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2017年12月14日木曜日

卵アレルギーでもインフルエンザワクチンを接種できますか?





日本で接種されるインフルエンザワクチンはニワトリの卵を使って増殖させたインフルエンザウイルスを原材料として製造されています。
したがって、鶏卵アレルギーの人は接種を受ける際には注意が必要です。
近年はワクチンが高度に精製されているので、鶏卵由来成分の残存は極微量です。しかし、これによるアレルギー症状が稀に起こることがあります。

医師はインフルエンザに罹った場合のリスクと鶏卵アレルギーの程度によりワクチン接種に伴う副反応とのバランスを考慮し、接種を判断します。


卵を原料に使っていないインフルエンザワクチンはないのか?


日本で承認・製造されている季節性インフルエンザワクチンは鶏卵による培養で作成したワクチンしかありません。(2017年時点)

海外に目を向けてみると、卵を使わな季節性インフルエンザワクチンが使用されています。
その1例として、アメリカの『FLUCELVAX QUADRIVALENT』を紹介します。


FLUCELVAX QUADRIVALENTとは


FLUCELVAX QUADRIVALENTは鶏卵培養ではなくMDCK細胞(イヌの腎臓尿細管上皮細胞)等を用いた「細胞培養」技術によって作られた4価インフルエンザワクチンです。

もともとFLUCELVAXは製薬メーカーのノバルティスによって、アメリカ食品医薬品局 (FDA) の承認を受け、現在ではCSLベーリング傘下のSeqirusが販売しています。

このワクチンは4歳以上から接種可能です。
4歳から8歳までには1回0.5mLを1~2回投与します。2回投与する場合は1回目から4週間間隔をあけます。
9歳以上には0.5mLを1回投与します。

副作用としては接種部の痛み‐発赤・頭痛・疲労感があるようですが、鶏卵ワクチンと同程度です。

包装は0.5mLのシングルドーズシリンジと5mLのバイアルがあります。

FLUCELVAX QUADRIVALENT添付文書
https://www.fda.gov/downloads/BiologicsBloodVaccines/Vaccines/ApprovedProducts/UCM502899.pdf

FLUCELVAXを日本で接種するためには、個人輸入による方法しかありませんが、、医薬品等の個人輸入については、通常、メリットよりも危険性(リスク)のほうが大きい場合が多いと考えられます。
そうした外国製品によって不利益を被るのは、それを購入・使用するあなた自身や、あなたの家族であることに留意して下さい。

医薬品等を海外から購入しようとされる方へ(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html
医師・歯科医師による医薬品等の個人輸入について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/0104/dl/tp0401-1c.pdf