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2018年7月11日水曜日

災害でレセコンが破損した場合の診療報酬請求はどうするの?



この度の平成30年7月豪雨災害のような大災害にあってしまい、レセコンが破損した場合、診療報酬請求はどうするのでしょうか。

災害救助法が適用されるような大きな災害の場合、早い段階で厚生労働省から災害時の診療報酬請求についての対応について通知が出されます。まずは、それを待ちましょう。

今回も被災3日後には厚労省から都道府県へ発報されています。そして県から三師会および保険者へ指示が降りていました。

平成30年7月豪雨被災に伴う保険診療関係等及び診療報酬の取扱いについて、薬局に関連する内容をまとめました。


レセコン破損の場合の概算請求

→平成 30 年6月診療等分については概算による請求を行うことができる

災害救助法適用地域におけるレセプト提出期限は7月14日

→事前に支払基金、国保に届け出

薬局が浸水し仮設建物で調剤を行う場合

→仮設建物は被災店舗との場所的近接性が求められる

保険情報記載なしの処方箋の取り扱い

→ 保険薬局において加入の保険及び(社保)事業所名、(国保)住所を確認するとともに、調剤録に記載。

医療機関記載なしの処方箋の取り扱い

→処方せんの交付を受けた場所を患者に確認。
避難所などで発行されたものは保険調剤として取り扱えない。

処方箋なしの調剤の求めがあった場合

→ 事後的に処方せんが発行されることが大前提。さらに客観的に診療が無理であることと主治医意と連絡が取れていることが条件

避難所・救護所で発行された処方箋による調剤

→ 当該調剤に係る報酬は救護所の設置主体である県市町に請求すること。

避難所への訪問薬剤管理指導

→ 医師の指示に基づき実施した場合は算定できる。ただし、疾病、傷病から通院による療養が可能と判断される患者に対しては算定できない。

在庫逼迫による分割調剤について

→ 処方医へ迅速に疑義照会を行うことが難しい場合には、 保険薬局の判断で分割調剤を行い、事後に報告することは差し支えない。


以下、通知文全文です。
平成30年台風7号及び前線等に伴う大雨による被災に伴う保険診療関係等及び 診療報酬の取扱いについて(平成30年7月9日厚生労働省保険局医療課事務連絡)


1.診療報酬の請求等の取扱いについて

(1)平成 30 年6月診療分に係る診療報酬等の請求について
平成 30 年6月診療分に係る診療報酬等の請求については、今回の平成 30年台風7号等大雨による被災により診療録等を滅失若しくは棄損等した場合の対応として、下記①又は②の場合において下記により概算請求を行うことができるものとすること。
① 診療録等の滅失等の場合の概算による請求
今回の大雨により診療録及びレセプトコンピュータ等を滅失、浸水、汚損又は棄損した保険医療機関、保険薬局又は訪問看護ステーション(以下「保険医療機関等」という。)については、平成 30 年6月診療等分については概算による請求を行うことができるものであること。なお、この場合にあって、同年7月診療等以降分の請求方法については追って連絡する予定であること。
② 通常の手続による請求を行う方法

上記①よる場合以外については、下記(2)により、診療報酬等の請求を行うものとすること。

(2) 概算請求を行う場合の取扱いについて
① 概算による請求を選択する保険医療機関等については、やむを得ない事情がある場合を除き、平成 30 年7月 14 日までに概算による請求を選択する旨、各審査支払機関(国民健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)及び社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)に届け出ること。
② 診療報酬等の算出方法
原則として平成 30 年4月診療等分から平成 30 年5月診療等分までの診療報酬等支払実績により(当該保険医療機関等について特別な事情がある場合には、別途保険医療機関等と調整をする。)、下記アからイにより算出し、それを合計して支払を行うこととなるため、各保険医療機関等においては、別紙の様式により、当該保険医療機関等の平成 30 年6月の入院、外来別の診療実日数(※1)を合わせて届け出るものとすること。なお、保険薬局及び訪問看護ステーションについては、外来分として取り扱うものとする。



③ 上記(1)①に該当する保険医療機関等であって、上記(1)②に規定する地域以外の区域に所在するものについては、罹災証明書又は罹災届出証明書を併せて各審査支払機関に提出すること。
④ この方法の対象となる請求の範囲については、公費負担医療に係るものについても含まれること。
⑤ この方法による請求を選択した保険医療機関等については、この方法による概算額をもって平成 30 年6月診療分の診療報酬等支払額を確定するものであること。

(3) 通常の方法による請求を行う場合の取扱いについて
請求書の提出期限について
平成 30 年6月診療分(7月提出分)に係る診療報酬請求書等の提出期限については、災害救助法の適用地域に所在する保険医療機関等に限り、平成 30 年7月 14 日とすること。
また、提出期限に遅れたものについては、翌月以降に提出するものとすること。

(参考)一部負担金等とは、一部負担金、訪問看護療養費に係る自己負担額などをいう。

2.保険医療機関等の建物が浸水等した場合の取扱い

保険医療機関である医療機関又は保険薬局である薬局の建物が浸水等し、これに代替する仮設の建物等(以下「仮設医療機関等」という。)において診療又は調剤等を行う場合、当該仮設医療機関等と浸水等した保険医療機関等との間に、場所的近接性及び診療体制等から保険医療機関等としての継続性が認められる場合については、当該診療等を保険診療又は保険調剤として取り扱って差し支えないこと。

3.保険調剤の取扱い

(1)被災地の保険薬局において、次に掲げる処方せん(通常の処方せん様式によらない、医師の指示を記した文書等を含む)を受け付けた場合においては、それぞれに掲げる事項を確認した上で、保険調剤として取り扱って差し支えないこと。
① 保険者番号、被保険者証・被保険者手帳の記号・番号の記載がない場合
被災により、被保険者証、健康手帳等を保険医療機関に提示できなかった場合であること。この場合、保険薬局において、加入の保険及び被用者保険の被保険者等にあっては事業所名、国民健康保険の被保険者及び後期高齢者医療制度の被保険者にあっては住所を確認するとともに、調剤録に記載しておくこと。
② 保険医療機関の記載がない場合
処方せんの交付を受けた場所を患者に確認すること。なお、処方せんの交付を受けた場所が、救護所、避難所救護センターその他保険医療機関以外の場所であることが明らかな場合は、保険調剤として取り扱えないものであること。((3)参照)

(2)患者が処方せんを持参せずに調剤を求めてきた場合については、事後的に処方せんが発行されることを条件として、以下の要件のいずれにも該当す
る場合には、保険調剤として取り扱って差し支えない。
ア 交通の遮断、近隣の医療機関の診療状況等客観的にやむをえない理由により、医師の診療を受けることができないものと認められること。
イ 主治医(主治医と連絡が取れない場合には他の医師)との電話やメモ等により医師からの処方内容が確認できること。また、医療機関との連絡が取れないときには、服薬中の薬剤を滅失等した被災者であって、処方内容が安定した慢性疾患に係るものであることが、薬歴、お薬手帳、包装等により明らかな場合には、認めることとするが、事後的に医師に処方内容を確認するものとすること。

(3)災害救助法に基づく医療の一環として、救護所、避難所救護センター等で処方せんの交付を受けたと認められる場合には、当該調剤に係る報酬は救護所の設置主体である県市町に請求するものであること。ただし、災害救助法が適用されている期間内において処方せんが交付され、調剤されたものであること。

4.定数超過入院について

(1)「厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法について」(平成 18 年3月 23 日保医発第 0323003号)の第1の3において、保険医療機関が、医療法上の許可病床数を超過して入院させた場合の取扱いに係り、「災害等やむを得ない事情」の場合は、当該入院した月に限り減額の対象としないとされているところである。
今般、被災地における保険医療機関の状況等を踏まえ、平成 30 年台風第 7号等大雨による被災者を受け入れたことにより超過入院となった保険医療機関にあっては、この規定にかかわらず、当面の間、同通知第1の2の減額措置は適用しないものとすること。

(2)(1)の場合においては、「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法」(平成 30 年厚生労働省告示第 68 号)の第4項第一号に掲げる DPC 対象の保険医療機関が医療法上の許可病床数を超過して入院させた場合の取扱いによらず、当面の間、従前の通り診断群分類点数表に基づく算定を行うものとすること。

5.施設基準の取扱いについて

(1)今般の平成 30 年台風第 7 号等大雨に伴い、被災者を受け入れたことにより入院患者が一時的に急増等し入院基本料の施設基準を満たすことができなくなる保険医療機関及び被災地に職員を派遣したことにより職員が一時的に不足し入院基本料の施設基準を満たすことができなくなる保険医療機関については、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(平成 30 年3月5日保医発 0305 第2号。以下「基本診療料の施設基準等通知」という。)の第3の1(1)の規定にかかわらず、当面、月平均夜勤時間数については、1割以上の一時的な変動があった場合においても、変更の届出を行わなくてもよいものとすること。

(2)また、平成 30 年台風第 7 号等大雨に伴い、被災者を受け入れたことにより入院患者が一時的に急増等した保険医療機関及び被災地に職員を派遣したことにより職員が一時的に不足した保険医療機関については、基本診療料の施設基準等通知の第3の1(3)及び(4)の規定にかかわらず、1日当たり勤務する看護師及び准看護師又は看護補助者(以下「看護要員」という。)の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師の数に対する看護師の比率については、当面、1割以上の一時的な変動があった場合においても、変更の届出を行わなくてもよいものとすること。

(3)上記と同様の場合、DPC対象病院について、「DPC制度への参加等の手続きについて」(平成 30 年3月 26 日保医発 0326 第7号)の第1の4(2)②に規定する「DPC対象病院への参加基準を満たさなくなった場合」としての届出を行わなくてもよいものとすること。

(4) (1)から(3)の届出を行わなくてもよいこととされた保険医療機関においては、被災者を受け入れたことにより入院患者が一時的に急増等し
たこと又は被災地に職員を派遣したことにより職員が一時的に不足したことを記録し、保管しておくこと。

(5) 被災地域以外の保険医療機関についても、(1)から(4)までを適用するものとすること。

6.訪問看護の取扱いについて

(1)訪問看護基本療養費(以下「基本療養費」という。)については、「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成 30 年3月5日保発 0305 第3号。以下「訪問看護療養費の算定方法の留意事項通知」という。)において、訪問看護指示書(以下「指示書」という。)に記載された有効期間内(6 か月を限度とする。)に行った指定訪問看護(以下「訪問看護」という。)について算定する取扱いとされているところであるが、次の①から③のいずれにも該当する場合には、当該有効期間を超えた場合であっても基本療養費を算定できるものとする。
① 平成 30 年7月5日以前に主治医の指示書の交付を受けている利用者であること。
② 医療機関等が平成 30 年台風7号等大雨に係る災害救助法の適用市町村に所在する場合であって、被災のため主治医と連絡がとれず、平成 30年7月6日以降指示書の交付を受けることが困難なこと。
③ 訪問看護ステーションの看護師等が利用者の状態からみて訪問看護が必要と判断し訪問看護を実施したこと。なお、患者が主治医と連絡が取れる目途がない場合には、速やかに新たな主治医のもとで適切な治療を続けられるような環境整備を行うよう配慮すること。

(2)訪問看護管理療養費(以下「管理療養費」という。)については、訪問看護療養費の算定方法の留意事項通知において利用者に係る訪問看護計画書及び訪問看護報告書(以下「計画書等」という。)を主治医に提出するなど計画的な管理を継続して行った場合に算定する取扱いとされているところであるが、保険医療機関等が平成 30 年台風 7 号等大雨に係る災害救助法の適用市町村に所在する場合であって、被災のため主治医と連絡がとれず、やむを得ず計画書等を主治医に提出することができない場合であっても、管理療養費の算定ができるものとすること。

(3)健康保険法上、居宅において訪問看護を行った場合に、訪問看護療養費を算定する取扱いとされているところ。被保険者が平成 30 年台風 7 号等大雨に係る災害救助法の適用市町村に所在していた場合であって、被災のため避難所や避難先の家庭等で生活している場合においても、訪問看護を行った場合にはこれを算定出来るものとすること。

(4)訪問看護ステーションは、前記(1)から(3)により訪問看護を実施した場合は、その旨を訪問看護記録書に記録しておくこと。

(5)なお、介護保険法に基づく訪問看護についても、上記と同等の取扱いとすること。

7.診療報酬の取扱いについて

Ⅰ.被災地(災害救助法の適用対象市町村をいう。以下同じ。)
問1 
日本赤十字社の救護班、DMAT(災害派遣医療チーム)やJMAT(日本医師会による災害医療チーム)などボランティアにより避難所や救護所等で行われている診療について、保険診療として取り扱うことは可能か。また、それら診療について一部負担金を患者から徴取することは可能か。

(答)
 都道府県知事の要請に基づき、日本赤十字社の救護班やDMAT、JMATなど、ボランティアが避難所等で行った医療に係る経費については、
① 薬剤、治療材料等の実費
② 救助のための輸送費や日当・旅費等の実費
などを災害救助法の補助対象としており、これを保険診療として取り扱うことはできない。したがって保険診療としての一部負担金を患者に求めることはできない。

問2 
被災地の保険医療機関の医師等が、各避難所等を自発的に巡回し、診療を行った場合、保険診療として取り扱うのか。
(答)
 保険診療として取り扱うことはできない。
(災害救助法の適用となる医療については、県市町村に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

問3 
被災地の保険医療機関の医師等が各避難所等を自発的に巡回し診療を行っている際に、訪れた避難所等において偶然、普段外来にて診療している患者の診察、処方等を行った場合は、保険診療として取り扱うのか。
(答)
 保険診療として取り扱うことはできない。
(災害救助法の適用となる医療については、県市町に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

問4 
避難所や救護所等において診察を受けて発行された処方せんによる調剤は、どのような取扱いになるか。
(答)
保険調剤として取り扱うことはできない。
(災害救助法の適用となる医療については、県市町村に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

問5 保険診療による処方せんとはどのように区別したらよいか。
(答)
災害により避難所や救護所等において発行された処方せんについては、当該処方せんに「 災 」と記されている場合もあるが、災害救助法の適用が明らかな場合は保険診療としては取り扱われないので、処方せんの交付を受けた場所を患者に確認するなど留意されたい。

問6 被災地の保険医療機関の医師等が、避難所に居住する疾病、傷病のために通院による療養が困難な患者に対して、当該患者が避難所にある程度継続して居住している場合に、定期的な診療が必要と判断され、患者の同意を得て継続的に避難所を訪問して診察を行った場合に、訪問診療料(歯科診療にあっては、歯科訪問診療料)は算定できるか。
(答)
算定できる。
なお、疾病、傷病から通院による療養が可能と判断される患者に対して訪問診療料(歯科訪問診療料)は算定できない。

問7 
問6において、同じ避難所等に居住する複数人に同一日に訪問診療を行う場合、「同一建物居住者」の取扱いとするか、「同一建物居住者以外」の取扱いとするか。同様に同じ避難所等に居住する複数人に同一日に同じ訪問看護ステーションから訪問看護を行う場合はどうか。
(答)
いずれも、同一建物居住者の取扱いとする。
なお、医科の場合にあっては、避難所等において、同一世帯の複数の患者に診察をした場合は、「同一建物居住者」の取扱いではなく、1人目は「同一建物居住者以外の場合」を算定し、2人目以降の患者については、初診料又は再診料若しくは外来診療料及び特掲診療料のみを算定すること。また、歯科の場合にあっては、同一日に診療を行う人数により、歯科訪問診療1(1 人のみの場合)、歯科訪問診療2(2 人以上 9 人以下の場合)又は歯科訪問診療3(10 人以上の場合)のいずれかにより算定する。

問8 
在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料は「単一建物居住患者の人数」により区分がなされているが、被災前から、当該管理料(平成28 年3月以前の特定施設入居時等医学総合管理料を含む)の対象となる医学管理を行っている患者が避難所に避難し、当該患者に当該医学管理を継続して行う場合、当該管理料をどのように算定することができるか。
(答)
当面、避難所においても、被災前の居住場所に応じた区分に従って、当該管理料を算定することができる。但し、避難場所が分散し、被災前の居住場所と比べ、「単一建物居住患者の人数」が減少した場合には、減少後の人数に基づいて算定できる。

問9 
避難所等に居住する患者であって、定期的に外来における診療を受けている者からの求めに応じて、当該外来による診療を行っている被災地の保険医療機関の医師等が避難所等に往診を行った場合、往診料は算定できるか。
(答)
患者が避難所等にある程度継続して居住している場合には、避難所に居住している患者であって、定期的に外来による診療を受けている者からの求めがあり、当該外来による診療を行っている被災地の保険医療機関の医師等が避難所等に赴き診療を行った場合には、往診料を算定できる。ただし、2人目以降については、往診料は算定できず、再診料の算定となる。(通常の往診料と同じ取扱い)

問10 
被災地の保険医療機関が、災害等やむを得ない事情により、医療法上の許可病床数を超過して入院させた場合などは、どの入院基本料、特定入院料を算定するのか。
(答)
 当面の間、以下の取扱いとする。
<原則>
実際に入院した病棟(病室)の入院基本料・特定入院料を算定する。
<会議室等病棟以外に入院の場合>
速やかに入院すべき病棟へ入院させることを原則とするが、必要とされる診療が行われている場合に限り、当該医療機関が届出を行っている入院基本料のうち、当該患者が入院すべき病棟の入院基本料を算定する。この場合、当該患者の状態に応じてどのような診療や看護が行われているか確認できるよう、具体的に診療録、看護記録等に記録する。なお、単なる避難所としての利用の場合は算定できない(災害救助法の適用となる医療については、県市町に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

<医療法上、本来入院できない病棟に入院(精神病棟に精神疾患ではない患者が入院した場合など)又は診療報酬上の施設基準の要件を満たさない患者が入院(回復期リハビリテーション病棟に施設基準の要件を満たさない患者が入院した場合など)した場合>
入院基本料を算定する病棟の場合
入院した病棟の入院基本料を算定する(精神病棟に入院の場合は精神病棟入院基本料を算定。)
ただし、結核病棟については、結核病棟入院基本料の注3の規定に係らず、入院基本料を算定する。
特定入院料を算定する病棟の場合
医療法上の病床種別と当該特定入院料が施設基準上求めている看護配置により、算定する入院基本料を判断すること(一般病床の回復期リハビリテーション病棟に入院の場合は 13 対1又は 15 対1の看護配置を求めていることから、地域一般入院基本料を算定。)

問11 
被災地の保険医療機関において、被災地の他の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該他の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合に、平均在院日数はどのように算定するのか。また、平均在院日数が入院基本料等の施設基準を超えた場合、特別入院基本料を算定するのか。
(答)
医療法上の許可病床数を超過して入院させた場合を含め、当該他の医療機関から転院させた患者を含めて平均在院日数を算定する。ただし、平均在院日数が入院基本料等の施設基準を超えた場合であっても、当面の間、従前の入院基本料を算定できるものとし、特別入院基本料の算定は行わないものとする。

問12 
被災地の保険医療機関において災害等やむを得ない事情により、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が入院(例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合など)した場合に、特定入院料等に規定する施設基準の要件についてどのように考えればよいか。
(答)
 被災地の保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が入院(例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合など)した場合には、当面の間、当該患者を除いて施設基準の要件を満たすか否か判断する。

問13 
被災地の保険医療機関において、被災地の他の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該他の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合に入院の日はどのように取り扱うのか。
(答)
当面の間、他の保険医療機関が当該保険医療機関と特別の関係にあるか否かにかかわらず、当該保険医療機関に入院した日を入院の日とする。

問14 
被災地の保険医療機関において、通常外来診察を行っている患者に訪問診療を行った場合に、訪問診療料(歯科診療にあっては、歯科訪問診療料)は算定できるか。
(答)
居宅で療養を行っており、疾病、傷病のために通院による療養が困難なものに対しては訪問診療料(歯科訪問診療料)を算定できるが、疾病、傷病から通院による療養が可能と判断されるものに対しては、訪問診療料(歯科訪問診療料)の算定はできない。(通常の訪問診療料等の規定のとおり)

問15 
問6、7及び14に関し、保険薬剤師が避難所又は居宅を訪問し、薬学的管理及び指導を行った場合、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できるか。
(答)
医師の指示に基づき実施した場合は算定できる。ただし、疾病、傷病から通院による療養が可能と判断される患者に対しては算定できない。
なお、同じ避難所等に居住する複数人に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う場合は、「単一建物診療患者」の人数に応じた在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定するが、同一世帯の複数の患者が避難所等に同居している場合には、患者ごとに「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する。

問16 
被災地以外の都道府県で登録した保険医が、被災地の保険医療機関で診療を行った場合、保険請求可能か。
(答)
被災地以外の都道府県で登録した保険医が被災地の保険医療機関で行った場合には、被災地において、当該保険医が保険診療に従事する被災地の保険医療機関から診療報酬の請求が行われることになる。

問17 
被災地の保険薬局において、現地での医薬品の供給不足により、調剤に必要な医薬品の在庫が逼迫している場合等やむを得ない場合には、分割調剤により対応することは可能か。この場合、保険薬局の判断で分割調剤を行うことは可能か。
(答)
被災地での医薬品の流通状況等に応じて、分割指示のない処方せんであっても、処方医へ迅速に疑義照会を行うことが難しい場合には、保険薬局の判断で分割調剤を行い、事後に報告することは差し支えない。

問18 
被災地の保険医療機関において透析設備が、今般の大雨により使用不可能となっている場合に、大雨以前から当該保険医療機関に入院し当該保険医療機関において透析を行っている患者が、真にやむを得ない事情により、透析を目的として他医療機関を受診した場合に、入院基本料、特定入院料はどのように取り扱うのか。
(答)
当面の間、被災地の保険医療機関に大雨前から継続して入院している慢性透析患者の転院を受け入れた場合であって、真にやむを得ない事情があった場合に限り、透析を目的として他医療機関受診を行った日については、入院基本料及び特定入院料の控除は行わないこととする。

問19
新たに有床義歯を製作する場合について、区分番号 M018 に掲げる有床義歯の留意事項通知(13)の「ニ その他特別な場合」に、今般の平成 30年台風7号等大雨による被災に伴い有床義歯を滅失又は破損した場合も該当するのか。
(答)
該当する。なお、この場合において、有床義歯を再製作するに当たっては、診療録及び診療報酬明細書「摘要」欄に平成30年台風7号等大雨による被災に伴う6カ月未満の有床義歯の再製作である旨を記載すること。

問20 
平成 30 年台風7号等大雨に伴い、被災地の保険医療機関において、「DPC導入の影響評価に係る調査」への適切な参加及び「データ提出加算」に係るデータ提出が困難な場合には、どのように対応すればよいか。
(答)
4~6月診療分のDPC事務局へのデータの提出期限は 7 月22日であるが、被災地の保険医療機関等において当該期限までにデータの提出が困難な場合は、7月20日までにDPC調査事務局まで連絡されたい。

問21 
被災地の保険医療機関が、災害等やむを得ない事情により患者を入院させたことにより、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2・3の患者割合を満たさなくなった場合について、入院料に規定する施設基準の規定についてどのように考えればよいか。
(答)
被災前にこれらの施設基準を満たしていた保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により患者を入院させたことにより、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度(特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料を除く)、在宅復帰率、医療区分2又は3の患者割合を満たさなくなった場合については、当面の間、直ちに施設基準の変更の届出を行う必要はない。なお、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料の治療室に、やむを得ず本来当該治療室への入院を要さない患者を入院させた場合については、当該保険医療機関の入院基本料を算定した上で、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の算出から除外する。

問22 
入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の届出を行っている被災地の保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により、入院時食事療養又は入院時生活療養の食事の療養たる提供を適時に、かつ適温で行うことが困難となった場合に、入院時食事療養費等はどのように取り扱うのか。
(答)
当面の間、従前の入院時食事療養費又は入院時生活療養費を算定できるものとする。ただし、適時かつ適温による食事の提供が困難な場合であっても、できる限り適時かつ適温による食事の提供に努めること。

Ⅱ.被災地以外
問23 
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から、医療法上の許可病床数を超過して転院の受け入れを行った場合などに、どの入院基本料、特定入院料を算定するのか。
(答)
 当面の間、以下の取扱いとする。
<原則>
実際に入院した病棟(病室)の入院基本料・特定入院料を算定する。
<医療法上、本来入院できない病棟に入院(精神病棟に精神疾患ではない患者が入院した場合など)又は診療報酬上の施設基準の要件を満たさない患者が入院(回復期リハビリテーション病棟に施設基準の要件を満たさない患者が入院した場合など)した場合>
入院基本料を算定する病棟の場合
入院した病棟の入院基本料を算定する(精神病棟に入院の場合は精神病棟入院基本料を算定。)。
ただし、結核病棟については、結核病棟入院基本料の注3の規定に係らず、入院基本料を算定する。
特定入院料を算定する病棟の場合
医療法上の病床種別と当該特定入院料が施設基準上求めている看護配置により、算定する入院基本料を判断すること(一般病床の回復期リハビリテーション病棟に入院の場合は 13 対1又は 15 対1の看護配置を求めていることから、地域一般入院基本料を算定。)

問24 
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から医療法上の許可病床数を超過して転院の受け入れを行った場合に、平均在院日数はどのように算定するのか。
(答)
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から被災の日以降に医療法上の許可病床数を超過するなどして転院の受け入れを行った場合、当面の間、当該患者を除いて平均在院日数を算定する。

問25 
被災地以外の保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が入院(例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合など)した場合に、特定入院料等に規定する施設基準の要件についてどのように考えればよいか。
(答)
被災地以外の保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が
入院(例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合など)した場合には、当面の間、当該患者を除いて施設基準の要件を満たすか否か判断する。

問26 被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合に入院の日はどのように取り扱うのか。
(答)
当面の間、被災地の保険医療機関が当該被災地以外の保険医療機関と特別の関係にあるか否かにかかわらず、当該被災地以外の保険医療機関に入院した日を入院の日とする。

問27 
被災地以外の保険医療機関において、被災地の介護施設、避難所等から入所者等の受入を行った場合、入院基本料、特定入院料等は算定できるか。
(答)
医学的判断に基づき入院が必要と判断された場合には算定できる。なお、単なる避難所としての利用の場合は算定できない(災害救助法の適用となる医療については、県市町村に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

問28 
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関に大雨前から継続して入院している慢性透析患者の転院の受け入れを行った場合に、当該受け入れを行った被災地以外の保険医療機関の透析設備の不足等真にやむを得ない事情により、当該患者が透析を目的として他医療機関を受診した場合に、入院基本料、特定入院料はどのように取り扱うのか。
(答)
患者に必要な医療を提供可能な保険医療機関に転院することを原則とする。ただし、被災地の保険医療機関に大雨前から継続して入院している慢性透析患者の転院を受け入れた場合であって、真にやむを得ない事情があった場合に限り、当面の間、透析を目的として他医療機関受診を行った日については、入院基本料及び特定入院料の控除は行わないこととする。

問29 被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行ったことにより、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2・3の患者割合を満たさなくなった場合について、どう考えればよいか。
(答)
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合にあっては、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2又は3の患者割合について、当面の間、被災地から受け入れた転院患者を除いて算出することができる。ただし、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料の治療室に、被災地の保険医療機関から転院の受け入れにより、やむを得ず当該治療室への入院を要さない患者を入院させた場合については、当該保険医療機関の入院基本料を算定した上で、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の算出から除外する。