前立腺肥大症はもともと尿が出にくくなる排尿障害が主症状としてあるのですが、まれに尿意切迫とか過活動膀胱の症状を合併することがあります。
おしっこに行きたくても、出ない。出ないけど尿意はある。辛いですね。
前立腺肥大に伴う排尿障害にはα1遮断薬のタムスロシンが、過活動膀胱にはベタニス(ミラベグロン)が併用処方されることがあります。
これらの併用はどの程度のエビデンスがあるのでしょうか。
タムスロシンを8週間投与され、過活動膀胱症状が残ってしまった前立腺肥大症の患者に対し、タムスロシン0.2mg単独投与群と、タムスロシン0.2mg+ミラベグロン50mg併用群に分けて比較した小規模RCT試験があります。
併用群は単独群と比較してOABSSの合計スコアおよび尿意切迫感スコア、IPSSの蓄尿スコア、頻尿スコアおよびQOLスコアの有意な改善を認めました。
Ichihara K,et al.A randomized controlled study of the efficacy of tamsulosin monotherapy and its combination with mirabegron for overactive bladder induced by benign prostatic obstruction.J Urol. 2015 Mar;193(3):921-6.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25254938
8週間以上タムスロシンを服用している男性過活動膀胱患者にミラベグロンを追加投与し、尿流動態検査を用いて評価した試験があります。
結果は追加投与により膀胱容量が優位に増加するとともに排尿筋過活動も改善しました。
Wada N,et al. Urodynamic Efficacy and Safety of Mirabegron Add-on Treatment with Tamsulosin for Japanese Male Patients with Overactive Bladder.LUTS 2015,
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/luts.12091/abstract