テラジアパスタ5%が販売中止となるようです。
https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2017/1710stop_thr_oin5.pdf
販売中止時期2018年3月
経過措置期間2019年3月末まで(予定)
テラジアパスタはサルファ剤のスルファジアジン(sulfadiazine)を水溶性軟膏基剤マクロゴールに配合した皮膚疾患用外用剤です。
発売は1953年です。65年の節目に販売中止となります。
テラジアパスタは皮膚の表在性化膿性疾患や褥瘡の感染制御に用いられています。
皮膚表在性化膿性疾患の大部分は黄色ブドウ球菌が原因であるため、これに感受性の強いスルファジアジンを含むテラジアパスタが主流でした。
しかし、耐性菌の出現、過敏症の発現頻度が高いなどの理由で、最近では外用抗菌薬にその座を奪われてしまいました。このような使用頻度の低下が販売中止の理由と考えられます。
テラジアパスタの代替品
褥瘡の感染制御に使用している場合注意が必要です。
同じ感染制御に用いスルファジアジンを含む『ゲーベンクリーム』を選択しがちですが、基剤が異なるため創面の湿潤環境によっては不適切な場合があります。
吸水性基剤であるテラジアパスタは慢性潰瘍の初期で滲出液が多い場合に用いられます。一方、保水性基剤であるゲーベンクリームは水分含有率が高いため乾燥した創に適しています。
テラジアパスタを使用するような褥瘡であれば、吸水性基剤かつ感染制御に優れたものとして『カデックス軟膏』や『ユーパスタコーワ軟膏』が代替候補となります。
褥瘡治療に使う外用剤:目的と基剤 |
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/74/2/74_128/_pdf
皮膚の表在性化膿性疾患に使用している場合、
外用抗菌薬が代替として考えられます。
テトラサイクリン系
- アクロマイシン軟膏
- テラマイシン軟膏
アミノグリコシド系
- ゲンタシン軟膏
- バラマイシン軟膏
クロラムフェニコール
- クロロマイセチン軟膏
フシジン酸ナトリウム
- フシジンレオ軟膏
ニューキノロン系
- アクアチム軟膏1%/クリーム1%
- ゼビアックスローション2%
ただし、上記抗菌薬も耐性菌の出現が問題になっています。
そのため抗菌薬は全身療法にとどめるべきで、外用に対しては否定的な意見もあります。