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2018年11月28日水曜日

ラグノスNF経口ゼリー 先発にはない適応を持つ後発品



ラグノスNF経口ゼリーが2018年11月28日に発売されます。

ラグノスNF経口ゼリーはモニラックシロップの後発品である「ラグノスゼリー 分包16.05g」の改良品です。
原料をラグノスゼリーで採用していたラクツロースから結晶ラクツロースに変更することで、夾雑物であるガラクトースや乳糖を少なくすることに成功した製品です。また、ラクツロース特有の甘ったるさを抑え、服薬性向上、さらにスティック包装による携帯利便性向上させた経口ゼリー剤です。

ラグノスNF経口ゼリーの適応症


ラグノスNF経口ゼリーの特徴はそれだけではなく、その適応にあります。
ラクツロース製剤には『小児の便秘』の適応をもつものは、先発・後発にいくらか存在していますが、成人にも使える『慢性便秘症』の適応をもつのは「ラグノスNF経口ゼリー」だけです。
ただし、一般名処方時には注意が必要です。

ラグノス カロリール モニラック ピアーレ リフォロース
ラクツロース製剤一覧表 効能の違い

ラグノスNF経口ゼリーの作用機序


簡単に言うと、お腹の中に水を引き寄せて便を柔らかくします。

ラクツロースは、フルクトースとガラクトース各 1 分子から合成された人工二糖類です。ラクツロースは、酸化マグネシウム製剤と同じく浸透圧性下剤に分類されます。経口投与されると大部分が消化・吸収されずに下部消化管に達し、腸管内容物の浸透圧を高め、腸管内への水分分泌等を促進し、緩下作用を発揮します。

ラクツロースは海外では便秘症治療剤として広く使われており、世界消化器病学会(WGO)のグローバルガイドラインなどにおいて有用な選択肢の一つとして記載され、広く諸外国で使用されています。また、慢性便秘症診療ガイドライン 2017において使用が推奨されています。


ラグノスNF経口ゼリーの服用タイミング


いつ飲んでも、有効性や安全性に違いはありません。ライフスタイルに合わせて飲み方をコントロール可能です。
臨床試験では、血液透析患者も対象に含まれており、透析時間に合わせて服薬タイミングを調節することが許されていたそうで、服薬タイミングの違いが安全性等に影響を及ぼす経口は認められなかったとの報告があります。


ラグノスNF経口ゼリーは他の便秘薬と併用してもよいですか?


既存便秘治療薬と併用しても、臨床上大きな問題が生じる可能性は低いです。
便秘になりやすい血液透析患者を対象にした臨床試験では、既存の便秘症治療薬にラグノスNFゼリーを上乗せ投与したものがあります。併用薬には、センノシドやピコスルファートなどの刺激性下剤やアミティーザ、漢方薬、パンテチンが使用されていました。

また、ラクツロース製剤は様々な疾患に年間15万人程度使用しています。その中には便秘治療薬が併用しているケースがあると考えられますが、市販後調査では併用による特段安全性上問題となるものは報告されていませんでした。

ラグノスNF経口ゼリーのNFの意味

『NF』はNew Formulaの頭文字です。
従来から販売のラグノスゼリー分包16.05g の New Formula:NFとして命名されました。



2018年11月27日火曜日

内視鏡検査での鎮静におけるペチジンの代替品



武田薬品の医療用麻薬のペチジンやモルヒネが自主回収となっております。
現流通品が自主回収の該当ロットにあたり、2018年11月時点で改良品の流通のめどが立っていないようです。

医薬品回収の概要(クラスⅡ) PMDA(2018年11月20日)

回収理由
ペチジン塩酸塩注射液35mg「タケダ」、弱ペチロルファン注射液及びモルヒネ塩酸塩注射液10mg 「タケダ」について、性状に定められた規格を超えて着色したアンプルがあるとの品質情報を医療機関と卸売販売業者から受けました。原因調査の結果、製造工程に起因するものであると考察しましたので、当該期間に同工 程で製造された全ての製品並びにロットを自主回収することと致しました。

モルヒネ注の代替品


オキシコドンやフェンタニルへ変更可能です。
切替方法や換算表はこちらにまとめました。


ペチジンの代替品


ペチジンの適応には「激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙、麻酔前投薬、麻酔の補助、無痛分娩」があります。
多くが、麻酔の補助に用いられています。胃カメラなどの消化器系の内視鏡検査時の鎮静での代替について考えてみたいと思います。

ミダゾラム単独で十分

上部内視鏡検査時の鎮静のためにベンゾジアゼピン系鎮静剤のミダゾラムとオピオイドのペチジンが併用されることがありますが、ミダゾラム単独の鎮静では不十分なのでしょうか。
ミダゾラム単独とミダゾラムとペチジン併用を比較したRCTを紹介します。


このRCTでは、患者満足度と呼吸器循環器系抑制に両群で差はありませんでした。
しかし、術者の満足度はミダゾラム、ペチジン併用群で向上しました。

咽頭反射が非常に強い場合や、大口径のスコープによる上部消化管内視鏡検査(拡大内視鏡,超音波内視鏡など)ではより強力な鎮静がひつようなのでペチジンの併用がよいかもしれませんが、通常の上部消化管内視鏡検査では,ミダゾラム単独で十分だと考えられます。


どうしてもオピオイド使いたい

代替オピオイドにはモルヒネ、フェンタニルがあります。どちらも検査の麻酔補助の適応があります。ただしフェンタニルは静注のみの適応で、皮下注はできません。

モルヒネには胆管内圧上昇作用とそれに伴う消化管内圧上昇があるので注意が必要です。
胆管内圧上昇は、
モルヒネ > ペンタゾシン > ブプレノルフィン
の順に小さくなります。



プロポフォールを使用する

内視鏡検査の鎮静にプロポフォール(ディプリバン)を使う施設も増えてきているようです。

上部消化管内視鏡検査においてプロポフォールとミダゾラムを比較した4つの RCTが報告されています。プロポフォールがミダゾラムに比べて患者満足度が高かったという報告と、逆にミダゾラムがプロポフォールに比べて患者満足度が高かったというものでした。

これらのRCTのメタアナリシスでは両群間に患者満足度・ 再検査希望率・検査記憶消失率および呼吸器循環器系抑制に有意差はないとされています。


プロポフォールで鎮静を行う場合は、呼吸、循環動態の変動に注意する必要があるため麻酔科専門医のもとで使用するのが好ましいでしょう。持続的にパルスオキシメータで呼吸状態をモニターし、必要に応じて酸素投与を行う体制を整備する必要があります。血圧低下の危険があるので少なくとも5分に1回は血圧測定を行います。



2018年11月22日木曜日

オピオイドスイッチング換算表



オピオイドの種類、投与経路を適切なタイミングでスイッチングすることで、鎮痛効果と副作用のバランスを整えることが可能となります。

オピオイドの換算比に関しては、様々な報告があります。多くは痛みの安定している患者での対モルヒネでの単回投与の結果に基づいた換算となっています。しかし、実際の臨床現場では、痛みの不安定な患者での変更が多いこともあり、国、地域、施設ごとによって経験則も加味して換算しているところが多いでしょう。

実際にスイッチングする場合換算表を目安にして1日の投与量を計算します。
モルヒネ換算で120mg/day以上投与しているような比較的大量投与である場合、一度に変更せずに数回に分けてスイッチングします。また、副作用が既に出ている場合や、高齢者、腎機能が大きく低下している場合や、症状が悪いような状況でスイッチングするときには、換算量より少なめに変更することを考慮します。

スイッチングを行って、それで終了ではなく、スイッチング後は患者個人の痛み、副作用を評価した上できめ細かい調節が必要となります。

参考:
医療用麻薬適正使用ガイダンス|厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課
がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2014年版)
新版 がん緩和ケアガイドブック|日本医師会


オピオイド換算比
モルヒネ タペンタドール オキシコドン ヒドロモルフォン トラマドール フェンタニル

オピオイド鎮痛薬の投与経路(製剤)の変更例

2018年11月19日月曜日

カンテック錠 販売中止と代替品



肝蛋白代謝改善剤のカンテック錠200mgが販売中止となるようです。

販売中止のご案内(第一三共)
https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2018/1811stop_kt_etc8.pdf

販売中止時期:2019年1月末日
経過措置満了時期(予定):2020年3月末日

カンテック錠はマロチラートを成分とする肝蛋白代謝改善剤です。マロチラートは、 もともとイモチ病に対する農薬であるイソプロチオランが基礎研究の過程で肝細胞賦活作用を示したことに端を発し、肝機能障害改善を目的として化合物の合成及びスクリーニングを行った結果見出された化学物質です。
日本農薬株式会社、第一製薬株式会社(現:第一三共株式会社)により代償性肝硬変における肝機能改善剤として共同開発され、1985年代償性肝硬変療薬として承認され、製品名「カンテック錠」として発売されました。

カンテック錠は代償性肝硬変に対して二重盲検比較試験により、肝蛋白代謝改善作用に基づいた肝機能改善効果が確認されています。
その作用機序ですが、肝細胞での蛋白合成促進により、肝中・血清中総蛋白低下を改善し、アルブミン量、コリンエステラーゼ活性を改善、肝中の 4-ヒドロキシプロリン量の増加を抑制し、肝線維化進展抑制作用を示すと考えられています。

マロチラートの推定作用様式

カンテック錠の代替品

カンテック錠は代償性肝硬変に対して肝庇護を目的に使用されます。

代償期にはバランスのとれた食事、休養に加え、炎症を最小限にくいとめるための薬物治療が行われます。肝臓の炎症を抑える薬にはウルソデオキシコール酸などの内服薬や炎症の程度が強いときにはグリチルリチン製剤などの注射薬が使われます。

その他の肝庇護剤(内服)

  • ポリエンフォスファチジルコリン(EPL)
  • ウルソデスオキシコール酸(ウルソ)
  • チオプロニン(チオラ)
  • メチルメチオニンスルフォニウムクロリド(キャベジンU)
  • アデホス
  • 小柴胡湯

フロセミド注のボーラスと持続点滴のちがい



ループ利尿薬を静脈内投与するとき、ボーラス投与したり、持続点滴投与だったりします。ループ利尿薬の静脈投与では投与方法によって効果に違いがあるのでしょうか。

実は、明らかな解答はありません。
しかし、DOSE trialという前向きランダム化試験が、この臨床上の大きな問いに答えていますのでご紹介します。

N Engl J Med. 2011 Mar 3;364(9):797-805. PMID:21366472

このDOSE trialは、急性非代償性心不全患者におけるフロセミド静脈投与に関し、ボーラス投与群と持続点滴群にランダム化し、さらに投与量を低用量と高用量群にランダム化するという2×2のデザインで行われました。

結果は、急性非代償性心不全患者に対するフロセミドの投与法において、ボーラス投与か持続点滴投与か、高用量か低用量かにかかわらず、患者自身が評価した自覚症状と腎機能の低下に有意な差は認められませんでした。

少なくとも急性非代償性心不全においては、利尿薬のボーラス静注投与は持続点滴投与と差がないことが示されたと言えます。
急性非代償性心不全患者に静注の利尿薬を使用するときには、患者の個別性に配慮し対応することがベターであると考えられます。最初からわざわざ持続静注にすることはないですし、既に点滴のラインがあるのであれば、混注するほうが手間が少ないので持続点滴投与を行えばよいのです。また、ボーラス投与で十分な効果が得られないとき、ちょっと用量を増やすとともに持続点滴にしてみるといった工夫もありでしょう。


DOSE trialは、急性非代償性心不全患者が対象でした。他の疾患ではどうでしょうか。DOSE試験ほどクオリティを持った試験は行われていませんが、慢性腎不全についてボーラス投与とloading doseありの持続点滴投与を比較したものがあります。その試験では、持続点滴投与のほうが尿量が多くなったとの報告がなされています。

Alqahtani F, et al:J Crit Care. 2014;29(1):10-7.PMID: 23683555


インテバンSP販売中止と代替品



徐放性インドメタシンカプセルの「インテバンSP25/37.5」が販売中止となるようです。
販売中止の理由は、製造を委託していた工場の閉鎖により、販売を中止せざる得ない状況となったということのようです。

出荷終了予定時期は2019年6月頃

経過措置期間は未定です。


インドメタシンは開発当時、鎮痛・解熱・抗炎症効果は、同じNSAIDsの中でも強力なものとして評価がなされていましたが、一方では副作用の軽減も重要な課題でした。
そのことからインドメタシンの合成方法を開発するとともに、いかに副作用を避けつつ治療効果を有効に発揮させるかに力が注がれていました。
その結果、体液のpHに関係なく主薬を放出するスパンスール技術を導入し、薬物放出時間をコントロールして急激な血中濃度の上昇を抑えることで副作用の軽減と有効血中濃度の持続性を併せ持った徐放性製剤の開発に世界で初めて成功したのでした。
1973年にインテバンSPは承認され、翌年には薬価収載されました。そして約45年あまり痛みと戦い続け、その歴史に終止符を打ちました。

インドメタシンの内服剤は過去には錠剤など、数社が販売していましたが、近年販売を終了し、このインテバンSPのみが存在している状況でした。


インテバンSPの代替品


インドメタシンの内服剤は存在しませんが、インドメタシンのプロドラッグは製剤として販売されています。
インドメタシンファルネシル(インフリー)とプログルメタシンマレイン酸塩(ミリダシン)、アセメタシン(ランツジール)です。プロドラッグとは不活性体として胃粘膜から吸収された後に体内または目的とする組織に到達してから代謝を受けることにより生理活性を発揮するよう化学的に修飾された薬物のことをいいます。胃粘膜から吸収されるときにプロスタグランジンの生合成阻害作用が起こらないので胃腸障害が少なく出来ます。


消炎鎮痛作用を目的とするのであれば、インドメタシンに拘らずとも、現在は多くのNSAIDsが存在しているので目的とする適応にあった薬剤を選択すると良いでしょう。
しかし、インテバンSPは歴史が古い薬であり、インテバンSPにしかない適応もあるので注意が必要です。歯槽骨膜炎、顎関節症、掌蹠膿疱症、急性中耳炎などがあります。

さらに適応外ではあるものの好酸球性膿疱性毛包炎は保険審査上使用が認められており、近年では、インテバンSPは消炎鎮痛よりも難病である好酸球性膿疱性毛包炎の治療薬として第一選択薬として位置づけがられており、注目されていました。

好酸球性膿疱性毛包炎におけるインテバンSPの奏効率は87%でした。症例数が限られていますがインドメタシンファルシネルが、38%、アセメタシンが100%と過去の文献より報告されています。
保険上は使用が認められていませんが、好酸球性膿疱性毛包炎に対しては以下が考えられます。

  • インドメタシンファルシネル(インフリー)
  • アセメタシン(ランツジール)

Nomura et al,. Eosinophilic pustular folliculitis: A proposal of diagnostic and therapeutic algorithms. J Dermatol 2016;43:1301-1306PMID: 27028427

Table S2a. Regimens applied to classic EPF(日本皮膚科学会)


以下に、インテバンSPの適応症と、その適応を持つ鎮痛薬(内服)を列挙しています。

関節リウマチ
  • バファリン配合錠A330
  • オパイリン
  • ボルタレン 
  • ボルタレンSR
  • ナボールSR
  • フェナゾックス
  • インフリー
  • ミリダシン
  • クリノリル
  • ランツジールコーワ 
  • レリフェン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • ブルフェン
  • アルボ 
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • フロベン
  • ロキソニン
  • モービック
  • ロルカム
  • フルカム
  • バキソ
  • セレコックス

変形性関節症
  • カロナール
  • オパイリン
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • ボルタレンSR
  • ナボールSR
  • フェナゾックス
  • インフリー 
  • ミリダシン
  • クリノリル
  • ランツジールコーワ
  • レリフェン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • アルボ
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • フロベン
  • ロキソニン
  • モービック
  • ロルカム
  • フルカム
  • バキソ
  • セレコックス

変形性脊椎症
  • オパイリン
  • ボルタレン
  • アルボ

腰痛症
  • カロナール
  • キョーリンAP2
  • オパイリン
  • ポンタール 
  • ボルタレン
  • ボルタレンSR
  • ナボールSR
  • フェナゾックス
  • インフリー
  • ミリダシン
  • クリノリル
  • ランツジールコーワ
  • レリフェン
  • ジソペイン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • アルボ
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • フロベン
  • ロキソニン
  • モービック
  • ロルカム
  • フルカム 
  • バキソ
  • セレコックス
  • ソランタール

肩関節周囲炎
  • オパイリン
  • ボルタレンSR
  • ナボールSR
  • フェナゾックス
  • インフリー
  • ミリダシン
  • クリノリル
  • ランツジールコーワ
  • レリフェン
  • ジソペイン
  • オステラック
  • ハイペン
  • スルガム
  • アルボ
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • ロキソニン
  • モービック
  • ロルカム
  • フルカム
  • バキソ
  • セレコックス

症候性神経痛
  • カロナール
  • キョーリンAP2
  • バファリン配合錠A330
  • オパイリン
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • ブルフェン

痛風発作
  • ニフラン 
  • アルボ
  • ナイキサン

急性上気道炎
  • カロナール
  • オパイリン
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • ランツジールコーワ
  • ニフラン
  • スルガム
  • ブルフェン
  • ロキソニン
  • ソランタール

外傷後
  • オパイリン
  • ポンタール
  • フェナゾックス
  • ランツジールコーワ
  • ジソペイン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • ブルフェン
  • アルボ
  • ナイキサン 
  • ソレトン
  • ペオン
  • ロキソニン
  • ロルカム
  • セレコックス
  • ソランタール

手術後
  • キョーリンAP2
  • オパイリン
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • フェナゾックス
  • ランツジールコーワ
  • ジソペイン
  • オステラック
  • ハイペン
  • ニフラン
  • スルガム
  • ブルフェン
  • アルボ
  • ナイキサン
  • ソレトン
  • ペオン
  • フロベン
  • ロキソニン
  • ロルカム

歯痛
  • カロナール
  • キョーリンAP2
  • バファリン配合錠A330
  • ポンタール
  • ボルタレン
  • ロキソニン 
  • セレコックス 

歯槽骨膜炎
なし

顎関節症
  • フェナゾックス
(2019.03末経過措置)

多形滲出性紅斑
  • ブルフェン
  • ソランタール

結節性紅斑
  • ブルフェン

掌蹠膿疱症
なし

膀胱炎
  •  オパイリン
  •  ボルタレン
  •  ソランタール

前立腺炎
  •  オパイリン

急性中耳炎
なし

2018年11月13日火曜日

抗菌薬適正使用啓発サイトをまとめてみました



WHO(世界保健機関)は、2015年より11月にWorld Antibiotic Awareness Weekを定めています。
11月は、日本における「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」です。
2018年の11月12日から11月18日は「世界抗菌薬啓発デー」です。

啓発ツールやポスターは
AMR臨床リファレンスセンターのホームページが充実しています。
http://amr.ncgm.go.jp/materials/

それ以外に
抗菌薬適正使用に役に立つ資料を掲載しているサイトをまとめてみました。

スライド


  • 「AMR対策と抗菌薬」獨協医科大学埼玉医療センター 薬剤部 佐野 邦明先生


  • 「薬局薬剤師が学ぶ抗菌薬と感染症の基本」獨協医科大学埼玉医療センター 薬剤部 佐野 邦明先生



  • 「妖怪メダルできった抗菌薬の使い方」千葉大学 山内先生




  • 「抗菌薬と細菌について改訂版」獨協医科大学埼玉医療センター 薬剤部 佐野 邦明先生







学校教育資料


  • 「薬剤耐性菌に関する啓発教育資材ダウンロードのご案内」日本学校保健会
https://www.gakkohoken.jp/column/archives/92


  • 「未来の子どもたちが危ない!?抗生物質の正しい使い方を考える」先生のための教育事典EDUPEDIA

自由に配れる保健だよりがダウンロードできます。

  • 「抗菌薬を「正しく使う」ために知っておきたいこと」東京都小児総合医療センターHP
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/shouni/kanja/koukinyaku.html

  • 「患者さん向けリーフレット」東京都小児総合医療センターHP
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/shouni/kanja/koukinyaku_leaflet.pdf


メディア


  • 「なぜ医師は、風邪に効かない抗菌薬を処方してしまうのか」朝日新聞医療サイト アピタル

https://www.asahi.com/articles/SDI201811083926.html


  • 「かぜに「抗菌薬」は効きません 半数が誤認 」NHKニュース

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181111/k10011706291000.html


  • <抗菌薬>「風邪に効かず」知らない人が半数の現実(毎日新聞)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181110-00000018-mai-soci


  • 抗菌薬使い過ぎで年70万人が死亡 専門家団体が発足「国民が知る必要」|BuzzFeed Japan Medical

‏https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/amr-alliance-japan


  • 「子供のかぜに抗菌薬を欲しがる親への説明は?」日経メディカル

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/amr/201811/558534.html


  • 「風邪で抗生物質」なぜ間違いなのか?|日テレNEWS24

http://www.news24.jp/articles/2018/11/02/07408302.html


  • 治る病気が治らない!?〜抗生物質クライシス〜|NHK「クローズアップ現代」2015年11月17日放送

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3734/index.html


  • “薬が効かない” 広がる耐性菌の脅威|NHK 「おはよう日本」2017年2月7日放送

http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/02/0207.html


関連学会



  • 公益社団法人 日本化学療法学会 委員会報告・ガイドライン

http://www.chemotherapy.or.jp/guideline/index.html
・抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス
・抗菌薬の PK/PD ガイドライン
・術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン
・MRSA 感染症の治療ガイドライン


  • 一般社団法人 日本感染症学会

http://www.kansensho.or.jp/guidelines/index.html
・ガイドライン、提言


  • 一般社団法人 日本臨床微生物学会

http://www.jscm.org/


  • 三学会合同抗菌薬感受性サーベイランス

http://www.3ssp.jp/index.html
・データベース(呼吸器感染症、尿路感染症、手術部位感染、耳鼻咽喉科領域感染症、皮膚科領域感染症、 歯科・口腔外科領域感染症、小児科領域感染症)、全集積菌株に対する主要抗菌薬の MIC 分布


製薬メーカー


  • 塩野義製薬 医療関係者向け情報 感染症薬適正使用推進室

https://www.shionogi.co.jp/med/infection/top.html 
医療関連感染対策 研修サポートツールやAST ウェブセミナー などのコンテンツがあります。


  • 大正富山医薬品 医療関係者向け情報 お役立ちツール

http://medical2.taishotoyama.co.jp/oyakudachi/index.html 
患者へのインフォームドコンセントなどに活用できるムンテラツールの紹介


  • 丸石製薬 感染対策コンシェルジュ 

https://www.m-ipc.jp/ 
感染対策チェックシートがあります。


  • MeijiSeika ファルマ 抗菌薬を理解するために 

https://www.meiji-seikapharma.co.jp/medical/expert/pathogen/realize/ 
だいたいうんこになる某薬のメーカー。贖罪の気持ちで啓発しているのだろうか。まずは手前の社員から教育したほうがいい。


厚生労働省「薬剤耐性(AMR)について」

政府広報



2018年11月12日月曜日

バキソ坐剤、フェルデン坐剤 販売中止と代替品



ピロキシカム坐剤が販売中止となるようです。
後発品含めすべてのピロキシカム坐剤が販売中止となります。

バキソ坐剤:販売中止予定時期2019年1月
販売中止予定品目のお知らせバキソ®坐剤 20mg(大正富山)

フェルデン坐剤:販売中止予定時期 不明
フェルデン坐剤20mg 販売中止予定のご案内(ファイザー)

ピロキシカム坐剤「JG」:販売中止予定時期2019年1月

経過措置期間
2020年3月31日まで(予定) 

ピロキシカムは 1967 年ファイザー社で開発されたオキシカム系の非ステロイド性鎮痛抗炎症剤で、1日1回の投与で関節リウマチ、変形性関節症及び腰痛症などの炎症性疼痛疾患に対し臨床効果と安全性を有することが明らかにされています。

経口投与が難しくで非ステロイド性抗炎症薬の投与を必要とする患者への適応を意図して、 ピロキシカム坐剤の開発が行われました。1989年に関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、外傷後・手術後の鎮痛・炎症に対し、有用性が認められ承認、発売されました。ファイザー社は「フェルデン坐剤」、大正富山は「バキソ坐剤」のブランド名で一物二名称として発売されていました。

ピロキシカム坐剤は抗炎症・鎮痛作用がロングアクティングであることから、1日1回投与を可能にした日本で「はじめての24時間坐剤」として登場しました。 

2007年6月に「ピロキシカム製剤に対する使用制限」が欧州規制当局(EMEA)から発表されたのを踏まえ、 2008年4月、「外傷後、手術後の鎮痛、消炎」の効能又は効果が削除されています。

この「ピロキシカム製剤に対する使用制限」は消化管副作用と重篤な皮膚反応を考慮して、その使用を制限するよう強く勧告するものだったため、日本でも少なからず影響がありその使用量が減ってきていたものと推測されます。

需要の減少や、グローバルの薬剤選択の傾向の変化からこの度、30年の歴史に幕を下ろしました。
ピロキシカム製剤の経口薬及び軟膏は販売継続されます。


バキソ坐剤、フェルデン坐剤の代替品


後発品のピロキシカム坐剤「JG」も販売中止ですので、類似薬から代替品を探すことになります。

NSAIDsの坐剤は種類も少なく、候補となるのは
  • インドメタシン坐剤
  • ジクロフェナクナトリウム坐剤
です。

製剤学的な特徴をみていくと、ピロキシカムの坐剤は油脂性基剤です。
インテバン坐剤などのインドメタシン坐剤は水溶性基剤、ボルタレン坐剤などのジクロフェナク坐剤は油脂性基剤を採用しています。

基剤の種類によって、坐薬を使用する順番も決まります。同じ種類の基剤の坐薬を併用する場合は、最初の坐薬の挿入後、5分を目安に次の坐薬を挿入することが可能です。一方、基剤の異なる坐薬を併用する場合は、水溶性基剤の坐薬を先に挿入し、30分以上経過したあと、油脂性基剤の坐薬を挿入します。
また、油脂性基剤の坐薬は、体温以上の温度になると溶けてしまうので冷蔵庫で保存します。一方、水溶性基剤で作られた坐薬は、直腸内の水分を吸収して溶け、主薬を放出します。温度に影響を受けないため、室温保存が可能です。

インドメタシンもジクロフェナクも有効性に差はないと考えられますから、基剤の変わらないため保管や使い方が類似しているジクロフェナク坐剤が代替として適当かもしれませんね。

NSAIDs坐薬・直腸製剤一覧表