ソバルディは2015年3月に承認されました。
セログループ 2のC型肝炎治療薬です。
ソバルディは単独で使用するのではなく、リバビリン製剤のコペガスと併用します。
ソホスブビル(ソバルディ) の活性代謝物であるウリジン三リン酸体は、C型肝炎ウイルスのNS5Bポリメラーゼを阻害します。
NS5Bポリメラーゼは肝炎ウイルスが増殖するために必要なタンパク質です。
このタンパク質が阻害されることにより、C型肝炎ウイルスは増殖することができなくなり、やがて死滅してしまいます。
海外では、ソバルディはC型肝炎ウイルス感染症治療薬として米国、EU を含め38カ国で承認されています(2014年12月)。
C型肝炎ウイルス感染者は、世界で約1億8000万人、日本では130万~240万人いると推定されています。
このうち約30%がセログループ2(genotype2) とされています。
Ghany MG et al, Diagnosis, management, and treatment of hepatitis C: an update.Hepatology, 49(4): 1335-1374, 2009
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hep.22759/epdf
Sievert W et al,A systematic review of hepatitis C virus epidemiology in Asia, Australia and Egypt.Liver Int, 31 Suppl 2: 61-80, 2011http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hep.22759/epdf
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1478-3231.2011.02540.x/epdf
C 型肝炎治療ガイドラインにおける2型 C 型慢性肝炎又は代償性肝硬変患者に対する治療として、ペグインターフェロン/リバビリン併用療法(24~48 週間)等が推奨されています。
ペグインターフェロンは週1回皮下投与が必要なので、通院が大変であったり、及びインターフェロン特有の副作用に耐えられず治療を断念せざるを得ないという事例があり、問題となっています。
そのため、日本国内の未治療患者さんの多くはインターフェロンをベースとする治療法に向かないか、又は自分のライフスタイルに合わずインターフェロン治療を希望しない患者さんです。
また、インターフェロンの副作用に耐えられず中止してしまった患者、又はインターフェロンをベースとする治療が効果がなかった患者さんについても、治療選択肢としての次の一手は限られてしまっていました。
これらの患者に対するあら治療選択肢として、注射の必要ない飲むだけでよい、ソバルディとコペガスの併用療法が承認されたのです。
日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会編, C 型肝炎治療ガイドライン,
http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c
Tanaka J et al, Sex- and age-specific carriers of hepatitis B and C viruses in Japan estimated by the prevalence in the 3,485,648 first-time blood donors during 1995-2000.Intervirology, 47(1): 32-40, 2004http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c
Asahina Y et al,Effect of aging on risk for hepatocellular carcinoma in chronic hepatitis C virus infection. Hepatology, 52(2): 518-527, 2010
ソバルディとコペガスの併用療法は、12週間での治療が可能なインターフェロンを使わない経口剤のみですむ治療法です。
国内臨床試験の結果、治療歴の有無及び代償性肝硬変の有無を問わず2型の C 型慢性肝炎及び C 型代償性肝硬変患者に対して、ソバルディとコペガスの併用療法は高い効果(SVR12率)が示されています。
貧血に注意しましょう。
国内臨床試験において、貧血やヘモグロビン減少の副作用の報告が15.7%(22/140例)に認められました。
ヘモグロビンの臨床検査値異常は、40.7%(57/140 例)に認められました。
ヘモグロビン値は、投与を開始すると減少し、その後投与期間を通して低い値を維持ましたが、投与をやめると、元の値に戻っていき、投与終了4週時点では投与前の値まで回復しました。
また、65 歳未満よりも、65 歳以上の高齢者でヘモグロビン値の変化量が大きくなる傾向が見られました。
臨床試験では貧血など発現時には、リバビリン(コペガス)の減量又は休薬の対応が行われました。
リバビリン(コペガス)の減量又休薬が治療効果に大きな影響を及ぼさないことが確認されています。
定期的に血液検査を行い、ヘモグロビン値等を経過観察した上で、もし貧血が起こった場合に減量、休薬等の適切な対応がなされるようにしておかなくてはなりません。
薬剤性貧血 - 医薬品医療機器総合機構
ソバルディ錠 400mg
[効能・効果]
セログループ 2(ジェノタイプ 2)の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変における
ウイルス血症の改善
[用法・用量]
リバビリンとの併用において、通常、成人にはソホスブビルとして 400mg を 1 日1 回、12 週間経口投与する。