第一世代抗ヒスタミン薬のベナ錠(ジフェンヒドラミン塩酸塩)が販売中止となるようです。
経過措置期間満了予定2017年3月31日
「ベナ錠1mg」販売中止のご案内
http://medinfo-sato.com/update/pdf/160829_venen_vena_pappen.pdf
ベナ錠はエタノールアミン系のジフェンヒドラミン塩酸塩水和物を成分とする第一世代抗ヒスタミン薬です。
1950年から販売されている歴史の古い薬です。
興和創薬のレスタミンコーワと同一成分で一物二名称として販売されていました。
第一世代抗ヒスタミン薬は中枢神経抑制作用が強いので、自動車の運転や機械操作に従事する職業の人には使用しません。
アレルギー性鼻炎のくしゃみや、鼻水に対して即効性があり有用性は高いようですが、鼻づまりにはほとんど効果がないとされています。
蕁麻疹診療ガイドラインやアトピー性皮膚炎診療ガイドラインにおいて第二世代抗ヒスタミン薬が推奨されたり、第一世代抗ヒスタミン薬は抗コリン作用があり緑内障や前立腺肥大などの下部尿路閉塞のある患者さんには使いにくかったりするため、次第に処方される機会は減ってきました。
ただし、授乳婦にも比較的安全な薬として妊娠と薬情報センターにも掲載されており、偶に使用されることがありました。
最近では、強力なヒスタミンH1受容体拮抗作用による抗嘔吐作用を利用し、抗癌剤による吐き気の副作用対策として使われるようになっていました。
ベナ錠の代替品
一物二名称のレスタミンコーワが代替品となります。