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2017年8月1日火曜日

テオフィリン製剤のちがい




一般名処方で『テオフィリン』をみると、身構えてしまいますよね。
先発品名はすぐに出てきますか?違いが説明できますか?

実習生に対してはとても良い教材になります。

と、いうわけで
テオフィリン製剤の一般名処方とそれに対応する先発品とその特徴をまとめました。
一部後発品の特徴もまとめています。


テオフィリン製剤のちがい


テオドール (田辺三菱) 【先発品】
錠剤・顆粒剤・ドライシロップ・シロップがあり、剤形が豊富です。
1回投与で12~24時間持続する優れた徐放性により安定したテオフィリン血中濃度推移を示し、薬剤の血中濃度を24時間一定に保つRTC療法に適しています。
気管支拡張作用と抗炎症作用を併せ持つことが知られています。
シロップやドライシロップは血中動態において食事の有無の影響を受けにくく、苦味がなく、pHの影響を受けにくいのが特徴です。

テオロング  (エーザイ)【後発品】
使いやすさを徹底して追及した国産のテオフィリン徐放製剤。
徐放化皮膜でコーティングされているので約8時間にわたりテオフィリンが徐々に溶け出します。溶出速度はpHの影響をほとんど受けないとされています。
先発品と思われがちですが、実はテオドールの後発品です。

スロービッド(サンド)【後発品】
12時間かけて放出される徐放性製剤です。
1日2回投与で日内変動が少なく、安定した血中濃度が得られます。
テオドールの後発品ですが、先発品にはない剤形であるカプセル剤があります。
100mgと200mgのカプセルは先発品より薬価が高いため、診療報酬上の後発品には該当しません。

ユニフィルLA/ユニコン錠(大塚/日医工)【先発品】
24時間効果持続型の1日1回投与の徐放性製剤です。
深夜から早朝にかけての喘息症状の悪化と早朝の呼吸機能の落込みの改善に対し有用性が認められています。
スイスのムンディファーマが開発したものを日医工と大塚製薬が共同で開発したものです。そのため名前は違えども同じものです。ユニコン錠は日医工が販売しているため後発品と間違われやすいですが先発品です。

一般名と先発品・後発品の関係
★:先発より薬価の高い後発 先:先発品 後:診療報酬上の後発品


【般】テオフィリン徐放顆粒20%
(先)テオドール顆粒20%
「後」スロービッド顆粒20%

【般】テオフィリン徐放顆粒50%
「後」テオロング顆粒50%

【般】テオフィリン徐放錠50mg(12~24時間持続)
(先)テオドール錠50mg
「後」テオフィリン徐放錠50mg「ツルハラ」
「後」テオフィリン錠50mg「TYK」
「後」テオフィリン徐放錠50mg「サワイ」
「後」テオフィリン徐放錠50mg「日医工」
「後」テオロング錠50mg

【般】テオフィリン徐放錠100mg(12~24時間持続)
「★」テオロング錠100mg
(先)テオドール錠100mg
「後」チルミン錠100mg
「後」テオフィリン錠100mg「TYK」
「後」テオフィリン徐放錠100mg「サワイ」
「後」テオフィリン徐放錠100mg「日医工」 

【般】テオフィリン徐放錠200mg(12~24時間持続)
「★」テオロング錠200mg
(先)テオドール錠200mg
「後」チルミン錠200mg
「後」テオフィリン錠200mg「TYK」
「後」テオフィリン徐放錠200mg「サワイ」
「後」テオフィリン徐放錠200mg「日医工」 

【般】テオフィリン徐放錠200mg(24時間持続)
(先)ユニコン錠200
(先)ユニフィルLA錠200mg
「後」テオフィリン徐放U錠200mg「トーワ」

【般】テオフィリン徐放錠400mg(24時間持続)
(先)ユニコン錠400
(先)ユニフィルLA錠400mg
「後」テオフィリン徐放U錠400mg「トーワ」

【般】テオフィリン徐放錠100mg(24時間持続)
(先)ユニコン錠100
(先)ユニフィルLA錠100mg
「後」テオフィリン徐放U錠100mg「トーワ」

【般】テオフィリン徐放カプセル50mg(12~24時間持続)
「後」スロービッドカプセル50mg

【般】テオフィリンシロップ用20%
(先)テオドールドライシロップ20%
「後」テルバンスDS20%
「後」テオフィリンドライシロップ20%「タカタ」
「後」テオフィリン徐放ドライシロップ小児用20%「サワイ」
「後」テオフィリン徐放DS小児用20%「トーワ」
「後」テオフィリン徐放ドライシロップ小児用20%「日医工」