2015年5月21日木曜日

肝臓病とかゆみ


慢性肝炎、肝硬変そして難病指定の原発性胆汁性肝硬変の患者さんの多くに、かゆみを訴えられる方がいらっしゃいます。

このかゆみは抗ヒスタミン薬などがほとんど効かない「難治性のそう痒症」といわれています。


難治性のそう痒症を患っている患者さんは、居ても立ってもいられないかゆみに悩まされ、生活の質は低下し、肉体的・精神的にボロボロになってます。


肝臓病の患者さんのうちどのくらいの割合でかゆみを感じておられるのでしょうか?


日本肝臓病患者団体協議会が肝炎患者さんに行ったアンケートによると、22.4%の方がかゆみを感じておられるという結果でした。




肝炎患者の生活実態と意見(日本肝臓病患者団体協議会)
http://homepage2.nifty.com/t73/_src/sc1566/ankeito.pdf


かゆみで眠れないから困るんです!


アメリカの患者団体の調査によると、原発性胆汁性肝硬変患者さんの半数がかゆみを感じておられ、そのかゆみを感じておられる方の4人に3人が、かゆみによって睡眠が妨げられているという結果が明らかにされました。

Rishe E, Azarm A, Bergasa NV. Itch in primary biliary cirrhosis: a patients' perspective. Acta Derm Venereol. 2008; 88 (1): 34-7
http://www.medicaljournals.se/acta/content/?doi=10.2340/00015555-0350


また、原発性胆汁性肝硬変患者さんや肝硬変の患者さんは、他の健康な方と比べて寝る時間が遅く、さらに入眠までにかかる時間が有意に延長していることが報告されています。

この要因の一つに、「かゆみ」があるのではないかと示唆されています。

Montagnese S, Nsemi LM, Cazzagon N, et al. Sleep-wake profiles in patients with primary biliary cirrhosis. Liver Int 2013; 33:203-9
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/liv.12026/abstract;jsessionid=4B72E6811D817043D9893E0E2A7A7024.f02t03





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