虫よけの有効成分としてもっとも広く使われているのはディート(DEET)と呼ばれるものです。
日本においてはディート含有率 12%までのエアゾール、ウエットシート、ローション又はゲルを塗るタイプなどが一般用医薬品又は医薬部外品として承認され市販されています。
年齢に応じた用法・用量や使用上の注意を守って適正に使用します。
小児(12歳未満)に使用する場合には、保護者等の指導監督の下で顔以外の部分に使用します。
また、6か月未満の乳児には使用できません。
生後6か月以上2歳未満は1日1回、2歳以上12歳未満は1日1~3回の回数を目安に使用します。
このように、6か月未満の赤ちゃんや、子どもの顔に使うことのできる虫よけはありませんでした。
6ヶ月未満の赤ちゃんにも安心して使える虫よけが登場
イカリジンという成分が新たな虫よけとして認可されました(2015年)
このイカリジンを主成分とする虫よけが発売されました。(2016年)
ディートは子どもへの使用に際して上記のような制限がありますが、本剤の使用に際しては特に年齢制限は設けられていません。
ディートには独特のにおいがあり、まれに皮膚や粘膜の炎症を引き起こす副作用があったり、プラスチックや合成繊維を腐食する影響があるとされています。
一方、イカリジンはディートとはちがい、ほとんど臭いがなく、合成樹脂に対する影響もディートより少ないとされています。
イカリジンを主成分とする虫よけはヨーロッパ及びオーストラリアなど54カ国以上で既に市販されています。
イカリジンの作用機序
蚊などの虫は、ヒトから発せられる二酸化炭素や熱や汗などの誘引物質を感じて、近寄ってきます。
イカリジンは虫の感覚器官へ働きかけ、誘引物質を感じさせなくします。さらに、運動活性も抑制することで虫が寄り付きにくくなります。
イカリジンの有効性
蚊、ブヨ、アブそしてマダニに対しては、5%エアゾール剤使用後6時間まで100%の虫除け効果が得られたというデータが有ります。これは10%ディート製剤と同程度の結果でした。
イエダニやサシバエについては試験を行っていないため有効性は不明です。
イカリジン製剤はズボンの上からでも効果があります
効力を実証する試験では、実用性を考えてズボンの上から薬剤を塗布していて、その効果も実証済みです。
イカリジン製剤の安全性
目に入ると刺激があることが知られています。
そのため、眼や口の周り、粘膜や傷口などの肌の弱い部分には使用しないようにしましょう。
万が一かかった場合は直ちに水でよく洗えば問題ありません。
イカリジン製剤の一例
大日本除虫菊 (2016-03-08)
売り上げランキング: 1,123
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フマキラー (2016-03-08)
売り上げランキング: 11,671
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売り上げランキング: 3,172
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[効能効果]
蚊成虫、ブヨ、アブ、マダニの忌避
[用法用量]
缶をよく振って、肌から約10cm話して、適量を肌の露出面にまんべんなくスプレーする。顔、首筋には、手のひらに一度スプレーしてから肌に塗布する。