コンタクトレンズを付けたまま目薬をさしてはいけない、というのはよく耳にする話しだと思います。
目薬に含まれる成分が、コンタクトレンズに空いている目に見えない小さな孔に蓄積され、ゆっくりと角膜を傷つけてしまうから、ダメなのです。
これはわかりやすいですね。
参考:目薬とコンタクトレンズのはなし(YG研究会)
ところで、飲み薬にもコンタクトレンズに影響があるものが報告されているのをご存知でしょうか。
飲み薬がコンタクトレンズに与える影響は以下の3つです。
①コンタクトレンズを使用している場合、角膜上皮の障害があらわれるおそれがある。
②ソフトコンタクトレンズが着色することがある。
③コンタクトレンズがうまく調整されないため、視力・視野の変化、装用時の不快感等がみられる。
①コンタクトレンズを使用している場合、角膜上皮の障害があらわれるおそれがある飲み薬
イミプラミン塩酸塩
イミドール糖衣錠 トフラニール錠
クロミプラミン塩酸塩
アナフラニール錠/点滴静注液
マプロチリン塩酸塩
ルジオミール錠
三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬の一部では、コンタクトレンズ使用により角膜に傷が入りやすい状態になってしまうことがあります。
これは、抗うつ薬の副作用である抗コリン作用により涙の分泌が減ってしまうことによります。いわゆるドライアイの状態になりやすく、それに気づかずコンタクトレンズを装着してしまうと角膜上皮障害をおこすリスクが高まります。
これらリスクのあるお薬を飲む場合は、コンタクトレンズは控えメガネにするほうが良いでしょう。どうしてもコンタクトレンズを使用する場合は、ドライアイにならないように目のケア(ドライアイ用の目薬を点眼する、コンタクトレンズの使用期限を守るなど)が必要です。
②ソフトコンタクトレンズが着色することがある飲み薬
サラゾスルファピリジン
サラゾピリン錠/坐剤
リファブチン
ミコブティンカプセル
リファンピシン
リファジンカプセル
薬の成分により、汗や尿などの体液が着色してしまうものがあります。涙も着色してしまう場合があり、着色した涙を吸着したコンタクトレンズが変色する可能性があります。
対策としては、コンタクトレンズをやめてメガネにするのが手っ取り早いです。しかし、コンタクトレンズを使うのであれば、1Dayや2Weekタイプにして頻回に使い捨てるほうが良いでしょう。また、孔がたくさんあいているソフトコンタクトレンズは吸着しやすいので、吸着しにくいハードコンタクトレンズへ変更することも考えられます。
③コンタクトレンズがうまく調整されないため、視力・視野の変化、装用時の不快感等がみられる飲み薬。
デソゲストレル・エチニルエストラジオール錠ファボワール錠
マーベロン
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠
ヤーズフレックス配合錠
ヤーズ配合錠
ノルエチステロン・エチニルエストラジオール錠
オーソ777-21錠
オーソM-21錠
シンフェーズT28錠
フリウェル配合錠
ルナベル配合錠
レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠
アンジュ
トリキュラー
ラベルフィーユ
原因はよくわかっていませんが、ピル(経口避妊薬)を服用すると角膜の厚さが変化することがあるようで、そこにコンタクトレンズを装着すると目に違和感を覚えたり、不快感が見られます。
実際、ピルを服用されている方から、「目がかすむ」「目がぼやける」「コンタクトが合わない」などの訴えはよくききます。
対策は、メガネに変えることくらいしかありません。コンタクトレンズを使用しても良いですが、ホルモンの影響により涙液が減少してドライアイを起こしている可能性もありますので、ドライアイのケアを必ず行うようにしましょう。