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2014年10月23日木曜日

検体測定室において自己採血を行う際の感染防止等衛生管理の徹底等について



検体測定室に関するガイドラインについて」は、平成26年4月9日医政発第0409第4号厚生労働省医政局長通知により発出されました。当該ガイドラインに係る標記疑義解釈について、平成26年6月18日厚生労働省医政局指導課医療関連 ...
検査値から「糖尿病かもしれません」などと言ってしまうと医師法に抵触してしまいます。 他、注意したい点は、必要な書類帳簿が多いことです。 台帳を4種類。 手順書1種類。 作業書を1種類作成しなくてはいけません。 検体測定室に関するガイドライン.


2014年10月21日厚生労働省医政局地域医療計画課長から
「検体測定室において自己採血を行う際の感染防止等衛生管理の徹底等について」
という通知が各検体測定室運営責任者宛に出されました。



2014年、血糖値や中性脂肪などの生化学的検査を
届出を出した薬局など民間業者が行うことが可能になりました。
しかし、一部の薬局等でガイドラインを遵守せず
衛生管理が不徹底な事例が見受けられたそうです。

そのため、衛生管理の徹底と、自己点検を行うよう求めた通知です。


検体測定室における感染防止等衛生管理の徹底
不適切事例として、ディスポ用の穿刺針を装着する穿刺器具を使用していたそうです。
これでは、誤って複数人が使い回しをしてしまう恐れがあります。
不適切な器具の例
メディセーフ  
ファインタッチ  
メディセーフファインタッチプロ 
アキュチェックセミディスポ
ナチュラレットEZデバイス 
ワンタッチペン 
ニプロセーフティーライトショットⅡ 
ジェントレット 
ジェントレットⅡ 
ファストクリックス  
ソフトクリックスプラス 
マイクロレット2  
イージータッチ 
マルチランセットS  
ワンタッチウルトラソフト 
ニプロフリースタイル
ライトショットミニ 
ニプロライトショットスリム 
エースレットⅡ 
ファインレット


穿刺針の単回使用を徹底するため、1回使い捨てタイプの使用を徹底しましょう。
1回使い捨てタイプの穿刺針
メディセーフファインタッチディスポ 
セーフティプロプラス 
セーフティプロウノ 
BD セーフティランセット 
ポケットランセット 
ナチュラレット ディスポ 
ニプロLSランセット 
ニプロSPランセット 
アイピット


検体測定室は商品の陳列棚と一体化した場所に設置されている事例が
見受けられたそうです。(ショーケース型カウンターの上など)
飛沫感染防止の観点から好ましくありません。個室等を用意するようにしましょう。



検体測定室ガイドライン通知の遵守状況に関する自己点検等の実施
検体測定室に関するガイドライン通知の遵守事項について、自己点検を実施し、
厚生労働省の用意した専用のエクセルファイルに回答して
平成26年11月30日までにk-sokutei@mhlw.go.jp宛に報告しなくてはいけません。


次回報告の日程は不明です。


自己点検項目から検体測定室の遵守事項を確認してみましょう。


(測定に際しての説明) 
測定に当たっては、運営責任者が受検者に対して以下の11個の事項を明示して
口頭で説明しなくてはいけません。さらに説明内容の同意を得て承諾書を徴収すること。
 ① 測定は、特定健康診査や健康診断等ではないこと
    (特定健康診査や健康診断の未受診者には受診勧奨をしていること)

 ② 検体の採取及び採取前後の消毒・処置については、受検者が行うこと

 ③ 受検者の服用薬や既往歴によっては、止血困難となり、
   測定を行うサービスを受けられない場合があること
   (このため、運営責任者は受検者に抗血栓薬の服用の有無や
   出血性疾患の既往歴の有無をチェックリストで確認し、
   これらの事実が確認された場合はサービスの提供を行わないこと)
   また、採血は受検者の責任において行うものであるため、
   出血・感染等のリスクは、基本的に受検者が負うものであること。
 
 ④ 自己採取及び自己処置ができない受検者はサービスを受けられないこ

 ⑤ 採取方法(穿刺方法)、採取量(採血量)、測定項目及び測定に要する時間

 ⑥ 体調、直前の食事時間等が測定結果に影響を及ぼすことがあること

 ⑦ 検体の測定結果については、受検者が判断するものであること

 ⑧ 検体測定室での測定は診療の用に供するものではないため、
   受検者が医療機関で受診する場合は改めて
   当該医療機関の医師の指示による検査を受ける必要があること

 ⑨ 穿刺による疼痛や迷走神経反射が生じることがあること

 ⑩ 受検者が自己採取した検体については、
   受検者が希望した測定項目の測定以外には使用しないこと

 ⑪受検者からの問い合せ先(検体測定室の電話番号等)


(測定項目)
測定の項目については、特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準
(平成19年厚生労働省令第157号)第1条第1項各号に掲げる項目の範囲内でなくてはいけません。
【項目範囲】 
  • AST(GOT) 
  • ALT(GPT)  
  • γ-GT(γ-GPT) 
  • 中性脂肪(TG) 
  • HDLコレステロール 
  • LDLコレステロール 
  • 血糖 
  • HbA1c
 

(測定結果の報告) 
測定結果の報告は、測定値と測定項目の基準値しか認められません。


(地域医療機関等との連携等)
(1)測定結果が基準の範囲内であるか否かに拘わらず、
 特定健康診査や健康診断の受診勧奨を行うこと。
(2)受検者から測定結果による診断等に関する質問等があった場合でも、
 検体測定室の従事者が回答してはいけません。かかりつけ医への相談等をするよう助言しましょう。


(広告の規制)
診察、診断、治療、健診等の紛らわしい広告を行ってはいけません。


(衛生管理)
(1)医療機関に準じた取扱いとし、従業員は標準予防策、手指衛生、職業感染防止、環境整備、
 機器の洗浄・消毒・滅菌、感染性廃棄物の処理を適切に行うことを徹底しなければいけません。
 例えば、全ての患者に対して感染予防策のための、手洗い、手袋やマスクの着用等。
 「医療機関等における院内感染対策(平成23年6月17日医政指発0617第1号厚生労働省
 医政局指導課長通知)」に規定する「標準予防策」を参考にすること。

(2)感染防止対策委員会の設置や感染対策マニュアルの整備等を行い、運営責任者は感染防止に取り組むこと。
 また従業員がいる場合、従業員に感染防止について徹底した教育を行うこと。


(穿刺箇所への処置に係る物品)
血液採取前後の消毒や絆創膏等の自己処置のための物品を常備しなくてはいけません。


(穿刺部位)
穿刺器具による穿刺については、手指に行わせること。


(穿刺器具)
(1)穿刺器具全体がディスポーザブルタイプ(単回使用のもの)のものを使用すること。
 ※ディスポ用の穿刺針を装着する穿刺器具は、検体測定室では使用できません。

(2)受検者に対し、穿刺器具は器具全体が1回使い捨てであることを知らせなければいけません。


(穿刺器具等の血液付着物の廃棄について)
(1)穿刺器具の処理については、危険防止の観点から堅牢で耐貫通性のある容器に入れて排出すること。

(2)血液付着物の廃棄については、
 「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」(平成24年5月環境省作成)に基づき
 医療関係機関等から感染性廃棄物を排出する際に運搬容器に付けることとされている
 バイオハザードマークの付いた容器を原則利用しなくてはなりません。


(検体の取扱い)
受検者が自己採取した検体について、受検者が希望した測定項目の測定以外には使用してはいけません。


(運営責任者)
(1)検体測定室ごとに、運営責任者が常勤していること。

(2)測定に際しての説明及び測定結果の受検者への報告については、運営責任者が行うこと。

(3)運営責任者は、受検者に対し、資格及び氏名を明示すること。

(4)運営責任者は測定業務に従事する者等に検体測定室に関するガイドラインを遵守させること。


(精度管理)
(1)測定機器の製造業者が示す保守・点検を実施すること。

(2)複数人の検体を一度に測定してはいけません。


(測定業務に従事する者)
測定業務に従事する者は、医師、薬剤師、看護師又は臨床検査技師です。


(運営責任者の業務を補助する者)
(1)運営責任者の下で実務研修の後に業務を従事させること。

(2)運営責任者の業務を補助する者は、受検者に対し、補助者であること及び氏名を明示すること。


(検体測定室の環境)
(1)飲食店等容器包装に密封されていない食品を取り扱う場所や
 公衆浴場を営業する施設の一角で行う場合には、検体測定室として専用場所を別室で設置すること。

(2)上記以外の場所や施設を検体測定室としている場合、
 個室又は衝立等で他の場所と明確に区別するとともに、検査を行うために十分な場所を確保すること。

(3)十分な照明の確保、防塵、防虫、換気・防臭、騒音防止等の措置を講じること。

(4)測定用機械器具等に影響がないよう、直射日光や雨水の遮蔽等について対処すること。


(研修)
運営責任者は業務に従事する者に、内部研修等を受講させなければいけません。


(個人情報保護)
(1)受検者の個人情報については、「個人情報の保護に関する法律」及び
 「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」により、
 適正に取り扱かうこと。

(2)測定結果については、受検者の同意を得ずに、保管・利用してはいけません。


(急変への対応等)
(1)受検者の急変に対応できるよう、物品(飲料水、簡易なベッド等)を常備すること。

(2)救急隊への通報体制について手順書を作成し、検体測定室内に掲示すること及び
 近隣の医療機関の把握等により医療機関との連携を図る体制を整備すること。

(3)施設の開設等に当たり地域医療機関等に対し事前に協力依頼を行うこと。


(測定用機械器具等)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づき
承認された測定器具及び測定試薬を使用すること。
また、関係法令を遵守し、適切に保管・管理をしなければいけません。


(標準作業書)
(1)測定機器保守管理標準作業書に次の事項を掲載していますか。
 ①常時行うべき保守点検の方法
 ②定期的な保守点検に関する計画
 ③測定中に故障が起こった場合の対応(検体の取扱いを含む。)に関する事項
 ④作成及び改訂年月日

(2)測定標準作業書に次の事項を掲載すること。
 ①測定の実施方法
 ②測定用機械器具の操作方法
 ③測定に当たっての注意事項
 ④作成及び改定年月日


(作業日誌)
標準作業書に従い、次の作業日誌を記録しなければいけません。
 ①測定機器保守管理作業日誌
 ②測定作業日誌


(台帳)
(1)測定受付台帳は、受検者の氏名、連絡先等を記録すること。

(2)使用測定台帳は、測定器械器具の名称、製造者、型番、設置日、修理及び廃棄を記録すること。

(3)試薬台帳は、試薬の購入及び数量管理の記録をすること。

(4)精度管理台帳は内部・外部精度管理調査の結果を20年間分の保管すること。


(その他)
(1)医療機関から検体の測定を受託してはいけません。

(2)検体の測定は受検者から直接受託すること。

(3)事業者(従業員)は、受検者が行う血液の採取を手伝ってはいけません。

(4)検体測定室と分かる表示をしましょう。

(5)測定結果をふまえた物品の購入の勧奨を行ってはいけません。

(6)検体測定室内において、検査結果を踏まえOTC医薬品やサプリメントを勧める旨の掲示を行ってはいけません。