2016年1月から骨粗鬆症学会ホームページでPDFファイルをダウンロードできます。
http://www.josteo.com/ja/index.html
前回のガイドライン発表の2011年から4年経っての大幅改訂です。
今回の改訂の目玉は、前回のガイドライン以降に発売された治療薬がどのような位置づけとして評価されたかというものです。
前回のガイドライン以降に発売された治療薬は、ビスホスホネート薬のボンビバ、副甲状腺ホルモン薬のテリボン、抗LANKL抗体薬のプラリアです。
2015年版ガイドラインには、骨粗鬆症治療薬の有効性評価一覧が掲載されています。
これは、2011年版ガイドラインの骨粗鬆症治療薬の推奨グレード一覧から変更されたものです。
2011年版では骨密度や各骨折に対しての治療薬の推奨度をA~Dで分類していました。
これが、2015年版では改められ、骨密度上昇効果と骨折発生抑制効果に関して治療薬の有効性をA~Cの3段階で評価しています。
推奨度ではなく、薬剤に関する有効性の評価に変わりました。
骨密度上昇効果
評価A
上昇効果がある評価B
上昇するとの報告がある評価C
上昇するとの報告はない
骨折発生抑制効果
評価A
抑制する評価B
抑制するとの報告がある評価C
抑制するとの報告はない
ここまで、明瞭に評価されると、評価Aは使いやすいですし、評価Cには使用を躊躇しそうです。
注目の薬剤の位置付けは、
ボンビバは、骨密度の上昇効果や背骨の骨折抑制には有効性がありますが、その他骨折の抑制報告はないようです。
テリボンは、 骨密度の上昇効果や背骨の骨折抑制には有効性がありますが、 その他骨折の抑制報告はないようです。
フォルテオでは非椎体骨折抑制の報告があるので、 同じ副甲状腺ホルモン薬でも有効性が異なるようです。
プラリアは骨密度の上昇効果およびすべての骨折に対して抑制するとの報告があるようです。
大腿骨近位部骨折を抑制する、とされた治療薬はプレマリンとボナロンやベネットそしてプラリアです。
大腿骨近位部骨折は寝たきりの原因となり得るもので、高齢化がすすむ中、予防をしていかなければなりません。
手軽で安価なビスホスホネートのボナロンやベネットですが、飲み忘れや飲み方が難しいという声も聞かれます。
プラリアは高価ですが、6ヶ月に1回の注射で済みます。
在宅や施設などで頻回の通院が困難な場合もあり、6ヶ月に1回というのは助かります。
今後も注目されていく薬剤となるでしょう。
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