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2016年11月14日月曜日

アーガメイトは食前や食後に服用しないといけないのか





「アーガメイトは食事のカリウムを吸着させないといけないから、食前投与のほうがいいですよね?」
と、勘違している人がいます。


ネットの情報でも空腹時に飲んでも意味がないなどのデタラメな情報も確認できました。注意しましょう。


結論は、アーガメイトは食事に関係なくいつでも服用できます。



アーガメイト(ポリスチレンスルホン酸カルシウム)の作用機序


アーガメイト(ポリスチレンスルホン酸カルシウム)は腎不全に伴う高カリウム血症改善薬です。

アーガメイトの作用機序は、消化・吸収されることなく結腸付近で、ポリスチレンスルホン酸カルシウムのカルシウムイオンと腸管内のカリウムイオンが交換され、ポリスチレンスルホン酸樹脂としては何ら変化をうけることなしにそのまま糞便中に排泄されます。その結果、腸管内のカリウムは体外へ除去され、血清カリウム値が低下します。



アーガメイトが食事に関係なくいつでも服用できる理由


体内のカリウム排泄機構には2つあります。腎臓で尿中に排泄される出口と結腸上皮から糞便中に排泄される機構です。


腎障害の方で、カリウムの腎排泄がうまくいかない人は、大腸から排泄する機構が代償的に発達しています。



大腸でのカリウム排泄は電気化学的勾配に沿った受動輸送です。腸管のカリウムは血中カリウムと常に平衡状態を保っています。
アーガメイトのようなイオン交換樹脂を投与すると、大腸内で陽イオン交換によってカリウムが樹脂に吸着され、樹脂とともに糞便と一緒に体外へ排泄されます。

すると、大腸内のカリウム濃度が低下して、さらなるカリウム排泄が可能となります。
アーガメイトを連日投与することにより、大腸内へのカリウム排泄が連続的に行われ、高カリウム血症が改善します。

このようにアーガメイトは大腸からの排泄を促すものであり、食事中のカリウムを吸着することがメインの作用ではありません。


アーガメイトの服用は食後でもかまいませんし空腹時でもかまいません。