2019年2月21日、肺がん治療薬のジカディアカプセル150mgの新しい用法用量が承認されました。
今まで用法用量は「750mgの1日1回空腹時投与」となっていました。
今回、用法用量が「450mgの1日1回食後投与」に変更されました。
1日用量が減り、服用タイミングも空腹時から食後という、大幅な変更です。
かなり珍しいケースです。
この変更に伴い、
「食事の影響を避けるため、食事の前1時間および食事の後2時間以内を避けて服用してください。必ず指示された服用方法に従ってください。」
という注意事項も削除されています。
患者さんが古いくすりのしおりを見て混乱しないように注意しなくてはいけません。
用法用量変更の経緯
「750mgの1日1回空腹時投与」は、未治療の進行ALK融合遺伝子陽性非小細がん(NSCLC)に優れた効果を示すものの、服薬継続ができなくなるほどの下痢、悪心嘔吐などの消化器症状が発現することが課題となっていました。
こうした患者の負担を軽減するために、有効性を保ちながら、消化器症状の発現の軽減により安全性プロファイルを改善できる用法及び用量を検討するための治験(CLDK378A2112試験)を実施。
「450mgの1日1回食後投与」においても有効性維持と毒性低減を両立できたことから今回の変更に至っています。
【参考】
ASCND-8(Clinical Trials.gov)
ALK陽性NSCLCに対し、セリチニブ450または600mgを低脂肪食と服用した群と、750mgの空腹時服用を比較した無作為化オープンラベル試験。