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2018年12月22日土曜日

エンシュアのコーヒー味にカフェインは含まれていますか?




エンシュアリキッド、エンシュアHのコーヒー味にはカフェインは含まれていません。
香料のみで味付けしているそうです。

医薬品の経腸栄養剤は窒素源の形態によりエレンタールなどおの成分栄養剤、ツインラインNFなどの消化態栄養剤、エンシュア・リキッド,ラコールNFなどの半消化態栄養剤の3群に分けることができます。
経腸栄養法において消化吸収機能が保たれている場合は半消化態栄養剤が第1選択となります。少量より開始し標準量へ増やしていきます。肝疾患や腎不全など病態別経腸栄養剤もあります。

これら経腸栄養剤の中には複数の味やフレーバーを提供しているものがあります。

中でも、コーヒー味は人気があるように感じます。患者さんいわく「薬の甘ったるさをコーヒーの苦味がマスクしてくれる」そうです。

そんなコーヒー味ですがよくある問い合わせの一つに
カフェインは含まれるのか?
というものがあります。

各種経腸栄養剤のコーヒー味(フレーバー)のカフェイン含量についてメーカーに確認しました。
以下にまとめています。

●エンシュア・リキッド エンシュアH
カフェインは含まれていない。
香料のみでコーヒー風味または抹茶風味にしている。

●アミノレバンEN
カフェインは含まれていない。
コーヒーに由来するものは使用していない。

●エレンタール、へパンED用フレーバー
原料にコーヒーエキスパウダーを使用している。
1包あたり83mgのカフェインを含んでいる。
これは、インスタントコーヒー1杯分に相当。

●ラコールNF
コーヒー味には製剤200mLあたり0.2mg含有している。
抹茶味には製剤200mLあたり0.7mg含有している。




2018年12月18日火曜日

メサフィリン配合散/配合錠 販売中止と代替品



胃・十二指腸潰瘍、胃炎治療剤のメサフィリン配合散/配合錠が販売中止となるようです。

2019年4月販売中止
経過措置期間2020年3月末まで(予定)

メサフィリン配合散は1953年、メサフィリン配合錠は1954年に販売を開始し、
2019年をもって需要低下に伴いやむなく販売中止となります。
緑の錠剤や粉薬は珍しく非常に特徴的な外見の薬でした。
在宅訪問すると、飲まれずに余っている代表選手です。緑で目立ちますし印象に残っています。

メサフィリンは銅クロロフィリンナトリウム、プロパンテリン臭化物、ケイ酸マグネシウムの3成分が配合された製剤です。葉緑素から作られた緑の成分の銅クロロフィリンナトリウムが荒れた胃粘膜を修復・保護し、ケイ酸マグネシウムが出過ぎた胃酸を中和、プロパンテリン臭化物が胃酸分泌を抑制します。

メサフィリンの名称の由来は
プロパンテリン臭化物の別名のプロメサンテリンブロマイドの「メサ」と銅クロロフィリンナトリウムの「フィリン」です。


メサフィリン配合散/配合錠の代替品


メサフィリンの適応は「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎における自覚症状及び他覚所見の改善」です。
胃潰瘍に対する非除菌治療の維持療法にはH2ブロッカースクラルファートが推奨されています。また、十二指腸潰瘍のそれでは、上記薬剤にPPIが追加され推奨されています。



メサフィリンと同一の適応症をもつ、配合剤は以下のとおりです。

●キャベジンUコーワ配合散
 【成分】
  メチルメチオニンスルホニウムクロリド
  メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
  沈降炭酸カルシウム
  炭酸マグネシウム
 ※甲状腺機能亢進症、透析患者には禁忌

●コランチル配合顆粒
 【成分】
  ジサイクロミン塩酸塩
  乾燥水酸化アルミニウムゲル
  酸化マグネシウム
 ※甲状腺機能亢進症、前立腺肥大による排尿障害、麻痺性イレウス、重篤な心不全、透析患者には禁忌

●マーズレンS配合顆粒・配合錠
 【成分】
  アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
  L-グルタミン

緑の胃薬サクロン♪

「緑の胃薬 サクロン」のCMでおなじみの一般用医薬品のサクロンは、メサフィリンの成分である銅クロロフィリンナトリウムを配合したものです。
胃酸の中和や分泌を抑える成分はメサフィリンとは異なります。

メサフィリンも劇的に効く薬ではないですし、一般用医薬品で代替可能です。




鉄剤とビタミンCを一緒に摂取してもあまり意味はない



鉄剤とビタミンCを一緒に摂取してもあまり意味はありません


小腸にある鉄を細胞内に吸収するトランスポーターは還元型の鉄(Fe2+)しか輸送できないため、鉄を還元状態に保つことが鉄剤の吸収効率を上げると考えて、医薬品である鉄製剤とビタミンCの同時投与が、かつては行われていました。
しかし明らかなエビデンスがないため、現在は行われていません。

では、ビタミンCが鉄の吸収を助けるというのは嘘なのか?というと、そうではありません。あくまで、薬としての鉄剤との併用メリットの確証がないだけで、食事から摂取される鉄の吸収にはビタミンCは多いに関与しています。

2018年8月理研と兵庫県立大学によって、ビタミンCが鉄分の吸収を促進するメカニズムを原子レベルで解明されました。
http://www.u-hyogo.ac.jp/outline/media/press/2018/monthly/pdf/20180820.pdf

ビタミンCだけでなく食物に含まれる有機酸もFe3+の還元反応を促進する補助に関与していることがわかりました。

食べ物からの鉄は非還元型のFe3+で存在しているため、ビタミンCや有機酸が吸収に大いに寄与しますが、還元型の鉄Fe2+として体内に供給可能な硫酸鉄徐放剤や、フェロミアやフェルムなどの有機酸鉄であるため、ビタミンC併用による吸収効率増加の寄与は大きくないと考えられます。

出典:兵庫県立大学プレスリリースより


鉄剤は食後に服用してはいけないの?


低いpHで鉄吸収の効率がよいと考えられていたことから、かつては空腹時の投与が望ましいと考えられていました。
しかし、空腹時に投与しても吐き気などの胃腸症状が頻発するだけで、食後投与と対して効果も変わりません。
そのため、胃腸症状の発現を抑える目的で、現在は食後に投与するのが一般的です。


鉄剤とお茶は一緒に飲んでもいいの?


大量でないのであれば、お茶を飲んでも問題ありません。

茶類が含むタンニン酸が鉄イオンと結合するため吸収効率が低下すると考えられていたことから、鉄剤服用前後にお茶類を飲むことを制限していた歴史があります。
確かに健常男子において、鉄剤服用後3時間までお茶により吸収に影響があることは報告されています。しかし女性や貧血患者などの場合には、鉄吸収能が健常男子に比較して亢進しているので鉄剤の吸収への影響は小さくなると考えられています。
鉄欠乏性貧血の治療において、臨床上の支障をきたすほどの影響があるとは考えにくいことから現在は多量の茶類摂取でなければ問題はないと考えられています。

 鉄剤服用患者にお茶を飲むなということは、日常生活上の不自由を強制することになります。お茶を飲むことが鉄欠乏性貧血の治療に障害を与えるほどの影響がないなら、鉄剤服用患者に対してノンコンプライアンスを避ける意味でもお茶を控えるということは見直す必要があります。


鉄剤はいつまで飲むの?

体に鉄を貯めるために最低でも4週間以上。

鉄剤を投与開始して4週間後には、検査を実施してヘモグロビン値の上昇を確認します。
投与開始後2週間後の網赤血球数を測定して、赤血球造血の亢進を確認することもあります。
投与4週間後のヘモグロビン値が上昇して基準値内に入った場合、
それでもすぐに鉄剤の投与を中止しません。
血清フェリチン値をモニターしながら、十分に貯蔵鉄が蓄積したのを確認してから治療を終了します。
血清フェリチンの基準値は幅が広いので、少なくとも100ng/mL以上に達するまで継続されます。

投与4週間後のヘモグロビン値が投与開始前の値から上昇が認められない場合は、
鉄吸収障害やほかの病因による貧血の合併などを考慮します。
子宮筋腫など明らかな出血源が確認されている場合には、鉄剤の中止により再度鉄欠乏状態に陥ることがあるので、3〜6か月ごとに血算と血清フェリチン値を測定しながら、注意深く投薬を続ける必要があります。貯蔵鉄を保つ意味で50mg/日程度の鉄剤を隔日投与することもあります。


2018年12月17日月曜日

テツクール 販売中止と代替品



テツクール徐放錠100mgが販売中止となるそうです。

2018年11月:経過措置期間のお知らせ(あすか製薬)
https://www.aska-pharma.co.jp/iryouiyaku/upload/save_file/info_stop_12products_201811%20_1.pdf

経過措置満了:2019年3月31日
(2019年4月1日以降は薬価削除され、保険請求できなくなります。)

テツクール徐放錠 100mgは、帝国臓器製薬(現 あすか製薬)が、乾燥硫酸鉄を用いた徐放性鉄剤である「テツクールS」として1976 年 11 月から販売している鉄欠乏性貧血治療剤です。
テツクール徐放錠は既に発売中止しているフェーマス錠(岩城製薬)の後発品です。


テツクール徐放錠の代替品


内服の鉄剤には吸収されやすい二価鉄(Fe2+)が製剤化されています。
テツクールのような還元鉄剤の硫酸鉄、有機酸鉄剤にはフマル酸第一鉄、クエン酸第一テウナトリウム、ピロリン酸第二鉄があります。

テツクールとおなじ硫酸鉄製剤には
フェロ・グラデュメットがあります。
1錠あたりの鉄量が異なりますが、使用方法はテツクールと同じです。



経口鉄剤の投与量はどの薬剤も、鉄100〜200mg/日ですがその理由は、血を作るのに必要な鉄の量が1日100mg程度であり、200mgを超える用量では胃腸障害による悪心の出現頻度が多くなるからです。



2018年12月15日土曜日

「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミング 2018年12月収載後発品




2018年12月14日に後発品の薬価収載がありました
各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報が更新され、後発医薬品の数量シェア(置換え率)に影響があります。

「後発医薬品がない先発医薬品」が後発品の登場により「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミングは、商品によって違ってきます。
(基本的には発売月の翌月1日から)

切り替わるタイミングに関しては、厚生労働省の

「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報」
5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)の備考欄に記載されています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2018/04/tp20180401-01.html


2019年1月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更

プレセデックス静注液200μg「マルイシ」
プレセデックス静注液200μg/50mLシリンジ「マルイシ」
プレセデックス静注液200μg「ファイザー」
プレセデックス静注液200μg/50mLシリンジ「ファイザー」

ロルカム錠2mg
ロルカム錠4mg

トラムセット配合錠


ストラテラカプセル5mg
ストラテラカプセル10mg
ストラテラカプセル25mg
ストラテラカプセル40mg
ストラテラ内用液0.4%

リフレックス錠15mg
リフレックス錠30mg
レメロン錠15mg
レメロン錠30mg

ルミガン点眼液0.03%
レルパックス錠20mg
ルナベル配合錠ULD

バイナス錠50mg
バイナス錠75mg

2019年4月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更

ユリーフ錠2mg
ユリーフ錠4mg
ユリーフOD錠2mg
ユリーフOD錠4mg

ゼローダ錠300

イレッサ錠250

ブイフェンド200mg静注用








2018年12月13日木曜日

アルミニウムを含む医薬品一覧





アルミニウムの排泄路が腎であることから、腎の機能が障害されている人では、アルミニウムが体内に蓄積してしまい、全身性の中毒をきたす可能性があります。

透析療法を受けている人でアルミニウムを含有する胃腸薬を長期服用した場合に、アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を発症したとの報告があります。

成分に『アルミニウム』と明記してあればよいのですが、化学構造中にアルミニウムを含むものであっったり慣用名で表示されるものにはアルミニウムが含まれているのかひと目でわからないものがあります。



そこで、有効成分にアルミニウムを含む医薬品の一覧表を作成してみました。

ここに記載されている薬は、透析患者には禁忌です。また、腎機能が低下している方が長期に服用するとアルミニウム脳症やアルミニウム骨症のリスクが高まるので注意が必要です。




商品名

アルミニウム含有成分

アルキサ錠100mg

アルジオキサ
アルジオキサ錠100mg「あすか」
アルジオキサ顆粒25%「あすか」
アルジオキサ顆粒50%「あすか」
アルジオキサ
アルジオキサ錠100mg「イセイ」 アルジオキサ
アルジオキサ錠100mg「トーワ」
アルジオキサ顆粒10%「トーワ」
アルジオキサ
アルジオキサ顆粒20%「日医工」 アルジオキサ
アルジオキサ顆粒50%「YD」 アルジオキサ
アルジオキサ顆粒50%「ツルハラ」
アルジオキサ顆粒25%「ツルハラ」
アルジオキサ錠100mg「ツルハラ」
アルジオキサ
イサロン錠100mg
イサロン顆粒25%
イサロン顆粒50%
アルジオキサ
M・M配合散 サナルミン
YM散「イセイ」 サナルミン
合成ケイ酸アルミニウム
スクラルファート内用液10%「タイヨー」 スクラルファート
スクラルファート細粒90%「ツルハラ」 スクラルファート
スクラルファート顆粒90%「トーワ」 スクラルファート
スクラルファート顆粒90%「日医工」 スクラルファート
アルサルミン内用液10% スクラルファート水和物
アルサルミン細粒90% スクラルファート水和物
スクラルファート内用液10%「日医工」 スクラルファート水和物
FK配合散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
HM散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
KM散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
NIM配合散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
S・M配合散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
キャベジンUコーワ配合散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
マナミンTM散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
つくしA・M配合散 乾燥水酸化アルミニウムゲル
アイスフラット懸濁用配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
アルミゲル細粒99% 乾燥水酸化アルミニウムゲル
エヌ・エス配合散 乾燥水酸化アルミニウムゲル
コランチル配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
ディクアノン懸濁用配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
マーレッジ懸濁用配合DS 乾燥水酸化アルミニウムゲル
マーロックス懸濁用配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
リタロクス懸濁用配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
レスポリックス配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル「ニッコー」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル「ファイザー」原末 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル原末「マルイシ」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル原末「マルイシ」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒「ケンエー」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒「三恵」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
ピーマーゲン配合散 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミ「ヨシダ」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「コザカイ・M」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「ニッコー」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「ファイザー」原末 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「ヤマゼン」M 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「三恵」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「東海」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム原末「マルイシ」 合成ケイ酸アルミニウム
マックメット懸濁用配合DS 水酸化アルミニウムゲル
アシドレス配合内服液 水酸化アルミニウムゲル
タイメック配合内用液 水酸化アルミニウムゲル
ディクアノン配合内用液 水酸化アルミニウムゲル
ディクアノン配合内用液 水酸化アルミニウムゲル
マグテクト配合内服液 水酸化アルミニウムゲル
マルファ懸濁用配合顆粒 水酸化アルミニウムゲル
マルファ配合内服液 水酸化アルミニウムゲル
アドソルビン原末 天然ケイ酸アルミニウム
ジオン注無痛化剤付 硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸
ジオン注生食液付 硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸

2018年12月12日水曜日

イサロパン外用散 販売中止と代替品



イサロパン外用散が販売中止となるようです。

2018年11月:経過措置期間のお知らせ(あすか製薬)
https://www.aska-pharma.co.jp/iryouiyaku/upload/save_file/info_stop_12products_201811%20_3.pdf 

経過措置満了日:2019 年 3 月 31 日(2019 年 4 月 1 日以降は薬価削除され、保険請求できなくなります。)

第一次世界大戦中、戦傷の治療に蛆がよく用いられてましたが、その有効成分が蛆の分泌物中に含まれるアラントインであることが後の発見で明らかになりました。
皮膚の創傷や潰瘍の治療に対し中世ヨーロッパの農民は民間療法としてヒレハリ草(Symphytumofficinale)の地下茎滲出液を用いていました。このヒレハリ草の有効成分を抽出したものにもアラントインが含まれていることがわかりました。

現在、アラントインは水酸化アルミニウム結合体(アルジオキサ)として消化性潰瘍の治療に用いられ、その効果の優秀性が広く認められています。

イサロパン外用散は、アラントイン化合物の一つ、アルクロキサを主成分として、皮膚創傷部の乾燥化を図るためにパウダー状にした外用製剤として1984年3月から日本では発売されていました。

イサロパンが登場した1980年台の創傷治療の常識は「傷は乾かす」という、今では考えられないものでした。傷を乾かすことは、傷の治りを遅らせることになるというのが一般に知られるようになったのは2000年に入ってからのことです。

傷を乾かして治す時代の薬が使われることが少なくなり、時代に合わないということで販売中止に至ったのだと思われます。


イサロパン外用散の代替品


代替品を使ってまで、傷を乾かす治療を行う必要があるのか考える必要があります。
褥瘡における浸出液コントロールを目的とするのであれば『カデックス軟膏0.9%』や『ユーパスタコーワ軟膏』が候補となります。

また、成分のアルクロキサには、肉芽形成促進、表皮形成促進作用があります。
肉芽形成促進、表皮形成促進作用を目的とするのであれば、同一成分の軟膏である『アルキサ軟膏』が代替として候補となるでしょう。



2018年12月7日金曜日

デパケンRとセレニカRの違いと一般名処方





「デパケンR錠200mg」と「セレニカR錠200mg」はバルプロ酸の徐放製剤です。
どちらも先発品です。
違いは、体内動態です。
デパケンRは9時間で80%が溶出し、セレニカRは14時間で80%が溶出します。
デパケンRは服用6時間後、セレニカRは12時間後に血中濃度のピークが現れます。
これら動態の違いから服用回数が異なります。デパケンRは1日1~2回分服、セレニカRは1日1回分服です。

また、1日の中での血中濃度の推移にも違いが見られ、セレニカRのほうが安定していたという報告もあります。

Different serum concentrations of steady‐state valproic acid in two sustained‐release formulations, Volume: 61, Issue: 3, Pages: 308-312, First published: 28 April 2007


一般名処方では、どちらも『バルプロ酸Na徐放錠200mg』と記載されます。
てんかん発作治療における抗てんかん薬は治療域が狭く、少量の変化で発作の再発や副
作用が懸念されるため、注意が必要です。
同一の用法用量の後発品が存在するのはデパケンR錠です。セレニカRには後発品は存在しません。

その他の違いは、一包化の可否です。
デパケンR錠はフィルムコートに防湿効果があるので通常の一包化が可能です。
セレニカR錠は吸湿性があるので一包化はできません。添付文書にも、「本剤は徐放性製剤であり、製剤の吸湿により溶出が加速されることがあるので、吸湿しないように保存させること」との記載があります。



2018年12月6日木曜日

セルテクト 販売中止と代替品



アレルギー性疾患治療剤「セルテクト錠 30」及び「セルテクトドライシロップ 2%」が諸般の事情により販売中止となるようです。

経過措置期間は2019年3月末までです。

「セルテクト錠 30」「セルテクトドライシロップ 2%」販売中止についてのご案内(協和キリン)


セルテクトの成分はオキサトミドです。第2世代の抗ヒスタミン薬に分類されます。
オキサトミドは1975年にヤンセン社が合成に成功したベンズイミダゾロン系の化合物です。
1970年代に、ヤンセン社が行った動物実験において、オキサトミドのヒスタミンを主とした化学伝達物質の遊離抑制作用、拮抗作用が確認されました。
1977年から日本でのセルテクト開発が開始され、開発はヤンセン社から導入した協和キリンが行いました。1978年6月から8月にかけ第I相試験が実施され、臨床試験の後、1987年3月31日に承認されています。

成人では蕁麻疹、皮膚瘙痒症、湿疹・皮膚炎、痒疹、アレルギー性鼻炎について、小児では気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、痒疹について、保険適応されていました。

オキサトミドは抗ヒスタミン作用以外にも抗SRS-A(Slow Reacting Substance of Anaphylaxis)作用、抗セロトニン作用、抗コリン作用等化学伝達物質に対する拮抗作用を併せ持つことが特徴です。
しかし、これら種々の神経伝達物質の拮抗作用は有効性だけではなく、口渇や錐体外路症状、眠気など副作用の要因にもなりえます。
近年、登場したフェキソフェナジンを代表とする、血液脳関門を通過せず、より鎮静の少ない抗ヒスタミン薬の登場により活躍の場は減ってきました。

セルテクトが得意とするのは皮膚科領域と小児科領域です。
第1世代の抗ヒスタミン剤と比較して早期に止痒効果が期待できるため、皮膚アレルギー疾患の症状及び所見を速やかに消退させることが期待されていました。
小児喘息に対しては、寛解期の維持及びその合併症を良好にコントロールできるという報告があります。


セルテクトの代替品


後発品があります。
オキサトミド錠30mg(各社)
オキサトミドドライシロップ小児用2%(各社)
オキサトミドシロップ小児用0.2%「ファイザー」(マイラン)

同効薬には以下があります。
【ピペリジン・ピペラジン系】

  • エバスチン
  • フェキソフェナジン塩酸塩
  • ベポタスチンベシル酸塩
  • セチリジン塩酸塩
  • レボセチリジン塩酸塩
  • ビラスチン


【三環系】

  • アゼラスチン塩酸塩
  • エピナスチン塩酸塩
  • オロパタジン塩酸塩
  • ケトチフェンフマル酸塩
  • ロラタジン
  • デスロラタジン


小児の気管支喘息に適応を持つ抗ヒスタミン薬

  • ザジテンDS
  • ゼスラン細粒・シロップ


輸液を温めてもいいですか?



輸液は、気温の下がる冬など寒冷期には、体温程度に温めて使用することが可能です。添付文書にも「体温程度に温めて使用する」旨記載があります。

血液・輸液の加温は、それだけでは体温を上昇させることはできませんが、冷たい輸血・輸液によって体温が低下するのを防ぐ補助的な対策になります。

温める方法には、いくつかあります。
ひとつは恒温槽を使った湯煎により温めます。
もう一つは、医療機器として認可された加温器を使う方法です。

アニメック輸血・輸液加温器
https://www.muranaka.co.jp/online/products/detail.php?product_id=14071


Q.輸液を電子レンジを使って温めてもいいですか?

電子レンジで温めている施設があるというのを学会できいたことがありますが、薦められたものではありません。医薬品をなんだと思っているのでしょうか。
まず安全性を担保したデータがありません。また、電子レンジの性質上、加温にばらつきがでます。さらに袋が破裂する恐れがあるため推奨できません。


Q.繰り返し温めても良いですか?

繰り返しの加温についてのデータは見つけられませんでした。


Q.温めたままで保管してもよいですか?

製品によりますが、条件により可能なものもあります。
例えば、ラクテック注の場合、40℃以下であれば6ヶ月間、成分が安定であったというデータがあります。


【参考】
輸液製剤協議会|よくある質問
https://www.yueki.com/faq/



2018年12月5日水曜日

ロキシーン錠 販売中止と代替品



ロキシーン錠4mg(一般名:プリジノールメシル酸塩錠)が販売中止となるようです。

取扱い中止のご案内 ロキシーン®錠4mg(日医工)
https://www.nichiiko.co.jp/medicine/file/45690/transitional_measure/o-loxeen_t4-20180305aI2.pdf
「ロキシーン®錠4mg」製造販売中止のお知らせ(東菱薬品工業)
https://tobishipharm.com/medex/info/loxeen-201807.pdf

経過措置期間は2019年3月末までです。

ロキシーン錠は、メシル酸プリジノールを成分とする製剤で、中枢および末梢神経に対してアトロピン類似の筋弛緩作用を示し、運動器疾患による有痛性痙縮を緩解する薬として活躍していました。

1950年代にピペラジンアルコールの誘導体に鎮痙作用があることが明らかになり、ピペラジンアルコールの誘導体に注目が集まりました。1959年にピペラジンアルコールの誘導体の一つであるプリジノールメシル酸塩の合成に成功し、ロキシーン錠として販売されました。


ロキシーン錠の代替品

ロキシーン錠の承認されている適応は「運動器疾患に伴う有痛性痙縮(腰背痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性脊椎症など)」であり、筋肉の緊張状態が続くことによって生じる肩こり、腰痛、頭痛などの痛みを緩和する目的で投与されます。

ロキシーン錠と同じく骨格筋痙攣弛緩剤として使用される薬剤には『リンラキサー』や『ロバキシン』があります。


他には、『ミオナール』や『テルネリン』などもありますが、保険上の適応がロキシーンとは若干異なります。


薄さが異なるモーラステープの後発品



モーラステープの後発品はメーカーによって薄さが異なります。

先発のモーラステープの薄さと同じメーカーもあれば、より薄いものもあります。

直接、肌に触れるものなので、先発品に慣れていれば薄い後発品へ変更すると、すぐに気づかれる場合があります。

より薄いものが貼り心地が良いという人もいれば、先発と同じ位の薄さがいいという人もいて好みは千差万別です。一般名処方の場合は、患者さんの好みに応じて選んでもらっています。

先発と同じ薄さの後発品
「パテル」
「東光」「ラクール」

先発より薄い後発品
「テイコク」
「BMD」「SN」「トーワ」「三和」「日医工」「杏林」



薄さの違いは何かと言うと、有効成分と基剤の混合物である膏体の量の違いです。
テープ剤は支持体に膏体を薄く延ばして製剤化しています。いずれの後発品も製剤自体の大きさは先発品と同じ7×10cmなので、膏体の量が少なければ、製品の厚みは薄くなります。



2018年11月28日水曜日

ラグノスNF経口ゼリー 先発にはない適応を持つ後発品



ラグノスNF経口ゼリーが2018年11月28日に発売されます。

ラグノスNF経口ゼリーはモニラックシロップの後発品である「ラグノスゼリー 分包16.05g」の改良品です。
原料をラグノスゼリーで採用していたラクツロースから結晶ラクツロースに変更することで、夾雑物であるガラクトースや乳糖を少なくすることに成功した製品です。また、ラクツロース特有の甘ったるさを抑え、服薬性向上、さらにスティック包装による携帯利便性向上させた経口ゼリー剤です。

ラグノスNF経口ゼリーの適応症


ラグノスNF経口ゼリーの特徴はそれだけではなく、その適応にあります。
ラクツロース製剤には『小児の便秘』の適応をもつものは、先発・後発にいくらか存在していますが、成人にも使える『慢性便秘症』の適応をもつのは「ラグノスNF経口ゼリー」だけです。
ただし、一般名処方時には注意が必要です。

ラグノス カロリール モニラック ピアーレ リフォロース
ラクツロース製剤一覧表 効能の違い

ラグノスNF経口ゼリーの作用機序


簡単に言うと、お腹の中に水を引き寄せて便を柔らかくします。

ラクツロースは、フルクトースとガラクトース各 1 分子から合成された人工二糖類です。ラクツロースは、酸化マグネシウム製剤と同じく浸透圧性下剤に分類されます。経口投与されると大部分が消化・吸収されずに下部消化管に達し、腸管内容物の浸透圧を高め、腸管内への水分分泌等を促進し、緩下作用を発揮します。

ラクツロースは海外では便秘症治療剤として広く使われており、世界消化器病学会(WGO)のグローバルガイドラインなどにおいて有用な選択肢の一つとして記載され、広く諸外国で使用されています。また、慢性便秘症診療ガイドライン 2017において使用が推奨されています。


ラグノスNF経口ゼリーの服用タイミング


いつ飲んでも、有効性や安全性に違いはありません。ライフスタイルに合わせて飲み方をコントロール可能です。
臨床試験では、血液透析患者も対象に含まれており、透析時間に合わせて服薬タイミングを調節することが許されていたそうで、服薬タイミングの違いが安全性等に影響を及ぼす経口は認められなかったとの報告があります。


ラグノスNF経口ゼリーは他の便秘薬と併用してもよいですか?


既存便秘治療薬と併用しても、臨床上大きな問題が生じる可能性は低いです。
便秘になりやすい血液透析患者を対象にした臨床試験では、既存の便秘症治療薬にラグノスNFゼリーを上乗せ投与したものがあります。併用薬には、センノシドやピコスルファートなどの刺激性下剤やアミティーザ、漢方薬、パンテチンが使用されていました。

また、ラクツロース製剤は様々な疾患に年間15万人程度使用しています。その中には便秘治療薬が併用しているケースがあると考えられますが、市販後調査では併用による特段安全性上問題となるものは報告されていませんでした。

ラグノスNF経口ゼリーのNFの意味

『NF』はNew Formulaの頭文字です。
従来から販売のラグノスゼリー分包16.05g の New Formula:NFとして命名されました。



2018年11月27日火曜日

内視鏡検査での鎮静におけるペチジンの代替品



武田薬品の医療用麻薬のペチジンやモルヒネが自主回収となっております。
現流通品が自主回収の該当ロットにあたり、2018年11月時点で改良品の流通のめどが立っていないようです。

医薬品回収の概要(クラスⅡ) PMDA(2018年11月20日)

回収理由
ペチジン塩酸塩注射液35mg「タケダ」、弱ペチロルファン注射液及びモルヒネ塩酸塩注射液10mg 「タケダ」について、性状に定められた規格を超えて着色したアンプルがあるとの品質情報を医療機関と卸売販売業者から受けました。原因調査の結果、製造工程に起因するものであると考察しましたので、当該期間に同工 程で製造された全ての製品並びにロットを自主回収することと致しました。

モルヒネ注の代替品


オキシコドンやフェンタニルへ変更可能です。
切替方法や換算表はこちらにまとめました。


ペチジンの代替品


ペチジンの適応には「激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙、麻酔前投薬、麻酔の補助、無痛分娩」があります。
多くが、麻酔の補助に用いられています。胃カメラなどの消化器系の内視鏡検査時の鎮静での代替について考えてみたいと思います。

ミダゾラム単独で十分

上部内視鏡検査時の鎮静のためにベンゾジアゼピン系鎮静剤のミダゾラムとオピオイドのペチジンが併用されることがありますが、ミダゾラム単独の鎮静では不十分なのでしょうか。
ミダゾラム単独とミダゾラムとペチジン併用を比較したRCTを紹介します。


このRCTでは、患者満足度と呼吸器循環器系抑制に両群で差はありませんでした。
しかし、術者の満足度はミダゾラム、ペチジン併用群で向上しました。

咽頭反射が非常に強い場合や、大口径のスコープによる上部消化管内視鏡検査(拡大内視鏡,超音波内視鏡など)ではより強力な鎮静がひつようなのでペチジンの併用がよいかもしれませんが、通常の上部消化管内視鏡検査では,ミダゾラム単独で十分だと考えられます。


どうしてもオピオイド使いたい

代替オピオイドにはモルヒネ、フェンタニルがあります。どちらも検査の麻酔補助の適応があります。ただしフェンタニルは静注のみの適応で、皮下注はできません。

モルヒネには胆管内圧上昇作用とそれに伴う消化管内圧上昇があるので注意が必要です。
胆管内圧上昇は、
モルヒネ > ペンタゾシン > ブプレノルフィン
の順に小さくなります。



プロポフォールを使用する

内視鏡検査の鎮静にプロポフォール(ディプリバン)を使う施設も増えてきているようです。

上部消化管内視鏡検査においてプロポフォールとミダゾラムを比較した4つの RCTが報告されています。プロポフォールがミダゾラムに比べて患者満足度が高かったという報告と、逆にミダゾラムがプロポフォールに比べて患者満足度が高かったというものでした。

これらのRCTのメタアナリシスでは両群間に患者満足度・ 再検査希望率・検査記憶消失率および呼吸器循環器系抑制に有意差はないとされています。


プロポフォールで鎮静を行う場合は、呼吸、循環動態の変動に注意する必要があるため麻酔科専門医のもとで使用するのが好ましいでしょう。持続的にパルスオキシメータで呼吸状態をモニターし、必要に応じて酸素投与を行う体制を整備する必要があります。血圧低下の危険があるので少なくとも5分に1回は血圧測定を行います。



2018年11月22日木曜日

オピオイドスイッチング換算表



オピオイドの種類、投与経路を適切なタイミングでスイッチングすることで、鎮痛効果と副作用のバランスを整えることが可能となります。

オピオイドの換算比に関しては、様々な報告があります。多くは痛みの安定している患者での対モルヒネでの単回投与の結果に基づいた換算となっています。しかし、実際の臨床現場では、痛みの不安定な患者での変更が多いこともあり、国、地域、施設ごとによって経験則も加味して換算しているところが多いでしょう。

実際にスイッチングする場合換算表を目安にして1日の投与量を計算します。
モルヒネ換算で120mg/day以上投与しているような比較的大量投与である場合、一度に変更せずに数回に分けてスイッチングします。また、副作用が既に出ている場合や、高齢者、腎機能が大きく低下している場合や、症状が悪いような状況でスイッチングするときには、換算量より少なめに変更することを考慮します。

スイッチングを行って、それで終了ではなく、スイッチング後は患者個人の痛み、副作用を評価した上できめ細かい調節が必要となります。

参考:
医療用麻薬適正使用ガイダンス|厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課
がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2014年版)
新版 がん緩和ケアガイドブック|日本医師会


オピオイド換算比
モルヒネ タペンタドール オキシコドン ヒドロモルフォン トラマドール フェンタニル

オピオイド鎮痛薬の投与経路(製剤)の変更例

2018年11月19日月曜日

カンテック錠 販売中止と代替品



肝蛋白代謝改善剤のカンテック錠200mgが販売中止となるようです。

販売中止のご案内(第一三共)
https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2018/1811stop_kt_etc8.pdf

販売中止時期:2019年1月末日
経過措置満了時期(予定):2020年3月末日

カンテック錠はマロチラートを成分とする肝蛋白代謝改善剤です。マロチラートは、 もともとイモチ病に対する農薬であるイソプロチオランが基礎研究の過程で肝細胞賦活作用を示したことに端を発し、肝機能障害改善を目的として化合物の合成及びスクリーニングを行った結果見出された化学物質です。
日本農薬株式会社、第一製薬株式会社(現:第一三共株式会社)により代償性肝硬変における肝機能改善剤として共同開発され、1985年代償性肝硬変療薬として承認され、製品名「カンテック錠」として発売されました。

カンテック錠は代償性肝硬変に対して二重盲検比較試験により、肝蛋白代謝改善作用に基づいた肝機能改善効果が確認されています。
その作用機序ですが、肝細胞での蛋白合成促進により、肝中・血清中総蛋白低下を改善し、アルブミン量、コリンエステラーゼ活性を改善、肝中の 4-ヒドロキシプロリン量の増加を抑制し、肝線維化進展抑制作用を示すと考えられています。

マロチラートの推定作用様式

カンテック錠の代替品

カンテック錠は代償性肝硬変に対して肝庇護を目的に使用されます。

代償期にはバランスのとれた食事、休養に加え、炎症を最小限にくいとめるための薬物治療が行われます。肝臓の炎症を抑える薬にはウルソデオキシコール酸などの内服薬や炎症の程度が強いときにはグリチルリチン製剤などの注射薬が使われます。

その他の肝庇護剤(内服)

  • ポリエンフォスファチジルコリン(EPL)
  • ウルソデスオキシコール酸(ウルソ)
  • チオプロニン(チオラ)
  • メチルメチオニンスルフォニウムクロリド(キャベジンU)
  • アデホス
  • 小柴胡湯

フロセミド注のボーラスと持続点滴のちがい



ループ利尿薬を静脈内投与するとき、ボーラス投与したり、持続点滴投与だったりします。ループ利尿薬の静脈投与では投与方法によって効果に違いがあるのでしょうか。

実は、明らかな解答はありません。
しかし、DOSE trialという前向きランダム化試験が、この臨床上の大きな問いに答えていますのでご紹介します。

N Engl J Med. 2011 Mar 3;364(9):797-805. PMID:21366472

このDOSE trialは、急性非代償性心不全患者におけるフロセミド静脈投与に関し、ボーラス投与群と持続点滴群にランダム化し、さらに投与量を低用量と高用量群にランダム化するという2×2のデザインで行われました。

結果は、急性非代償性心不全患者に対するフロセミドの投与法において、ボーラス投与か持続点滴投与か、高用量か低用量かにかかわらず、患者自身が評価した自覚症状と腎機能の低下に有意な差は認められませんでした。

少なくとも急性非代償性心不全においては、利尿薬のボーラス静注投与は持続点滴投与と差がないことが示されたと言えます。
急性非代償性心不全患者に静注の利尿薬を使用するときには、患者の個別性に配慮し対応することがベターであると考えられます。最初からわざわざ持続静注にすることはないですし、既に点滴のラインがあるのであれば、混注するほうが手間が少ないので持続点滴投与を行えばよいのです。また、ボーラス投与で十分な効果が得られないとき、ちょっと用量を増やすとともに持続点滴にしてみるといった工夫もありでしょう。


DOSE trialは、急性非代償性心不全患者が対象でした。他の疾患ではどうでしょうか。DOSE試験ほどクオリティを持った試験は行われていませんが、慢性腎不全についてボーラス投与とloading doseありの持続点滴投与を比較したものがあります。その試験では、持続点滴投与のほうが尿量が多くなったとの報告がなされています。

Alqahtani F, et al:J Crit Care. 2014;29(1):10-7.PMID: 23683555


インテバンSP販売中止と代替品



徐放性インドメタシンカプセルの「インテバンSP25/37.5」が販売中止となるようです。
販売中止の理由は、製造を委託していた工場の閉鎖により、販売を中止せざる得ない状況となったということのようです。

出荷終了予定時期は2019年6月頃

経過措置期間は未定です。


インドメタシンは開発当時、鎮痛・解熱・抗炎症効果は、同じNSAIDsの中でも強力なものとして評価がなされていましたが、一方では副作用の軽減も重要な課題でした。
そのことからインドメタシンの合成方法を開発するとともに、いかに副作用を避けつつ治療効果を有効に発揮させるかに力が注がれていました。
その結果、体液のpHに関係なく主薬を放出するスパンスール技術を導入し、薬物放出時間をコントロールして急激な血中濃度の上昇を抑えることで副作用の軽減と有効血中濃度の持続性を併せ持った徐放性製剤の開発に世界で初めて成功したのでした。
1973年にインテバンSPは承認され、翌年には薬価収載されました。そして約45年あまり痛みと戦い続け、その歴史に終止符を打ちました。

インドメタシンの内服剤は過去には錠剤など、数社が販売していましたが、近年販売を終了し、このインテバンSPのみが存在している状況でした。


インテバンSPの代替品


インドメタシンの内服剤は存在しませんが、インドメタシンのプロドラッグは製剤として販売されています。
インドメタシンファルネシル(インフリー)とプログルメタシンマレイン酸塩(ミリダシン)、アセメタシン(ランツジール)です。プロドラッグとは不活性体として胃粘膜から吸収された後に体内または目的とする組織に到達してから代謝を受けることにより生理活性を発揮するよう化学的に修飾された薬物のことをいいます。胃粘膜から吸収されるときにプロスタグランジンの生合成阻害作用が起こらないので胃腸障害が少なく出来ます。


消炎鎮痛作用を目的とするのであれば、インドメタシンに拘らずとも、現在は多くのNSAIDsが存在しているので目的とする適応にあった薬剤を選択すると良いでしょう。
しかし、インテバンSPは歴史が古い薬であり、インテバンSPにしかない適応もあるので注意が必要です。歯槽骨膜炎、顎関節症、掌蹠膿疱症、急性中耳炎などがあります。

さらに適応外ではあるものの好酸球性膿疱性毛包炎は保険審査上使用が認められており、近年では、インテバンSPは消炎鎮痛よりも難病である好酸球性膿疱性毛包炎の治療薬として第一選択薬として位置づけがられており、注目されていました。

好酸球性膿疱性毛包炎におけるインテバンSPの奏効率は87%でした。症例数が限られていますがインドメタシンファルシネルが、38%、アセメタシンが100%と過去の文献より報告されています。
保険上は使用が認められていませんが、好酸球性膿疱性毛包炎に対しては以下が考えられます。

  • インドメタシンファルシネル(インフリー)
  • アセメタシン(ランツジール)

Nomura et al,. Eosinophilic pustular folliculitis: A proposal of diagnostic and therapeutic algorithms. J Dermatol 2016;43:1301-1306PMID: 27028427

Table S2a. Regimens applied to classic EPF(日本皮膚科学会)


以下に、インテバンSPの適応症と、その適応を持つ鎮痛薬(内服)を列挙しています。

関節リウマチ
  • バファリン配合錠A330
  • オパイリン
  • ボルタレン 
  • ボルタレンSR
  • ナボールSR
  • フェナゾックス
  • インフリー
  • ミリダシン
  • クリノリル
  • ランツジールコーワ 
  • レリフェン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • ブルフェン
  • アルボ 
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • フロベン
  • ロキソニン
  • モービック
  • ロルカム
  • フルカム
  • バキソ
  • セレコックス

変形性関節症
  • カロナール
  • オパイリン
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • ボルタレンSR
  • ナボールSR
  • フェナゾックス
  • インフリー 
  • ミリダシン
  • クリノリル
  • ランツジールコーワ
  • レリフェン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • アルボ
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • フロベン
  • ロキソニン
  • モービック
  • ロルカム
  • フルカム
  • バキソ
  • セレコックス

変形性脊椎症
  • オパイリン
  • ボルタレン
  • アルボ

腰痛症
  • カロナール
  • キョーリンAP2
  • オパイリン
  • ポンタール 
  • ボルタレン
  • ボルタレンSR
  • ナボールSR
  • フェナゾックス
  • インフリー
  • ミリダシン
  • クリノリル
  • ランツジールコーワ
  • レリフェン
  • ジソペイン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • アルボ
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • フロベン
  • ロキソニン
  • モービック
  • ロルカム
  • フルカム 
  • バキソ
  • セレコックス
  • ソランタール

肩関節周囲炎
  • オパイリン
  • ボルタレンSR
  • ナボールSR
  • フェナゾックス
  • インフリー
  • ミリダシン
  • クリノリル
  • ランツジールコーワ
  • レリフェン
  • ジソペイン
  • オステラック
  • ハイペン
  • スルガム
  • アルボ
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • ロキソニン
  • モービック
  • ロルカム
  • フルカム
  • バキソ
  • セレコックス

症候性神経痛
  • カロナール
  • キョーリンAP2
  • バファリン配合錠A330
  • オパイリン
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • ブルフェン

痛風発作
  • ニフラン 
  • アルボ
  • ナイキサン

急性上気道炎
  • カロナール
  • オパイリン
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • ランツジールコーワ
  • ニフラン
  • スルガム
  • ブルフェン
  • ロキソニン
  • ソランタール

外傷後
  • オパイリン
  • ポンタール
  • フェナゾックス
  • ランツジールコーワ
  • ジソペイン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • ブルフェン
  • アルボ
  • ナイキサン 
  • ソレトン
  • ペオン
  • ロキソニン
  • ロルカム
  • セレコックス
  • ソランタール

手術後
  • キョーリンAP2
  • オパイリン
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • フェナゾックス
  • ランツジールコーワ
  • ジソペイン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • ブルフェン
  • アルボ
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • フロベン
  • ロキソニン
  • ロルカム

歯痛
  • カロナール
  • キョーリンAP2
  • バファリン配合錠A330
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • ロキソニン 
  • セレコックス 

歯槽骨膜炎
なし

顎関節症
  • フェナゾックス
(2019.03末経過措置)

多形滲出性紅斑
  • ブルフェン
  • ソランタール

結節性紅斑
  • ブルフェン

掌蹠膿疱症
なし

膀胱炎
  •  オパイリン
  •  ボルタレン
  •  ソランタール

前立腺炎
  •  オパイリン

急性中耳炎
なし

2018年11月13日火曜日

抗菌薬適正使用啓発サイトをまとめてみました



WHO(世界保健機関)は、2015年より11月にWorld Antibiotic Awareness Weekを定めています。
11月は、日本における「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」です。
2018年の11月12日から11月18日は「世界抗菌薬啓発デー」です。

啓発ツールやポスターは
AMR臨床リファレンスセンターのホームページが充実しています。
http://amr.ncgm.go.jp/materials/

それ以外に
抗菌薬適正使用に役に立つ資料を掲載しているサイトをまとめてみました。

スライド


  • 「AMR対策と抗菌薬」獨協医科大学埼玉医療センター 薬剤部 佐野 邦明先生


  • 「薬局薬剤師が学ぶ抗菌薬と感染症の基本」獨協医科大学埼玉医療センター 薬剤部 佐野 邦明先生



  • 「妖怪メダルできった抗菌薬の使い方」千葉大学 山内先生




  • 「抗菌薬と細菌について改訂版」獨協医科大学埼玉医療センター 薬剤部 佐野 邦明先生







学校教育資料


  • 「薬剤耐性菌に関する啓発教育資材ダウンロードのご案内」日本学校保健会
https://www.gakkohoken.jp/column/archives/92


  • 「未来の子どもたちが危ない!?抗生物質の正しい使い方を考える」先生のための教育事典EDUPEDIA

自由に配れる保健だよりがダウンロードできます。

  • 「抗菌薬を「正しく使う」ために知っておきたいこと」東京都小児総合医療センターHP
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/shouni/kanja/koukinyaku.html

  • 「患者さん向けリーフレット」東京都小児総合医療センターHP
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/shouni/kanja/koukinyaku_leaflet.pdf


メディア


  • 「なぜ医師は、風邪に効かない抗菌薬を処方してしまうのか」朝日新聞医療サイト アピタル

https://www.asahi.com/articles/SDI201811083926.html


  • 「かぜに「抗菌薬」は効きません 半数が誤認 」NHKニュース

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181111/k10011706291000.html


  • <抗菌薬>「風邪に効かず」知らない人が半数の現実(毎日新聞)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181110-00000018-mai-soci


  • 抗菌薬使い過ぎで年70万人が死亡 専門家団体が発足「国民が知る必要」|BuzzFeed Japan Medical

‏https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/amr-alliance-japan


  • 「子供のかぜに抗菌薬を欲しがる親への説明は?」日経メディカル

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/amr/201811/558534.html


  • 「風邪で抗生物質」なぜ間違いなのか?|日テレNEWS24

http://www.news24.jp/articles/2018/11/02/07408302.html


  • 治る病気が治らない!?〜抗生物質クライシス〜|NHK「クローズアップ現代」2015年11月17日放送

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3734/index.html


  • “薬が効かない” 広がる耐性菌の脅威|NHK 「おはよう日本」2017年2月7日放送

http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/02/0207.html


関連学会



  • 公益社団法人 日本化学療法学会 委員会報告・ガイドライン

http://www.chemotherapy.or.jp/guideline/index.html
・抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス
・抗菌薬の PK/PD ガイドライン
・術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン
・MRSA 感染症の治療ガイドライン


  • 一般社団法人 日本感染症学会

http://www.kansensho.or.jp/guidelines/index.html
・ガイドライン、提言


  • 一般社団法人 日本臨床微生物学会

http://www.jscm.org/


  • 三学会合同抗菌薬感受性サーベイランス

http://www.3ssp.jp/index.html
・データベース(呼吸器感染症、尿路感染症、手術部位感染、耳鼻咽喉科領域感染症、皮膚科領域感染症、 歯科・口腔外科領域感染症、小児科領域感染症)、全集積菌株に対する主要抗菌薬の MIC 分布


製薬メーカー


  • 塩野義製薬 医療関係者向け情報 感染症薬適正使用推進室

https://www.shionogi.co.jp/med/infection/top.html 
医療関連感染対策 研修サポートツールやAST ウェブセミナー などのコンテンツがあります。


  • 大正富山医薬品 医療関係者向け情報 お役立ちツール

http://medical2.taishotoyama.co.jp/oyakudachi/index.html 
患者へのインフォームドコンセントなどに活用できるムンテラツールの紹介


  • 丸石製薬 感染対策コンシェルジュ 

https://www.m-ipc.jp/ 
感染対策チェックシートがあります。


  • MeijiSeika ファルマ 抗菌薬を理解するために 

https://www.meiji-seikapharma.co.jp/medical/expert/pathogen/realize/ 
だいたいうんこになる某薬のメーカー。贖罪の気持ちで啓発しているのだろうか。まずは手前の社員から教育したほうがいい。


厚生労働省「薬剤耐性(AMR)について」

政府広報



2018年11月12日月曜日

バキソ坐剤、フェルデン坐剤 販売中止と代替品



ピロキシカム坐剤が販売中止となるようです。
後発品含めすべてのピロキシカム坐剤が販売中止となります。

バキソ坐剤:販売中止予定時期2019年1月
販売中止予定品目のお知らせバキソ®坐剤 20mg(大正富山)

フェルデン坐剤:販売中止予定時期 不明
フェルデン坐剤20mg 販売中止予定のご案内(ファイザー)

ピロキシカム坐剤「JG」:販売中止予定時期2019年1月

経過措置期間
2020年3月31日まで(予定) 

ピロキシカムは 1967 年ファイザー社で開発されたオキシカム系の非ステロイド性鎮痛抗炎症剤で、1日1回の投与で関節リウマチ、変形性関節症及び腰痛症などの炎症性疼痛疾患に対し臨床効果と安全性を有することが明らかにされています。

経口投与が難しくで非ステロイド性抗炎症薬の投与を必要とする患者への適応を意図して、 ピロキシカム坐剤の開発が行われました。1989年に関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、外傷後・手術後の鎮痛・炎症に対し、有用性が認められ承認、発売されました。ファイザー社は「フェルデン坐剤」、大正富山は「バキソ坐剤」のブランド名で一物二名称として発売されていました。

ピロキシカム坐剤は抗炎症・鎮痛作用がロングアクティングであることから、1日1回投与を可能にした日本で「はじめての24時間坐剤」として登場しました。 

2007年6月に「ピロキシカム製剤に対する使用制限」が欧州規制当局(EMEA)から発表されたのを踏まえ、 2008年4月、「外傷後、手術後の鎮痛、消炎」の効能又は効果が削除されています。

この「ピロキシカム製剤に対する使用制限」は消化管副作用と重篤な皮膚反応を考慮して、その使用を制限するよう強く勧告するものだったため、日本でも少なからず影響がありその使用量が減ってきていたものと推測されます。

需要の減少や、グローバルの薬剤選択の傾向の変化からこの度、30年の歴史に幕を下ろしました。
ピロキシカム製剤の経口薬及び軟膏は販売継続されます。


バキソ坐剤、フェルデン坐剤の代替品


後発品のピロキシカム坐剤「JG」も販売中止ですので、類似薬から代替品を探すことになります。

NSAIDsの坐剤は種類も少なく、候補となるのは
  • インドメタシン坐剤
  • ジクロフェナクナトリウム坐剤
です。

製剤学的な特徴をみていくと、ピロキシカムの坐剤は油脂性基剤です。
インテバン坐剤などのインドメタシン坐剤は水溶性基剤、ボルタレン坐剤などのジクロフェナク坐剤は油脂性基剤を採用しています。

基剤の種類によって、坐薬を使用する順番も決まります。同じ種類の基剤の坐薬を併用する場合は、最初の坐薬の挿入後、5分を目安に次の坐薬を挿入することが可能です。一方、基剤の異なる坐薬を併用する場合は、水溶性基剤の坐薬を先に挿入し、30分以上経過したあと、油脂性基剤の坐薬を挿入します。
また、油脂性基剤の坐薬は、体温以上の温度になると溶けてしまうので冷蔵庫で保存します。一方、水溶性基剤で作られた坐薬は、直腸内の水分を吸収して溶け、主薬を放出します。温度に影響を受けないため、室温保存が可能です。

インドメタシンもジクロフェナクも有効性に差はないと考えられますから、基剤の変わらないため保管や使い方が類似しているジクロフェナク坐剤が代替として適当かもしれませんね。

NSAIDs坐薬・直腸製剤一覧表



2018年10月29日月曜日

スローケー販売中止と代替品



徐放性カリウム剤のスローケー錠600mgが販売中止となるようです。

販売中止のご案内(ノバルティスファーマ)
https://drs-net.novartis.co.jp/siteassets/common/pdf/discontinued_list/an_slk_201810.pdf

経過措置期間満了日: 2021年 3 月末日
※2021 年 4 月 1 日以降の保険請求はできません。


スローケー錠は塩化カリウムを含有する徐放錠です。
Wax Matrixという構造をもつ製剤的工夫が施された錠剤です。服用後消化管内で pH に関係なく徐々に塩化カリウムを放出し、消化管内において局所的高濃度になることを避け、カリウムによる消化管刺激を軽減し、より吸収されやすくするようにデザインされた徐放性製剤です。1976年2月に発売され約40年臨床現場で活躍してきました。

スローケーの代替品

スローケーのような経口カリウム製剤は低カリウム血症の補正に使われる薬です。特に緊急を要しない場合に使用されます。
経口カリウム製剤には、塩化カリウムやグルコン酸カリウム、L-アスパラギン酸カリウムなどの有機酸カリウムがあります。

塩化カリウム徐放錠600mg「St」(旧販売名:ケーサプライ錠 600mg)
スローケーには後発品があります。スローケーよりも錠剤が一回り小さいです。ただ、小さいとはいえ11mmあります。
先発品の販売中止で切り替え需要が高まり入手しづらくなっています。

K.C.Lエリキシル
スローケーと同じ塩化カリウム製剤です。10w/v%の液体製剤です。1mLあたり1.34mEqのカリウムが含まれています。徐放剤ではないので1日20~100mL を数回に分けて服用します。塩化カリウムの局所的な腸管刺激作用により胃腸障害などをきたすことがあるため液剤なのに大量の水と一緒に飲む必要があります。さらに、かなり強い苦味があるので飲みにくいことこの上ない薬です。アルコールを含むためアルコールに弱い人は注意が必要です。

有機酸カリウム製剤|アスパラカリウム、グルコン酸K
●アスパラカリウム
1錠1.8mEqのカリウムを含む錠剤と1gあたり2.9mEq含む散剤があります。カリウム5.4mEq~約16mEqを1日3回に分けて服用します。

Lアスパラギン酸カリウムは塩化カリウムに比べ2倍以上組織移行、保持能力が良いとされているのでアスパラカリウムの常用量は塩化カリウム製剤の常用量に比べ少なくなっています。スローケーからアスパラカリウム散へ切り替える際には1日量1.8 ~ 5.4gの中で、血中カリウム濃度を確認するなど患者さんの様子をみて加減する必要があります。

●グルコン酸K
1錠5mEqと2.5mEqのカリウムを含む錠剤と1gあたり4mEq含む散剤があります。1回あたりのカリウム量10mEqを1日3~4回服用します。大きさが2cm近くある錠剤は飲みづらいのですが、服用直前に割って飲むことができます。

塩化カリウム製剤と有機酸カリウム製剤
有機酸カリウム製剤は代謝物が重炭酸イオンとなるので、代謝性アルカローシスとなる可能性があります。また、既に代謝性アルカローシスを合併している低カリウム血症での補充には不向きです。

代謝性アルカローシスがある場合は塩化カリウムでの補充がよいでしょう。
有機酸カリウム製剤は、下痢や代謝性アシドーシスを合併した低カリウム血症に向いています。ただしアシドーシスの是正が低カリウム血症を増悪させるため、カリウムの補正を優先して塩化カリウムが基本となっています。


2018年10月2日火曜日

網膜色素変性症の治療薬




(2018年10月)
暗順応改善薬のアダプチノールが海外製造工場の製造遅延に伴い十分な供給がされない状態になるようです。過去、2008年にも供給停止になったことがあります。そのときは原薬の調達困難が原因でした。

アダプチノール錠5mg 供給遅延に関するお知らせ(バイエル薬品)
https://pharma-navi.bayer.jp/omr/online/notice_info/ADP_PNS_201810020_1538024006.pdf

網膜色素変性症とは


網膜色素変性症は目の内側にあってデジタルカメラでいえばCCDセンサーやCMOSセンターに相当する網膜という部分に異常をきたす遺伝性、進行性の病気です。
日本では人口10万人に対し18.7人の患者がいると推定されています。
特徴的な症状は、夜盲(暗いところでものが見えにくい)、視野狭窄(視野が狭い)、視力低下の3つです。
網膜は眼球の後面一番内側の薄い膜で、その厚さはわずか0.1~0.4mmほどしかありません。新聞紙の厚さがおよそ0.1mmですので、そのうすさがわかると思います。でも網膜はこれだけ薄いのに、ハイテク装置並みの機能が満載されています。網膜には光に反応する視細胞が片目だけで1億個以上も存在しており、光の刺激を信号に変えて脳に映像を伝えているのです。視細胞には錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞の2種類があります。錐体細胞は、明るい場所で色を認識することができますが、暗闇ではそのはたらきが低下してしまいます。逆に、桿体細胞は色を区別できませんが、わずかな光でも感知できるため、暗い所で主にはたらいています。
網膜色素変性では普通、桿体細胞から障害されるために、夜盲が最初に現れることが多く、進行すると周辺の視野が狭くなって、物にぶつかりやすくなったり、物が見えたり消えたりするという症状が現れます。さらに病気が進行すると錐体細胞も障害され、視力低下を自覚するようになります。

参考:
参天製薬
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/eyecare/wonders/retina.jsp
日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_shikiso.jsp
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/196


網膜色素変性症には確立した治療法はありません。
そのため対症療法、いわゆる「進行を遅らせる」ための治療法としてのサプリメントや内服薬が使用されることがあります。

効果に関しては明確な結論は出ていません。
服薬に関しての精神的・生活への影響を含めたメリットとデメリットを十分に相談されたうえで使用されます。

アダプチノール (ヘレニエン)

カロテノイドの一種。その構造の基本はビタミンAの二量体で、その両端にエステル結合を有しています。アダプチノールは桿体細胞に存在する光感受性色素ロドプシンの再生に関与し暗順応が改善すると1950年代にStudnitzにより報告され保険適用となった歴史のある薬です。
日本では比較的広く使用されていますが進行の抑制効果などは現在まで十分に解明されていません。
化学構造からブルーベリーでおなじみの「ルテイン」と同様の効果を持つと考えられています。

Studnitz GV:Increase of the dark adaptation by helenium and vitamin A emulsions. Albrecht Von Graefes Arch Ophthalmol 154:137-141, 1953
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/13124214


カリクレイン(カリジノゲナーゼ)

膵由来の蛋白質分解酵素で、血中のキニンを遊離させることで血管が拡張し網膜循環が改善するとされています。


チョコラA(ビタミンA)

ヒトは光を受けて視覚を感じます。これは桿体細胞の視物質であるcis-レチナールが光刺激を受けて trans-レチナールへと変化して、この変化を刺激として視神経から脳へ視覚として認識するからです。
つまり、ビタミンAの誘導体である cis-レチナールは視覚に不可欠なのです。
ビタミンAの内服(15,000 U/日)を年単位で継続すると、網膜色素変性症での暗順応網膜電図悪化を数パーセント遅らせるという報告があります。そのため臨床では比較的よく使われています。
しかし視力と視野に関しては改善した報告はありません。
長期間に及ぶ過剰摂取では肝機能障害などの副作用が報告されていた、喫煙者では肺癌リスクの増加や妊娠中の過剰摂取では胎児の催奇形性の可能性もあるので投与する人を選ぶ薬です。

Berson EL, et al:Arandomized trial of vitamin A and vitamin E supplementation for retinitis pigmentosa. Arch Ophthalmol,111:761-772, 1993
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8512476

Farhangi MA, et al:Vitamin A supplementation, serum lipids, liver enzymes and Creactive protein concentrations in obese women of reproductive age. Ann Clin Biochem 50:25-30, 2013.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23148279

Lammer EJ, et al:Retinoic acid embryopathy.N Engl J Med 313:837-841, 1985.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3162101


ユベラ(ビタミンE、トコフェロール)

抗酸化作用に伴い網膜の変性を抑制する可能性があるとされています。過剰摂取では変性を進行させるという報告もあります。



ディアナチュラ ルテイン 30粒 (30日分)
Posted with Amakuri at 2018.10.2
アサヒグループ食品

2018年9月13日木曜日

ヒルドイドフォーム0.3%の後発品への変更調剤




ヘパリン類似物質製剤ヒルドイドの泡状スプレー「ヒルドイドフォーム0.3%」が2018年9月13日に発売されました。

ヒルドイド(マルホ)
https://www.maruho.co.jp/medical/products/hirudoid/index.html

もともと、後発品にはスプレー(泡状スプレー)製剤がありました。先発品が後追いで剤形を追加した珍しいパターンです。

ヒルドイドフォーム0.3%は容器から泡状に噴出する外用スプレー剤です。
1本あたり薬液が92g含有されています。薬価単位は1gです。

処方箋の書き方の例は以下のとおりです。
ヒルドイドフォーム0.3% 92g 1日1回 就寝前 かかと

缶を開けて分注するなんてことはできませんから
投与総量は92の倍数でなければなりません。

後発品のスプレー剤は1本あたり100gなので注意が必要です。


ヒルドイドフォーム0.3%の後発品への変更調剤は可能ですか?


結論としては、
ルール上は可能、しかし現実的には無理。疑義照会が必要。


まずは、後発品への変更調剤についておさらいしてみましょう。

薬剤師法により、薬剤師は、処方箋に記載された通りに調剤しなければなりません。
そのため変更する場合には、原則、疑義照会により処方医に同意を得なければなりません。        
【薬剤師法第23条2項】
薬剤師は、処方せんに記載された医薬品につき、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない。
しかし、一定の要件を満たしていれば処方箋に記載された医薬品を処方医に事前に確認することなく、後発品に変更して調剤することが認められています。

処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について(保医発0305第12号,2012年3月5日)|厚生労働省

後発品への変更調剤というのは、後発品の使用促進の一環として、例外的に認められている制度なのです。


ヒルドイドのような外用薬の後発品への変更調剤の場合、剤形を変えることは認められていません。(内服の場合一定の範囲内で可能)
別規格の場合は外用薬でも変更調剤可能です。


ヒルドイドフォーム0.3%の変更調剤について考えてみましょう。

ヒルドイドフォーム0.3%の同一剤形後発品は以下のとおりです。

  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「PP」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「TCK」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「サトウ」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「日新」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「ファイザー」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「YD」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「ニットー」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「ニプロ」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「日医工」
  • ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「テイコク」
  • ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「PP」
  • ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「ニットー」
  • ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「日本臓器」
※同一剤形の確認は、薬価基準医薬品収載コードを見れば判断できます。同一剤形の場合、コードの頭9桁が同一となります。

外用剤の同一剤形後発品への変更調剤は認められていますので、変更調剤は可能です。
しかし、処方箋には外用薬の場合、投与総量が記載されます。

ヒルドイドフォーム0.3% 92g 1日1回 就寝前 かかと

後発品の1本あたりの薬液量は100gです。8g多いのです。
そのため、現実的には変更調剤はできないのです。

まぁ、スプレーのノズルを開けて8g減らせばいいのではという考え方もないことはないのですが、減らして再度ノズルを戻したた後の含量、有効性、安全性の担保ができないですし、するべきではないでしょう。


以上より、ヒルドイドフォーム0.3%の処方箋で後発品を調剤したい場合、疑義照会が必要。という考え方となります。


ヒルドイドフォーム0.3%の一般名処方


次に一般名処方について考えてみましょう。

一般名処方とは、一般的名称に剤形及び含量を付加した形で処方箋に記載がなされたもので、単に医師が先発医薬品か後発医薬品かといった個別の銘柄にこだわらずに処方を行っているものです。原則として後発品を調剤することになっています。
患者に対し後発品の有効性、安全性や品質について適切に説明した上で、後発品を調剤しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載しなければなりません。
後発品を調剤しなかった理由は、「患者の意向」「保険薬局の備蓄」「後発医薬品なし」「その他」から最も当てはまる理由をひとつ記載します。

「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(厚生労働省保険局医療課長通知 保医発0326第5号 2018.3.26)
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(厚生労働省保険局医療課長通知 保医発0305第1号 2018.3.5)

ヒルドイドフォーム0.3%の一般名は
【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3%です。
※一般名の対応の確認は、一般名コードと薬価基準医薬品収載コードを見ればわかります。対応する者同士、コードの頭9桁が同じになります。

パターン1処方箋
【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3% 100g 1日1回 就寝前 かかと
原則、後発品を調剤することになっているので、後発品の「ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%」または「ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%」のどちらかを薬剤師が選ぶことができます。しかし、患者さんへ使用感の違いを説明をすることは必要です。さらに、スプレーと泡状スプレーでは使用感が全く異なるので、初回受付時には処方元へ確認したほうが良いでしょう。

備蓄の理由などで、先発品を調剤をせざるを得ない場合は疑義照会を行い、投与総量を変更してもらう必要があります。


パターン2処方箋
【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3% 184g 1日1回 就寝前 かかと
原則、後発品を調剤することになっているのですが、後発品のスプレーは1本が100gです。100g単位での調剤しかできないため、後発品を調剤する場合は疑義照会が必要です。

ただ、この処方の場合、わざわざ92gの倍数にしていることから処方元の意向としてヒルドイドフォーム0.3%を調剤してほしいのかなぁと忖度できますね。


湿布の温感、非温感のように一般名コードが分かれてくれればいいのですけどね。現場から声をあげれば変わるかもしれません。

参考:
「後発医薬品への変更ルール」2018年版(日医工Stu-GE)
使用感の異なる外用剤のジェネリック変更について(日医工Stu-GE)

ヒルドイドフォーム0.3% Q&A

メーカーホームページより引用)

ヒルドイド®フォーム0.3%の内容量の表示を「原液:92g」とした理由を教えてください。

ヒルドイド®フォーム0.3%の容器には、原液とLPG(液化石油ガス)が充填されています。「適切な泡質を得るため」に処方設計するにあたり、原液およびLPGの適切な配合量と比率を考慮した結果、原液は92gになりました。また、ヒルドイド®フォーム0.3%は「g」の規格単位で承認されています。そのため、「原液:92g」と表示しました。

フォーム製剤を製造販売した理由を教えてください。

ヒルドイド®3製剤(クリーム、ソフト軟膏、ローション)は多くの乾燥性皮膚疾患に汎用されていますが、乾燥性皮膚疾患は広範囲に病変部位が及ぶことが多いため、広範囲への塗布が容易で液だれを起こしにくい剤形が望まれていました。また、特に夏場ではてかりやべとつく製剤は敬遠されがちであり、さっぱりとした使用感の製剤が望まれていたためです。これらの臨床現場における要望をうけ、展延性に優れ、広範囲に塗り広げやすく、垂れにくい、また、さっぱりとした使用感がある製剤として開発しました。

ヒルドイド®フォーム0.3%の処方量(調剤量)について教えてください。原液の92gで計算すればよいですか。

ヒルドイド®フォーム0.3%は「g」の規格単位で承認されています。薬価算定は「g」単位となり、1缶の原液量(92g)で計算していただくこととなります。

ヒルドイド®シリーズ(ヒルドイド®クリーム0.3%、ヒルドイド®ソフト軟膏0.3%、ヒルドイド®ローション0.3%、ヒルドイド®フォーム0.3%)の剤形による違いと使い分けについて教えてください。

剤形の違いとして、ヒルドイド®クリーム0.3%は水中油型(O/W型)のクリーム剤、ヒルドイド®ソフト軟膏0.3%は油中水型(W/O型)のクリーム剤、ヒルドイド®ローション0.3%は水中油型(O/W型)のローション剤、ヒルドイド®フォーム0.3%はフォーム剤です。
使い分けの例として、ヒルドイド®クリーム0.3%は被覆性・使用感のバランスが取れており、季節を問わず使用しやすい剤形です。ヒルドイド®ソフト軟膏0.3%は基剤中に油分が多く被覆性に優れることから、重症例や冬によく用いられています。ヒルドイド®ローション0.3%は展延性が良いことから、広範囲の使用、有毛部への使用に優れます。また、さらっとした使用感が得られることから春・夏・秋に好まれます。ヒルドイド®フォーム0.3%は油分を含まないさっぱりとした使用感であり、展延性が高いため、広い患部に素早く塗布できます。有毛部位にも有用です。短時間で塗れるため朝などの忙しい時間帯にも適しています。使用感が良くべたつきが少ないことから年間を通じてお使いいただける剤形となり、特に春の中頃から秋の中頃までの気温の高い季節に使用しやすい剤形です。

ヒルドイド®フォーム0.3%の取扱い上の注意、廃棄方法について教えてください。

よく振ってから、使用してください。横向きや逆さまで使用しないでください。高圧ガス(LPG)を使用した可燃性の製品であり、危険なため下記の注意を守ってください。
  1. 炎や火気の近くで使用しないこと。
  2. 火気を使用している室内で大量に使用しないこと。
  3. 高温にすると破裂の危険があるため、直射日光の当たる所や火気等の近くなど温度が40°C以上となる所に置かないこと。
  4. 火の中に入れないこと。
  5. 使い切って捨てること。
中身を使い切ったうえで廃棄してください。また、必ず火気のない通気性の良い戸外で、容器内に残っているガスを出し切ってください。ガス抜き後、お住いの市町村等で決められた方法により廃棄してください。ガス抜きの際は、身体に向けて噴出しないでください。スプレーボタンとその土台部分(プラスチック)は、はずして分別できます。容器の金属はアルミです。

(おまけ)
ヒルドイドフォームが92gなのは先発メーカーの後発品つぶし説。おもしろい。