販売中止のご案内(第一三共)
https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2018/1811stop_kt_etc8.pdf
販売中止時期:2019年1月末日
経過措置満了時期(予定):2020年3月末日
カンテック錠はマロチラートを成分とする肝蛋白代謝改善剤です。マロチラートは、 もともとイモチ病に対する農薬であるイソプロチオランが基礎研究の過程で肝細胞賦活作用を示したことに端を発し、肝機能障害改善を目的として化合物の合成及びスクリーニングを行った結果見出された化学物質です。
日本農薬株式会社、第一製薬株式会社(現:第一三共株式会社)により代償性肝硬変における肝機能改善剤として共同開発され、1985年代償性肝硬変療薬として承認され、製品名「カンテック錠」として発売されました。
カンテック錠は代償性肝硬変に対して二重盲検比較試験により、肝蛋白代謝改善作用に基づいた肝機能改善効果が確認されています。
その作用機序ですが、肝細胞での蛋白合成促進により、肝中・血清中総蛋白低下を改善し、アルブミン量、コリンエステラーゼ活性を改善、肝中の 4-ヒドロキシプロリン量の増加を抑制し、肝線維化進展抑制作用を示すと考えられています。
マロチラートの推定作用様式 |
カンテック錠の代替品
カンテック錠は代償性肝硬変に対して肝庇護を目的に使用されます。代償期にはバランスのとれた食事、休養に加え、炎症を最小限にくいとめるための薬物治療が行われます。肝臓の炎症を抑える薬にはウルソデオキシコール酸などの内服薬や炎症の程度が強いときにはグリチルリチン製剤などの注射薬が使われます。
その他の肝庇護剤(内服)
- ポリエンフォスファチジルコリン(EPL)
- ウルソデスオキシコール酸(ウルソ)
- チオプロニン(チオラ)
- メチルメチオニンスルフォニウムクロリド(キャベジンU)
- アデホス
- 小柴胡湯