2018年2月1日木曜日

居宅療養管理指導(薬局関連) 平成30年度介護報酬改定


居宅療養管理指導が訪問人数等に応じた評価へ見直されます。

平成29年度までは「同一建物居住者」の患者か否かで点数が異なっていました。
「同一建物居住者」とは同じ建物(集合住宅、高齢者住宅や施設)に同じ日に訪問した患者のことを指します。

平成30年度の改定では、「単一建物居住者」の人数によって訪問時の点数が変わってきます。
「単一建物居住者」とは訪問した建物内において、当該訪問月に診療した人数のことです。訪問等が「同一日」か否かは関係ありません。

 同一建物居住者と単一建物居住者の違い
<同一建物居住者>
当該利用者と同一建物に居住する他の利用者に対して指定居宅療養管理指導事業所の医師等が同一日に訪問診療、往診又は指定居宅療養管理指導を行う場合の当該利用者

<単一建物居住者>
当該利用者が居住する建築物に居住する者のうち、当該指定居宅療養管理指導事業所の医師等が、同一月に訪問診療、往診又は指定居宅療養管理指導を行う場合の当該利用者



例)同じマンションに住むAさんとBさんを薬局の薬剤師が訪問するケース
【改定前】
AさんとBさんを別々の日に訪問した場合では、どちらも「同一建物居住者」とは見なされませんので503単位算定できました。
AさんとBさんを同一日に訪問した場合「同一建物居住者」となり352単位算定できました。

【改定後】
今回の改定における「単一建物居住者」(1か月当たりに、同じ建物に居住する何人の患者を訪問しているか)を当てはめると、別々の日にAさんとBさんを訪問した場合でも、同じ日に訪問した場合でも、同様に2人と扱われ、算定できるのは376単位となります。



また、離島や中山間地域等の要支援・要介護者に対する居宅療養管理指導の提供を行った場合の加算が新設されました。
特別地域加算
=所定単位数の100分の15(新設)
中山間地域等における小規模事業所加算
=所定単位数の100分の10(新設)
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算
=所定単位数の100分の5(新設)

○特別地域加算:
離島振興法、奄美群島振興開発特別措置法、山村振興法、小笠原諸島振興開発特別措置法、沖縄振興特別措置法等に定める地域に所在する事業所が居宅サービスを行うことを評価するもの

○中山間地域等における小規模事業所加算:
※2:特別地域加算対象地域以外の地域で、豪雪地帯対策特別措置法、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律、
半島振興法、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律、過疎地域自立促進特別措置法に定める地域における小規模事業所(1月当たり延訪問回数が50回以下の指定居宅療養管理指導事業所、5回以下の指定介護予防居宅療養管理指導事業所)が居宅サービスを行うことを評価するもの

○中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算:
特別地域加算、中山間地域等における小規模事業所加算の対象地域に居住している利用者に対し、通常の事業の実施地域を越えて居宅サービスを行うことを評価するもの


注1 在宅の利用者であって通院が困難なものに対して、指定居宅 療養管理指導事業所の薬剤師が、医師又は歯科医師の指示(薬局の薬剤師にあっては、医師又は歯科医師の指示に基づき、当該薬剤師が策定した薬学的管理指導計画)に基づき、当該利用者を訪問し、薬学的な管理指導を行い、介護支援専門員に対する居宅サービス計画の策定等に必要な情報提供を行った場合に、単一建物居住者(当該利用者が居住する建築物に居住する者のうち、当該指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が、同一月に指定居宅療養管理指導を行っているものをいう。)の人数に従い、1月に2回(薬局の薬剤師にあっては、4回)を限度として、所定単位数を算定する。ただし、薬局の薬剤師にあっては、別に厚生労働大臣が定める者に対して、当該利用者を訪問し、薬学的な管理指導等を行った場合は、1週に2回、かつ、1月に8回を限度として、所定単位数を算定する。

2 (略)

(新設)別に厚生労働大臣が定める地域に所在する指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が指定居宅療養管理指導を行った場合は、特別地域居宅療養管理指導として、1回につき所定単位数の100分の15に相当する単位数を所定単位数に加算する。

(新設) 別に厚生労働大臣が定める地域に所在し、かつ、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合する指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が指定居宅療養管理指導を行った場合は、1回につき所定単位数の100分の10に相当する単位数を所定単位数に加算する。


※ 別に厚生労働大臣が定める施設基準の内容は次のとおり。指定居宅療養管理指導における指定居宅サービス介護給付費単位数表の居宅療養管理指導費のイ⑴及び⑵の注4、ロ⑴から⑶までの注3、ハ⑴及び⑵の注4、ニ⑴から⑶までの注3並びにホ⑴から⑶までの注3に係る施設基準
(略) 
ハ 薬剤師が行う指定居宅療養管理指導の場合にあっては、一月当たり延べ訪問回数が五十回以下の指定居宅療養管理指導事業
所であること。
 
(略)

(新設) 指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が、別に厚生労働大臣が定める地域に居住している利用者に対して、通常の事業の実施地域(指定居宅サービス基準第90条第5号に規定する通常の事業の実施地域をいう。)を越えて、指定居宅療養管理指導を行った場合は、1回につき所定単位数の100分の5に相当する単位数を所定単位数に加算する。