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2017年11月22日水曜日

サーカネッテン配合錠の販売中止と代替品




サーカネッテン配合錠が販売中止となるようです。

サーカネッテン配合錠 販売中止のご案内(日本新薬)
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/official/medicine/news/20171120_sales_stop.pdf

経過措置期間2018年3月末日(見込)

サーカネッテン配合錠は飲む痔の薬です。
黒光りした錠剤が特徴的でした。

痔核の症状(出血、疼痛、腫れ、かゆみ)を和らげる成分のパラフレボンに便通をよくするための三種類の下剤(センナ末、イオウ、酒石酸水素カリウム)を少量ずつ配合した薬剤です。

1965年から50年以上日本人のお尻を守ってきました。

基本的に痔疾患の治療は坐剤や軟膏による局所療法であり、薬を減らそうという世の流れの中、内服の痔疾患治療薬は市場が縮小していくと考え販売中止の選択をとったのかもしれません。

NDBオープンデータ(平成27年度)では内服の痔疾用剤では第2位の使用量でした。
年間2千万錠近く処方されていた薬です。影響は小さくなさそうです。
ちなみに1位はヘモナーゼ配合錠でした。


サーカネッテン配合錠の代替品


サーカネッテン配合錠と同一の成分を配合した薬剤はありません。
つまり、サーカネッテンの特徴の、1錠で痔の炎症も抑えかつ便を柔らかくすることを期待できる薬は残念ながらなくなってしまいました。

サーカネッテン配合錠の代わりとなる肛門周囲の血流循環を改善し痔を小さくしたり炎症を抑えたりする飲み薬は以下のとおりです。

ヘモナーゼ配合錠
ブロメライン
トコフェロール酢酸エステル

ワルファリンなどの抗凝固剤の作用を増強することがあるためそれらと併用する際は注意が必要です。

タカベンス錠25mg
メリロートエキス
有効成分メリロートエキスは、マメ科の植物メリロート草の花、葉から抽出したエキスで毛細血管透過性亢進抑制作用、抗炎症作用があります。

ヘモクロンカプセル200mg
トリベノシド
循環障害改善作用、抗浮腫作用がります。
ワルファリン(クマリン系抗凝固剤)の作用を増強することがあるので注意が必要です。

ヘモリンガル舌下錠0.18mg
静脈血管叢エキス
有効成分は雑食動物の静脈叢を加水分解して得た乾燥エキスで、主成分はポリペプチド。
しかも舌下錠です。有効成分は口腔粘膜より吸収され、肝臓で代謝を受けずに直接痔疾患部へ到達するようです。

静脈血管叢エキスを成分とする一般用医薬品には
小林製薬の『ヘモリンド舌下錠』があります。


2017年11月7日火曜日

ケナログ口腔用軟膏 0.1%販売中止と代替品




ケナログ口腔用軟膏 0.1%が販売中止となるようです。

ケナログ口腔用軟膏 0.1% ケナログ A 口腔用軟膏 販売中止のご案内(ブリストル・マイヤーズ)
http://file.bmshealthcare.jp/bmshealthcare/pdf/info/News_KL1710.pdf

販売中止予定時期
2018 年 6 月
経過措置期間満了日(予定)
2019 年 3 月末日



ケナログ口腔用軟膏 0.1%はトリアムシノロンアセトニドを有効成分とする口内炎治療薬です。
トリアムシノロンアセトニドはプレドニゾロンの誘導体の一つで、9α位にフッ素、16α位に水酸基が置換された合成副腎皮質ホルモンです。
ケナログ口腔用軟膏とし1965年に輸入承認を得て翌年から発売開始されました。

ゼラチン、プルラン、カルメロースナトリウム、ゲル化炭化水素(ポリエチレン , 流動パラフィン)を混合した基剤を使用し、歯肉、口腔粘膜など湿潤創傷面を保護し、湿潤した粘膜面への優れた接着性を特徴としています。


2009年には一般用の「ケナログ A 口腔用軟膏」をスイッチOTCとして発売していました。

この度、医療用、一般用共に販売中止となりました。


ケナログ口腔用軟膏の代替品


同一成分では

  • オルテクサー口腔用軟膏0.1%

があります。

ステロイドの口腔用軟膏にはデキサメタゾン軟膏の

  • デキサルチン口腔用軟膏1mg/g
  • アフタゾロン口腔用軟膏0.1%
  • デルゾン口腔用軟膏0.1%

があります。


一般用医薬品で口内炎を効能効果とする
トリアムシノロンアセトニド製剤は以下のとおりです。

  • アフタガード
  • オノフェ口内炎軟膏
  • オルテクサー口腔用軟膏
  • オロファニック口腔用軟膏
  • クリアガード口腔用軟膏  
  • 口内炎軟膏大正クイックケア
  • トラフル軟膏PROクイック
  • ラウマー口内炎軟膏

厚労省「オンジ製剤は認知症の治療または予防に効果なし」





2017年10月31日厚生労働省はオンジ製剤について「認知症の予防や治療に対する効果は認められていない」と通知を出し注意喚起しました。

オンジ製剤には以下のような商品があります。

  • キオグッド(ロート製薬/森下仁丹)
  • 「クラシエ」オンジエキス顆粒(クラシエ)
  • ワスノン(小林製薬)
  • アレデル(クラシエ薬品)
  • キノウケア(日本薬師堂)
  • メモリーケア(大正製薬)


オンジ製剤の不適切広告事例の注意喚起


また、通知の中で、オンジ製剤の不適切広告事例について「厳に慎むこと」と注意喚起しています。

オンジ製剤「中年期以降の物忘れの改善」という効能効果は、これまでOTC漢方薬(イスクラ心脾顆粒、ウチダの帰脾湯)で認めてきた「健忘」と変わるものではなないということが明記されています。


以下の表現は効能・効果の範囲を超えると暗示させるため使用できません。

  • 「脳機能の活性化」
  • 「脳神経細胞の増加や再生」
  • 「脳全体が活性化する」
  • 「すでに忘れてしまった記憶をよみがえらせる」


インターネットや店頭POPなどで、このような表現を使用することは
医薬品医療機器等法第66条に抵触する恐れがありますので注意しましょう。

さらに
認知症の治療または予防に用いる医薬品ではない旨の記載の付記または標榜を必ず行うこと
と通知には明記されています。


【参考】
「一般用医薬品及び指定医薬部外品の広告基準等の見直し」について(平成29年6月22日
厚生労働省)
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20170622/170622iryou05.pdf


2017年11月2日木曜日

フェナゾックスカプセル 50mg販売中止と代替品




フェナゾックスカプセル 50mgが販売中止となるようです。

フェナゾックスⓇカプセル 50mg製造販売中止のご案内
http://www.meiji-seika-pharma.co.jp/medical/news/pdf/fenazox_20171002.pdf

最終出荷予定は2018 年 8 月頃です。

フェナゾックスカプセルはフェニル酢酸系NSAIDsのアンフェナクナトリウムを成分とする消炎鎮痛剤です。

アンフェナクナトリウムは米国 A.H.Robins 社によって創生されました。
明治製菓株式会社(現 Meiji Seika ファルマ株式会社)が国内における開発権を取得し1985年8月フェナゾックスカプセルとして販売を開始しました。

フェナゾックスカプセルはジクロフェナクナトリウム、インドメタシンに比べ、消化管障害作用は比較的弱いことが売りでした。
また最高血中濃度到達時間は30分でありジクロフェナクナトリウムの120分と比べ吸収が速く連続投与でも蓄積性のないことが特徴でした。

薬理試験ではアンフェナクナトリウムはジクロフェナクナトリウムよりも強い鎮痛効果を有することが認められていましたが、臨床ではジクロフェナクと同程度の効果という実感でした。

薬価もジクロフェナクやインドメタシンより高く、メーカも販売に力入れていないようで、あまり使用されていませんでした。


ちなみに、アンフェナクといえば誘導体のネパフェナクが点眼薬として使用されています。


フェナゾックスカプセルの代替品


同じフェニル酢酸系NSAIDsのジクロフェナク代替となります。

同効薬としてインドメタシン、ロキソプロフェンナトリウムやナプロキセンがあります。

2017年11月1日水曜日

トクレス スパンスルーカプセル販売中止と代替品





トクレス スパンスルーカプセルが販売中止となるようです。

トクレス®スパンスールカプセル30mg  販売中止予定のご案内(大日本住友製薬)
https://ds-pharma.jp/product/kaitei/pdf/hanbaityuusi/2017/toclase_src_tyushi_201711.pdf

2018年2月頃出荷終了予定とされています。
経過措置期間は不明です(2017年11月時点)。


トクレスは咳反射を抑制することで咳を抑える鎮咳薬として使用されていました。
成分であるペントキシベリンクエン酸塩は 1956 年ベルギーUCB 社で開発された鎮咳剤です。
日本では住友製薬(現 大日本住友製薬)が導入し、1963 年に「トクレス散」を発売しましたが、長時間有効性が持続する製剤の開発が望まれ、1967 年に徐放性製剤「トクレススパンスールカプセル」を発売しました。

発売50年の節目に、販売中止となりました。

トクレススパンスールカプセルは
緑のクリアカプセルと中身のツブツブが、ポップでキュートな感じが特徴です。
ツブツブが徐放性の正体なのですが、この徐放システムを『スパンスル』といいます。

スパンスルはコーティング層の厚さを変えて放出時間に差をもたせた顆粒が充填されたカプセル剤のことをいいます。

インテバンSPやヒポカカプセルもスパンスル型です。

特徴のある薬がなくなるのは寂しいですね。


トクレス スパンスルーカプセルの代替品


トクレスと全く同じ効能の鎮咳薬はありませんが、メーカーはアスベリンとメジコンを代替品として案内しています。

ちなみに第二回NDBオープンデータによると日本で一番処方されている鎮咳薬は『メジコン15mg』でした。



カンジダ膣炎の治療に使う膣錠には何があるの?使い方は?



アデスタン膣錠 供給遅延(2018年10月)
https://pharma-navi.bayer.jp/omr/online/notice_info/ADG_PNS_201810020_1538024103.pdf
エンペシド腟錠が一時供給停止となったようです。(2017年11月)
http://pharma-navi.bayer.jp/omr/online/notice_info/EMP100mg_171018_1508466692.pdf


カンジダ腟炎は
カンジダという真菌(カビ)の仲間によっておきる腟炎のことです。
カンジダ自体は消化管や皮膚などにいつもいる菌なので、カンジダがいただけではカンジダ症とは診断できません。症状があってはじめてカンジダ症ということができます。

症状はカッテージチーズのような下り物や酒粕のような下り物がみられ、強いかゆみがあることです。人によっては痛痒いこともあります。


カンジダ膣炎の治療では抗真菌薬の腟錠を使用します。



1日に1錠挿入し6日間続ける腟錠と、
1週間に1錠挿入するタイプがあります。
1週間後効果の確認を行い症状が軽快していない場合にさらに追加できます。

基本的には1日1回タイプを使用しますが、通院困難な場合には週1回投与のものを使います。治療効果は1日1回タイプのほうが優れているとされています。

膣内にうまく挿入できないと途中で落下してしまうケースも有り、週1回投与の場合には十分な効果が発揮できないこともあります。


膣剤の正しい投与の方法


手をきれいに洗い、しゃがんで腟錠を指先で、膣のできるだけ奥の方に挿入します。
陰部も清潔で手もキレイになっている入浴後に投与するのがおすすめです。



挿入が浅いと落ちてきてしまうことがあるので、指の第二関節くらい挿入しましょう。
からだに力が入っていると挿入しづらくなることがあるのでリラックスした状態で行いましょう。