)や同等の業務を行った場合を含む。)
なお、「同等の業務」とは、在宅患者訪問薬剤管理指導料で規定される患者 1 人あたりの同一月内の算定回数の上限を超えて訪問薬剤管理指導業務を行った場合を含む。
⑧ 服薬情報等提供料の算定回数が 60 回以上であること。なお、当該回数には、服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務を行った場合を含む。
⑨ 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に5回以上出席していること。
(ロ) ⑧の「服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務」については、(1)のアの(ロ)に準じて取り扱う。
 (ハ) かかりつけ薬剤師包括管理料を算定する患者については、⑧の服薬情報等提供料のほか、②の調剤料の麻薬を調剤した場合に加算される点数 、③の重複投薬・相互作用防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料、⑤の外来服薬支援料並びに⑥の服用薬剤調整支援料に相当する業務を実施した場合には、当該業務の実施回数を算定回数に含めることができる。この場合において、薬剤服用歴の記録に詳細を記載するなどして、当該業務を実施したことが遡及して確認確実に遡及できるものでなければならないこと。
 (ニ) 常勤薬剤師数は、届出前3月間の勤務状況に基づき、以下の①及び②により小数点第二位を四捨五入して小数点第一位まで算出する。(イ)の①から⑧までの基準を満たすか否かは、当該保険薬局における直近1年間の実績が、常勤の保険薬剤師数を各基準に乗じて得た回数以上であるか否かで判定する。
① 当該保険薬局における実労働時間が週 32 時間以上である保険薬剤師は 1 名とする。
② 当該保険薬局における実労働時間が週 32 時間に満たない保険薬剤師については、実労働時間を 32 時間で除した数とする。

(2) 保険調剤に係る医薬品として 1200 品目以上の医薬品を備蓄していること。

(3) 当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含む近隣の保険薬局と連携して、24 時間調剤及び在宅業務に対応できる体制が整備されていること。24 時間調剤及び在宅業務に対応できる体制とは、単独の保険薬局又は近隣の保険薬局との連携により、患家の求めに応じて 24 時間調剤及び在宅業務(在宅患者に対する調剤並びに薬学的管理及び指導をいう。以下同じ。)が提供できる体制を整備していることをいうものであり、当該業務が自局において速やかに提供できない場合であっても、患者又はその家族等の求めがあれば連携する近隣の保険薬局(以下「連携薬局」という。)を案内すること。ただし、連携薬局の数は、当該保険薬局を含めて最大で3つまでとする。

(4) 当該保険薬局は、原則として初回の処方箋受付時に(記載事項に変更があった場合はその都度)、当該担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意事項(近隣の保険薬局との連携により 24 時間調剤ができる体制を整備している保険薬局は、連携薬局の所在地、名称、連絡先電話番号等を含む。)等について、事前に患者又はその家族等に対して説明の上、文書(これらの事項が薬袋に記載されている場合を含む。)より交付していること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等を文書上に明示すること。
また、これら連携薬局及び自局に直接連絡が取れる連絡先電話番号等を当該保険薬局の外側の見えやすい場所に掲示すること。

(5) 地方公共団体、保険医療機関及び福祉関係者等に対して、24 時間調剤及び在宅業務に対応できる体制に係る周知を自ら又は地域の薬剤師会等を通じて十分に行っていること。

(6) 当該保険薬局の保険薬剤師は、保険調剤に係る医薬品以外の医薬品に関するものを含め、患者ごとに薬剤服用歴の記録を作成し、調剤に際して必要な薬学的管理を行い、調剤の都度必要事項を記入するとともに、当該記録に基づき、調剤の都度当該薬剤の服用及び保管取扱いの注意に関し必要な指導を行っていること。

(7) 当該保険薬局の開局時間は、平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週 45 時間以上開局していること。

(8) 当該保険薬局の管理薬剤師は以下の要件を全て満たしていること。
ア 施設基準の届出時点において、保険薬剤師として5年以上の薬局勤務経験があること。
イ 当該保険薬局に週 32 時間以上勤務していること。
ウ 施設基準の届出時点において、当該保険薬局に継続して1年以上在籍していること。

(9) 当該保険薬局は、地方厚生(支)局長に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を行うとともに、処方医から在宅患者訪問薬剤管理指導の指示があった場合に適切な対応ができるよう、例えば、保険薬剤師に在宅患者訪問薬剤管理指導に必要な研修等を受けさせ、薬学的管理指導計画書の様式をあらかじめ備えるなど、在宅患者に対する薬学的管理指導が可能な体制を整備していること。また、患者に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の情報提供をするために、当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う薬局であることを掲示し、当該内容を記載した文書を交付すること。

(10) 当該保険薬局において、調剤従事者等の資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、当該計画に基づき研修を実施するとともに、定期的に薬学的管理指導、医薬品の安全、医療保険等に関する外部の学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む。)を受けさせていること。併せて、当該保険薬局の保険薬剤師に対して、薬学等に関する団体・大学等による研修認定の取得、医学薬学等に関する学会への定期的な参加・発表、学術論文の投稿等を行わせていることが望ましい。

(11) 医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)に登録することにより、常に最新の医薬品緊急安全性情報、安全性速報、医薬品・医療機器等安全性情報等の医薬品情報の収集を行い、保険薬剤師に周知していること。
(12) 次に掲げる情報(当該保険薬局において調剤された医薬品に係るものに限る。)を随時提供できる体制にあること。
ア 一般名
イ 剤形
ウ 規格
エ 内服薬にあっては製剤の特徴(普通製剤、腸溶性製剤、徐放性製剤等)
オ 緊急安全性情報、安全性速報
カ 医薬品・医療機器等安全性情報
キ 医薬品・医療機器等の回収情報

(13) 薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。また、高齢者への配慮並びに丁寧な服薬指導及び患者の訴えの適切な聞き取りなどの観点から、患者のプライバシーの配慮に加え、必要に応じて患者等が椅子に座った状態で服薬指導等を行うことが可能な体制を有していることが望ましい。

(14) 一般用医薬品を販売していること。なお、一般用医薬品の販売の際には、購入される一般用医薬品のみに着目するのではなく、購入者の薬剤服用歴の記録に基づき、情報提供を行い、必要に応じて医療機関へのアクセスの確保を行っていること。

(15) 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、こころの健康づくり、飲酒、喫煙など生活習慣全般に係る相談についても応需・対応し、地域住民の生活習慣の改善、疾病の予防に資する取組を行うといった健康情報拠点としての役割を果たすこと。

(16) 健康相談又は健康教室を行っている旨を当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示し、周知していること。

(17) 医療材料及び衛生材料を供給できる体制を有していること。また、当該患者に在宅患者訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局に対し保険医療機関から衛生材料の提供を指示された場合は、原則として衛生材料を患者に供給すること。なお、当該衛生材料の費用は、当該保険医療機関に請求することとし、その価格は保険薬局の購入価格を踏まえ、保険医療機関と保険薬局との相互の合議に委ねるものとする。

(18) 在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションと円滑な連携ができるよう、あらかじめ患家の同意が得られた場合には、訪問薬剤管理指導の結果、当該医療関係職種による当該患者に対する療養上の指導に関する留意点等の必要な情報を関係する診療所又は病院及び訪問看護ステーションの医師又は看護師に文書(電子媒体を含む。)により随時提供していること。

(19) 当該地域において、介護支援専門員(ケアマネージャー)、社会福祉士等の他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携すること。また、患者の服薬状況に関する相談を受け付けるなど、地域包括支援センターと必要な連携を行うこと。

(20) 「薬局機能に関する情報の報告及び公表にあたっての留意点について」(平成 29 年 10 月6日付け薬食総発第 1006 第1号)に基づき、薬局機能情報提供制度において、「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」として直近一年以内に都道府県に報告していること。

(21) 副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制を有していること。

(22) 処方箋集中率が 85%を超える場合にあっては、当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、規格単位量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が当該加算の施設基準に係る届出時の直近3月間の実績として50%以上であること。

(23) 上記(22)の処方箋集中率が 85%%を超えるか否かの取扱いについては、「第 88 調剤基本料」の「3 調剤基本料に係る処方箋の受付回数、同グループ及び不動産の賃貸借取引関係等に関する考え方2 調剤基本料の施設基準に関する留意点の(3)に準じて行う。

(24) 施設基準に適合するとの届出をした後は、(1)のアの(イ)の②、④及び(1)のイの(イ)の①から⑨までについては、前年3月1日から当年2月日までの実績をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定できるものとする。この場合の常勤薬剤師数は、前年 12 月1日から当年2月末日までの勤務状況に基づき算出する。

2 届出に関する事項
(1) 地域支援体制加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 87 の3及び様式 87 の3の2又は様式 87 の3の3を用いること。
(2) 1の(1)のアに規定する調剤基本料1を算定する保険薬局の要件については、令和3年3月31日までの間に限り、なお従前の例による。

2020年度診療報酬改定 調剤後薬剤管理指導加算【薬剤服用歴管理指導料】



ポイント
調剤後薬剤管理指導加算はインスリンやSU薬による重症低血糖を防ぐためのもの

2020年度診療報酬改定において薬局の対人業務を評価する項目として、調剤後薬剤管理指導加算が新設されることになりました。

調剤後薬剤管理指導加算とは
地域において医療機関と薬局が連携してインスリン等の糖尿病治療薬の適正使用を推進する観点から、医師の求めなどに応じて、地域支援体制加算を届け出ている薬局が調剤後も副作用の有無の確認や服薬指導等を行い、その結果を医師に情報提供した場合の評価とされています。

【薬剤服用歴管理指導料】
(新) 調剤後薬剤管理指導加算 30点

[算定要件]
地域支援体制加算を届け出ている保険薬局において、インスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「糖尿病治療薬」という。)を使用している糖尿病患者であって、新たに糖尿病治療薬が処方されたもの又は糖尿病治療薬に係る投薬内容の変更が行われたものに対して、患者若しくはその家族等から求めがあった場合であって、処方医に了解を得たとき又は保険医療機関の求めがあった場合に、患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書等により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、1月に1回に限り30点を所定点数に加算する。


調剤後薬剤管理指導加算が新設された経緯


糖尿病治療薬の副作⽤により、低⾎糖となる場合があります。低⾎糖による症状として、動悸、⼿指の震え、めまい等の他、重度の場合には、意識障害やけいれん発作を起こす場合があります。平成29年に意識障害の傷病者に対して救急救命⼠が行った特定⾏為のうち、⾎糖測定の件数は約48,000件、ブドウ糖静注の件数は約8,000件でした。ここ数年、低血糖による意識障害での救急対応は増えてきています。

そして、重症低血糖に影響した要因として、「⾷事の内容・タイミングの不適合」が約4割、「薬剤の過量もしくは誤投与」が約3割だったとの調査結果があり。さらに原因薬剤としては、インスリンとSU剤が90%を占める現状が明らかになっています。

糖尿病の患者さんでは、処⽅薬の種類や⽤法・⽤量等が変更になった場合について、服薬過誤のリスクが高まることが予想されることから調剤後に電話等により服用上の注意等についてあらためて指導等を⾏う必要があるとして、当加算が新設されました。

2019年12月4日中医協総会(第438回)「調剤報酬(その3)について」

2019年12月18日中医協総会(第442回)「調剤報酬(その4)について」

2019年12月18日中医協総会(第442回)「調剤報酬(その4)について」

調剤後薬剤管理指導加算の算定タイミングは「医療機関に情報提供した後」


調剤後薬剤管理指導加算は、医療機関への情報提供をした後、患者が再度来局した際に算定できる取り扱いです。調剤後薬剤管理指導加算は、インスリン製剤などが処方された患者に対し、調剤後も電話などで服薬状況や副作用の有無を患者に確認し、必要な薬学的管理・指導を行うとともに、医療機関に必要な情報を提供した場合に算定できます。つまり、「調剤後のフォローアップに重点を置いて評価する点数」とし、情報提供後に算定するという取り扱いとされています。

調剤後薬剤管理指導加算を算定するには
以下の条件を満たし、患者や医療機関に情報提供を行うことで可能となります。

<薬局>
地域支援体制加算の届出があること

<患者>
インスリン又はスルフォニル尿素系製剤(SU剤)を使用していること
・新たにインスリン又はSU剤が処方
・インスリン又はSU剤に係る投薬内容の変更

<その他>
患者の同意が必要
・患者若しくはその家族等から求め+処方医の了解
・保険医療機関の求め

調剤した日以外に
電話等により患者に確認
→インスリン又はSU剤の服用状況、副作用の有無等
→必要な薬学的管理及び指導を行う
→保険医療機関に必要な情報を文書等により提供


関連情報(糖尿病リソースガイド)

インスリン製剤・インクレチン関連薬・SGLT2阻害薬 早見表(PDF)

[調剤点数表]
10 薬剤服用歴管理指導料
(調剤後薬剤管理指導加算)
注10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について当該患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、月1回に限り30点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

[留意事項 保医発0305第1号]
区分 10 薬剤服用歴管理指導料
1110 調剤後薬剤管理指導加算
(1) 調剤後薬剤管理指導加算は、低血糖の予防等の観点から、糖尿病患者に新たにイン
スリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「インスリン製剤等」という。)が処方等された患者に対し、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、副作用の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。
なお、インスリン製剤等の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。
(2) (1)の「新たにインスリン製剤等が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。
ア 新たにインスリン製剤等が処方された患者イ 既にインスリン製剤等を使用している患者であって、新たに他のインスリン製剤等が処方された患者ウ インスリン製剤の注射単位の変更又はスルフォニル尿素系製剤の用法・用量の変更があった患者
(3) 当該加算に係る電話又はビデオ通話によるインスリン製剤等の使用状況の確認等は、以下のア又はイの場合に患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、調剤後の薬剤管理指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
(4) 本加算の調剤後のインスリン製剤等の使用状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話又はビデオ通話による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者等に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。
(5) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載する。
(6) 電話等による患者のインスリン製剤等の使用状況等の確認を行った結果、速やかに保険医療機関に伝達すべき副作用等の情報を入手した場合(インスリン製剤等以外の薬剤による副作用が疑われる場合を含む。)は、遅滞なく当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関への受診勧奨を行うこと。
(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない
(8) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない