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2020年2月11日火曜日

2020年度診療報酬改定 経管投薬支援料



ポイント
・医師への最新のデータに基づいた薬剤選択の提案
・家族・介助者等に対する簡易懸濁法の説明・指導

2020年度診療報酬改定において、経管薬剤投与が行われている患者に対し簡易懸濁法を開始するに当たり、医師の求めなどに応じて、薬局が必要な支援を行った場合に100点(初回のみ)が算定できる「経管投薬支援料」が新設されました。

経管投薬支援料は「簡易懸濁法」による服薬方法を患者やその家族、介助者にレクチャーしたときの手間賃のようなものです。また、経管投与に適した薬剤の選択、配合変化の回避などのリスクマネジメント費用も含まれていると考えてよさそうです。




(新) 経管投薬支援料 100点

[算定要件]
胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者若しくはその家族等から求めがあった場合であって、処方医に了解を得たとき又は保険医療機関の求めがあった場合に、患者の同意を得た上で、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に初回に限り算定する。


薬剤服用歴管理指導料との併算定は可能?

経管投薬支援料は薬剤服用歴管理指導料と同時に算定が可能です。


youtube 令和2年度診療報酬改定の概要(Q&A・調剤)より 

自薬局で調剤していない薬でも算定可能?

他の薬局で調剤された薬で、簡易懸濁について相談を受けて必要な支援を行っても経管投薬支援料は算定できません。自薬局で調剤した薬剤の経管投薬に係る支援を行った場合のみ算定できます。

なお、在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費の算定は条件にはなっていません。

そもそも簡易懸濁法とは

簡易懸濁法は錠剤をつぶしたりカプセルを開封したりしないで、投与時に錠剤・カプセル剤をそのまま水(55℃の微温湯)に入れて崩壊・懸濁させる方法です。「つぶし」の処方であってもそのまま水に入れて崩壊させます。
懸濁容器に直接カテーテルチップシリンジを接続して薬液を吸い取り、経管投与します。粉砕したりチューブのつまりを気にすることも減るので介護する人にはメリットが大きい投与法です。

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簡易懸濁法の情報

すべての薬剤が簡易懸濁が何も問題なくできるかというと、そういうわけには行きません。徐放性薬剤や添加物の影響でうまく懸濁できないものやチューブを通過できないものも存在します。簡易懸濁法を行うためには、各薬品が水に崩壊するか否か、薬品の物性により投与時に問題が生じないかなどの情報が不可欠です。そのような薬剤の特徴を最新の情報にアップデートし、医師へ情報共有する役目が薬のプロである薬剤師に期待されています。

簡易懸濁の適否については、各製薬メーカーのホームページで公表されていたり、インタビューフォームに記載されていたりします。8Fr.のチューブの通過性を持って可否を決定されているものが多いです。
しかし、昨年出された『医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン』により簡易懸濁法は承認外の投与法であり製薬メーカーからの積極的な情報提供はできなくなりました。なかなか情報が得にくくなっています。
一番いいのはまずは自分の目で実際に実験を行い確かめてみることです。次に成書となっている情報にあたりましょう。

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疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年3月31日
問 20 当該患者に調剤を行っていない保険薬局は、経管投薬支援料を算定で きるか。 

(答)算定できない。 


問 21 在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅 療養管理指導費を算定していない患者であっても、必要な要件を満たせば経 管投薬支援料を算定できるか。

(答)算定できる。


[調剤点数表]
15の7 経管投薬支援料  100点
胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者若しくはの家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得た上で、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に、初回に限り算定する。

[留意事項 保医発0305第1号]
区分 15 の7 経管投薬支援料
(1) 経管投薬支援料は、胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者に対して、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に算定する。
(2) 当該加算に係る服薬支援は、以下の場合に患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 家族等の求めがあった場合等、服薬支援の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
(3) 「簡易懸濁法」とは、錠剤の粉砕やカプセルの開封等を行わず、経管投薬の前に薬剤を崩壊及び懸濁させ、投薬する方法のことをいう。
(4) 必要な支援とは主に次に掲げる内容をいう。
ア 簡易懸濁法に適した薬剤の選択の支援
イ 患者の家族又は介助者が簡易懸濁法により経管投薬を行うために必要な指導
ウ 必要に応じて保険医療機関への患者の服薬状況及びその患者の家族等の理解度に係る情報提供
(5) 患者1人につき複数回の支援を行った場合においても、1回のみの算定とする。
(6) 患者の服薬状況等を保険医療機関に情報提供を行った場合であって所定の要件を満たす場合は、服薬情報等提供料1又は2を算定できる