ピドキサール錠の粉砕の可否はケースバイケースです。
ピドキサール錠は、ピリドキサールリン酸エステル水和物(PLP)を製剤化したもので、活性型ビタミンB6として効果を発揮します。
ピドキサール錠は腸溶錠です。
腸溶錠にしている理由は、腸で溶けてゆっくりと吸収させるためです。
※酸に不安定であるということはありません。
ピドキサール錠を粉砕してしまうと腸溶コーティングが剥がれてしまいます。
よって、期待される吸収が変わってしまうのです。
しかし、より速やかな吸収を望む場合には粉砕することがあります。
粉砕する場合の注意点
ピリドキサールリン酸エステルは光に不安定です。
光、1000Lux/hrの条件で5日程度で含量が規格外になってしまうくらい光に不安定です。
遮光をしていれば、粉砕状態で4週間程度は若干色みが変わる程度で含量については安定ではないかといわれています(メーカー談)
ピリドキサールリン酸エステルの散剤はないのでしょうか?
ゾンネボート製薬のアデロキザール散7.8%があります。
アデロキザール散7.8%はピリドキサールリン酸エステル水和物として 1g 中 78mg 含有しています。
ピリドキサールリン酸エステル水和物のカルシウム塩の散剤です。
ピドキサール錠とは異なり、速やかな吸収を目的に開発されました。
ピドキサール錠からアデロキザール散に切り替える際や、その逆を行う場合は、吸収に違いがあることを理解しておきましょう。
PN・HCl(ピリドキシン塩酸塩) PLP・Ca(アデロキザール散) PLP腸溶錠(ピドキサール錠) |
アデロキザール散は服用後30分で血中VB6濃度がMaxになり、吸収が早いのがわかります。
一方、ピドキサール錠は投与3時間後にピークがきており腸で溶けてゆっくり吸収されているのがわかります。
追記:
アデロキザール散が2017年3月をもって供給停止されるようです。
[今週の話題]活性型ビタミンB6散剤が2017年3月で供給停止の波紋/小児てんかん患者にとって深刻な問題:医師のための専門情報サイト[MT Pro]
ピドキサール錠を粉砕する場合は上記に気をつけてください。