2016年4月5日火曜日

平成28年度診療報酬改定 30日を超えて薬をもらえなくなったのか



患者さんが、「この4月から30日以上処方できなくなった」と病院で言われたとおっしゃっていました。


「30日以上処方できなくなった」のではなく「30日以上処方するためには条件ができた」というのが正確です。



平成28年の診療報酬改定において、予見することができる必要期間に従った投薬量が適切に処方されるよう、取扱いの明確化を図るため、30日を超える長期の投薬については、条件が設定されました。


医者が30日以上処方するためには、以下が確認されなければなりません。
  • 病状が安定しているか。
  • 患者が飲み忘れなく、薬の服薬管理ができるか。
  • 病状が悪化した際の、連絡先を教えているか。


医療機関側は、30日以上投薬する場合は、上記確認事項を確認した旨をレセプトのコメント欄及び処方せん備考欄に記載しておく方が、保険診療上よいと思われます。




F100 処方料
医師が処方する投薬量については、予見することができる必要期間に従ったものでなければならず、30日を超える長期の投薬を行うに当たっては、長期の投薬が可能な程度に病状が安定し、服薬管理が可能である旨を医師が確認するとともに、病状が変化した際の対応方法及び当該保険医療機関の連絡先を患者に周知する。
なお、上記の要件を満たさない場合は、原則として次に掲げるいずれかの対応を行うこと。

ア 30日以内に再診を行う。 
イ 200床以上の保険医療機関にあっては、患者に対して他の保険医療機関(200床未満の病院又は診療所に限る。)に文書による紹介を行う旨の申出を行う。 
ウ 患者の病状は安定しているものの服薬管理が難しい場合には、分割指示に係る処方せんを交付する。