2018年2月28日水曜日

平成30年度診療報酬改定 調剤基本料

平成30年度 調剤基本料 フローチャート


調剤基本料では、⼤型の門前薬局について更なる評価の⾒直しが⾏われました。また、同様に医薬品の備蓄等の効率性も考慮し、いわゆる同一敷地内薬局の評価が見直されました。

ポイントとしては、調剤基本料2の対象が拡大しました。特定の保健医療機関の処方箋受付回数が4000枚を超えると集中率は低くても基本料2となってしまいます。その受付回数数え方も少し変わり、医療ビルやクリニックモールなど薬局と同一建物内に複数医療機関が存在する場合それら医療機関の処方箋は合算して回数を算出することになりました。また、大病院の前などに複数同一グループの薬局を展開している場合など、集中率の高い医療機関が同じになることが想定されますが、そのような場合も合算した受付回数となります。
調剤基本料3ではグループの受付回数の多寡で細分化され、集中率のハードル85%超となり対象が拡大しています。
敷地内薬局に関しても明確化がなされ、いわゆる病院との不動産賃借関係がある場合で集中率95%以上であれば特別調剤基本料を算定することになります。

さらに、今回の改定から後発品割合が著しく低い薬局には基本料が減点される制度が導入されます※。
今後は減点を回避するハードルがあがっていくことが予想され、後発品体制加算のアメがなくなってムチだけ残るという未来も想定できます。

※【経過措置】平成30年9月30日まで適用しない

【2018.03.05追記】
処方箋集中率の算出に当たり同一グループの保険薬局の勤務者及びその家族の処方箋は、除外します。


算定要件・施設基準など読んだだけではややこしいので、表にまとめてみました。



1 調剤基本料1 41点

【調剤基本料1】
調剤基本料2、調剤基本料3のイ、調剤基本料3のロ又は調剤基本料の注2の(1)に該当しない保険薬局であること

[調剤基本料の注1ただし書きに規定する施設基準]
次のすべてに該当する保険薬局であること。
イ 「基本診療料の施設基準等」(平成 20 年厚生労働省告示第 62 号)の別表第六の二に規定する地域に所在すること。
ロ 当該保険薬局が所在する特定の区域内において、保険医療機関数(歯科医療を担当するものを除く。)が 10 以下であって、許可病床数 200 床以上の保険医療機関が存在しないこと。ただし、特定の保険医療機関に係る処方箋の調剤割合が7割を超える場合であって、当該保険医療機関が特定区域外に所在するものについては、当該保険医療機関を含むものとする。
ハ 処方箋受付回数が一月に 2,500 回を超えないこと。


2 調剤基本料2 25点

【調剤基本料2】
イ 以下のいずれかに該当する保険薬局。ただし調剤基本料3のイ、調剤基本料3のロ又は調剤基本料の注2の(1)に該当する保険薬局を除く。
①(略)
② 処方箋の受付回数が1月に2,000回を超えること(特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が8割5分を超える場合に限る。)
③ 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(当該保険薬局の所在する建物内に複数保険医療機関が所在する場合にあっては、
当該保険医療機関からの処方箋を全て合算した回数とする。)が月 4,000回を超えること
④ 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一グループに属する他の保険薬局において、保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が最も高い保険医療機関が同一の場合は、当該他の保険薬局の処方箋の受付回数を含む。)が月4,000回を超えること

3 調剤基本料3
イ 同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業上、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下この表において同じ。)20点
ロ 同一グループの保険薬局による処方箋受付回数40万回を超える場合 15点

【調剤基本料3のイ】
同一グループの保険薬局における処方箋受付回数の合計が1月に4万回を超えて、40 万回以下のグループに属する保険薬局のうち、以下のいずれかに該当する保険薬局。ただし、調剤基本料3のロ又は調剤基本料の注2の(1)に該当する保険薬局を除く。
① 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が8割5分を超える保険薬局
②(略)
【調剤基本料3のロ】
同一グループの保険薬局における処方箋受付回数の合計が1月に40 万回を超えるグループに属する保険薬局のうち、以下のいずれかに該当する保険薬局。ただし、調剤基本料の注2の(1)に該当する保険薬局を除く。
① 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が8割5分を超える保険薬局
②(略)

注2 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、注1本文の規定にかかわらず、特別調剤基本料として、処方箋の受付1回につき10点を算定する。

[調剤基本料注2に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局]
次のいずれかに該当する保険薬局であること。
(1) 病院である保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局であって、当該病院に係る処方箋による調剤の割合が9割5分を超えること。
(2) 調剤基本料1、2、3のイ及び3のロのいずれにも該当しない保険薬局

注3 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。

[調剤基本料の注3に規定する保険薬局]
次のいずれかに該当する保険薬局であること
(1) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率に係る状況について、地方厚生局長等に定期的に報告し、妥結率が5割以下であること。
(2) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、地方厚生局長等に定期的に報告していない保険薬局であること。
(3) 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局。ただし、処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局を除く。


注6 後発医薬品の調剤に関して別に厚生労働大臣が定める保険薬局において調剤した場合には、所定点数から2点を減算する。ただし、処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局を除く。

[調剤基本料の注6に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局]
次のいずれかに該当する保険薬局であること。
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が2割以下であること。ただし、当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く。
(2) (1)に係る報告を地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること。