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2016年11月5日土曜日

クレストールと制酸剤は併用注意。では、リバロは?



クレストールが投与されていた患者さん。

クレストールからリバロへ変更されていました。

理由は、酸化マグネシウムが追加になったからです。


クレストール(ロスバスタチン)にはマグネシウムなどの制酸剤と相互作用を起こし、吸収が低下してしまうため併用注意となっています。

クレストールの添付文書や酸化マグネシウムの添付文書に記載がされています。

<クレストール>
併用注意
 制酸剤
  水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム
臨床症状・措置方法
 本剤の血中濃度が約50%に低下することが報告されている。本剤投与後2時間経過後に制酸剤を投与した場合には、本剤の血中濃度は非併用時の約80%であった。

<酸化マグネシウム>
併用注意
 ロスバスタチン

 これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。
 機序不明

マグネシウムなどの制酸剤との相互作用について、
クレストール(ロスバスタチン)以外のストロングスタチンは影響があるのでしょうか?



メバロチン(プラバスタチン)

日本の添付文書には記載はありませんが、海外の添付文書にはマーロックス(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム)との相互作用の報告があります。
血中濃度が約35%低下しましたが、LDLコレステロール低下作用に影響は及ぼさなかったというものです。


リピトール(アトルバスタチン)

日本の添付文書には記載はありませんが、海外の添付文書にはマーロックス(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム)との相互作用の報告があります。
血中濃度が約35%低下しましたが、LDLコレステロール低下作用に影響は及ぼさなかったというものです。


リバロ(ピタバスタチン)

日本および海外での報告はありませんでした。


クレストール、メバロチンそしてリピトールと制酸剤における相互作用のメカニズムはよく分かっていませんが、キレート作用が一因にあると考えられています。

リバロと制酸剤の相互作用は報告がないだけで、マグネシウムとキレートを起こす可能性はゼロではありません。

しかし、臨床的に影響があるかどうかもわからないので、定期的にコレステロール値を確認し、影響がありそうであれば投与時間をずらすなどの措置を講じることを考える必要があります。