ロヒプノールが販売中止となるようです。
【製造販売中止のご案内】「ロヒプノール錠1、錠2、静注2mg」(エーザイ)
https://medical.eisai.jp/news/products/pdf/KK1361AKI.pdf
販売中止時期は2018年8月を予定。
経過措置期限2019年3月末日を予定しているそうです。
ロッシュの睡眠薬(hypnotics)だからロヒプノール
『ロヒプノール』の成分であるフルニトラゼパムは、ホフマン・ラ・ロッシュ 社で開発された一連のベンゾジアゼピン系化合物のひとつで、ニトラゼパムを1-メチル化し、5位ベンゼン環のオルト位にフッ素基をつけたものです。
ニトラゼパムとフルラゼパムの両方の作用を備え筋弛緩作用と睡眠活性が強力になっています。
日本では 1983 年に承認され、1984 年に発売に至っています。
そのとき、日本国内での開発を日本ロッシュとエーザイが行っていたことから、ロッシュ販売品を『ロヒプノール』、エーザイ販売品を『サイレース』として、同一成分なのに販売メーカーで名称が異なる、現場泣かせのお薬が誕生しました。
ちなにみ
それぞれの薬の名前の由来ですが
- ロッシュの睡眠薬(hypnotics)でロヒプノール
- 鎮静(silent)のエース(ace)でサイレース
だそうです。
その後
ロヒプノールを販売していた日本ロッシュは中外製薬と合併し、日本国内では中外製薬が2002年から製造販売を行っていました。
そして
2017年4月中外製薬は、ロヒプノールの製造販売承認をエーザイに承継し販売移管を行いました。
http://medical.eisai.jp/news/products/pdf/KK1328AKI.pdf
これにより、エーザイ1社でロヒプノールとサイレースという名称の異なる同じ成分の薬を販売するという効率の悪い状態になってしまいました。
この非効率を改善するため、サイレースを残しロヒプノールを販売中止にするという措置に至ったのだと考えられます。
ロヒプノールは年間1億錠以上も使用されていた
フルニトラゼパムはベンゾジアゼピン系の中では強力な睡眠薬であり、ベゲタミンよりも人気がありました。マイスリーと肩を並べるほどです。
ロヒプノールとサイレースではどちらが売れているのでしょうか。平成27年度のNDBオープンデータによると、ロヒプノールがよく使用されているようです。(概算:1億1千万錠/年)
これだけ処方されている薬の販売中止となると、様々な影響が予想されるため早めの連絡となったのだと推察されます。
ただ、よく売れているロヒプノールブランドの方を残してほしかった・・・。
ロヒプノールの代替品
ロヒプノールの代替品はサイレース。
成分も添加物も同じです。違うのは包装と刻印だけ。
安心して使用できます。
繰り返しますが、
ロヒプノールとサイレースは全く同じものです。