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2017年2月6日月曜日

アデロキザール散7.8%販売中止と代替品





補酵素型ビタミンB6製剤「アデロキザール散7.8%」(ゾンネボード製薬)が販売中止のようです。
1966年に発売され、50年間にわたり日本人の栄養不足を補うため活躍してくれました。

http://www.zonnebodo.co.jp/webXALtyuusi2016.pdf

2017年に製造を中止し、在庫限りの流通となります。
経過措置期間満了日は2020年3月末を予定しています。


アデロキザール散7.8%の代替品


ビタミンB6製剤には、『ピリドキシン塩酸塩製剤』、『ピリドキサールリン酸エステル製剤』、『リン酸ピリドキサールカルシウム製剤』の3つがあります。

アデロキザール散7.8%は『リン酸ピリドキサールカルシウム製剤』に該当します。

同効薬には『ピリドキサールリン酸エステル製剤』のピリドキサール錠が該当します。後発品も含め錠剤しかありません。しかも腸溶錠のため吸収速度が異なっており、アデロキザールに比べゆっくり吸収されます。

類似薬には『ピリドキシン塩酸塩製剤』のピリドキシン塩酸塩原末「マルイシ」があります。しかし、アトピー性皮膚炎と尋常性ざ瘡の適応がありません。さらに、上記と同様に、吸収速度が遅いという相違点があります。
※ゾンネボード製薬のピリドキシン塩酸塩製剤アデロキシン散10%も販売中止


代替品を選択する場合は、ビタミンB6の吸収速度と適応に留意する必要があります。


【参考】
ピドキサール錠の粉砕可否とアデロキザール散
https://yakuza-14.blogspot.jp/2015/06/blog-post_5.html



スルピリン水和物原末の販売中止と代替品





ピラゾロン骨格を母体とした解熱鎮痛剤をピリン系解熱鎮痛剤といいます。
ピリン系解熱鎮痛剤にはスルピリン、アンチピリン、アミノピリン、イソプロピルアンチピリンがあります。

「スルピリン」は古く解熱薬として用いられてきました。
急性上気道炎、いわゆるカゼの熱冷ましとして処方されていました。
最近では、その処方量もかなり減ってきています。


それが原因かどうかは不明ですが、
2016年ごろから、製薬メーカー各社はスルピリンの販売を中止しています。

メチロン原末と聞くと懐かしい人もいるのではないでしょうか。メチロンは2010年に販売中止しています。


販売中止のお知らせ(丸石製薬)
http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/item/100/other/news.pdf?1483661867

販売中止のご案内(健栄製薬)
http://www.kenei-pharm.com/cms/wp-content/uploads/2017/01/6512be361c5970785840d5862b2edc59.pdf

販売中止のお知らせ(吉田製薬)
http://www.yoshida-pharm.jp/files/information/164.pdf

販売中止のご案内(日興製薬株式会社)
http://www.nikko-pharm.co.jp/DI/di151119.pdf

販売中止のご案内(日本新薬株式会社/シオエ製薬株式会社)
http://www.sioe-pharm.co.jp/products/pdf/seihin160609.pdf


代替品


「スルピリン」と同じ効能又は効果が添付文書に記載されている薬剤をお示しします。
(2017年1月時点)

「スルピリン」効能効果
下記疾患の解熱
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)


一般名 商品名 会社名

アスピリン
「純生」アスピリン 日興製薬販売 
小堺製薬 
アスピリン「バイエル」 バイエル薬品 
アスピリン「ホエイ」 マイラン製薬 
ファイザー 
アスピリン「ヤマゼン」 山善製薬 
アスピリン「日医工」 日医工 
アスピリン原末「マルイシ」 丸石製薬 
アスピリン「ケンエー」 健栄製薬 
アスピリン「メタル」 中北薬品 
アスピリン「ヨシダ」 吉田製薬 
アスピリンシオエ シオエ製薬 
日本新薬 

アセトアミノフェン
アセトアミノフェン 小野薬品工業 
製造東洋製薬化成 
アセトアミノフェン「JG」原末 日本ジェネリック 
長生堂製薬 
アセトアミノフェン「ファイザー」原末 マイラン製薬 
ファイザー 
アセトアミノフェン「ヨシダ」 吉田製薬 
アセトアミノフェン原末「マルイシ」 丸石製薬 
アセトアミノフェン<ハチ> 健栄製薬 
東洋製薬化成 
カロナール原末 あゆみ製薬 
ピレチノール 岩城製薬 
アセメタシン錠 ランツジールコーワ錠30mg 興和株式會社 
興和創薬 
イブプロフェン製剤 ブルフェン錠100
ブルフェン錠200
ブルフェン顆粒20%
科研製薬 
インドメタシンカプセル インドメタシンカプセル25「イセイ」 コーアイセイ 
ジクロフェナクナトリウム錠 ボルタレン錠25mg ノバルティスファーマ 

スルピリン
スルピリン「東海」 東海製薬 
スルピリン「三恵」 三恵薬品 
スルピリン「ケンエー」 健栄製薬 
スルピリン水和物「ヨシダ」 吉田製薬 
スルピリン水和物原末「ニッコー」 中北薬品 
日興製薬 
スルピリン水和物原末「マルイシ」 ニプロ 
丸石製薬 
スルピリン水和物 シオエ製薬 
日本新薬 
チアプロフェン酸製剤 スルガム錠100mg
スルガム錠200mg

製造サノフィ 
プラノプロフェン錠 ニフラン錠75mg 田辺三菱製薬 
フルフェナム酸アルミニウム製剤 オパイリン錠125mg
オパイリン錠250mg
大正富山医薬品 
製造大正製薬 
メフェナム酸製剤 ポンタールカプセル250mg
ポンタール錠250mg
ポンタール散50%
ポンタール細粒98.5%
ポンタールシロップ3.25%
第一三共 
ファイザー 
ルメンタールカプセル250mg 福地製薬 
ロキソプロフェンナトリウム ロキソニン錠60mg
ロキソニン細粒10%
第一三共 

2017年2月2日木曜日

筋注可能な抗生剤一覧




高齢者は血管が細いので頻回に注射をすると血管がつぶれてなくなってしまいます。
場所がわからなくなります。
基本的には筋肉注射です。

抗生物質は静注投与がほとんどですが、筋注投与可能な製剤も幾つか存在します。


アミノグリコシド系抗生物質製剤

アミカシン硫酸塩注射用100mg「日医工」
アミカシン硫酸塩注射用200mg「日医工」
アルベカシン硫酸塩注射液200mg「ケミファ」
アルベカシン硫酸塩注射液25mg「HK」
アルベカシン硫酸塩注射液75mg「HK」
アルベカシン硫酸塩注射液100mg「HK」
アルベカシン硫酸塩注射液200mg「HK」
アルベカシン硫酸塩注射液25mg「テバ」
アルベカシン硫酸塩注射液75mg「テバ」
アルベカシン硫酸塩注射液100mg「テバ」
アルベカシン硫酸塩注射液200mg「テバ」
アルベカシン硫酸塩注射液75mg「ケミファ」
アルベカシン硫酸塩注射液100mg「ケミファ」
イセパシン注射液200
イセパシン注射液400
エクサシン注射液200
エクサシン注射液400
ゲンタシン注10
ゲンタシン注40
ゲンタシン注60
トブラシン注60mg
トブラシン注90mg
トブラシン注小児用10mg
パニマイシン注射液50mg
パニマイシン注射液100mg
ハベカシン注射液25mg
ハベカシン注射液75mg
ハベカシン注射液100mg
ハベカシン注射液200mg
ビスタマイシン筋注500mg
ビスタマイシン筋注1000mg
注射用パニマイシン100mg
硫酸カナマイシン注射液1000mg「明治」
硫酸ストレプトマイシン注射用1g「明治」

カルバペネム系抗生物質製剤

チエナム筋注用0.5g

セファマイシン系抗生物質製剤

セフメタゾン筋注用0.5g

合成セファロスポリン製剤

セファメジンα筋注用0.25g
セファメジンα筋注用0.5g
セファメジンα注射用0.25g
セファメジンα注射用0.5g
セファメジンα注射用1g
セファメジンα注射用2g

セフェム系抗生物質

クラフォラン注射用0.5g
クラフォラン注射用1g
セフォタックス注射用0.5g
セフォタックス注射用1g
セフォビッド注射用1g
セフォペラジン注射用1g
パンスポリン筋注用0.25g
ベストコール筋注用0.5g

ペニシリン系抗生物質製剤

ビクシリン注射用0.25g
ビクシリン注射用0.5g
ビクシリン注射用1g
ビクシリン注射用2g
注射用ペニシリンGカリウム20万単位
注射用ペニシリンGカリウム100万単位
合成ペニシリン製剤
ピペユンシン注射用1g
ピペユンシン注射用2g
ピペラシリンNa注射用1g「SN」
ピペラシリンNa注射用2g「SN」
ピペラシリンNa注射用1g「サワイ」
ピペラシリンNa注射用2g「サワイ」
ピペラシリンNa注射用1g「テバ」
ピペラシリンNa注射用2g「テバ」
ピペラシリンNa注用1g「トーワ」
ピペラシリンNa注用2g「トーワ」
ピペラシリンナトリウム注射用1g「日医工」
ピペラシリンナトリウム注射用2g「日医工」
ペントシリン注射用1g
ペントシリン注射用2g

複合ペニシリン系抗生物質製剤

注射用ビクシリンS100
注射用ビクシリンS500
注射用ビクシリンS1000

モノバクタム系抗生物質製剤

アザクタム注射用0.5g
アザクタム注射用1g

抗結核抗生物質製剤

ツベラクチン筋注用1g

その他

ダラシンS注射液300mg
ダラシンS注射液600mg
リンコシン注射液300mg
リンコシン注射液600mg
リンコシン注射液1g
リンコシン注射液1.5g
トロビシン筋注用2g


フォルテオのカートリッジに入っている黒い線はデザインではなかった




3週間前にフォルテオの皮下注射を始められた患者さん。
「あと1週間打たないといけないけど、残りこれだけで足りるの?」と注射を見せて言うのです。
ゴムピストンが3本目の黒い線にかかっているところでした。
これなら、残り1週間分は残っています。

・・・

フォルテオのカートリッジホルダーにはおおよその残量を示す目安として黒い線が3本入っています。投与を開始するとゴムピストンがカートリッジの先端方向に徐々に移動していきます。それぞれの線はおよそ1週間分を示しています。





フォルテオは28日用です。
そのため使用開始日より28日を超えて使用することはできませんので注意しましょう。
投与開始日記入シールも薬局で準備しています。

もし薬液が残っていたとしても使用開始28日を過ぎていたら使用することはできません。


2017年2月1日水曜日

エンシュアとエンシュアHのちがい




簡潔に言うと
エンシュア・Hはエンシュア・リキッドを1.5倍濃縮したものです。

1缶(250mL)あたりのエネルギー量、成分量が増えています。

濃縮している分、エンシュア・Hのほうが浸透圧が高くなっており、また粘度も高くなっています。

味の種類もちがいます。エンシュア・Hにはバナナ味,黒糖味,メロン味が揃えられており味のラインナップが豊富です。




包装が違う同じになりました

エンシュア・リキッド(250mL)24缶
エンシュア・リキッド(500mL,500kcal)12バッグ

エンシュア・H(250mL)24缶

エンシュア・リキッドにはバッグ製剤があります。ありました。2017年販売中止となりました。あわせてエンシュア・リキッド500mL専用アダプターも販売終了します。


禁忌が違う


エンシュア・リキッドでは設定されておらず、エンシュア・Hのみに設定されている禁忌として、以下の患者への投与が挙げられます。
たん白質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎,ネフローゼ、腎不全末期の患者
悪心,嘔吐,下痢を合併している心不全患者


効能又は効果がちがう


エンシュア・リキッド
一般に,手術後患者の栄養保持に用いることができるが,特に長期にわたり,経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する.

エンシュア・H
一般に,手術後患者の栄養保持に用いることができるが,特に長期にわたり,経口的食事摂取が困難で,単位量当たり高カロリー(1.5kcal/mL)の経腸栄養剤を必要とする下記の患者の経管栄養補給に使用する.
1.水分の摂取制限が必要な患者(心不全や腎不全を合併している患者など)
2.安静時エネルギー消費量が亢進している患者(熱傷患者,感染症を合併している患者など)
3.経腸栄養剤の投与容量を減らしたい患者(容量依存性の腹部膨満感を訴える患者など)
4.経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい患者(口腔外科や耳鼻科の術後患者など)

エンシュア・リキッドは1kcal/mLに調整されていて、幅広い病態時の栄養管理を目的に使用されています。エンシュア・Hは水分摂取を制限された患者さんや病状回復に高カロリーが必要な患者さん、投与中の拘束時間を短縮したい患者さんなど、高濃度に濃縮された製剤が必要な人に使用されています。