ボノサップパックは、ヘリコバクター・ピロリ感染症に対する除菌療法に使用する薬剤です。
強力かつ持続的な酸分泌抑制作用を示すタケキャブ錠を含めた3剤を1日服用量として1シートにまとめて包装した製品です。
ボノサップパック400と800のちがいは抗生物質の量
ボノサップパック400
タケキャブ錠20mg :2錠
アモリンカプセル250:6カプセル
クラリス錠200 :2錠
アモリンカプセル250:6カプセル
クラリス錠200 :2錠
ボノサップパック800
タケキャブ錠20mg :2錠
アモリンカプセル250:6カプセル
クラリス錠200 :4錠
アモリンカプセル250:6カプセル
クラリス錠200 :4錠
抗生物質であるクラリス錠の数がちがいます。
ボノサップパック800のほうが1日量が多いです。
こうみると、ピロリ菌を殺す抗生物質が多いほうが効果があるように考えてしまいがちですが、実は効果に差はありません。
ボノサップパック400でも800でも同じくらいの除菌率です。
クラリスロマイシンは苦味が強く、苦味が胃から吸収されてに唾液に溶けて出やすく、800のほうが顕著にその苦味が感じられます。
除菌を成功するためには、いかに7日間飲み続けるかが鍵なのです。
飲みやすいボノサップパック400のほうが主流として使われると考えられます。
他のピロリ除菌製剤であるランサップ400と800では喫煙者と非喫煙者でその効果が変わるというデータが有ります。
ランサップ400を用いた場合の除菌率
非喫煙者:94% 喫煙者:80%
ランサップ800を用いた場合の除菌率
非喫煙者:91% 喫煙者:92%
喫煙者の患者さんではランサップ800を用いることがありました。
詳しいデータはありませんが、ボノサップパックでも800のほうが喫煙者には適しているかもしれません。
ボノサップとランサップのちがい
抗生物質がピロリ菌に効果を示すためには、胃の酸性度pHを弱めなければなりません。
そのためには胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプインヒビター(PPI)という薬が使用されます。
ボノサップとランサップはPPIと抗生物質1日分を1シートにまとめた薬です。
そのちがいは、PPIのちがいです。
ボノサップ・・・タケキャブ(ボノプラザン)
ランサップ・・・タケプロン(ランソプラゾール)
ボノプラザンの酸分泌抑制効果はランソプラゾールより強力で、除菌効果も大きく凌駕する結果が出ています。
出典:インタビューフォーム |
一次除菌率
ボノサップ・・・92.6%
ランサップ・・・75.9%
二次除菌率
ボノピオン・・・98.0%
また、抗生物質であるクラリスロマイシン(クラリス錠)が効きにくくなっている耐性ピロリ菌に対する除菌率ではボノサップはランサップより高い除菌率を維持しました。
ボノサップ・・・82.0%
ランサップ・・・40.0%
関連:
タケキャブとタケプロンのちがい
https://yakuza-14.blogspot.jp/2015/01/blog-post.html