2019年10月24日木曜日

薬剤師が知っておいたほうがいい軽減税率

2019年10月から社会保障と税の一体改革の下、消費税率引上げ(8%→10%)に伴い、所得の低い方々に配慮する観点から、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に消費税の「軽減税率制度」が実施されました。特定の品⽬に対して軽減税率(8%)が適⽤されます。

薬局では、薬だけはなく日用品や飲食料品など幅広く取り扱っています。
軽減税率制度の対象品目や疑問点についてまとめてみました。


軽減税率の対象品目


対象品目の考え方は単純で、口にはいるずべての飲食物が対象です。
ただし、酒税法規制される「酒類」や薬機法に規定される「医薬品」、「医薬部外品」及び「再生医療等製品」は除きます。
また食品衛生法に規定する「添加物」、いわゆる食品添加物は軽減税率の対象です。



薬局でよくあつかう軽減税率対象例にはなにがある?


食品
介護食や病者用食品なども軽減税率対象です。

飲料
OS-1やアクアソリタなどの経口補水液は軽減税率対象です。

その他
オブラートや食品添加物のアルコールやクエン酸は軽減税率対象です。



会計時ややこしくなるのが、2つの税が混在する場合です。
薬局で考えられる例としては、
・「健康食品」と「医薬品」を購入する場合
・「食品添加物」と「医薬品」を購入する場合
があります。

医薬品と類似した健康食品や食品添加物が存在することが、ややこしさのもとになっていると思われます。


薬局の待合で飲み物を飲むために購⼊した場合は軽減税率対象外?


飲食料品は軽減税率が適用され、税率8%になりますが、イートインの場合は外食と同じ扱いとなり軽減税率は適応されず10%となります。

薬局の待合で調剤を待つ間にジュースを飲むこともあるかもしれません、また薬を受け取ったその場で薬を飲むため水を購入するかもしれません。
このような場合、イートインとみなされるのでしょうか。

結論は軽減税率の対象です。
薬局の待合のイスは薬局業務運営ガイドライン等で設置が義務付けられているものです。飲⾷⽤のスペースではないため、軽減税率の対象となります。

ただし、飲⾷専⽤のスペースを設けた場合(明示してある、または客観的にイートインスペースと判断可能な場合)は軽減税率の対象とはなりません。


参考:
【国税庁HPより】消費税の軽減税率制度に関するQ&A
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/03-03.pdf