「デパケンR錠200mg」と「セレニカR錠200mg」はバルプロ酸の徐放製剤です。
どちらも先発品です。
違いは、体内動態です。
デパケンRは9時間で80%が溶出し、セレニカRは14時間で80%が溶出します。
デパケンRは服用6時間後、セレニカRは12時間後に血中濃度のピークが現れます。
これら動態の違いから服用回数が異なります。デパケンRは1日1~2回分服、セレニカRは1日1回分服です。
また、1日の中での血中濃度の推移にも違いが見られ、セレニカRのほうが安定していたという報告もあります。
Different serum concentrations of steady‐state valproic acid in two sustained‐release formulations, Volume: 61, Issue: 3, Pages: 308-312, First published: 28 April 2007 |
一般名処方では、どちらも『バルプロ酸Na徐放錠200mg』と記載されます。
てんかん発作治療における抗てんかん薬は治療域が狭く、少量の変化で発作の再発や副
作用が懸念されるため、注意が必要です。
同一の用法用量の後発品が存在するのはデパケンR錠です。セレニカRには後発品は存在しません。
その他の違いは、一包化の可否です。
デパケンR錠はフィルムコートに防湿効果があるので通常の一包化が可能です。
セレニカR錠は吸湿性があるので一包化はできません。添付文書にも、「本剤は徐放性製剤であり、製剤の吸湿により溶出が加速されることがあるので、吸湿しないように保存させること」との記載があります。