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2014年11月19日水曜日

チアシードではやせない



チアシードはチアというシソ科植物の種です。


チアは中央アメリカ原産の1年草で、高さ約1 mに生長し、白または紫色の小さな花をつけます。


チアシードは直径約1 mm、黒または灰色の卵型をしています。


古代アステカで食用として用いられていたといわれています。


俗に「ダイエットによい」「抗酸化によい」「血圧によい」などと言われています。


しかし、ヒトにおける有効性についてはデータはありません。


一方、肥満には効果が無いというデータが報告されています。


過体重または肥満の閉経後女性56名 を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、粉砕または全粒のチアシード1日25 gを10週間摂取させました。


けれども、BMI、体脂肪率、血糖値、血清コレステロール、C反応性蛋白、血漿中炎症マーカー (IL-6、TNF-α、IL-8、IL-10) 、収縮期血圧、脈波増大係数に影響は認められませんでした。


Nieman DC et al,(2012)Chia seed supplementation and disease risk factors in overweight women: a metabolomics investigation.J Altern Complement Med. ;18(7):700-8.
http://online.liebertpub.com/doi/abs/10.1089/acm.2011.0443


過体重または肥満の成人67名を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、1日500 kcalの減量とともに1日量として以下を含む食品を2ヶ月間摂取しました。

チアシード4 g、
大豆たんぱく質32 g、
乾燥ノパル7 g、
オートムギ22 g

血清トリグリセリド、C反応性蛋白濃度、インスリンAUCの低下が認められました。


しかし、その他の血中脂質や体格 (体重、BMI、腹囲、体脂肪率) 、血圧に影響は認められませんでした。

Guevara-Cruz M et al,(2012)A dietary pattern including nopal, chia seed, soy protein, and oat reduces serum triglycerides and glucose intolerance in patients with metabolic syndrome.J Nutr. ;142(1):64-9.
http://jn.nutrition.org/content/142/1/64.long



チアシードの安全性


短期間、適切に摂取した場合は安全だろうと考えられています。


しかし、妊娠中・授乳中に摂取した場合の安全性は、信頼できるデータが見当たりません。


したがって食べるのはやめたほうがよいでしょう。


胃腸疾患または低血圧の患者さんの摂取は危険性があるといわれています 。


サルビア属の植物(セージ)にアレルギーのある人や、ゴマやカラシナ種子にアレルギーのある人では、おそらく危険と思われます。



ワルファリンの血中濃度に影響するかもしれません


チアと同属のタンジン (Salvia miltiorrhiza) の根がワルファリンの血中濃度に影響することが報告されています。

チアの根もワルファリンやシトクロムP450で代謝される医薬品の作用に影響を与える可能性があります。

ワルファリンを服用されている方は相互作用に注意が必要です。


“Chia.” Natural Medicines Comprehensive Database. Therapeutic Research Faculty, 2013. 8 November 2013.



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