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2018年2月10日土曜日

プロ・バンサイン錠 貯法変更の理由




『プロ・バンサイン錠』の貯法が2018年3月から「室温保存」から「2~8℃」に変更となるようです。
https://pfizerpro.jp/documents/osip/OSIP1802001.pdf

1日3回飲む薬で、毎回冷蔵庫から取り出すのは面倒ですね。
薬局で保管するのにも場所を多くとってしまいそうで大変です。

理由は品質保持のためとのことですが、
詳しくはどういう理由、経緯なのでしょうか。


プロ・バンサインは1976年に発売された古い薬です。
安定性に関する試験の条件もその当時のものでありファイザー社では再度、現代の基準(ICHガイドライン)にのっとり試験を行うことにしました。

2010年から気温25℃、湿度60%RHにおいて3年間の長期保存試験を行った結果、。
試験終了時の2013年に上記条件下において類縁物質の増加が認められました。

昔の基準では問題なかったのですが、ICHガイドラインの条件では不適合であったのです。
なぜ、この時点で、室温保存の条件を見直さなかったのでしょうか。

ファイザー社曰く、
ICHガイドラインの適応対象は新医薬品であり、適応対象を新医薬品以外にも拡大するのか否かは厚生労働医薬食品局が判断することになっていたため、当局へ相談したところ、変更等必要ない旨の回答があったからだそうです。

しかし、2011年に溶出性試験不適合で自主回収を実施していますが、保存条件の影響を否定できないことや、今後ICHガイドラインの適応対象が新医薬品以外にも拡大する可能性もあることから、今回の貯法変更に至ったというわけです。


プロ・バンサインは冷蔵庫などで保存しましょう。


冷所(1~15℃以下)保存ではありません。
2~8℃保存です。
プロ・バンサインを処方された患者さんは冷蔵庫等で保存されることをオススメします。
服用直前に冷蔵庫から取り出してください。


もし、室温で保管したら・・・


現時点では考えられる可能性として
・類縁物質の増加
・溶出の遅延が起きる可能性

上記リスクはありますが、重篤な健康被害が発生する可能性はないと考えられます。