2016年3月末をもって経過措置期間満了しました。
2016年4月から『チラーヂン末』という商品名での保険請求はできません。
1950年から65年以上使われたお薬。
2016年4月から『チラーヂン末』という商品名での保険請求はできません。
1950年から65年以上使われたお薬。
東日本大震災のとき、品薄になってテンヤワンヤしたのを思い出します。
甲状腺ホルモン製剤には
乾燥甲状腺末「チラーヂン末」と
レボチロキシン(T4)「チラーヂンS」
リオチロニン(T3)「チロナミン」
の3種類があります。
T4は体の中で脱ヨウ素化されてT3となり効力を発揮します。
T4製剤は最高血中濃度6~7時間、半減期が7日間ととても長くゆっくりじっくり効果を示し、甲状腺ホルモン血中濃度も維持しやすいのが特徴です。
T3製剤はT4製剤に比べて腸管からの吸収がよく、とてもはやく効果を示すのですが、半減期が短く効果が長続きせず、副作用が出やすいとされています。
乾燥甲状腺末は動物の甲状腺をすり潰して粉末にしたもので、T4/T3含有比が 3~5 と一定ではありません。
そのため、現在では殆ど使われていません。
現在、甲状腺機能低下症治療ではT4製剤が用いられることが多いです。
販売中止の理由は明らかにはされていませんが、上記のように、使用量が減ってきた。また、原料の調達が困難になってきた、ということが考えられます。
T4で効果がイマイチな人が、チラーヂン末に替えみたら、調子が良くなったという方もいらっしゃいます。
いまだに、チラージン末の処方箋も見ますし、販売中止は残念です。
代替薬には・・・
T4製剤のチラーヂンS錠、チラージンS散か
T3製剤のチロナミン錠
があります。
慢性甲状腺炎の適応はT4になく、甲状腺機能障害による習慣性流産及び不妊症の適応はT4,T3にありません。
しかし、臨床上は甲状腺機能低下症の治療の範疇に含まれますので、甲状腺ホルモン補充療法としてT4製剤およびT3製剤は代替可能と考えられます。
切替え時の投与量の目安
一律に換算量を定めることはできません。
臨床症状・検査値をみながら患者ごとの対応が必要です。
目安は以下のとおりです。
一般名 乾燥甲状腺 レボチロキシン(T4) リオチロニン(T3)
商品名 チラーヂン末 チラーヂンS錠/散 チロナミン錠
40mg~60mg 100μg 25μg
SBクリエイティブ株式会社 (2014-03-03)